ブラームス「夕闇が上方から垂れ込め(Dämmrung senkte sich von oben, Op. 59, No. 1)」を聴く

Dämmrung senkte sich von oben, Op. 59, No. 1
 夕闇が上方から垂れ込め

Dämmrung senkte sich von oben,
Schon ist alle Nähe fern;
Doch zuerst emporgehoben
Holden Lichts der Abendstern!
Alles schwankt in's Ungewisse,
Nebel schleichen in die Höh';
Schwarzvertiefte Finsternisse
Widerspiegelnd ruht der See.
 夕闇が上方から垂れ込め
 近くにあったあらゆるものがすでに遠い。
 だが最初に空に上がるのは
 夕星の優しい光!
 すべてが定かならぬ中にゆらめき
 霧は丘へとそっとのぼる、
 濃い暗闇を映して
 湖は静止している。

[Nun]1 [am]2 östlichen Bereiche
Ahn' ich Mondenglanz und Gluth,
Schlanker Weiden Haargezweige
Scherzen auf der nächsten Fluth.
Durch bewegter Schatten Spiele
Zittert Luna's Zauberschein,
Und durch's Auge [schleicht]3 die Kühle
Sänftigend in's Herz hinein.
 今や東方に
 月の赤い輝きをほのかに感じる。
 ほっそりとした柳の、毛のごとき細枝は
 近くの大河の上でじゃれている。
 動く影の戯れによって
 月の魅惑的な明かりが震え、
 目を通って冷気が
 慰撫しながら心に忍び込む。

1 Diepenbrock: "Dort,"
2 some recent editions of Goethe's work have "im"
3 Grimm: "zieht"

詩:Johann Wolfgang von Goethe (1749-1832), no title, appears in Chinesisch-deutsche Jahres- und Tageszeiten, no. 8

曲:Johannes Brahms (1833-1897), "Dämmrung senkte sich von oben", op. 59 (Acht Lieder und Gesänge) no. 1 (1871), published 1880 [ low voice and piano ], Leipzig, Rieter-Biedermann

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ゲーテは1827年にヴァイマル近郊の別荘で1ヵ月近く過ごし、その際に「中国風ドイツ歴(Chinesisch-deutsche Jahres- und Tageszeiten)」という14編からなる連詩の多くを書きます。その8番目に置かれたのが、この「夕闇が上方から垂れ込め(Dämmrung senkte sich von oben)」です。

主人公は木々の茂る湖のほとりにいて、日が落ちるにつれ、これまではっきり見えていたものが徐々にぼんやりとし始めます。夜霧も立ち込め、湖に目をやると星の光がゆらゆらと揺れます。月が姿をあらわし、柳の枝が湖面に触れて戯れている間からその月の光が差し込み、夜の冷たい空気が主人公の目に心地よい慰めをもたらし、心にしみわたるという内容です。

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ブラームスは3/8拍子で作曲しました。ゲーテの詩が各行、強弱強弱...と規則的に繰り返していく為、ブラームスも詩のリズムに合わせて、基本的には強音節を4分音符、もしくは8分音符2つ分にあてて、弱音節を8分音符にしています。テキストの区切り(例えば第1節の第4行、第8行)の最後の3音節は音価を2倍にしてフレーズがいったん終わることを印象付けます。

ピアノ前奏は右手の8分音符2つ+8分休符と左手のバス音で、静かに夕闇が帳を下すさまを描いているかのようです。歌が始まってもしばらくはこの音型が続きますが、第3行で星の光が出てくるくだりで右手がシンコペーションのリズムになり、左手のリズムと交互に刻むことで静謐な中に動きが感じられます。

第1節の前半4行が終わるとピアノの右手が十六分音符の旋律的な音型を奏で、左手と交代しながら歌の対旋律のような響きとなります。ここは霧の中を手探りで歩いているようなイメージでしょうか。
その後、再び、右手と左手のリズムのずれる音型で第1節を締めます。

第2連への橋渡しとなる間奏は前奏の音楽が再び使われますが、間奏の締めくくりで短2度(ト(g)と変イ(as))の不協和な響きがあらわれ、聞き手を驚かせます。

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第1節では歌声部は不安定な逡巡を感じさせる進行が多かったのですが、第2節の最初の2行、月が出るくだりでは上行していきます。
その後再び第1節のような逡巡するような上下の動きに戻りますが、5行目で調号がこれまでのフラット2つからシャープ1つになり、ト長調の響きに代わります。ここから最後まで、夜の冷気が主人公を癒すというテキストを反映するかのように穏やかさを保ったまま曲を締めくくります。

最後の"Herz hinein"は2種類の旋律があり、1回目の"Herz hinein"の進行から考慮すると、低く下がっていく方の旋律がブラームスの本来の意図に近いのかもしれません。低いト音(g)は高声歌手にはきついというブラームスの思いやりでおそらく上行して1オクターブ上のト音に向かうヴァリアントが追加されたものと想像されます。ただ、個人的な意見ですが、ここは上行していく旋律の方が聞いていて魅力的に感じられました。シューマンの楽譜などではヴァリアントは小さい音符で書かれていたりしますが、このブラームスの旧全集では音符の大きさの違いがなく、ブラームスはどちらでもいいよと言っているのかもしれません。

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3/8拍子
ト短調(g-moll)
Langsam(ゆっくりと)

●詩の朗読(ユルゲン・ゴスラー)
JOHANN WOLFGANG VON GOETHE - DÄMMRUNG SENKTE SICH VON OBEN (Rezitation: Jürgen Goslar)

速めの朗読で若干追いにくいかもしれませんが、朗読者の息遣いや表現を味わうのも興味深いと思います。

●エリー・アーメリング(S), ルドルフ・ヤンセン(P)
Elly Ameling(S), Rudolf Jansen(P)

私はこの曲をアーメリング&ヤンセンの津田ホールでのリサイタルで初めて聞き、その後Hyperionに録音されたCDで繰り返し聞いて、渋さの中の魅力を教えてもらった思い出の演奏です。どの言葉も音もなおざりにすることない細やかなアーメリングの歌唱とヤンセンのどこまでも彼女の意図とぴったり一致したピアノに感銘を受けます。

●マルリス・ペーターゼン(S), シュテファン・マティアス・ラーデマン(P)
Marlis Petersen(S), Stephan Matthias Lademann(P)

