シュヴァルツコプフ&パーソンズ/1977年アムステルダム・フェアウェル・コンサートの映像

某動画サイトは最近投稿可能な時間が長くなったようだ。
1977年のシュヴァルツコプフのアムステルダムでのさよならコンサートの模様が10曲まるまるアップされていた(29分55秒)。

 こちら

これまで、テレビ放送用のリサイタル映像は何度か見ることが出来たが、このようにコンサート会場でのライヴを映像で見ることはほとんど無かったので、彼女の実演を一度も聴けなかった私にとっては非常に貴重な動画である。
鳴り止まない拍手を手でしずめてから歌い始める場面なども見ることが出来る。

曲目は以下のとおり。

1.ヴォルフ/「メーリケの詩」より「眠りに寄せて」
2.ヴォルフ/「メーリケの詩」より「思いみよ、おお魂よ」
3.ヴォルフ/「イタリアの歌の本」より「どんなに長いこと待ち焦がれたことでしょう」
4.ヴォルフ/「メーリケの詩」より「捨てられた娘」
5.シューベルト/糸を紡ぐグレートヒェン
6.ヴォルフ/「イタリアの歌の本」より「おお、あなたのお家が透けていたらいいのに」
7.ヴォルフ/「スペインの歌の本」より「愛なんか信じちゃだめ」
8.ヴォルフ/「イタリアの歌の本」より「ペンナに住んでいる恋人がいるの」
~アンコール~
9.グリーグ/睡蓮に寄せて(独語訳による)
10.シューベルト/至福

いかにもシュヴァルツコプフらしいヴォルフ中心の選曲である。
彼女のリサイタル歌手としての円熟の境地をたっぷり楽しめる。
それにしてもピアノのパーソンズの上手いこと!
彼のピアノはテクニックと音楽性のどちらも非常に優れていた。
第3曲の後奏では下手なヴァイオリニストの迷演奏まで見事に演じてみせる。
しかし、当時の聴衆は非常に熱狂的で、ピアノの音が消えないうちから拍手を始める。
「ペンナに・・・」の後奏ではパーソンズが実に見事な名人芸を聴かせるのだが、ほとんどが拍手にかき消されてしまう。
気の毒だが、こういう時代もあったということである。

ヴォルフの歌曲に人一倍精力を注いだシュヴァルツコプフの演奏の集大成を見せてもらった気分である。
長いので、お時間のある時にぜひご覧ください。

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シュヴァルツコプフ日本公演曲目1974年

シュヴァルツコプフ4回目の来日公演は、4種のプログラムで8都市9公演が行われた。演奏家としての来日はこの時が最後である。彼女の公演はこれまでもそうだったが、2日連続で行われることは一度もない。声の管理に留意して最高の状態で披露するためのスケジューリングなのだろう。

4種類中、作曲家のあらわれる回数は以下の通り。
4回:シューベルト、R.シュトラウス、ヴォルフ
3回:シューマン
2回:ブラームス、マーラー
1回:リスト、プフィッツナー、キルピネン、グリーグ、バッハ、グルック、モーツァルト

これまでの3回の来日公演では、全プログラムに共通の作曲家は1人もいなかったが、今回はシューベルト、R.シュトラウス、ヴォルフの3人の作品がすべてのプログラムに含まれているのが興味深い。

また、これまでの来日プログラムでは異なるプログラムに共通の作品を含めることは無かったが、今回の最後(12月10日)に行われた“さよなら”演奏会の曲目は、プログラムA~Cに含まれる曲も多く含んでいる。ドイツリートの歴史を辿るような彼女の十八番ばかり集めた一夜と言えるだろう。おまけに彼女の代名詞のような元帥夫人の一場面まで歌っている(元帥夫人の衣装をつけて歌ったそうである)。

今回の選曲の中で、現在までに録音で聴くことの出来ないレパートリーは以下の通りである。
プログラムA:シューベルト「春の思いD686」;同「春のあこがれD957-3」;ブラームス「ザラマンダーOp. 107-2」
プログラムB:シューベルト「辻音楽師D911-24」;プフィッツナー「孤独な女Op. 9-2」;キルピネン/歌曲集「愛の歌」第2集(全5曲)
プログラムC:グリーグ「ばらのつぼみOp. 18-8」

キルピネンの歌曲集「愛の歌」の中の「小さな歌」だけはDECCAへの最後のレコード用に1979年1月3日にヴィーンで録音されているが、残念ながらお蔵入りとなった。シュヴァルツコプフは「冬の旅」の中の曲を「菩提樹」以外録音で残さなかったが(「菩提樹」もライヴ録音だが)、「辻音楽師」をどのように歌ったのか聴いてみたいものである。

(以下、曲名の日本語表記は原則としてプログラム冊子の記載通り。整理番号のないものには原タイトルを併記。)

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第4回来日:1974年11~12月

11月12日(火)19時 東京文化会館(プログラムA)
11月15日(金)18時30分 千葉県文化会館(プログラムC)
11月18日(月)18時30分 宮城県民会館(プログラムC)
11月21日(木)19時 立川市市民会館(プログラムB)
11月25日(月)19時 大阪フェスティバル・ホール(プログラムA)
12月2日(月)18時30分 中日劇場(名古屋)(プログラムC)
12月4日(水)19時 東京文化会館(プログラムC)
12月7日(土)19時 藤沢市民会館(プログラムB)
12月10日(火)19時 東京厚生年金会館(“さよなら”演奏会)

●プログラムA 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

シューベルト/春の思いD686;春のあこがれD957-3;菩提樹D911-5;緑野の歌D917
シューマン/歌曲集「リーダークライス」Op. 39より(2.間奏曲;3.森の対話;4.静けさ;9.悲しみ)
ブラームス/静かな夜(In stiller Nacht);私のまどろみはいよいよ浅くOp. 105-2;ザラマンダーOp. 107-2
~休憩~
R.シュトラウス/「三つのオフィーリアの歌」Op. 67-1~3(どうしたら私は本当の恋人を;お早よう,今日はヴァレンタインのお祭;むき出しのまま棺台にのせられ)
ヴォルフ/フィリーネ(Philine);捨てられた娘(Das verlassene Mägdlein);あの国をご存じでしょうか(Kennst du das Land);どんなに長い間(Wie lange schon);あたしの恋人はとてもおチビさん(Mein Liebster ist so klein);いえ、お若い方(Nein, junger Herr);ペンナにあたしの恋人がいる(Ich hab' in Penna einen Liebsten wohnen)

●プログラムB 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

シューベルト/シルヴィアにD891;独りずまいD800;糸を紡ぐグレートヒェンD118;辻音楽師D911-24
シューマン/献呈Op. 25-1;くるみの木Op. 25-3;トランプを占う女Op. 31-2
リスト/三人のジプシー(Die drei Zigeuner)S320
プフィッツナー/孤独な女Op. 9-2
マーラー/ラインの伝説(Rheinlegendchen)
~休憩~
キルピネン/歌曲集「愛の歌(Lieder der Liebe)」第2集(ふるさと;小さな歌;お前のばらを胸につけて;千の山々を越えて;甘美なしめし合わせ)
R.シュトラウス/わが子にOp. 37-3;母親の自慢話Op. 43-2;あした!Op. 27-4
ヴォルフ/明るいお月様が(Wie glänzt der helle Mond);朝露の中を踏みわけて(Wandl' ich in dem Morgentau);炭焼きの女房が酔っぱらって(Das Köhlerweib ist trunken)

●プログラムC 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

シューベルト/音楽に寄せてD547;「ロザムンデ」のロマンスD797-5;子守歌D498;ますD550
グリーグ/最後の春(Letzter Frühling)Op. 33-2;すいれんを手にして(Mit einer Wasserlilie)Op. 25-4;ばらのつぼみ(Die Rosenknospe)Op. 18-8;おん身を愛す(Ich liebe dich)Op. 5-3
マーラー/魚に説教するパドヴァの聖アントニウス(Des Antonius von Padua Fischpredigt);ほのかな香りを(Ich atmet' einen linden Duft);いたずらっ子をしつけるために(Um schlimme Kinder artig zu machen)
~休憩~
ヴォルフ/春に(Im Frühling);思いみよ,おお心よ(Denk' es, o Seele);妖精の歌(Elfenlied);眠っている幼児キリスト(Schlafendes Jesuskind);隠棲(Verborgenheit);ことづて(Auftrag)
R.シュトラウス/親しき幻Op. 48-1;父がいいましたOp. 36-3;あらしの日Op. 69-5

