アーリーン・オジェー&アーウィン・ゲイジのシューマン&ヴォルフ映像(1985年)

ソプラノのアーリーン・オジェーとピアノのアーウィン・ゲイジによるシューマンとヴォルフの映像を最近見つけました。
1985年収録ということでオジェーもゲイジも脂の乗り切った時期の演奏です。
至福の演奏をじっくり味わってみてください。

Arleen Augér(アーリーン・オジェー), Sopran(ソプラノ)
Irwin Gage(アーウィン・ゲイジ), Klavier(ピアノ)

1985年

Robert Schumann(ローベルト・シューマン):
Singet nicht in Trauertönen(悲しい音色で歌わないで)
Der Nussbaum(くるみの木)
Meine Rose(私のばら)

Hugo Wolf(フーゴー・ヴォルフ):
Lied der Mignon (Kennst du das Land?)(ミニョンの歌:あの国をご存じですか)

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アーメリング&ゲイジ/1975年シューベルト・ライヴ

エリー・アーメリングのディスコグラフィーを作成されているSandmanさんのブログで、アーメリングの1975年オランダ・フェスティヴァル・ライヴがRadio4の"BIS!"で放送されたことを知りました。
 こちら

以下のサイトでしばらくは聴けるようです。
 第1曲~第5曲前半(目盛りを1時間13分頃にするとアーメリングのライヴが始まります)
 第5曲後半~第21曲

ピアノはアーウィン・ゲイジで、アンコール5曲を含め、シューベルトの歌曲全21曲を42歳のアーメリングの美声で聴くことが出来ます。
なお、Radio4の過去の放送のアーカイブは1時間半ごとに機械的に区切ってしまうようで5曲目の「ミューズの息子」が途中で分かれてしまっているのが残念ですが、他はコンサートの流れに沿って聴衆の拍手喝采まで味わうことが出来ます。

エリー・アーメリング(Elly Ameling)(soprano)
アーウィン・ゲイジ(Irwin Gage)(piano)

録音:1975年6月19日 Circustheater, Scheveningen (オランダ・フェスティヴァル)

(1)1時間13分頃から1時間29分59秒まで

シューベルト(Franz Schubert)作曲

春にD882(Im Frühling)
春の思いD686(Frühlingsglaube)
シルヴィアにD891(An Sylvia)
ガニュメデスD544(Ganymed)
ミューズの息子D764(Der Musensohn) (途中で切れる)

(2)残り約1時間10分(目盛りの01:11:06まで)

(「ミューズの息子」の続き)
エレンの歌ⅠD837:憩いなさい、兵士よ(Ellens Gesang I: Raste, Krieger)
エレンの歌ⅡD838:狩人よ、狩をお休みなさい(Ellens Gesang II: Jäger, ruhe)
エレンの歌ⅢD839:アヴェ・マリア(Ellens Gesang III: Ave Maria)

ズライカⅠD720(Suleika I)
ズライカⅡD717(Suleika II)

ひそやかな愛D922(Heimliches Lieben)
孤独な男D800(Der Einsame)
あなたは私を愛していないD756(Du liebst mich nicht)
水の上で歌うD774(Auf dem Wasser zu singen)
糸を紡ぐグレートヒェンD118(Gretchen am Spinnrade)
幸福D433(Seligkeit)

笑ったり泣いたりD777(Lachen und Weinen)
「ロザムンデ」D797~ロマンス:満月は輝き(Romanze aus "Rosamunde": Der Vollmond strahlt)
ますD550(Die Forelle)
「ヴィラ・ベラのクラウディーネ」D239~愛はいたるところに("Claudine von Villa Bella": Liebe schwärmt auf allen Wegen)
音楽に寄せてD547(An die Musik)