ペーターゼンのアンニュイな響きが魅力的です。ラーデマンのピアノも歌と一体になって情景を描いていました。

●ロベルト・ホル(BSBR), ルドルフ・ヤンセン(P)
Robert Holl(BSBR), Rudolf Jansen(P)

ホッターの弟子でもあったホルは深々とした響きで、黄昏時の雰囲気を見事に表現していました。

●スィルヴィア・シュリューター(CA), ルドルフ・ヤンセン(P)
Sylvia Schlüter(CA), Rudolf Jansen(P)

シュリューターのコントラルトの響きが日の沈む時間帯の様子を落ち着いて表現していました。上記のアーメリングとホルの音源でもピアノを弾いているルドルフ・ヤンセンの、それぞれのオランダ人歌手に応じた優れた表現を聞き比べてみるのも一興かと思います。

●ハンス・ホッター(BSBR), ミヒャエル・ラウハイゼン(P)
Hans Hotter(BSBR), Michael Raucheisen(P)

30代のホッターはすでに深みもありますが、声の艶が美しいですね。

●ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(BR), ダニエル・バレンボイム(P)
Dietrich Fischer-Dieskau(BR), Daniel Barenboim(P)

渋みを増した時期のF=ディースカウの歌唱と、バレンボイムの二重奏のようによく歌うアンサンブルは、この作品の魅力を見事に引き出していたと思います。

●ファニー・ヘンゼル・メンデルスゾーン作曲による「夕闇が上方から垂れ込め」
[Fanny Mendelssohn-Hensel]: Dammrung senkte sich von oben (Dusk Sinks from Above)
Christina Hogman(S), Roland Pöntinen(P)

メンデルスゾーンの姉ファニーは優れた歌曲を書いています。この作品も静謐な響きが美しいです。

●オットマー・シェック作曲による「夕闇が上方から垂れ込め」
Schoeck: 8 Lieder nach Gedichten von Goethe, Op. 19a - No. 2, Dämmrung senkte sich von oben
Dietrich Fischer-Dieskau(BR), Margrit Weber(P)

スイスの作曲家シェックによる作品です。ピアノの細かい音型は星や月がちらちら輝いているさまをあらわしているのでしょうか。

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(参考)

The LiederNet Archive

IMSLP (楽譜)

ゲーテ全集 2 詩集 新装普及版(1980年初版、2003年新装普及版発行 潮出版社)松本道介他9名訳(※「Dämmrung senkte sich von oben(夕やみがおりてきた)」の訳は内藤道雄)

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ブラームス/「打ち勝ちがたい(Unüberwindlich, Op. 72/5)」を聞く

Unüberwindlich, Op. 72/5
 打ち勝ちがたい

Hab' ich tausendmal geschworen
Dieser Flasche nicht zu trauen,
Bin ich doch wie neugeboren,
Läßt mein Schenke fern sie schauen.
 私は千回も誓った、
 この酒瓶を信用しないと、
 だが私は生まれたばかりのようになってしまう、
 私の酌人が遠くから瓶を見せてくると。

Alles ist an ihr zu loben,
Glaskristall und Purpurwein;
Wird der Propf herausgehoben,
Sie ist leer und ich nicht mein.
 すべては酒瓶をほめたたえるためのもの、
 クリスタルガラスに深紅のワイン、
 栓が抜かれると、
 瓶は空になり、私は自分を見失ってしまう。

Hab' ich tausendmal geschworen,
Dieser Falschen nicht zu trauen,
Und doch bin ich neugeboren,
Läßt sie sich ins Auge schauen.
 私は千回も誓った、
 この不実な女を信用しないと、
 だが私は生まれたての赤子になってしまう、
 この不実な女が目に入ると。

Mag sie doch mit mir verfahren,
Wie's dem stärksten Mann geschah.
Deine Scher' in meinen Haaren,
Allerliebste Delila!
 私に振る舞うというのならそうすればいい、
 最強の男の身にふりかかったように。
 おまえのはさみを私の髪に入れればいいさ、
 最愛のデリラよ!

詩:Johann Wolfgang von Goethe (1749-1832), "Unüberwindlich", first published 1860
曲:Johannes Brahms (1833-1897), "Unüberwindlich", op. 72 (Fünf Gesänge) no. 5 (1875), published 1877 [voice and piano], Berlin, Simrock

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ブラームスの歌曲はともすると晦渋でとっつきにくいと思われがちですが、この曲を聴けば考えが変わるかもしれません。
ゲーテのテキストによる「打ち勝ちがたい(Unüberwindlich, Op. 72/5)」は、酒と女を断とうと誓ったのに結局その誘惑に打ち勝てなかった男の告白がユーモラスに描かれています。

ゲーテは、旧約聖書の士師記13章〜16章に登場するサムソンの話に関心を持っていて、ヘンデルのオラトリオ『サムソン』も知っていたということです(HyperionレーベルのGraham Johnsonによる解説による:リンクをクリックすると解説書のPDFがダウンロードされます。この曲の解説は22~23ページです)。この詩の最後にデリラ(Delila)という女性の名前が出てきますが、彼女はサムソンの妻で、第4連2行目の最強の男(dem stärksten Mann)であるサムソンの弱点が髪にあることを本人から聞き、寝ている間に髪を剃り、ペリシテ人に売り渡すという聖書の記述に基づいています(サン=サーンスのオペラ『サムソンとデリラ(Samson et Dalila)』ではその話が描かれています)。この詩の第4連3行目「私の髪におまえのはさみを入れればいいさ(Deine Scher' in meinen Haaren)」というのは、弱点をさらして彼女の誘惑に逆らう心を自ら差し出してしまうわけですね。酒と女に打ち勝つと千回(tausendmal)も誓ったのに結局その沼から抜け出す気持ちは毛頭ないということが分かります。

ブラームスはこの歌曲を1875/6にヴィーンで作曲し、作品72の5曲目として1877年7/8月に出版されました。

ピアノの前奏の冒頭左手パートに「D.Scarlatti」と記載されていますが、ブラームスはこの箇所にドメニコ・スカルラッティのソナタ ニ長調, K. 223, L. 214(Sonata in D major, K. 223, L. 214)の冒頭を移調して引用しています。

ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ ニ長調, K. 223, L. 214(冒頭)