●“さよなら”演奏会(Farewell Concert) 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

バッハ/御身はわがかたわらにBWV508
グルック/小川は流れる(La rencontre imprévue: Einem Bach der fließt)
モーツァルト/すみれK. 476;いましめK. 433(416c)
シューベルト/シルヴィアにD891;菩提樹D911-5;糸を紡ぐグレートヒェンD118;幸福D433
R.シュトラウス/楽劇「ばらの騎士」Op. 59:第1幕より~元帥夫人のエピソード(Da geht er hin ~ Der Herr Graf weiss ohnehin.)
~休憩~
ヴォルフ/あの国をご存じでしょうか(Kennst du das Land);捨てられた娘(Das verlassene Mägdlein);フィリーネ(Philine)
シューマン/くるみの木Op. 25-3;トランプを占う女Op. 31-2
ブラームス/私のまどろみはいよいよ浅くOp. 105-2;甲斐なきセレナーデOp. 84-4
ヴォルフ/どんなに長い間(Wie lange schon);いえ、お若い方(Nein, junger Herr);ペンナにあたしの恋人がいる(Ich hab' in Penna einen Liebsten wohnen)

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彼女の演奏が日本で披露されたのはこの年で最後だったが、公開講座の講師として1984年に再来日している。

彼女とジェフリー・パーソンズは1979年3月19日にチューリヒ・オペラ・ハウスでリサイタルを開いたが、その3日後に彼女を常にプロデュースしてきた夫のウォルター・レッグが亡くなり、それと共に彼女の演奏家としての経歴にピリオドが打たれた。

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シュヴァルツコプフ日本公演曲目1972年

シュヴァルツコプフ3回目の来日公演も前回同様1~2月で、6都市10公演が行われた。プログラムは5種類で、プログラムⅡ以外にヴォルフが含まれているのはいつものことである。だが、逆に考えれば、ヴォルフ歌いとして知られる彼女のリサイタルに、ヴォルフを含まないプログラムが必ず1種類あるというのは興味深い。主催者側の要望なのだろうか。

5種類中、作曲家のあらわれる回数は以下の通り。
4回:シューベルト、ヴォルフ
3回:ブラームス、マーラー
2回:シューマン、R.シュトラウス、グリーグ
1回:モーツァルト、リスト、レーヴェ、ラフマニノフ、ドヴォジャーク、チャイコフスキー、ムソルクスキー、民謡

ヴォルフと同じくシューベルトも4種類で歌っているが、前回来日時に「エレンの歌」1、2曲のみ歌って、3曲目の「アヴェ・マリア」が省かれたのに対して、今回は3曲ともまとめて披露している。シューマンは2回だけだが、プログラムⅡでは「リーダークライス」Op. 39全曲を披露している。グリーグを2回にわたり、計6曲歌っているのも興味深いが、ロシア歌曲も初来日時に続いて今回も披露している(プログラムⅤ)。ヴォルフにおいて言葉と音楽の結びつきを深く追求している彼女が、訳詩で他国の歌曲を歌うことに躊躇しないのも面白い。

今回の選曲の中で、現在までに録音で聴くことの出来ないレパートリーは以下の2曲のみである。
プログラムⅠ:ブラームス「夜鶯に寄せてOp. 46-4」
プログラムⅣ:ヴォルフ「郷愁」(「アイヒェンドルフ歌曲集」より)

(以下、曲名の日本語表記は原則としてプログラム冊子の記載通り。整理番号のないものには原タイトルを併記。)

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第3回来日:1972年1~2月

1月24日(月)18時30分 愛知県文化講堂(名古屋)(プログラムⅢ)
1月27日(木)19時 東京文化会館(プログラムⅠ)
1月30日(日)18時30分 東京文化会館(プログラムⅢ)
2月2日(水)19時 大阪フェスティバル・ホール(プログラムⅢ)
2月5日(土)18時30分 神奈川県立音楽堂(プログラムⅣ)
2月8日(火)18時30分 渋谷公会堂(プログラムⅣ)
2月11日(金)19時 京都会館(プログラムⅠ)
2月14日(月)19時 大阪フェスティバル・ホール(プログラムⅤ)
2月17日(木)19時 東京文化会館(都民劇場主催)(プログラムⅡ)
2月20日(日)19時 東京文化会館(プログラムⅤ)

●プログラムⅠ 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

シューベルト/緑野の歌D917;「ロザムンデ」のロマンスD797-5;私のクラヴィーアにD342;独りずまいD800
ヴォルフ/語れとはいわないで(Heiss mich nicht reden);ただあこがれを知る人だけが(Nur wer die Sehnsucht kennt);この姿のままで(So lasst mich scheinen);フィリーネ(Philine);あの国をご存じでしょうか(Kennst du das Land)
~休憩~
シューマン/ズライカの歌Op. 25-9;くるみの木Op. 25-3;二つのヴェネチアの歌Op. 25-17, 25-18(櫓の音をひそめよ;広場をわたって);トランプ占いをする娘Op. 31-2
ブラームス/夜鶯に寄せてOp. 46-4;あの下の谷間では(Da unten im Tale);セレナーデOp. 106-1
R.シュトラウス/いこえ、わが魂Op. 27-4;ばらのリボンOp. 36-1;あらしの日Op. 69-5

●プログラムⅡ 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

シューマン/歌曲集「リーダークライス」Op. 39(全12曲)
~休憩~
ブラームス/永遠の愛Op. 43-1;私のまどろみはいよいよ浅くOp. 105-2;狩人Op. 95-4
グリーグ/はじめての出会い(Erstes Begegnen)Op. 21-1;すいれんを手にして(Mit einer Wasserlilie)Op. 25-4;この世のつね(Lauf der Welt)Op. 48-3
民謡(Volkslieder)/すずしい谷間で(In einem kühlen Grunde)(フロードリヒ・グリュック作曲);なだめられた娘(Die Beruhigte);おお、愛らしい天使よ(O du liabs Ängeli)(スイス民謡);恋びと(Gsätzli)(スイス民謡)

●プログラムⅢ 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

モーツァルト/夕べの思いK. 523;警告K. 433(416c);わが感謝を受けよK. 383
シューベルト/エレンの歌ⅠD837;エレンの歌ⅡD838;エレンの歌ⅢD839
マーラー/ラインの伝説(Rheinlegendchen);ほのかな香りを(Ich atmet' einen linden Duft);いたずらっ子をしつけるために(Um schlimme Kinder artig zu machen)
~休憩~
ヴォルフ/春に(Im Frühling);捨てられた娘(Das verlassene Mägdlein);誰があんたを呼んだの(Wer rief dich denn?);私の捲髪のかげに(In dem Schatten meiner Locken);どんなに長い間(Wie lange schon);ジプシーの娘(Die Zigeunerin)
R.シュトラウス/夜Op. 10-3;父がいいましたOp. 36-3;あしたOp. 27-4

●プログラムⅣ 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

シューベルト/シルヴィアにD891;ズライカⅠD720;ズライカⅡD717;べにひわの求愛D552;糸を紡ぐグレートヒェンD118
ブラームス/メロディーのようにOp. 105-1;愛のまことOp. 3-1;ねえママ、欲しいものがあるの(Och Moder, ich well en Ding han);甲斐なきセレナーデOp. 84-4
~休憩~
リスト/三人のジプシー(Die drei Zigeuner)S320
マーラー/うき世の暮らし(Das irdische Leben)
レーヴェ/ちっちゃな暮らしOp. 71
グリーグ/最後の春(Letzter Frühling)Op. 33-2;はじめての桜草を手にして(Mit einer Primula veris)Op. 26-4;おん身を愛す(Ich liebe dich)Op. 5-3
ヴォルフ/さようなら(Lebe wohl);緑に祝福あれ(Gesegnet sei das Grün);花のところへ行くのだったら(Wenn du zu den Blumen gehst);郷愁(Heimweh)(アイヒェンドルフの詩による)