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余談ですが、Radio4は、過去の貴重な録音を期間限定で聴けるConcerthuisというサイトをあらたに立ち上げ、上述のアーメリングの録音も含まれているのですが、権利の関係で現在はオランダ国内のみの配信に限っているそうです。
しかし、いずれは世界中で聴けるように、アーティストたちに働きかけているそうなので、将来聴ける日が来るかもしれません。

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ポップ&ゲイジ/1984年ミュンヒェン・ライヴ(ORFEO: C 789 101 B)

Popp_gage_1984_live

Schubert, Schonberg, Strauss Lieder(シューベルト、シェーンベルク、シュトラウス歌曲集)
ORFEO: C 789 101 B
録音:1984年7月25日, Cuvilliés-Theater

Lucia Popp(ルチア・ポップ)(soprano)
Irwin Gage(アーウィン・ゲイジ)(piano)

Schubert(シューベルト)作曲

Der Knabe(少年), D692
Die Gebüsche(茂み), D646
Der Fluss(流れ), D693
Der Schmetterling(蝶), D633
Die Rose(ばら), D745
Fülle der Liebe(愛の充溢), D854

An mein Herz(わが心に), D860
Der Jüngling an der Quelle(泉のほとりの若者), D300
Die Liebende schreibt(恋する女が手紙を書く), D673
Der Einsame(孤独な男), D800

Schönberg(シェーンベルク)作曲

"Vier Lieder(四つの歌)", Op.2
 Erwartung(期待)
 Schenk mir deinen goldenen Kamm(私にあなたの金の櫛をください)
 Erhebung(高揚)
 Waldsonne(森の太陽)

R.Strauss(シュトラウス)作曲

"Drei Lieder der Ophelia (aus Hamlet)(ハムレットのオフィーリアの三つの歌)", Op. 67
 Wie erkenn ich mein Treulieb(まことの恋人をどうして見分けよう)
 Guten Morgen, 's ist Sankt Valentinstag(おはよう、今日は聖ヴァレンタインの日)
 Sie trugen ihn auf der Bahre bloß(彼女はあらわに棺にのせられ)

Mein Auge(私の目), Op.37/4
Meinem Kinde(わが子に), Op.37/3
Die Zeitlose(さふらん), Op.10/7
Die Verschwiegenen(もの言わぬものたち), Op.10/6
Hat gesagt - bleibt's nicht dabei(言いました、それだけでは済みません), Op.36/3

Zugaben(アンコール)

R.Strauss / Allerseelen(万霊節), Op.10/8
Schubert / An Silvia(シルヴィアに), D891
Schubert / Seligkeit(幸福), D433

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ルチア・ポップの透明で張りのある美声を録音で聴くと、なんとなく未だに現役で活動しているような錯覚に陥ってしまう。
彼女は東京でリサイタルを開いた翌年に病気でこの世を去ってしまったのだが、そのリサイタルでピアノを弾いていた井上直幸氏も亡くなり、無常を感じずにはいられない。

今回バイエルン・シュターツオーパーでの彼女の1984年のライヴが発売されたが、これなども過去の人の記録というよりは、同時代人の歌唱を楽しむような気持ちで聴いた。
彼女はパーソンズ、サヴァリッシュ、ゲオルク・フィッシャーなどのピアニストと共演してきたが、今回の新譜で共演しているアーウィン・ゲイジも最も緊密なパートナー関係を築いた一人であろう。

このCDではポップの声とゲイジのピアノがほぼ対等に入っており、そのため、ピアノの音の粒だちまでかなり明瞭に聴き取れる。
だが、そういう録音においてもゲイジの音がポップを妨げることは決してなく、「対等」であることと「対決」することは全く別物であることが感じられる。
ゲイジは一貫して作品の核心をついた演奏をする名手ぶりをここでも発揮していた。