Scarlatti-sonata-k-223 

歌の冒頭も、スカルラッティの冒頭9音分の上下を再現しています(隣り合った音の音程は完全に同じではないですが、上下関係は一緒です)。
Unuberwindlich 

スカルラッティのソナタでは、この部分は冒頭にしかあらわれないのに対して、ブラームスはピアノ前奏、歌の冒頭と、さらに第2連、第4連の3行目でも引用し、しかも歌の冒頭箇所と違い、第2連、第4連の歌声部は隣り合った音の音程関係もスカルラッティの引用元と一致しています。何故この曲を引用したかについては分かりませんでした。ブラームスのお気に入りだったのでしょうか。
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曲の形式はA-B-A'-Bで、A'は前半がAの前半と異なり(後半2行はほぼ一緒です)、後半はAと一緒です。A'の直前のピアノパートに突然現れる左手バス音2つは、私の印象では裁判官が「静粛に」と言いながら打つ木槌のように感じました。

アッラ・ブレーヴェ (2/2拍子)
イ長調(A-dur)
Vivace

●ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ ニ長調, K. 223, L. 214
Domenico Scarlatti: Sonata in D major, K. 223, L. 214
スコット・ロス(Harpsichord)
Scott Ross(Harpsichord)

引用元のD.スカルラッティのソナタを聞いてみましょう。早世したスコット・ロスはD.スカルラッティの膨大な鍵盤楽器作品の全集を残しています。

●ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(BR), ダニエル・バレンボイム(P)
Dietrich Fischer-Dieskau(BR), Daniel Barenboim(P)

歌、ピアノともにただただ脱帽の超名演!3連2行目の"Falschen(不実な女)"のディースカウの歌いぶりに注目してほしいです。

●テオ・アーダム(BR), ルドルフ・ドゥンケル(P)
Theo Adam(BR), Rudolf Dunckel(P)

アーダムのきっちりした持ち味と詩・曲のコミカルな要素が混ざり合い、ユニークな味わいを醸し出しています。

●トーマス・クヴァストホフ(BR), ユストゥス・ツァイエン(P)
Thomas Quasthoff(BR), Justus Zeyen(P)

クヴァストホフは豊かな響きで曲のコミカルさを自然に表現していたと思います。

●アンドレアス・シュミット(BR), ヘルムート・ドイチュ(P)
Andreas Schmidt(BR), Helmut Deutsch(P)

シュミットは真面目なキャラクターでまっすぐ表現しています。ドイチュの雄弁なピアノが素晴らしいです。

●マック・ハレル(BR), ブルックス・スミス(P)
Mack Harrell(BR), Brooks Smith(P)

マック・ハレル(1909-1960)は米国の往年のバリトン歌手で、私は初めて聞きましたがなかなかいいですね。J.ハイフェッツやR.リッチなど楽器奏者との共演のイメージが強いブルックス・スミスが歌手と共演した貴重な録音です。

●ジュリア・ブライアン(CA), ノエル・リー(P)
Julia Brian(CA), Noël Lee(P)

2004年録音。この曲の女声による歌唱は珍しいと思います。故ノエル・リーはソロも器楽アンサンブルも歌曲も満遍なく演奏するオールラウンダーでした。

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(参考)

The LiederNet Archive

IMSLP (楽譜)

IMSLP:Keyboard Sonata in D major, K.223 (Scarlatti, Domenico)

Hyoerion Records: The Complete Songs, Vol. 6 - Ian Bostridge

Hyoerion Records: グレアム・ジョンソン(Graham Johnson)の解説書(PDFファイル)

サムソン(Wikipedia)

デリラ(Wikipedia)

サムソン (ヘンデル)(Wikipedia)

サムソンとデリラ (オペラ)(Wikipedia):サン=サーンスのオペラ

士師記(Wikipedia)

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シューベルト/ムーサの息子(ミューズの子)(Der Musensohn, D 764)

Der Musensohn, D 764
 ムーサの息子(ミューズの子)

Durch Feld und Wald zu schweifen,
Mein Liedchen wegzupfeifen,
So gehts von Ort zu Ort!
Und nach dem Takte reget,
Und nach dem Maß beweget
Sich alles an mir fort.
 野や森を超えてさすらい、
 僕の歌を口笛で吹きながら
 あちこちと歩いていく!
 拍子を取って進み、
 僕の歩幅で動くんだ、
 僕のそばを通り過ぎるものはみんな。

Ich kann sie kaum erwarten,
Die erste Blum' im Garten,
Die erste Blüt' am Baum.
Sie grüßen meine Lieder,
Und kommt der Winter wieder,
Sing' ich noch jenen Traum.
 僕はほとんど待ちきれないぐらいだ、
 庭に最初に咲く花や、
 木に最初に開く花がね。
 それらに僕の歌が挨拶し、
 また冬がやってくると、
 僕はまだあの夢を歌っているというわけ。

Ich sing' ihn in der Weite,
Auf Eises Läng' und Breite,
Da blüht der Winter schön!
Auch diese Blüte schwindet,
Und neue Freude findet
Sich auf bebauten Höhn.
 僕は彼方で歌う、
 長く広がる氷の上で、
 そこは冬が美しく花開いている!
 この花が消えても
 新たな喜びが
 耕された丘の上に見つかるんだ。

Denn wie ich bei der Linde
Das junge Völkchen finde,
Sogleich erreg' ich sie.
Der stumpfe Bursche bläht sich,
Das steife Mädchen dreht sich
Nach meiner Melodie.
 というのも、僕がシナノキのそばで
 若い連中を見つけるやいなや
 彼らを掻き立てるのさ、
 さえない兄(あん)ちゃんはいきり出し、
 ぎこちない娘はぐるぐる回る、
 僕のメロディーに合わせて。

Ihr gebt den Sohlen Flügel
Und treibt, durch Thal und Hügel,
Den Liebling weit von Haus.
Ihr lieben holden Musen,
Wann ruh' ich ihr am Busen
Auch endlich wieder aus?
 あなたがたはこの足裏に翼を授け、
 谷や丘を渡るように
 お気に入りの僕を家からはるばる引きずり出す。
 いとしいムーサたちよ、
 僕があの娘(こ)の胸で
 ようやくまた休めるのはいつになるのだろう。

詩:Johann Wolfgang von Goethe (1749-1832), "Der Musensohn", written 1774, first published 1800
曲:Franz Peter Schubert (1797-1828), "Der Musensohn", op. 92 (Drei Lieder) no. 1, D 764 (1822), published 1828 [ voice, piano ], M. J. Leidesdorf, VN 1014, Wien