●プログラムⅤ 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

シューベルト/音楽に寄せてD547;子守歌D498;君はわがやすらいD776;ますD550;恋はいたるところにD239-6
ラフマニノフ/こどもたちに(To the Children)Op. 26-7
ドヴォジャーク/母が教えてくれた歌(Songs my mother taught me)Op. 55-4
ムソルクスキー/きのこ狩り(In den Pilzen)
チャイコフスキー/ただあこがれを知る人だけが(Nur wer die Sehnsucht kennt)
マーラー/魚に説教するパドヴァの聖アントニウス(Des Antonius von Padua Fischpredigt)
~休憩~
ヴォルフ/夜の魔法(Nachtzauber);クリストブルーメにⅠ(Auf eine Christblume 1);妖精の歌(Elfenlied);恋に気を許しちゃだめ(Trau nicht der Liebe);隠棲(Verborgenheit)
ヴォルフ/「イタリア歌曲集」より~もはや私は乾いたパンを(Ich esse nun mein Brot nicht trocken mehr);あたしが女王様じゃないっていうのね(Du sagst mir, dass ich keine Fürstin sei);ちょっと黙ったらどう(Schweig' einmal still);なみなみならぬご身分は(Wohl kenn' ich euern Stand);いえ、お若い方(Nein, junger Herr);ペンナにあたしの恋人がいる(Ich hab' in Penna einen Liebsten wohnen)

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シュヴァルツコプフ日本公演曲目1970年

エリーザベト・シュヴァルツコプフ(Elisabeth Schwarzkopf)2回目の来日公演は1970年に1ヶ月にわたり、7箇所で10回にわたって行われた。共演者は前回同様ジェフリー・パーソンズ(Geoffrey Parsons)である。プログラムの種類は前回来日時より1種少ない4種類で、シューベルトとヴォルフは3種類、シューマン、リスト、ブラームス、R.シュトラウスは2種類に含まれている。今回は前回の来日時にあったマーラーやロシア歌曲、スイス民謡は選ばれず、新たにショパン、リスト、ヴォルフ=フェルラーリ、レーヴェなどが加わっている。プログラムDで、シューベルトの「エレンの歌」の第1、2曲が歌われているのに第3曲の「アヴェ・マリア」が歌われていないのがおもしろい。

1970年の曲目の中で現在までに彼女の録音で聴くことの出来ないのは、以下の通りである(以下、曲名の日本語表記は原則としてプログラム冊子の記載通り)。

●プログラムA:ブラームス「少女の言葉Op. 107-3」、「許しておくれよ、かわいい恋人よ」
●プログラムB:ショパン「私の恋人Op. 74-12」、ブラームス「夜鶯に寄せてOp. 46-4」
●プログラムC:ハイドン「彼女は自分の愛を口に出さない」、シューマン「東方のばらからOp. 25-25」、「春の旅路Op. 45-2」、「私のばらOp. 90-2」、「音楽師Op. 40-4」、「ジャスミンのしげみOp. 27-4」、「たのしい放浪者Op. 77-1」、ヴォルフ「セレナーデ」
●プログラムD:シューベルト「エレンの第一の歌D837」、「エレンの第二の歌D838」、リスト「あの国をご存知でしょうかS275」、レーヴェ「へぼ詩人トムOp. 135a」

上記のうち、ブラームスの「少女の言葉」と「夜鶯に寄せて」は1975年にパーソンズとスタジオ録音しているが、未発売のままである。レーヴェ「へぼ詩人トム」はDECCAのために最後に作られたレコードのために1979年1月4日にヴィーンでスタジオ録音されたが、お蔵入りとなった。

ヴォルフの膨大な録音を残している彼女だが、アイヒェンドルフ歌曲集の中の「セレナーデ」を録音していないのは意外である。

また、リストの「なんとも驚き入ったことだ」のようにライヴ録音の形では聴くことが出来るが、スタジオで録音されなかったものもあり、例えば自身のリートのレパートリーをくまなく録音したF=ディースカウに比べると必ずしも録音の数は多くないことが分かる。特に来日公演でも頻繁に歌われたシューマンの録音が極端に少ないのが不思議である。

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第2回来日:1970年1~2月

1月17日(土)19時 東京文化会館(プログラムA)
1月20日(火)19時 大阪フェスティバル・ホール(プログラムA)
1月23日(金)18時30分 福岡市民会館(プログラムB)
1月26日(月)18時30分 広島市公会堂(プログラムD)
1月29日(木)18時30分 神戸国際会館(プログラムD)
2月1日(日)18時30分 大阪フェスティバル・ホール(プログラムB)
2月4日(水)18時30分 愛知県文化講堂(名古屋)(プログラムA)
2月7日(土)19時 東京文化会館(プログラムC)
2月10日(火)19時 東京文化会館(都民劇場主催)(プログラムD)
2月13日(金)18時30分 札幌市民会館(プログラムD)

●プログラムA 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

シューベルト/緑野の歌D917;ズライカⅠD720;ズライカⅡD717;ミューズの子D764
ブラームス/あの下の谷の底では(Da unten im Tale);メロディーのようにOp. 105-1;少女の言葉Op. 107-3;許しておくれよ、かわいい恋人よ(Erlaube mir, Feinsliebchen)
シューマン/ズライカの歌Op. 25-9;くるみの木Op. 25-3;トランプ占いの女Op. 31-2
~休憩~
ヴォルフ/エオリアン・ハープに寄せて(An eine Äolsharfe);飽くことを知らぬ恋(Nimmersatte Liebe);眠れぬ者の太陽(Sonne der Schlummerlosen);夜の魔法(Nachtzauber);ジプシーの娘(Die Zigeunerin);あたしが女王様じゃないっていうのね(Du sagst mir, daß ich keine Fürstin sei);ちょっと黙ったらどう、いけすかないおしゃべりさん(Schweig' einmal still);あたしの恋人が歌っている(Mein Liebster singt);もはや私は乾いたパンを食べることはないでしょう(Ich esse nun mein Brot nicht trocken mehr);私の恋人はとてもおチビさん(Mein Liebster ist so klein);もう平和を締結しましょう(Nun laß uns Frieden schließen);ペンナにあたしの恋人がいる(Ich hab' in Penna einen Liebsten wohnen)

●プログラムB 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

シューベルト/独りずまいD800;恋人の近くにD162;子守歌D498;糸を紡ぐグレートヒェンD118
リスト/なんとも驚き入ったことだ(Es muß ein Wunderbares sein)S314;三人のジプシー(Die drei Zigeuner)S320
ショパン/少女の願い(Mädchens Wunsch)Op. 74-1;リトアニアの歌(Litauisches Lied)Op. 74-16;私の恋人(Mein Geliebter)Op. 74-12
~休憩~
ブラームス/夜鶯に寄せてOp. 46-4;子守歌Op. 49-4;私のまどろみはいよいよ浅くOp. 105-2;眠りの精(Sandmännchen);甲斐なきセレナーデOp. 84-4
ヴォルフ=フェルラーリ/「イタリア歌曲集」からの7つの歌~道を行く若者よ(Giovanottino che passi per via);わたしは浜辺に(Vo'fa' 'na palazzina alla marina);夜、わたしは出かけた(Vado di notte, come fa la luna);神様が断食を(Dio ti facesse star tanto digiuno);恋人よ、教えてちょうだい(Dimmi, bellino mio, com'io ho da fare);夜、ベッドに入るときに(Quando a letto vo'la sera);若者よ、いまのうちに(Giovanetti, cantate ora che siete)

●プログラムC 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

ハイドン/彼女は自分の愛を口に出さない(She never told her love)
グルック/流れる小川に(La rencontre imprévue: Einem Bach der fließt)
モーツァルト/夕べの思いK. 523;魔法使いK. 472;私のねがいK. 539
シューマン/「東方のばら」からOp. 25-25;春の旅路Op. 45-2;私のばらOp. 90-2;音楽師Op. 40-4;ジャスミンのしげみOp. 27-4;たのしい放浪者Op. 77-1
~休憩~
ヴォルフ/つれない娘(Die Spröde);心とけた娘(Die Bekehrte);眠っている幼児キリスト(Schlafendes Jesuskind);セレナーデ(Das Ständchen "Auf die Dächer...");エピファニアス(主顕祭)(Epiphanias)
R.シュトラウス/親しき幻Op. 48-1;母親の自慢話Op. 43-2;わが子にOp. 37-3;ばらのリボンOp. 36-1;あしたOp. 27-4

●プログラムD 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

シューベルト/春にD882;エレンの第一の歌「いこえ、戦士よ」D837;エレンの第二の歌「狩人よ、いこえ」D838;いらだちD795-7
ヴァーグナー/夢(Träume)
リスト/あの国をご存知でしょうか(Kennst du das Land?)S275
レーヴェ/ちっちゃな暮らしOp. 71;へぼ詩人トムOp. 135a
メンデルスゾーン/歌の翼にのせてOp. 34-2
~休憩~
ヴォルフ/「スペイン歌曲集」から~主よ、この大地に生い立つものは(Herr, was trägt der Boden hier);私を花で覆って下さい(Bedeckt mich mit Blumen);ああ、それは五月のことだった(Ach im Maien war's);あの人に言ってちょうだい(Sagt ihm, daß er zu mir komme);私の捲髪のかげに(In dem Schatten meiner Locken);ねえ、あなたですの、立派なお方(Sagt, seid ihr es, feiner Herr)
R.シュトラウス/東方の三博士Op. 56-6;夜Op. 10-3;父がいいましたOp. 36-3;あらしの日Op. 69-5