ポップが録音した歌曲レパートリーはそれほど多くはなかったが、じっくりと一つの作品を熟成させていくタイプだったのかもしれない。
ここで最初に演奏されるシューベルトの歌曲は「恋する女が手紙を書く」を除き、ゲイジとEMIにスタジオ録音した曲ばかりが集められ、当時の彼女が力を入れていたレパートリーといえるだろう。
これらの歌曲は可憐で茶目っ気があったり、軽快に飛翔するかと思えば、内面を激しく吐露したりする。
そういう様々なタイプの作品を並べて、リートのもつ多彩な感情を魅力的に伝達することを、当時のポップは見事に実現していた。
「少年」では違和感なく子供の無邪気さを表現し、ガラス細工のように繊細な「ばら」では温かい包容力でばらを見守るように歌う。
歌もピアノも大きな孤を描く「流れ」では、シューベルト特有の伸びやかなメロディーの美しさを気品に満ちて表現し、「わが心に」では焦燥感をあふれさせる。
なかでも「泉のほとりの若者」での抑制された魔法のような美しさに引き込まれた。

シェーンベルクの「4つの歌曲」は、東京でのリサイタルでも披露されたのが思い出される。
スタジオ録音もゲイジとしており、彼女の核となるレパートリーの一つだろう。
シェーンベルクの妖しい官能性に、ポップの涼やかな声が新たな魅力を加えていたように感じた。

R.シュトラウスの歌曲もポップ十八番の作品。
ハムレットからの「オフィーリアの三つの歌」も各曲の心理の変化を鮮やかに表現していたし、「わが子に」などを含む個々の歌曲でも伸びやかに開放された声が心地よい。

アンコールでは馴染み深い三曲が、会場の聴衆を喜ばせたことだろう。
最後の曲の後にわきおこった拍手がその雰囲気を伝えている。

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トム・クラウセ&アーウィン・ゲイジ/シューマン、ブラームス&ムソルグスキー歌曲集

「シューマン:詩人の恋 他」
Krause_gage_schumannワーナーミュージック・ジャパン: FINLANDIA: WPCS-10617
トム・クラウセ(Tom Krause)(BR)
アーウィン・ゲイジ(Irwin Gage)(P)
録音:1990年12月2~5日, Järvenpää Hall, Finland

シューマン/「詩人の恋」作品48(全16曲)
ブラームス/エオリアン・ハープに寄す 作品19の5;セレナーデ 作品106の1;きみの青い瞳 作品59の8;わたしは夜中に不意に飛び起き 作品32の1;ああ、涼しい森よ 作品72の3;死、それは冷たい夜 作品96の1
ムソルグスキー/「死の歌と踊り」(子守歌;セレナーデ;トレパック;司令官)

(上述の演奏者表記、曲名表記はCD解説書に従った。)

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トム・クラウセ(Tom Krause: 1934.7.5, Helsinki, Finland -)はヘルシンキ出身のバリトン歌手。オペラ、オラトリオ歌手として世界各地で活躍する一方、リート歌手としても評価されてきた。このCDではシューマンの代表的な歌曲集「詩人の恋」全16曲に始まり、ブラームスの比較的知られた6曲が続き、ブラームスの最後に置かれた「死、それは冷たい夜」が次のムソルクスキーの歌曲集「死の歌と踊り」への橋渡しの役目を担っているのは明白である。