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シューベルトの歌曲の中でもとりわけ人気の高い「ミューズの子(ムーサの息子)D764, Op. 92-1」は、ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテのテキストに1822年12月に作曲されました。A-B-A-B-Aの簡潔な形式ですが、一番最後のAの締めくくり「あの娘(こ)の胸でようやくまた休めるのはいつ?」の「胸(Busen)」でリタルダンドが指示されているのが後ろ髪を引かれるような感じで印象的です。この部分をどのように歌い演奏するかも聴きどころの一つではないでしょうか。Aのト長調とBのロ長調が交互に現れるのですが長3度上下という遠い関係の転調(シューベルトはこの長3度の転調を好んだようです)ですが、歌声部の開始音がどちらもH音で、雰囲気ががらっと変わりながらも自然につながっていくところが素晴らしいと思います。

シューベルトの歌曲について、詩、曲それぞれの成立状況やオリジナルの資料へのリンクの他、サイト用に録音された演奏も聞けるようにしている"Schubertlied.de"というサイトの情報の充実ぶりは驚きです!シューベルト歌曲ファンの方はぜひご覧ください(トップページはこちら、「ムーサの息子」はこちら)。

『ゲーテ全集 1』(新装普及版)(2003年 潮出版社)の訳者山口四郎氏の解説によれば、ゲーテの詩の成立は「1774年頃の作とする説もあるが、大方は1799年11月よりあまり早くない時期としている」とのことで、習熟度からして若い頃の作品ではないと指摘されています。わくわくするようなリズムが感じられますね。

ちなみにムーサというのはWikipediaによれば「技芸・文芸・学術・音楽・舞踏などを司るギリシア神話の女神」とのことで、複数います。その息子(Musensohn)はドイツ語で「詩人(Dichter)」を意味するそうです(DUDEN)。このゲーテの詩は、母親のムーサに翼を与えられた息子(詩人)が、あちこち野山を駆け巡り、歌声で周りのあらゆるものを活気づけるという内容です。

古今東西の歌曲歌手たちが録音していますが、マティス、ボニーのような歌曲の女神たちが録音していないのが残念です。テキストから男声用の作品と判断したからかもしれませんね。オッターは今のところスタジオ録音は残していませんが、動画サイトにライヴ映像がアップされています。興味のある方は検索してみて下さい。

●第1稿
変イ長調(As-dur)
6/8拍子
Ziemlich lebhaft (かなり生き生きと)

●第2稿
ト長調(G-dur)
6/8拍子
Ziemlich lebhaft (かなり生き生きと)

●詩の朗読(speaker: Susanna Proskura)
Schubert, Der Musensohn, pronunciation

●ヘルマン・プライ(BR), カール・エンゲル(P)
Hermann Prey(BR), Karl Engel(P)

この曲はプライの為にあると言ってもいいぐらいです!野山を駆け巡る天真爛漫な少年像にぴったりで絶品です。エンゲルのリズムに乗った演奏もとても良かったです。

●フリッツ・ヴンダーリヒ(T), フーベルト・ギーゼン(P)
Fritz Wunderlich(T), Hubert Giesen(P)

ヴンダーリヒの輝かしい甘い美声はただただ魅力的です!

●ペーター・シュライアー(T), ヴァルター・オルベルツ(P)
Peter Schreier(T), Walter Olbertz(P)

シュライアーの歯切れの良さが爽快です。オルベルツも出たり引っ込んだりのタイミングが絶妙です!

●ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(BR), ジェラルド・ムーア(P)
Dietrich Fischer-Dieskau(BR), Gerald Moore(P)

ディースカウは比較的抑えたテンポで美しいディクションを聞かせています。ムーアの変幻自在な表現力の多彩さに舌を巻きます。

●マティアス・ゲルネ(BR), エリク・シュナイダー(P)
Matthias Goerne(BR), Eric Schneider(P)

ゲルネはアンドレアス・ヘフリガーとの録音(DECCA)に続き、2回目の録音です(Harmonia mundi)。速めのテンポで表情を付けながらリズミカルに歌うゲルネの歌は素晴らしかったです。ゲルネの動きを想像しながら聞いていました。シュナイダーも軽快で見事でした。

●クリスティアン・ゲアハーアー(BR), ゲロルト・フーバー(P)
Christian Gerhaher(BR), Gerold Huber(P)

ゲアハーアーは端正かつ軽快な歌唱です。

●ダニエル・ベーレ(T), オリヴァー・シュニーダー(P)
Daniel Behle(T), Oliver Schnyder(P)

現役世代のドイツのリート歌手ベーレの歌は、言葉さばきが巧みで、シュニーダーのピアノと共にうきうきするような演奏でした。

●イアン・ボストリッジ(T), ジュリアス・ドレイク(P)
Ian Bostridge(T), Julius Drake(P)

ボストリッジの軽やかな声は、翼を得て重力から解放されたさまをイメージさせてくれます。ドレイクも歌手を知り尽くした演奏でした。

●ヨナス・カウフマン(T), ヘルムート・ドイチュ(P)
Jonas Kaufmann(T), Helmut Deutsch(P)

Grafenegg-Festival 2020のライヴ映像。この曲を歌うカウフマンはテノールらしい高音を響かせていて、彼のキャラクターに合った曲だと思います。

●エリー・アーメリング(S), ルドルフ・ヤンセン(P)
Elly Ameling(S), Rudolf Jansen(P)

円熟期(1984年)のアーメリングによる細やかな語り口が味わえます。ヤンセンの雄弁なピアノも良かったです。

●キャスリーン・フェリア(CA), フィリス・スパー(P)
Kathleen Ferrier(CA), Phyllis Spurr(P)

イギリスの往年の名コントラルト、フェリアの人肌を感じさせる歌声はなんともチャーミングです。

●ジェスィー・ノーマン(S), フィリップ・モル(P)
Jessye Norman(S), Phillip Moll(P)

ノーマンは強靭な曲だけでなく、このような軽快な作品でも言葉のイメージを細やかに表現していて素晴らしいです。モルのすっきりとした演奏ぶりも良いです。

●ハンス・ホッター(BSBR), マルセル・ドリュアール(P)
Hans Hotter(BSBR), Marcel Druart(P)

1959年6月21日, INR(ベルギー国営放送研究所)録画。ホッター(1909.1.19-2003.12.6)がちょうど50歳の時の映像。温かみのある声と巧みなテキストへの反応が感じられました。

●ハンス・ホッター(BSBR), ヘルムート・ドイチュ(P)
Hans Hotter(BSBR), Helmut Deutsch(P)
Hans Hotter sings Schubert's "Der Musensohn" at age 78!