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シュヴァルツコプフ日本公演曲目1968年

エリーザベト・シュヴァルツコプフ(Elisabeth Schwarzkopf: 1915.12.9 - 2006.8.3)の来日は1968年に初めて実現したが、それ以前に何度も計画されながらキャンセルされ、裁判沙汰になりかけたそうである。彼女はこの後、1970年、1972年、1974年と合計4回演奏のために来日することになる。共演者は4回ともジェフリー・パーソンズ(Geoffrey Parsons: 1929.6.15 - 1995.1.26)である。
(以下、曲名の日本語表記は原則としてプログラム冊子の記載通り。整理番号のないものには原タイトルを併記。)

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第1回来日:1968年4~5月

4月5日(金)19時 東京文化会館(プログラムⅠ)
4月8日(月)19時 東京文化会館(プログラムⅡ)
4月11日(木)19時 札幌市民会館(プログラムⅠ)
4月14日(日)19時 神奈川県立音楽堂(プログラムⅤ)
4月17日(水)19時 東京文化会館(プログラムⅢ)
4月20日(土)19時 大阪厚生年金会館(プログラムⅠ)
4月23日(火)19時 大阪厚生年金会館(プログラムⅡ)
4月26日(金)19時 福岡市民会館(プログラムⅠ)
4月29日(月)19時 東京文化会館(都民劇場主催)(プログラムⅣ)
5月2日(木)19時 東京文化会館(プログラムⅣ)

●プログラムⅠ 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

モーツァルト/ゆうべの思いK. 523;私のねがいK. 539;すみれK. 476;警告K. 433(416c)
シューベルト/音楽によせてD547;緑野の歌D917;水の上にて歌えるD774;ますD550
シューマン/ズライカの歌Op. 25-9;二つのヴェネチアの歌Op. 25-17~18;トランプ占いの女Op. 31-2
ヴォルフ/あの国をご存知でしょうか(Kennst du das Land);アナクレオンの墓(Anakreons Grab);妖精の歌(Elfenlied);恋に気を許すな(Trau nicht der Liebe);私の髪のかげで(In dem Schatten meiner Locken)
ヴォルフ/主よ、この大地に生い立つものは(Herr, was trägt der Boden hier);眠れぬ者の太陽(Sonne der Schlummerlosen);夏の子守歌(Wiegenlied im Sommer);頭よ、泣くのはおよし(Köpfchen, Köpfchen);ジプシーの娘(Die Zigeunerin)

●プログラムⅡ 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

バッハ/主よ、御身が間近におられるならBWV508
グルック/流れる小川に(La rencontre imprévue: Einem Bach der fließt)
ヘンデル/オペラ「アタランタ(Atalanta)」~さわやかな森(Care selve)
モーツァルト/オペラ「フィガロの結婚」K. 492~恋とはどんなものかしら(Voi, che sapete)
シューベルト/独りずまいD800;私のクラヴィーアにD342;シルヴィアにD891;恋はいたるところにD239
ブラームス/静かな夜に(In stiller Nacht);甲斐なきセレナーデOp. 84-4;深い谷間に(Da unten im Tale)
ムソルクスキー/小さな星よ、今いづこに(Little star, where art thou?);きのこ狩り(Gathering Mushrooms)
チャイコフスキー/ただあこがれを知るひとだけが(Nur wer die Sehnsucht kennt)Op. 6-6;ピンピネルラ(るりはこべ)(Pimpinella)Op. 38-6
ストラヴィンスキー/パストラール(Pastorale)
R.シュトラウス/いこえ、わが魂よOp. 27-4;母親の自慢話Op. 43-2;わが子にOp. 37-3;父がいいましたOp. 36-3
スイス民謡/山の上のマリア(Maria auf dem Berge);おお、愛らしい天使よ(O du liebs Ängeli);恋人(Gsätzli)

●プログラムⅢ 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

シューベルト/ロマンス「満月は輝き」D797-5;笑いと涙D777;鳥D691;野ばらD257;千変万化の恋人D558;子守歌D498
R.シュトラウス/森のしあわせOp. 49-1;胸の思いOp. 21-1;こもり歌Op. 49-3;嵐の日Op. 69-5;あしたOp. 27-4;献身Op. 10-1
ヴォルフ/春に(Im Frühling);あなたが花のところに歩んでゆく時には(Wenn du zu den Blumen gehst);意地悪な舌は口をそろえて(Mögen alle bösen Zungen);わたしの彼氏はほんとにチビ助で(Mein Liebster ist so klein);捨てられた女中(Das verlassene Mägdlein);世をのがれて(Verborgenheit)
ヴォルフ/どうしてあたしは楽しそうにしたり(Wie soll ich fröhlich sein);もしあなたの家がガラスのようなら(O wär' dein Haus durchsichtig wie ein Glas);恋人があたしを食事に招いた(Mein Liebster hat zu Tische mich geladen);ふたりは長い間黙っていた(Wir haben beide lange Zeit geschwiegen);私を花で覆って下さい(Bedeckt mich mit Blumen);おまえの小さな足を痛めたのは(Wer tat deinem Füßlein weh?)

●プログラムⅣ 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

シューベルト/ズライカⅠD720;ズライカⅡD717;きみはわがやすらいD776;漁師の歌D881;しあわせD433
シューマン/月夜Op. 39-5;てんとう虫Op. 79-13;だれがあなたを悩ませたのOp. 35-11;古いリュートOp. 35-12;ことづてOp. 77-5;くるみの木Op. 25-3;きみにささぐOp. 25-1
R.シュトラウス/「オフェリアの三つの歌」Op. 67-1~3;愛そうと思う者は、悩まなければならないOp. 49-7;ああ、何という悲しみ、悩みOp. 49-8
ヴォルフ/わたしをひもでしばろうと(Du denkst mit einem Fädchen mich zu fangen);だれがあなたを呼んだの(Wer rief dich denn?);もう仲直りしましょうよ(Nun laß uns Frieden schließen);緑に祝福あれ(Gesegnet sei das Grün);ずっと前から望んでいた(Wie lange schon war immer mein Verlangen);いいえ、お若いかた(Nein, junger Herr);ペンナにわたしの恋人がいる(Ich hab' in Penna einen Liebsten wohnen)

●プログラムⅤ 共演:ジェフリー・パーソンズ(P)

シューマン/異郷にてOp. 39-1;間奏曲Op. 39-2;やすらぎOp. 39-4;森の対話Op. 39-3;春の夜Op. 39-12
マーラー/魚に説教するパドゥアの聖アントニウス(Des Antonius von Padua Fischpredigt);菩提樹の香りをかいだ(Ich atmet' einen linden Duft);高い理性の賞讃(Lob des hohen Verstandes)
ヴォルフ/朝露の中を(Wandl' ich in dem Morgentau);現象(Phänomen);ねずみ捕りのおまじない(Mausfallen-Sprüchlein);こうのとりの使い(Storchenbotschaft)
ヴォルフ/クリスマスの花によせてⅠ(Auf eine Christblume 1);ユーフラテス川を舟で渡った時(Als ich auf dem Euphrat schiffte);あなたがた、若い人たち(Nein, junger Herr);さようなら(Lebewohl);ねえ、あなたですの、ご立派なお方(Sagt, seid ihr es, feiner Herr)
ブラームス/「ドイツ民謡」~恋人よ、はだしで来ちゃだめだよ(Feinsliebchen, du sollst mir nicht barfuß gehn);柳がくれに、家一軒(Dort in den Weiden);お嬢さん、ご一緒に(Jungfräulein, soll ich mit euch gehn);ねえ、ママ、欲しいものがあるの(Och Moder, ich well en Ding han)