クラウセの声はバリトンとしてはどっしりした重厚な感じがある一方、どこかお人よしっぽい優しい響きも混ざり合ったユニークな歌を聴かせる。「詩人の恋」では繊細な詩人を描くには重厚になりすぎかねないところを、彼の優しい声質が作品に自らをひきつけていたように感じた。ブラームスでは彼の丁寧な歌い方がしっかりした旋律線を描き、ブラームスの作品との相性の良さが感じられた。私が個人的に特に好きな曲「わたしは夜中に不意に飛び起き」も真摯な歌でなかなか良かった。
さらにムソルクスキーの歌曲集「死の歌と踊り」での歌いぶりは圧巻であった。この歌曲集に含まれる4曲「子守歌」「セレナーデ」「トレパック」「司令官」はタイトルだけ見ればありがちだが、「子守歌」や「セレナーデ」といっても、子供をあやして眠りにつかせるのは死神であり、セレナーデを歌って若い娘をとりこにするのも死神である。曲はいずれも5分前後の規模の大きなもので、朗誦風と形容されるムソルクスキーの作風そのものである。死神は力ずくではなく、甘美な声で人々を死に誘う。そういう存在を歌うのに、クラウセの優しさとたくましさの融合した声質はうってつけだった。苦しむ子供をめぐる母親と死神のやりとりを歌った「子守歌」、病気の娘にセレナーデを歌って死に誘う「セレナーデ」、酔っ払った貧しい老農夫とトレパックを踊り、雪の中で死に至らしめる「トレパック」、戦場で沢山の死人がころがる中、司令官となった死神が、死者たちが墓の中から出られないように大地を踏み固めると歌う「司令官」、いずれも優しさをまとった凄みのあるクラウセの声と表現が死神にぴったりはまっていた。

アーウィン・ゲイジのピアノは彼の録音の中でも特に切り込みの鋭い優れた演奏を聴かせていて、「詩人の恋」では繊細さと大胆さ、淡い響きと鋭い響きを変幻自在に使い分け、全身全霊をかけて作品に向き合う姿勢にはただ頭が下がるばかりだ。時々、意外な内声を前面に響かせており、例えば第15曲「むかしむかしの童話の中から」では普段埋もれてしまいがちなアクセントを強調することで新鮮な魅力が生まれていた。第8曲「花が、小さな花がわかってくれるなら」の激しい後奏と第9曲「あれはフルートとヴァイオリンのひびきだ」の前奏を切れ目なしに続けることで、怒りの感情のまま、結婚式の輪舞の響きを聴くことをうまく表現しているように感じた。そして最終曲「むかしの、いまわしい歌草を」の後奏は、余韻に満ちたシューマネスクな響きを実現していた。ブラームスも良かったが(特に「エオリアン・ハープに寄す」は繊細で美しい演奏だった)、ムソルクスキーでは雄弁に心情と背景を描いていた。

それにしても「死の歌と踊り」の第1曲「子守歌」の前奏は、ヴォルフの「ミケランジェロ歌曲集」の第1曲「しばしば私は考える(Wohl denk' ich oft)」の前奏とそっくりである。おそらくヴォルフは「死の歌と踊り」を知っていたのではないだろうか。片やうめく幼子、片や毀誉褒貶を受けた詩人、不安な心情を描くのに確かに適しているように思える。

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アーメリングのシューベルト歌曲集(ゲイジ共演:1971年)

「岩の上の羊飼い:シューベルト歌曲集」

Ameling_gage_schubert_emi_1LP:東芝EMI:EMI Angel:EAC-50112
録音:1971年10月7-14日 Zehlendorf Studio, Germany

エリー・アーメリング(Elly Ameling)(S)
アーウィン・ゲイジ(Irwin Gage)(P)
ジョージ・ピーターソン(George Pieterson)(CL:D965)

シューベルト(Schubert)作曲
1)岩の上の羊飼い(Der Hirt auf dem Felsen)D965(ミュラー&シェジ詩)
2)春に(Im Frühling)D882(シュルツェ詩)
3)アマーリア(Amalia)D195(シラー詩)
4)アティス(Atys)D585(マイルホーファー詩)
5)水の上で歌う(Auf dem Wasser zu singen)D774(シュトルベルク詩)
6)湖上で(Auf dem See)D543(ゲーテ詩)
7)エルラフ湖(Erlafsee)D586(マイルホーファー詩)
8)鱒(Die Forelle)D550(シューバルト詩)
9)捕われた歌びと(Die gefangenen Sänger)D712(A.W.シュレーゲル詩)
10)浄化(Verklärung)D59(ポープ詩、ヘルダー訳)
11)若者と死(Der Jüngling und der Tod)D545(シュパウン詩)