上記の映像の28年後の貴重な映像!ホッターは若かりし頃から老成した響きを聞かせていた為か、80代近くになっても違和感なくこの曲の軽やかさが感じられ素晴らしいです。ドイチュの著書の序文に寄稿したホッターは、ドイチュと共演する機会が残念ながらなかったと書いていたので、この映像はレアなものなのでしょう。

●ピアノパートのみ(Giorgia Turchi(P))
Piano accompaniment (Karaoke + score)

チャンネル名:Giorgia Turchi(リンク先は音声が流れます)

●ライヒャルト(Johann Friedrich Reichardt: 1752-1814)作曲:ムーサの息子(Der Musensohn)
木村能里子(S), クリストフ・トイスナー(GT)
Norico Kimura(S), Christoph Theusner(GT)

ゲーテお気に入りの作曲家ライヒャルトによる歌曲はギター伴奏の素朴で愛らしい作品です。木村さんは一点の曇りもない晴れやかな歌唱で魅力的ですね。

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(参考)

The LiederNet Archive

Schubertlied.de

IMSLP: Der Musensohn, D.764 (Schubert, Franz) (楽譜)

ムーサ(Wikipedia)

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ヴォルフ/顕現節(Epiphanias)

Epiphanias
 顕現節

Die heiligen drei König mit ihrem Stern,
Sie essen, sie trinken, und bezahlen nicht gern;
Sie essen gern, sie trinken gern,
Sie essen, trinken und bezahlen nicht gern.
 星に導かれてきた東方の三博士
 彼らは食って飲んで、お勘定は嫌がる
 食うのは大好き、飲むのも大好き
 食って飲んで、お勘定は嫌がる

Die heiligen drei König sind kommen allhier,
Es sind ihrer drei und sind nicht ihrer vier:
Und wenn zu dreien der vierte wär,
So wär ein heilger Drei König mehr.
 東方の三博士がここに到着した
 彼らは三人であって、四人ではない
 三人がもし四人だったら
 もはや三博士とはいえないだろう

Ich erster bin der weiß und auch der schön,
Bei Tage solltet ihr erst mich sehn!
Doch ach, mit allen Spezerein
Werd ich sein Tag kein Mädchen mir erfrein.
 最初はわたくしでござい 色が白くてハンサムさ
 お日様のもとでわたしに会うべきだったろうよ
 だがああ どんな香辛料をもっていても
 わが光である娘っ子を喜ばせることが出来ないんだ

Ich aber bin der braun und bin der lang,
Bekannt bei Weibern wohl und bei Gesang.
Ich bringe Gold statt Spezerein,
Da werd ich überall willkommen sein.
 そして次はおれ 褐色の肌で背が高いんだ
 世に知られた女と歌好きさ
 香辛料の代わりに黄金を持参している
 だからあらゆる場所で歓迎の嵐さ

Ich endlich bin der schwarz und bin der klein,
Und mag auch wohl einmal recht lustig sein.
Ich esse gern, ich trinke gern,
Ich esse, trinke und bedanke mich gern.
 最後はぼく 色黒でちっこいんだ
 そして真の陽気者でありたい
 食うのは大好き、飲むのも大好き
 食って飲んだらお礼を言うのが好き

Die heiligen drei König sind wohlgesinnt,
Sie suchen die Mutter und das Kind;
Der Joseph fromm sitzt auch dabei,
Der Ochs und Esel liegen auf der Streu.
 東方の三博士は気さくな人たち
 彼らは母親とその子供を探している
 敬虔なヨセフがそのそばに座っている
 雄牛とろばが敷き藁の上に横になっている

Wir bringen Myrrhen, wir bringen Gold,
Dem Weihrauch sind die Damen hold;
Und haben wir Wein von gutem Gewächs,
So trinken wir drei so gut als ihrer sechs.
 われらは没薬をもっておる 黄金をもっておる
 乳香はご婦人方は好きだろう
 もし上質なワインがあったとしても
 われら三人で六人分を飲んでしまうだろう

Da wir nun hier schöne Herrn und Fraun,
Aber keine Ochsen und Esel schaun,
So sind wir nicht am rechten Ort
Und ziehen unseres Weges weiter fort.
 われらは今ここで素敵なご主人とご婦人に会ったが
 雄牛やろばが見当たらない
 目当ての場所ではないようだ
 旅をさらに続けることにしよう

詩:Johann Wolfgang von Goethe (1749-1832)
曲:Hugo Wolf (1860-1903)

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今日1月6日はキリスト教で「顕現節」というそうです。
東方の三博士がキリスト誕生の地を訪れた日で、子供たちが星を付けた棒を持って歌いながら家々を回る行事があるそうです。
ゲーテの詩は東方の三博士それぞれの性格描写がユーモラスですね。
曲はヴォルフの親しかった女性(メラニー・ケッヒェルト)の家で私的な初演がされて、彼女の3人の子供が芝居をしたそうです(名ピアニストのグレアム・ジョンソン曰く、この歌は子供が歌うには難しすぎるので、ヴォルフとメラニーが歌い、子供は芝居をしたのではないかと記しています)。

「公現祭(顕現節)」についてのWikipediaの記事

●詩の朗読(Florian Friedrich)

●Elisabeth Schwarzkopf(S) & Gerald Moore(P)

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「ただ憧れを知る人だけが(Nur wer die Sehnsucht kennt)」のテキストによる様々な作曲家の作品を聴く

Nur wer die Sehnsucht kennt
Weiß, was ich leide!
Allein und abgetrennt
Von aller Freude
Seh ich an's Firmament
Nach jener Seite.
Ach, der mich liebt und kennt,
Ist in der Weite.
Es schwindelt mir, es brennt
Mein Eingeweide.
Nur wer die Sehnsucht kennt
Weiß, was ich leide!
 ただ憧れを知る人だけが
 私が何に苦しんでいるのか分かるのです!
 ひとり
 あらゆる喜びから引き離されて
 私は天空の
 あちら側に目をやります。
 ああ、私を愛し、知る方は
 遠方にいるのです。
 私は眩暈がして、
 はらわたがちくちく痛みます。
 ただ憧れを知る人だけが
 私が何に苦しんでいるのか分かるのです!