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1968年の最初の公演は東京文化会館で、プログラムⅠである。従って日本の聴衆がはじめて彼女の声に接したのはモーツァルトの珠玉の作品「ゆうべの思い」ということになる。この年は5種類のプログラムが組まれたが、プログラムⅡ以外にすべてヴォルフの作品が含まれているのが彼女らしいと言えるだろう。東京ではプログラムⅤ以外すべて聴くことが出来、横浜まで足を伸ばせばプログラムⅤも聴くことが可能になっている。
プログラムⅡ以外は限られた数の作曲家の作品を数曲ずつ味わうことが出来る内容だが、プログラムⅡだけ若干毛色が異なる。バッハで始まり、その後に古典オペラ・アリアの名作(シュヴァルツコプフの十八番)が数曲続く。それからロシア歌曲(英訳や独訳だが)を間にはさみながらドイツ歌曲の名作が続き、最後はスイス民謡3曲で締めるというバラエティに富んだプログラミングである。ヴォルフもこのプログラムだけ含まれておらず、少しくだけた雰囲気でまとめられているように感じる。

上記の曲目の中で現在までに彼女の録音で聴くことの出来ないのは、ムソルクスキーの「小さな星よ、今いづこに」(Ⅱ)、R.シュトラウスの「胸の思い」Op. 21-1(Ⅲ)、シューマンの「てんとう虫」Op. 79-13、「だれがあなたを悩ませたの」Op. 35-11、「古いリュート」Op. 35-12(以上Ⅳ)である。このうち、「胸の思い(All' mein Gedanken)」は1968年10月にパーソンズとスタジオ録音したもののお蔵入りとなっているので、いつの日か復活する可能性はあるだろう。実際、プログラムⅢに含まれるシューベルト「笑いと涙(Lachen und Weinen)」は最近まで録音がリリースされていなかったが、未発表だった録音を集めた録音(TESTAMENT: SBT 1206)で復活しているのである。

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シュヴァルツコプフ・歌曲ディスコグラフィー抜粋(ライヴ)

●ELISABETH SCHWARZKOPF IN ITALIA

Schwarzkopf_favarettoElisabeth Schwarzkopf(S) Giorgio Favaretto(P: Schubert) Edwin Fischer(P: Brahms)
Orchestra Sinfonica e Coro di Roma della Rai(Mozart) Herbert von Karajan(C: Mozart) & others
録音:1952年2月16日 (Schubert);1954年2月21日 (Brahms);1953年12月20日 (Mozart)、すべてRAI Studios, Roma(以上ライヴ)
ARKADIA : CDHP 535.1

シューベルト/エレンの歌Ⅲ「アヴェ・マリア」D. 839;ますD. 550;水の上で歌うD. 774;「美しい水車屋の娘」~いらだちD. 795-7;ムーサの息子D. 764;ズライカⅠD. 720
ブラームス/野の孤独Op. 86-2;テレーゼOp. 89-2;死、それは涼しい夜Op. 96-1;子守歌Op. 49-4;永遠の愛についてOp. 43-1;メロディーのようにOp. 105-1;静かな夜に;あの下の谷で;わが恋は緑Op. 63-5;愛のまことOp. 3-1;甲斐なきセレナーデOp. 84-4
モーツァルト/歌劇「魔笛」より(愛を感じる男たちには;ああ、私にはわかる、消え失せてしまったことが;やがて朝を告げるために輝きわたるのは;私のタミーノ、ああ何という幸福)(イタリア語による)

●ELISABETH SCHWARZKOPF RECITALS 1952, 1954, 1944

Elisabeth Schwarzkopf(S) Giorgio Favaretto(P: 1952) Edwin Fischer(P: 1954) Michael Raucheisen(P: 1944)
録音:1952年2月16日, Roma (Schubert);1954年2月21日, Roma (Brahms);1944年10月7日, Berlin (Mozart)
ARCHIPEL DESERT ISLAND COLLECTION : ARPCD 0295

Recital 16.02.1952
シューベルト/エレンの歌Ⅲ「アヴェ・マリア」D. 839;ますD. 550;水の上で歌うD. 774;「美しい水車屋の娘」~いらだちD. 795-7;ムーサの息子D. 764;ズライカⅠD. 720

Recital 21.02.1954
ブラームス/野の孤独Op. 86-2;テレーゼOp. 89-2;死、それは涼しい夜Op. 96-1;子守歌Op. 49-4;永遠の愛についてOp. 43-1;メロディーのようにOp. 105-1;静かな夜に;あの下の谷で;わが恋は緑Op. 63-5;愛のまことOp. 3-1;甲斐なきセレナーデOp. 84-4

Recital 07.10.1944
ラモー/「イポリートとアリシー」~おまえの歌は、ナイチンゲールよ
リチャード・レヴェリッジ/老羊飼いの言葉
マイクル・アーン/やさしい心の娘
サンマルティーニ/白い子羊
グルック/「メッカの巡礼」~流れる小川に
モーツァルト/鳥たちよ、お前たちは毎年K307;内緒ごとK518
ベートーヴェン/秘密WoO145
シューベルト/春に寄せてD245
シューマン/民謡Op.51-2

※上記のCDと最初の2つのリサイタルは同一音源だが、ラウハイゼン共演の1944年の録音が加わっている。

●In Memoriam Elisabeth Schwarzkopf (1915-2006)

Elisabeth Schwarzkopf(S) Edwin Fischer(P)
録音:1954年2月21日, RAI Torino
tahra : Tah 617

ベートーヴェン/うずらの鳴き声WoO129;新しい愛、新しい生命Op.65-2;彩られたリボンでOp.83-3
シューベルト/音楽に寄せてD547;春にD882;シルヴィアにD891;悲しみD772;若い尼D828;水の上で歌うD774;ムーサの息子D764;糸車に向かうグレートヒェンD118
ブラームス/野の孤独Op. 86-2;テレーゼOp. 89-2;死、それは涼しい夜Op. 96-1;子守歌Op. 49-4;永遠の愛についてOp. 43-1;メロディーのようにOp. 105-1;静かな夜に;あの下の谷で;わが恋は緑Op. 63-5;愛のまことOp. 3-1;甲斐なきセレナーデOp. 84-4

※ブラームス以外は初出音源。

●Lieder-Recital

Schwarzkopf_moore_1956Elisabeth Schwarzkopf(S) Gerald Moore(P)
録音:1956年8月7日、Mozarteum, Salzburg(ライヴ)
EMI CLASSICS : 7243 5 66084 2 9

バッハ/「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳 第2巻」~あなたが私のそばにいるなら
ペルゴレージ/もしあなたが私を愛してくれて
ヘンデル/歌劇「アタランタ」~いとしい森よ
グルック/歌劇「メッカの巡礼(思いがけないめぐり合い)」~流れる小川に
ベートーヴェン/悲しみの喜び
シューベルト/シルヴィアにD. 891;「ロザムンデ」~ロマンツェD. 797;鳥D. 691;孤独な男D. 800;ああ、われを見捨てずにD. 510
ヴォルフ/ミニョン;フィリーネ;夜の魔法;ジプシーの娘
R.シュトラウス/憩え、わが魂よOp. 27-1;子守歌Op. 41-1;悪天候Op. 69-5;言いました、それだけでは済みませんOp. 36-3
(アンコール)
モーツァルト/警告K. 433(416c)
シューマン/くるみの木Op. 25-3
シューベルト/「美しい水車屋の娘」~いらだち

●RECITAL

Schwarzkopf_reevesElisabeth Schwarzkopf(S) George Reeves(P)
録音:1956年11月25日、Carnegie Hall, New York(ライヴ)
EMI : CDHB 7 61043 2

モーツァルト/夕べの思いK. 523;ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時K. 520;寂しい森の中でK. 308;喜びは踊りK. 579;歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」~向こう見ずな人たちね…岩のように動かず
シューベルト/シルヴィアにD. 891;孤独な男D. 800;「ロザムンデ」~ロマンツェD. 797;鳥D. 691;糸車に向かうグレートヒェンD. 118;幸福D. 433
グルック/歌劇「メッカの巡礼(思いがけないめぐり合い)」~流れる小川に
R.シュトラウス/憩え、わが魂よOp. 27-1;悪天候Op. 69-5;言いました、それだけでは済みませんOp. 36-3;子守歌Op. 41-1
ヴォルフ/主よ、この地には何が生えるのですか;私を花で覆ってください;私の巻き毛の陰で;新年に;フィリーネ;ミニョン「あの国を御存知ですか」;私たちは二人とも長い間押し黙っていました;何を怒っているの、いとしい人;夏の子守歌;妖精の歌;夜の魔法;ジプシーの娘
シューマン/くるみの木Op. 25-3
スイス民謡/二人の恋人
ヴォルフ/ペンナに一人恋人がいるの
ブラームス/甲斐なきセレナーデOp. 84-4
ヘンデル/歌劇「アタランタ」~いとしい森よ

