第9回来日:1990年11月
ヘルマン・プライ(Hermann Prey)(BR)
レナード・ホカンソン(Leonard Hokanson)(P)
東京フィルハーモニー交響楽団(Tokyo Philharmonic Orchestra)
NHK交響楽団(NHK Symphony Orchestra)
佐藤功太郎(Kotaro Sato)(C)
ヴァーツラフ・ノイマン(Václav Neumann)(C)
11月2日(金)19:00 秋田:アトリオン音楽ホール:プログラムA
11月3日(土)18:00 甲府:山梨県民文化ホール:プログラムA
11月5日(月)18:45 水戸:水戸芸術館:プログラムA
11月6日(火)19:00 横浜:神奈川県立音楽堂:プログラムA
11月8日(木)19:00 大阪:ザ・シンフォニーホール:プログラムA
11月10日(土)13:30 大阪:金蘭短期大学佐藤講堂:プログラムA
11月12日(月)19:00 東京:サントリーホール:プログラムB
11月15日(木)19:00 東京:NHKホール:NHK交響楽団第1125回定期演奏会
11月16日(金)19:00 東京:NHKホール:NHK交響楽団第1125回定期演奏会
11月19日(月)19:00 東京:サントリーホール:プログラムA
11月22日(木)19:00 東京:サントリーホール:プログラムC
●プログラムA 共演:レナード・ホカンソン(P)
シューベルト(Schubert)/<冬の旅>(Winterreise)D911
(おやすみ/風見/凍った涙/氷結/ぼだい樹/雪どけの水流/凍った川で/かえりみ/鬼火/休息/春の夢/孤独/郵便馬車/霜おく頭/からす/最後の希望/村で/あらしの朝/まぼろし/道しるべ/宿/勇気/幻の太陽/辻音楽師)
●プログラムB 共演:レナード・ホカンソン(P)
シューマン(Schumann)/<12の詩>(12 Gedichte)Op. 35
(あらしの夜のたのしさ/愛と歓びは捨て去るのです/旅するよろこび/はじめての緑/森への憧れ/亡き友の酒盃に寄す/さすらい/ひそかな愛/問い/ひそかな涙/だれがおまえを傷つけたのか/むかしのラウテ)
~休憩~
シューマン/<詩人の恋>(Dichterliebe)Op. 48
(うるわしい、妙なる五月に/ぼくの涙はあふれ出て/ばらや、百合や、鳩/ぼくがきみの瞳を見つめると/ぼくの心をひそめてみたい/ラインの聖なる流れ/ぼくは恨みはしない/花が、小さな花がわかってくれるなら/あれはフルートとヴァイオリンのひびき/かつてあのひとの歌ってくれた/ある若者がある娘に恋をした/まばゆく明るい夏の朝に/ぼくは夢のなかで泣きぬれた/夜ごとにぼくはきみの夢を見る/むかしむかしの童話の国から/いまわしい歌草を)
●プログラムC「オペラ・アリアの夕べ」 共演:東京フィルハーモニー交響楽団;佐藤功太郎(C)
モーツァルト(Mozart)作曲
<フィガロの結婚>序曲(<Le nozze di Figaro> Overture)
フィガロのアリア「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」(Non più andrai, farfallone amoroso)
モーツァルト作曲
<魔笛>序曲(<Die Zauberflöte> Overture)
パパゲーノのアリア「おいらは鳥刺し」(Der Vogelfänger bin ich ja)
モーツァルト作曲
<コシ・ファン・トゥッテ>序曲(<Cosi fan tutte> Overture)
グリエルモのアリア「彼に眼を向けなさい」(Rivolgete a lui lo sguardo)
ロルツィング(Lortzing)作曲
<密猟者>序曲(<Der Wildschütz> Overture)
伯爵のレシタティーヴォとアリア「やさしい朝の太陽はなんと晴れやかにかがやき」(Wie freundlich strahlt die holde Morgensonne)
クロイツァー(Kreutzer)作曲
<グラナダの夜営>より狩人のロマンス「ぼくは射撃手だ」(<Nachtlager in Granada> Ein Schütz' bin ich)
ワーグナー(Wagner)作曲
<タンホイザー>序曲(<Tannhäuser> Overture)
ヴォルフラムの歌「ああ!わたしのやさしい夕星よ」(O! du mein holder Abendstern)
ワーグナー作曲
<ニュルンベルグのマイスタージンガー>よりハンス・ザックスのモノローグ「にわとこのモノローグ」(<Die Meistersinger von Nürnberg> Flieder-monolog)
<ニュルンベルグのマイスタージンガー>前奏曲(<Die Meistersinger von Nürnberg> Prelude)
●NHK交響楽団第1125回定期演奏会 共演:NHK交響楽団;ヴァーツラフ・ノイマン(C)
マーラー/「亡き子をしのぶ歌」
マーラー/交響曲第1番ニ長調「巨人」
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ヘルマン・プライ9回目の来日は、前回から2年後の1990年。
ピアニストは1973年以来日本で共演していなかったレナード・ホカンソン(1931.8.13, Vinalhaven, Maine, US - 2003.3.21, Bloomington, Minnesota, US)が久しぶりに登場した。
オーケストラは初共演の佐藤功太郎(1944年東京生まれ)指揮、東京フィルハーモニー交響楽団が務めている。
曲目については、再び「冬の旅」がすべての地方で歌われ、1980年を除いてすべての来日公演で歌われたことになる。
私は「冬の旅」ではなく、サントリーホールで1回だけ披露されたシューマン歌曲の夕べ(11月12日)を聴きに行った。
「詩人の恋」は1971年に日本公演で披露していたが、ユスティーヌス・ケルナーによる「12の詩」は彼にとって日本初披露である。
「はじめての緑」や「だれがおまえを傷つけたのか」「むかしのラウテ」などは単独でもよく歌われる曲であるし、プライも80年代にDENONレーベルにホカンソンと12曲まとめて再録音していた。
この時も安いP席(舞台後ろ側の席)で聴いたのだが、プライの歌うシューマンを生で聴くのはこの時がはじめてだった。
この演奏会のころはすでに感想メモを取らなくなっていたので、どのような演奏だったのかはっきりとは思い出せない。
ただ、ホカンソンの実演を聴いたのははじめてで(同時に最後になってしまったが)、弾く姿をかなり間近で見れた記憶が残っている。
ところで、ホカンソンだが、現在もご健在で悠々自適な生活を送っているのだろうと思いこんでいたのだが、実はすでに亡くなっていて、今年が没後5年ということを最近知った。
当時音楽メディアでは報道されたのだろうか、そうだとしたら私が見過ごしていただけなのだが。
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