詩:Johann Wolfgang von Goethe (1749-1832), "Mignon", written 1785, appears in Wilhelm Meisters Lehrjahre, first published 1795
曲:Franz Peter Schubert (1797-1828)

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前回の記事は、「ただ憧れを知る人だけが」の詩によるシューベルトの歌曲のみを集めましたが、今回は様々な作曲家によるこのテキストによる作品を集めてみました。
シューベルトとチャイコフスキーの曲が最も知られていますが、他の作曲家(ライヒャルト、ツェルター、ベートーヴェン、ファニー・ヘンゼル・メンデルスゾーン、シューマン、ヴォルフ)の歌曲も比較してみると面白いと思います。

Johann Friedrich Reichardt: Sehnsucht

Kimberly Martinez(MS) & unidentified pianist

Carl Friedrich Zelter: Nur wer die Sehnsucht kennt, Z. 120-5

Bettina Pahn(S) & Tini Mathot(fortepiano)

Beethoven: Sehnsucht, WoO 134-1

Adele Stolte(S) & Walter Olbertz(P)

Beethoven: Sehnsucht, WoO 134-2

Adele Stolte(S) & Walter Olbertz(P)

Beethoven: Sehnsucht, WoO 134-3

Adele Stolte(S) & Walter Olbertz(P)

Beethoven: Sehnsucht, WoO 134-4

Adele Stolte(S) & Walter Olbertz(P)

Schubert: Lied der Mignon "Nur wer die Sehnsucht kennt", D 877-4

Matthias Goerne(BR) & Eric Schneider(P)

Fanny Mendelssohn-Hensel: Mignon

Dorothea Craxton(S) & Babette Dorn(P)

Schumann: Nur wer die Sehnsucht kennt, Op. 98a-3 (aus Lieder und Gesänge aus 'Wilhelm Meister')

Edith Mathis(S) & Christoph Eschenbach(P)

Wolf: Mignon II

Elly Ameling(S) & Rudolf Jansen(P)

Tchaikovsky: Nur wer die Sehnsucht kennt, Op. 6-6 (Russian)

Dmitri Hvorostovsky(BR) & Ivari Ilja(P)

Tchaikovsky: Nur wer die Sehnsucht kennt, Op. 6-6 (German)

Elisabeth Schwarzkopf(S) & Gerald Moore(P)

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シューベルトの「ただ憧れを知る人だけが(Nur wer die Sehnsucht kennt)」の6種類の曲を聞く

Nur wer die Sehnsucht kennt
Weiß, was ich leide!
Allein und abgetrennt
Von aller Freude
Seh ich an's Firmament
Nach jener Seite.
Ach, der mich liebt und kennt,
Ist in der Weite.
Es schwindelt mir, es brennt
Mein Eingeweide.
Nur wer die Sehnsucht kennt
Weiß, was ich leide!
 ただ憧れを知る人だけが
 私が何に苦しんでいるのか分かるのです!
 ひとり
 あらゆる喜びから引き離されて
 私は天空の
 あちら側に目をやります。
 ああ、私を愛し、知る方は
 遠方にいるのです。
 私は眩暈がして、
 はらわたがちくちく痛みます。
 ただ憧れを知る人だけが
 私が何に苦しんでいるのか分かるのです!

詩:Johann Wolfgang von Goethe (1749-1832), "Mignon", written 1785, appears in Wilhelm Meisters Lehrjahre, first published 1795
曲:Franz Peter Schubert (1797-1828)

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シューベルトは、ゲーテの詩による有名なミニョン(Mignon)の「ただ憧れを知る人だけが(Nur wer die Sehnsucht kennt)」に6回作曲しました(1回目のD 310は2つの稿があります)。
D 310の第1稿のみネット動画で見つけられませんでしたが、あのアーメリング(Elly Ameling)がグレアム・ジョンソン(Graham Johnson)とHyperionに2つの稿をまとめて録音していますので、ご興味のある方はそちらをお聞きください。
また、Naxosレーベルにはルート・ツィーザク(S)とウルリヒ・アイゼンローア(P)が、ミニョン関係のシューベルトの歌曲を1枚にまとめて録音していますので、そちらもシューベルトファンには興味深いと思います。
第1作~第3作、第6作は独唱とピアノ、第4作は無伴奏男声五部合唱、第5作はミニョン(女声)と竪琴弾き(男声)の二重唱とピアノという編成です。
最も有名なのは第6作ですが、ここに至るまでこれだけシューベルトが試行錯誤を繰り返してきたかが分かるとまた感慨深いものがあります。
もちろんさすがシューベルトだけあって、初期の作品からすでに非凡さが感じられ、聞く人によっては好みが分かれるかもしれませんね。

●第1作(第1稿、第2稿):「憧れ」D 310a, D 310b
Sehnsucht, D 310 (1815), published 1895 [voice, piano], first setting (2 versions)
Erste Fassung(第1稿) : 18 Oct. 1815, Sehr langsam, mit Ausdruck, 2/2, As-dur
Zweite Fassung(第2稿) : 18 Oct. 1815, Sehr langsam, mit höchstem Affekt, 2/2, F-dur, 第2稿の最後の行の追加 "der nur weiß, was ich leide!"

D 310b(第2稿) : Dorothee Jansen(S) & Francis Grier(P)

●第2作:「憧れ」D 359
Sehnsucht, D 359 (1816), published 1872 [voice, piano], second setting
1816, Mässig, 6/8, d-moll

Ruth Ziesak(S) & Ulrich Eisenlohr(P)

●第3作:「憧れ」D 481
Sehnsucht, D 481 (1816), published 1895 [voice, piano], third setting
Sep. 1816, Langsam, 2/4, a-moll

Arleen Auger(S) & Walter Olbertz(P)

●第4作:「憧れ」D 656
Sehnsucht, D 656 (1819), published 1867, first performed 1868 [vocal quintet for male voices], fourth setting
T I, T II, BS I, BS II, BS III, Apr. 1819, Langsam, 2/2, E-dur

Robert Shaw Chamber Singers & Robert Shaw(C)

●第5作:「ミニョンと竪琴弾き」D 877-1 (『ヴィルヘルム・マイスターからの歌曲』より)
Mignon und der Harfner, D 877 no. 1 (aus "Gesänge aus Wilhelm Meister, op. 62") (1826), published 1827 [vocal duet with piano], from Gesänge aus Wilhelm Meister, no. 1, fifth setting
Jan. 1826, Langsam, 4/4, h-moll