●Wolf: Lieder-Recital

Schwarzkopf_moore_1957Elisabeth Schwarzkopf(S) Gerald Moore(P)
録音:1957年8月19日&1963年8月17日(*)、Großer Saal des Mozarteums, Salzburg(ライヴ)
EMI CLASSICS : 7243 5 65749 2 2

ヴォルフ/「メーリケ歌曲集」~癒えた者が希望に寄せて;さようなら(*);妖精の歌;こうのとりの使い;
「イタリア歌曲集」~誰があんたを呼んだの;私たち、もう平和を締結しましょうよ;私はもう濡れていないパンを食べることはないでしょう;嫌、お若い方;おお、あなたの家が透けていれば;あんたは、私が侯爵夫人でないと言う;ちょっと黙りなさいよ;深淵が私の恋人の小屋を飲み込んでしまえ;ペンナに一人恋人がいるの;
「スペイン歌曲集」~主よ、この地には何が生えるのですか(*);私を花で覆ってください(*);響け、響け、私のパンデーロよ;出発のラッパが鳴っている;口の悪い人たちはみな;私の巻き毛の陰で;行って、恋人よ、さあ行って;
「アイヒェンドルフ歌曲集」~夜の魔法;ジプシーの娘;
(アンコール)
ヴォルフ/愛を信じないで(スペイン)(*);子供と蜜蜂(メーリケ)(*);飽くことのない愛(メーリケ)(*);告白(メーリケ)(*)

●Wolf: Lieder-Recital

Schwarzkopf_moore_1958Elisabeth Schwarzkopf(S) Gerald Moore(P)
録音:1958年7月27日、Großer Saal des Mozarteums, Salzburg(ライヴ)
EMI CLASSICS : 0777 7 64905 2 6

ヴォルフ/春に;クリスマスローズにⅠ;風の歌;ガニュメーデース;花の挨拶;アナクレオンの墓;現象;一年中春;羊飼い;
「スペイン歌曲集」~労苦に満ち、重荷を背負い私は来ました;私を花で覆ってください;あなたの足を傷つけたのは誰;あたしの恋人を引っぱりこんだ女に災いあれ;私の巻き毛の陰で;
「昔の調べ」全曲(お入り、気高い兵士よ;私の恋人がアトリのように歌うと;青っぽい坊や;私が朝露の中を歩き回ると;炭焼き女が酔っ払っている;明るい月が冷たく遠くに輝いている);
(アンコール)
フィリーネ;ミニョン;私たち、もう平和を締結しましょうよ;鼠捕りの呪文

●HUGO WOLF LIEDER

Elisabeth Schwarzkopf(S) Gerald Moore(P)
録音:1958年7月27日、Großer Saal des Mozarteums, Salzburg(ライヴ)
ANDROMEDA : ANDRCD 9066

ヴォルフ/「メーリケ歌曲集」~春に;クリスマスローズにⅠ;風の歌;老女の忠告;
「ゲーテ歌曲集」~ガニュメーデース;花の挨拶;アナクレオンの墓;現象;一年中春;羊飼い;
「スペイン歌曲集」~労苦に満ち、重荷を背負い私は来ました;あなたの足を傷つけたのは誰;あたしの恋人を引っぱりこんだ女に災いあれ;
「ケラー歌曲集(昔の調べ)」全曲(お入り、気高い兵士よ;私の恋人がアトリのように歌うと;明るい月が冷たく遠くに輝いている;炭焼き女が酔っ払っている;私が朝露の中を歩き回ると;青っぽい坊や);
(アンコール)
もうどれほど長いことずっと憧れていたことでしょう;フィリーネ

※上記のCDと同一音源だが、「老女の忠告」「もうどれほど長いことずっと憧れていたことでしょう」が追加され、「スペイン歌曲集」2曲とアンコール3曲がカットされた。
「老女の忠告」を彼女の録音で聴けるのはこれが初めてである(スタジオ録音をしなかった)。

●Schubert - Wolf - Strauss

Schwarzkopf_robin_1960Elisabeth Schwarzkopf(S) Jacqueline Robin-Bonneau(P)
録音:1960年6月15日、Palais des Fêtes, Strasbourg(ライヴ)
LE CHANT DU MONDE : LDC 278 899

シューベルト/音楽にD. 547;水の上で歌うD. 774;漁師の歌D. 881;「ロザムンデ」~ロマンツェD. 797;「ヴィラ・ベラのクラウディーネ」~愛はあらゆる道にあるD. 239;孤独な男D. 800;幸福D. 433;あなたは憩いD. 776
ヴォルフ/主よ、この地には何が生えるのですか;聖ネポムク前夜;私たち、もう平和を締結しましょうよ;私の巻き毛の陰で;夏の子守歌;行って、恋人よ、さあ行って
R.シュトラウス/親しい幻影Op. 48-1;憩え、わが魂よOp. 27-1;献身Op. 10-1
(アンコール)
R.シュトラウス/悪天候Op. 69-5
ヴォルフ/鼠捕りの呪文

●LA NUOVA MUSICA - VOLUME 2

Schwarzkopf_moore_1960Elisabeth Schwarzkopf(S) Gerald Moore(P)
録音:1960年8月13日(Schubert);1956年8月7日(Schumann & Strauss);1958年7月27日(Wolf)、すべてMozarteum, Salzburg(ライヴ)
stradivarius : STR 10009

シューベルト/漁師の歌D. 881;わがピアノにD. 342;緑の中の歌D. 917;幸福D. 433
シューマン/くるみの木Op. 25-3
R.シュトラウス/悪天候Op. 69-5
ヴォルフ/「昔の歌」全曲(お入り、気高い兵士よ;私の恋人がアトリのように歌うと;明るい月が冷たく遠くに輝いている;炭焼き女が酔っ払っている;私が朝露の中を歩き回ると;青っぽい坊や)
(ほかにエラ・フィッツジェラルド&デューク・エリントンとキャシー・バーベリアンのコンサート・ライヴも収録されている。)

●LIEDERALBUM

Schwarzkopf_reutter_1962Elisabeth Schwarzkopf(S) Hermann Reutter(P)
録音:1962年3月2日、Musikstudio Funkhaus, Hannover(ライヴ)
MOVIMENTO MUSICA : 051-015

シューベルト/音楽にD. 547;孤独な男D. 800;幸福D. 433;糸車に向かうグレートヒェンD. 118
ブラームス/あの下の谷で;愛のまことOp. 3-1;甲斐なきセレナーデOp. 84-4
ヴォルフ/ミニョンⅠ;ミニョンⅡ;ミニョンⅢ;フィリーネ;ミニョン「あの国を御存知ですか」;主よ、この地には何が生えるのですか;私を花で覆ってください;私の巻き毛の陰で;誰があんたを呼んだの;おお、あなたの家が透けていれば;夏の子守歌;ジプシーの娘;夜の魔法

●GREAT SINGERS IN RECITAL

Schwarzkopf_de_nobelElisabeth Schwarzkopf(S) Felix de Nobel(P)
録音:1962年6月29日、Concertgebouw, Amsterdam(ライヴ)
GLOBE : GLO 6902

ヴォルフ/朝露;鳥;鼠捕りの呪文;誰があんたを呼んだの;私たち、もう平和を締結しましょうよ;ジプシーの娘
(ほかにアーメリング、ベルガンサ、クルイセン、ヴィシネフスカヤ、クラウセ、バーベリアンのリサイタルも収録されている。)

●LIEDERABEND

Schwarzkopf_parsons_1967Elisabeth Schwarzkopf(S) Geoffrey Parsons(P)
録音:1967年10月10(6?)日、Saal der Gemeindschule, Ascona, Switzerland(ライヴ)
ERMITAGE : ERM 109

モーツァルト/夕べの思いK. 523;すみれK. 476;警告K. 433;私は皇帝になりたいK. 539
シューベルト/孤独な男D. 800;シルヴィアにD. 891;「ロザムンデ」~ロマンツェD. 797
シューマン/ズライカの歌Op. 25-9;2つのヴェネツィアの歌Op. 25-17, Op. 25-18;くるみの木Op. 25-3;カード占いをする女Op. 31-2
ヴォルフ/ミニョン「あの国を御存知ですか」;捨てられた娘;私の巻き毛の陰で;愛を信じないで;もうどれほど長いこと、憧れていたことでしょう;ジプシーの娘
シューベルト/幸福D. 433
ヴォルフ=フェルラーリ/「イタリア歌曲集」Op. 17~祈り(夜、ベッドに入るときに)

●RECITAL 1968

Schwarzkopf_parsons_1968Elisabeth Schwarzkopf(S) Geoffrey Parsons(P)
録音:1968年12月2日、Royal Festival Hall, London(ライヴ)
EKLIPSE : EKR P4