(曲名の日本語表記はLPジャケット表記に従いました。)

アーメリング3枚目のシューベルト・アルバムは前回の1年後、同じEMIのために、はじめてアーウィン・ゲイジ(米:1939-)のピアノで録音された。アーメリングの共演者というとデームスやボールドウィン、ヤンセンがよく知られているが、実はゲイジとも録音、ステージ共にしばしば共演しているのである(日本公演での共演は無かったが)。

LPでは1~4曲目がA面で、5曲目以降がB面であった。解説の西野茂雄氏も指摘されているが、アーメリングの配置の妙のようなものがここでも発揮されていて、A面がのどかな牧歌的な情景ではじまり、後半は戯曲の一場面で緊張を増す。B面の前半は水にちなんだ様々な情景が描かれ、後半は内面的な思索、死を巡る思いが歌われる。

ここでのアーメリングは、前年(1970年)のデームスとのEMI録音以上に伸びやかな美声を惜しげもなく披露しており、硬さもとれて、個人的にはこのゲイジ盤の方がより魅力を感じる。

「岩の上の羊飼い」は65年のharmonia mundiへのデームスとの録音に続いて2回目だが、声がいい意味で落ち着きを増し、美声だけでなく、細やかな表情に聴き手の耳がより向かうような芸の深化がはっきりと感じられる。
「春に」や「湖上で」「エルラフ湖」のような作品で、彼女の温かく優美な特質がもっとも生かされているのは当然だろう。
だが、「アマーリア」や「アテュス」のような劇的なモノローグでも、彼女の語り口の精妙さが生きて、イメージが目に浮かぶように鮮明に伝わってくる。
また、「水の上で歌う」における詩の言葉に則して丁寧に表情を付けていくやり方はすでに堂に入っている。

彼女が1997年に来日した際の公開講座で「鱒」をとりあげた時、第2節の"Solang dem Wasser Helle, so dacht ich, nicht gebricht."の"so dacht ich"(そう思った)は弱く歌うようにと言っていたことを今も覚えているが、この録音でもまさにその通りに歌われているのが興味深い。

「捕われた歌びと」は籠に閉じ込められたナイティンゲールになぞらえて、地上の谷に捕らえられた人が不安の中で天上の明るさを歌うことが「ポエジー」なのだと歌う。この閉じ込められた鳥の嘆きの"Ach"という言葉に込められたアーメリングの声の表情が素晴らしい。

「若者と死」はクラウディウスの詩による有名な「死と少女」のパロディであることは明白だが、アーメリングは死を懇願する若者を明るめに溌剌と歌い、死神の慰撫する言葉の抑制した表現との対照をうまく表現していた。

アーウィン・ゲイジは共演専門のピアニストとしてはかなり大胆にペダルを使うが、音の粒立ちがそれで潰れてしまうことがないのはさすがである。「水の上で歌う」ではたゆたう波の反射を、技に溺れず絶妙なコントロールで表現していた。彼のピアノはリズミカルな進行よりも、包みこむような響きの色合いを重視しているように感じる。それ故に時に重く感じられることもあるが、その彩りの豊かさは他のピアニストにはあまりない彼の個性だろう。

コンセルトヘボウの首席奏者だったピーターソンは「岩の上の羊飼い」の牧歌を、歌うように表情豊かに吹いていた。

このLPは、「岩の上の羊飼い」「鱒」「若者と死」だけがCD化(EMI CLASSICS: 7243 5 72004 2 4)されたが、他の曲は未だに復活しないのが残念である。意欲的なプログラムを上り坂の頃のアーメリングの溌剌とした表現で堪能できるいいアルバムである。

今日はアーメリング74歳の誕生日だが、翌日の9日にはアムステルダムで公開講座を開くらしい。もうあちこちに出かけることはあまりないようだが、地元で後進の指導にあたるほどお元気なのはうれしいことである。

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