Victoria de los Angeles(S) & Dietrich Ficher-Dieskau(BR) & Gerald Moore(P)

●第6作:「ミニョンの歌」D 877-4 (『ヴィルヘルム・マイスターからの歌曲』より)
Lied der Mignon, D 877 no. 4 (aus "Gesänge aus Wilhelm Meister, op. 62") (1826), published 1827 [voice, piano], from Gesänge aus Wilhelm Meister, no. 4, sixth setting
Jan. 1826, Langsam, 6/8, a-moll

Barbara Bonney(S) & Geoffrey Parsons(P)

◎おまけ:第6作(「ミニョンの歌」D 877-4)のピアノパート演奏
Lied der Mignon - KARAOKE / PIANO ACCOMPANIMENT - op.62 n.4 - Schubert

Héctor Valls(P)

◎朗読
Johann Wolfgang Goethe „Nur wer die Sehnsucht kennt" (1795)

Fritz Stavenhagen(Rezitation)

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内藤明美&平島誠也/メゾソプラノリサイタル(2012年11月9日 東京オペラシティ リサイタルホール)

内藤明美メゾソプラノリサイタル

2012年11月9日(木)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール(全自由席)
内藤明美(Akemi Naito)(mezzo soprano)
平島誠也(Seiya Hirashima)(piano)

ゲーテの詩による歌曲(Lieder nach Gedichten von Goethe)

シューベルト(Schubert)/湖の上で(Auf dem See)
ベートーヴェン(Beethoven)/悲しみの喜び(Wonne der Wehmut)
レーヴェ(Loewe)/安らぎは失せ(Meine Ruh ist hin)
ヘンゼル(Mendelssohn-Hensel)/旅人の夜の歌(Wanderers Nachtlied)
リスト(Liszt)/空より来たりて(Der du von dem Himmel bist)

シュトラウス(Strauss)/見つけたものは(Gefunden)
クシェネク(Krenek)/新しいアマディス(Der neue Amadis)
シェック(Schoeck)/黄昏は空より降り(Dämmrung senkte sich von oben)
ベルク(Berg)/失った初恋(Erster Verlust)
レーガー(Reger)/孤独(Einsamkeit)

~休憩~

ヴォルフ(Wolf)作曲

アナクレオンの墓(Anakreons Grab)
現象(Phänomen)
ガニメード(Ganymed)

ミニョンⅠ(語れとは言わず)(Mignon I)
ミニョンⅡ(ただ憧れを知る人だけが)(Mignon II)
ミニョンⅢ(この装いのままで)(Mignon III)
ミニョンⅣ(あなたはご存知ですか)(Mignon IV)

~アンコール~
ブラームス(Brahms)/セレナーデ(Serenade)op.70-3
チャイコフスキー(Tchaikovsky)/ただ憧れを知る人だけが(Nur wer die Sehnsucht kennt)
島原の子守唄

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毎年秋に催される内藤明美と平島誠也によるリサイタルを聴くようになって何回目になるであろうか。
今宵もまたテーマをもったプログラミングと充実した演奏で、歌曲ファンを満足させてくれた。
今年のテーマは「ゲーテの詩による歌曲」。
前半は10人の作曲家による10様のゲーテ作品、後半はヴォルフ作曲という軸のもとで様々なゲーテ解釈を味わうという趣向。
昨夜ルプーを聴いた東京オペラシティを再び訪れ、今回は小ホールの響きを味わった。

ゲーテの詩による歌曲はシューベルトやヴォルフをはじめ膨大な作品が存在する。
その中から歌手の声や質に合った作品を選び出し一夜の選曲をするというのはそれだけでも気が遠くなるほど大変な作業であろう。
事実プログラムノートに山崎裕視氏が記しているように「その彼女(注:内藤さんのこと)をしても長い間、ゲーテへの接近は心怯むものがあったに違いない」のである。

今回の選曲、前半は私が初めて聴く作品が圧倒的に多く、いつもながらその選曲の斬新さに敬意を覚えずにいられない。
シューベルトの「糸を紡ぐグレートヒェン」ではなく、同じ詩にレーヴェが作曲した「安らぎは失せ」、またシューベルトの「旅人の夜の歌Ⅰ」ではなく、ファニー・ヘンゼルやリストによる同じ詩による作品、さらにヴォルフではなくクシェネクによる「新しいアマディス」など、その変化球の見事さに興味は尽きない。

内藤さんの歌唱は相変わらず懐の深いもの。
声が聴き手を包み込み、そして作品の各キャラクターに変幻自在に対応して、短い時間に一つのドラマを凝縮して描き出す。
年々増してきた温かみは、通好みの作品であろうが、ポピュラーな作品であろうが、平等に聴き手の作品への近寄りやすさを感じさせる。
だが、もちろんホールいっぱいに広がる豊かで強靭さすら感じさせる響きも健在である。
こうして、日の目を見ることの少ない作品をも照らし出して、それを自分のものとして消化して提示するということを毎年続けていると、これほどまでに充実した空間を作り出せるものなのだろう。

今回楽しみだったヴォルフの「ミニョン」歌曲群は、その真摯さと充実感で、感動的であった。
とりわけ「この装いのままで」の最後の一節"Macht mich auf ewig wieder jung!(永遠の若さをまた私にお与えください!)"(山崎裕視訳)の高音から低く降りて、再度ディミヌエンドしながら高く舞い上がる際の内藤さんのメッツァヴォーチェの見事さは本当に胸に響いた。

平島誠也氏のピアノはいつもながらストレートに作品に向き合ったものだった。
実直なまでにくっきりと作品の細部まで照らし出す平島氏だが、例えばヴォルフの「あなたはご存知ですか」ではテンポの変化や強弱、音色など、いつも以上の大胆さを見せ新鮮な驚きを覚えた。
彼のその柔軟な対応が作品の壮大さを充分に描き出していたことは特筆すべきだろう。

なお、この日会場ロビーで待望のCD「ブラームス歌曲集」が販売された。
内藤さんのホームページでも買えるようだ。
秋の夜長に温かい声に包まれるのも素敵ではないだろうか。

毎年最後に同じことを書いている気もするが、来年のコンサートが今から待ち遠しい。

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ヴォルフ/俺たちゃみんな酔っ払わなくちゃ!(Trunken müssen wir alle sein!)