ヴォルフ/どんな歌をあなたに歌ったらいいのだろう;春に;現象;私が朝露の中を歩き回ると;ミニョン「あの国を御存知ですか」
シューベルト/ズライカⅠD. 720;ズライカⅡD. 717;糸車に向かうグレートヒェンD. 118
ヴォルフ/夏の子守歌;アナクレオンの墓;ジプシーの娘
R.シュトラウス/オフィーリアの歌Ⅰ~ⅢOp. 67-1~Op. 67-3;わが子にOp. 37-3;薔薇のリボンOp. 36-1;ああ、なんと悲しくOp. 49-8
ヴォルフ/ねえ、あなたなの、素敵な方;私の巻き毛の陰で;ああ、五月のことだった;おお、あなたの家が透けていれば;嫌、お若い方;私達は二人とも長い間押し黙っていました
(アンコール)
ヴォルフ/誰があんたを呼んだの
R.シュトラウス/母親の戯言Op. 43-2
シューベルト/幸福D. 433

●Elisabeth Schwarzkopf, Aldo Ciccolini

Elisabeth Schwarzkopf(S) Aldo Ciccolini(P)
録音:1969年6月29日、Nohant(ライヴ)
ARKADIA : CDGI 802.1

シューベルト/孤独な男D800;満月は輝きD797;シルヴィアにD891
シューマン/ズライカの歌;くるみの木
リスト/三人のジプシー;素晴らしいことにちがいない
ショパン/願い;リトアニアの歌;かわいい若者
ヴォルフ/あの国をご存知ですか;花園に行くのなら;私の巻き毛の陰で;ジプシー娘
R.シュトラウス/憩え、わが魂;わが子に;明日;言いました-それだけでは済みません
モーツァルト/ぼくは皇帝になりたい
R.シュトラウス/ああ、なんと悲しく
シューベルト/幸福D433

●シュヴァルツコップ1972年日本リサイタル

エリーザベト・シュヴァルツコップ(Elisabeth Schwarzkopf)(S) ジェフリー・パーソンズ(Geoffrey Parsons)(P)
録音:1972年1月27日(CD1), 1972年2月20日(CD2) 東京文化会館大ホール(ライヴ)
エフエム東京: TOKYO FM: TFMC-0023/24

CD1
シューマン/ズライカの歌Op.25-9;くるみの木Op.25-3;2つのヴェネツィアの歌Op.25-17,18;トランプ占いをする女Op.31-2
ブラームス/あの谷間の下には;セレナーデOp.106-1
R.シュトラウス/ばらのリボンOp.36-1;献呈Op.10-1
シューベルト/幸福D433
ヴォルフ/フィリーネ
シュヴァルツコップ インタビュー

CD2
シューベルト/ますD550;きみは憩いD776;恋はいたるところに(『ヴィラ・ベッラのクラウディーネ』D239より)
ラフマニノフ/こどもたちにOp.26-7
ドヴォルザーク/わが母の教えたまいし歌Op.55-4
マーラー/魚に説教するパドヴァのアントニウス
ヴォルフ/クリストブルーメにⅠ;妖精の歌;恋に気を許しちゃだめ
ヴォルフ/『イタリア歌曲集』より~わたしはもう乾いたパンを食べることはないでしょう;わたしが貴族の出でもないくせになんて云うわね;ちょっと黙ったらどお、しつこいおしゃべり屋さん!;やんごとないあなたの御身分のことはよくわかっていますわ;いけませんわ、若いお方、そんな風になさったりしては;ペンナにわたしのいいひとがいる
モーツァルト/アリア「警告」K433

●Farewell Recital - Amsterdam 1977

Schwarzkopf_parsons_1977Elisabeth Schwarzkopf(S) Geoffrey Parsons(P)
録音:1977年2月8日、Concertgebouw, Amsterdam(ライヴ)
Bella Voce : BLV 107.002

ヴォルフ/ミニョン「あの国を御存知ですか」
マーラー/私はほのかな香りを吸った
ヴォルフ/郷愁(「メーリケ歌曲集」より)
シューベルト/「冬の旅」~ぼだいじゅD. 911-5
ヴォルフ/ジプシーの娘
シューマン/くるみの木Op. 25-3
ヴォルフ/私はもう濡れていないパンを食べることはないでしょう
R.シュトラウス/ああ、なんと悲しくOp. 49-8
リスト/三人のジプシー
R.シュトラウス/憩え、わが魂よOp. 27-1
シューベルト/孤独な男D. 800
ヴォルフ/眠りに寄せて
ヴォルフ=フェルラーリ/夜、あたしは出かけた
ヴォルフ/考えてみよ、おお魂よ;もうどれほど長いこと、憧れていたことでしょう;捨てられた娘
シューベルト/糸車に向かうグレートヒェンD. 118
ヴォルフ/おお、あなたの家が透けていれば;ペンナに一人恋人がいるの
(アンコール)
シューベルト/幸福D. 433

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シュヴァルツコプフとブラームス歌曲

"Elisabeth Schwarzkopf: A Career on Record" (Alan Sanders & J. B. Steane著)というシュヴァルツコプフのディスコグラフィーが1995年にAmadeus Press (Portland)から出版されている。
この本の序文はシュヴァルツコプフにより書かれており、この出版された年の1月に亡くなった名パートナーのジェフリー・パーソンズを「15年間、世界中で私の伴奏者であり、最もすばらしい親友だった」と悼む。
さらに彼女がパーソンズと「魔王」を録音した際のエピソードを披露し、2人ともこの曲を録音するなどと全く思っていなかった中で、プロデューサーで彼女の夫のウォルター・レッグが突然スタジオのスピーカーで「魔王」を録音するよう指示を出し、行ったこの録音(1966年4月)がシュヴァルツコプフにとって最も素晴らしい録音になったと述懐している。

この本にはこの時点での完全な録音データが掲載されているが、録音されたままお蔵入りになっているデータも含まれているのが興味深い。

シュヴァルツコプフは言葉の意味するところを彫りの深い巧みな語りで表現しつくす点が高く評価されているが、そのせいか音楽のがっちりした構成のもとに形成されることの多いブラームス歌曲は不向きと思われがちだ。
確かに彼女の持ち味が最大限に生かせるのはヴォルフやR.シュトラウスだったりするわけだが、「甲斐なきセレナーデ」や「あの下の谷には」などは彼女の重要なレパートリーに含まれ、前者の見事な演技力や後者の真に心に触れる歌は、向き不向きを越えた感動を与えてくれる。サンダーズによるディスコグラフィーを見ると、1975年にパーソンズとまとまったブラームス歌曲集を録音していることが分かる。
彼女はモーツァルト、シューベルト、シューマン、ヴォルフ、R.シュトラウスについては1枚まるまる1人の作曲家の作品でアルバムを作っているが、ブラームスに関してはこれまでフル・アルバムは見当たらなかった。
この1975年録音のブラームスが、演奏活動晩年の彼女が最初で最後のブラームス・アルバムを作ろうとして録音したであろうことはほぼ確かに思われるが、未だお蔵入りしたままなのは、自己批判の厳しい彼女の了解を得ることが出来なかったのだろうか。
全20曲中12曲は彼女のほかの録音で聴くことが出来ない。選曲を見ると、娘にちなんだ数々が冒頭を飾っているのが目につく(後にルチア・ポップも同じような選曲でブラームス・アルバムを作ったものだったが、ポップの共演者もパーソンズなので、彼のアドバイスがあったのかもしれない)。シュヴァルツコプフお得意の「甲斐なきセレナーデ」が含まれていないのも興味深い。
いつか日の目を見るといいのだが。

Elisabeth Schwarzkopf(S) Geoffrey Parsons(P)(未発売)
録音:1975年12月12~22日, Evangelisches Gemeindhaus, Zehlendorf

ブラームス/娘の歌(最後の審判の日に)Op. 95-6;娘の歌(ああ、そしてわが冷たい水よ)Op. 85-3;娘の歌(夜、糸紡ぎの部屋で)Op. 107-5;娘は語るOp. 107-3;娘の呪いOp. 69-9;郷愁Ⅱ(おお、戻る道が分かればいいのに)Op. 63-8;テレーゼOp. 86-1;永遠の愛についてOp. 43-1;目隠し鬼ごっこOp. 58-1;嘆き(素敵な女(ひと)よ、信じるな)Op. 105-3;子守歌Op. 49-4;ナイティンゲールにOp. 46-4;若い歌Ⅰ(わが愛は緑)Op. 63-5;秘密Op. 71-3;鍛冶屋Op. 19-4;恋人の誓いOp. 69-4;死、それは涼しい夜Op. 96-1;悲しいかな、おまえは私をまたOp. 32-5;おお涼しい森よOp. 72-3;帰郷Op. 7-6