Trunken müssen wir alle sein!
 俺たちゃみんな酔っ払わなくちゃ!

Trunken müssen wir alle sein!
Jugend ist Trunkenheit ohne Wein;
Trinkt sich das Alter wieder zu Jugend,
So ist es wundervolle Tugend.
Für Sorgen sorgt das liebe Leben,
Und Sorgenbrecher sind die Reben.
 俺たちゃみんな酔っ払わなくちゃ!
 若さとはワインなしで酩酊すること。
 老いたら若返るために酒を飲む。
 このように素敵な効能があるのだ。
 人生では心配事に気を揉んでは、
 憂さ晴らしにワインを飲むというわけ。

Da wird nicht mehr nachgefragt!
Wein ist ernstlich untersagt.
Soll denn doch getrunken sein,
Trinke nur vom besten Wein!
Doppelt wärest du ein Ketzer
In Verdammnis um den Krätzer.
 それならもう聞かないでくれ!
 ワインは厳格に禁止されているのだ。
 それでも飲みたいというのなら
 最高級のワインだけを飲め!
 さもないと二重の意味で劫罰を受ける異端者となってしまうぞ、
 安物のワインを飲んだかどで。

詩:Johann Wolfgang von Goethe (1749-1832)
曲:Hugo Wolf (1860-1903)

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ヴォルフ作曲の歌曲集「ゲーテの詩」の第35曲。
1889年1月18日夕方, Döbling作曲。

ゲーテの「西東詩集(West-östlicher Divan)」の"Schenkenbuch"に含まれる詩による。

この歌曲をはじめて聴いたのは、F=ディースカウとバレンボイムによる録音だったが、私にとっては本当に衝撃的だった。
歌もピアノも乱痴気騒ぎに徹して、最初から聴き手を興奮の渦に巻き込んでしまう。
こういうタイプの歌曲はヴォルフによってはじめて聴くことの出来るタイプの作品だった。
瞬発力とリズムの切れが歌手にもピアニストにも求められるため、そう頻繁に聴くことが出来ないのが残念である。

Bacchantisch(酔っ払って)
8分の6拍子 - 4分の2拍子 - 8分の6拍子
嬰ヘ短調
全82小節
歌声部の最高音:2点嬰ヘ音
歌声部の最低音:1点嬰ホ音

動画サイトでは今のところ以下の1件のみ見つかった。

Reina Boelens & Vaughan Schlepp
この曲の女声による歌唱は珍しい。
歌の入りを間違えてはいるが、全体的に魅力的な演奏。

シュライアーとサヴァリッシュによる録音がかなり良かったので機会があればぜひ!

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梅丘歌曲会館「詩と音楽」投稿

日頃からお世話になっている歌曲サイト「詩と音楽」に、本当に久しぶりに投稿しました。
ゲーテの259回目の誕生日が8月28日とのことで、それに合わせて2曲投稿しました。

梅丘歌曲会館「詩と音楽」更新情報:ゲーテ生誕259年記念投稿六篇
http://umekakyoku.at.webry.info/200808/article_16.html

シューベルト「あらゆる姿の恋人」
http://homepage2.nifty.com/182494/LiederhausUmegaoka/songs/S/Schubert/S1914.htm

ブラームス「たそがれが上方から降り来て」
http://homepage2.nifty.com/182494/LiederhausUmegaoka/songs/B/Brahms/S1915.htm

どちらも非常に魅力的な曲ですが、ゲーテの詩はやはり難しく、かなり悩みながらなんとか仕上げました。
よろしければご覧ください。

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シェック「秋の感情」(詩:ゲーテ)

Herbstgefühl, Op. 19a-1
 秋の感情

Fetter grüne, du Laub,
Am Rebengeländer
Hier mein Fenster herauf!
Gedrängter quellet,
Zwillingsbeeren, und reifet
Schneller und glänzend voller!
Euch brütet der Mutter Sonne
Scheideblick, euch umsäuselt
Des holden Himmels
Fruchtende Fülle;
Euch kühlet des Mondes
Freundlicher Zauberhauch,
Und euch betauen, ach!
Aus diesen Augen
Der ewig belebenden Liebe
Vollschwellende Tränen.
 より分厚く緑になれ、木の葉よ、
 葡萄棚に接した
 この私の窓辺へ上っておいで!
 さらにせかされてふくらむのだ、
 双子の葡萄よ、そして実るのだ、
 よりはやく、より輝きにあふれて!
 おまえたちを母なる太陽が
 別れの眼差しで照りつけ、おまえたちのまわりで
 素敵な天からの
 豊かな実りが音をたてる。
 おまえたちを月の
 親しげな魔法の息吹が冷やす。
 そしておまえたちを露でぬらすのは、ああ!
 この瞳から、
 永遠に元気づける愛の瞳から、
 いっぱいに溢れる涙なのだ。

詩:Johann Wolfgang von Goethe (1749.8.28, Frankfurt am Main - 1832.3.22, Weimar)
曲:Othmar Schoeck (1886.9.1, Brunnen - 1957.3.8, Zürich)

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今年はスイスの作曲家オットマル・シェックの没後50年目である。
彼は膨大な数の歌曲を残し、F=ディースカウやヘフリガーなどによって歌われてきたものの、必ずしも質と量に見合った知名度、評価を得ていない。
実は私自身も彼の歌曲はこれまでほんの一部しか聴いておらず、Jecklinレーベルの11巻からなる歌曲全集も1、5、10巻を所有しているのみである。
この機会に少しシェックの歌曲に触れてみようと1、5巻の初期歌曲から聴き始めているのだが、これがなかなか良い。
R.シュトラウスのような爛熟した陶酔ではなく、もっと自然で丁寧な作風が一見地味なのだが、詩に対して誠実に向き合っているのがとても心地よい。
ゲーテ、ハイネ、メーリケ、アイヒェンドルフといったシェックにとっても過去の偉人たちに作曲しているだけでなく、ヘルマン・ヘッセのような彼の同時代人の詩も積極的に取り上げている(かつてF=ディースカウはヘッセの詩のみによるシェック歌曲集を録音していた)。

ここで訳したゲーテの「秋の感情」はブラームスによるヘルティの詩による「秋の感情」とは全く趣が異なり、秋の「実り」を歌っているようだ。
シェックの曲はゲーテの詩ばかりを集めた作品19aの第1曲目で、しっとりとした中に詩の展開を反映させた動きも感じられ、味わい深い作品である。

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