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シュヴァルツコプフ/リート・リサイタル(1954年)

シュヴァルツコプフが1954年にムーアと録音した「リート・リサイタル」と題されたスタジオ録音と、同年にエクサン・プロヴァンス音楽祭で指揮者ハンス・ロスバウトのピアノと共演したリサイタルのライヴ録音をご紹介したいと思う。前者はおそらく入手は難しいだろう。復活を望みたい。シュヴァルツコプフの好みのレパートリー(というよりも夫のウォルター・レッグの選曲)が見えてくる。とりわけグルックのアリアはこのほかの機会にも頻繁に歌っているようだ。

シュワルツコップ/リート・リサイタル
Elisabeth Schwarzkopf(S) Gerald Moore(P)
録音:1954年1月4日~11日, EMI Studio, No. 1, London(各曲の録音日は下記括弧内)
東芝EMI:TOCE-3028(曲目表記はCD表記のまま記載する)

Schwarzkopf_lieder_recital J.S.バッハ/御身が間近かにおられるなら(4日)
グルック/流れる小川に(4日)
モーツァルト/夕べの想いK. 523(6日);魔法使いK. 472(5日)
ベートーヴェン/悲しみの喜びOp. 83-1(10日)
シューベルト/連禱D. 343(9日);「美しい水車屋の娘」~いらだちD. 795-7(10日)
シューマン/「ミルテの花」~くるみの木Op. 25-3(9日);ことづてOp. 77-5(10日)
ブラームス/あの下の谷のそこでは(5日);ねえ、母さん、欲しいものがあるの(5日);甲斐なきセレナーデOp. 84-4(6日)
ヴォルフ/夏の子守歌(11日)
R.シュトラウス/父がいいましたOp. 36-3(6日);ひどいお天気Op. 69-5(5日)
ヴォルフ/鼠とりのおまじない(11日)

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シュヴァルツコプフ/エクサン・プロヴァンス・リサイタル
Elisabeth Schwarzkopf(S) Hans Rosbaud(P)
録音:1954年7月23日, Théâtre de la cour de l'Archevêché, Aix-en-Provence
INA : IMV067

Schwarzkopf_ina_recital J.S.バッハ/「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」~御身が間近かにおられるなら
グルック/歌劇「メッカの巡礼(思いがけないめぐり合い)」~流れる小川に
ベートーヴェン/悲しみの喜びOp. 83-1
モーツァルト/夕べの想いK. 523;警告K. 433
ペルゴレージ/もしあなたが私を愛してくれて
ヘンデル/歌劇「アタランタ」~いとしい森よ
マルティーニ/愛の喜びは
シューベルト/シルヴィアにD. 891;愛は裏切ったD. 751;孤独な男D. 800;鳥D. 691;「美しい水車屋の娘」~いらだちD. 795-7
シューマン/「ミルテの花」~くるみの木Op. 25-3;ことづてOp. 77-5
ブラームス/あの下の谷のそこでは;永遠の愛についてOp. 43-1
ヴォルフ/ミニョン;私達は二人とも長い間押し黙っていた;私の巻き毛の陰で;眠る幼子イエス;さようなら;嫌、お若いお方;夜の魔法;ジプシーの娘
スイス民謡/2人の恋人

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シュヴァルツコプフ・ソング・ブック

かつて東芝EMIからシュヴァルツコプフのソング・ブック全4集がCD化されたことがある(1994年)。
これはLPで発売された時のままの形のようだが、現在は入手困難であろう。
すばらしいアンソロジーであり、この機会に再発をぜひ望みたい。
第1集に収められている「ダニー・ボーイ」(ロンドンデリーの歌)の気品に満ちた優しい語りかけは、ヴォルフを歌う厳格な彼女とは全く違って、ただただ素晴らしい。ヴォルフ=フェラーリの歌曲は、イタリアにも独唱とピアノのための優れた芸術歌曲がまだまだ埋もれていることを示してくれた。ここで歌われている7曲を聴くだけでも、この作曲家の音楽的ヴォキャブラリーの多彩さに驚かされる。「あたしは浜辺に(Vo' fa' 'na palazzia alla marina)」は洒落たスペイン歌曲でも聴いているかのようだ。

(以下、日本語表記は原則としてCDの記載のまま)。

●シュワルツコップ・ソング・ブック(第1集)
Elisabeth Schwarzkopf(S) Gerald Moore(P)
1965年8月22~27日, Evangelisches Gemeindhaus, Zehlendorf録音

Schwarzkopf_song_book_vol_1 シューベルト/独りずまいD. 800;泉のほとりの若者D. 300;鱒D. 550;野ばらD. 257;恋はいたる所に(アリエッタ)D. 239
シューマン/2つのヴェネチアの歌Op. 25-17、25-18;献呈Op. 25-1
ヴォルフ/花を摘みに行くなら;ジプシーの娘
ヴォルフ=フェラーリ/「イタリア歌曲集」より~道を行く若者よ;あたしは浜辺に;神様が断食を;恋人よ、教えて頂戴;夜、ベッドに入るとき;夜、あたしは出かけた;若者よ、いまの中に歌え
ドビュッシー/マンドリン
ラフマニノフ/こどもたちにOp. 26-7(英訳による歌唱)
アイルランド民謡/ダニー・ボーイ
シューベルト/幸福D. 433

●シュワルツコップ・ソング・ブック(第2集)
Elisabeth Schwarzkopf(S) Geoffrey Parsons(P)
1966年4月21~29日&1967年10月24~28日, Evangelisches Gemeindhaus, Zehlendorf録音

シューベルト/魔王D. 328;わがクラヴィーアにD. 342
モーツァルト/すみれK. 476;私のねがいK. 539
シューマン/トランプを占う女Op. 31-2
マーラー/魚に説教するパドヴァのアントニウス;ほのかな香りを;高遠なる知性のおほめの言葉
ヴォルフ/さようなら;告白;飽くことを知らぬ恋;隠棲
R.シュトラウス/わが子にOp. 37-3;愛そうと思う者はOp. 49-7;ああ、なんという悲しみOp. 49-8
ストラヴィンスキー/パストラール(歌詞なし)
ムソルグスキー/きのこ狩り(独訳による歌唱)
チャイコフスキー/ピンピネルラ(るりはこべ)Op. 38-6(伊語による歌唱)

●シュワルツコップ・ソング・ブック(第3集)
Elisabeth Schwarzkopf(S) Geoffrey Parsons(P)
1968年10月20~27日, Evangelisches Gemeindhaus, Zehlendorf録音

シューベルト/ズライカⅠD. 720;ズライカⅡD. 717;べにひわの求愛D. 552
シューマン/ズライカの歌Op. 25-9
ショパン/少女の願いOp. 74-1;リトアニアの歌Op. 74-9(以上独訳による歌唱)
レーヴェ/ちっちゃなわが家Op. 71
グリーグ/最後の春Op. 33-2;睡蓮によせてOp. 25-4;きみを愛すOp. 5-3(以上独訳による歌唱)
R.シュトラウス/オフィーリアの3つの歌Op. 67
リスト/3人のジプシー
マーラー/いたずらっこをしつけるために

●シュワルツコップ・ソング・ブック(第4集)
Elisabeth Schwarzkopf(S) Geoffrey Parsons(P)
1970年8月27日~9月8日, Evangelisches Gemeindhaus, Zehlendorf録音

モーツァルト/夕べの想いK. 523;魔法使いK. 472
ブラームス/まどろみはいよいよ浅くOp. 105-2;眠りの精;メロディーのようにOp. 105-1;かりゅうどOp. 95-4;愛のまことOp. 3-1;セレナーデOp. 106-1;甲斐なきセレナーデOp. 84-4
ヴォルフ/春に;クリストブルーメにⅠ
グリーグ/最初の出会いOp. 21-1;青春の時Op. 48-5;はじめての桜草Op. 26-4;この世のなりゆきOp. 48-3
R.シュトラウス/夜Op. 10-3;子守歌Op. 49-3

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シュヴァルツコプフ逝去

昨夜、何気なく訪れた「詩と音楽」サイトの藤井さんの投稿で、名ソプラノ、エリーザベト・シュヴァルツコプフ(シュワルツコップ)の訃報を知った(Olga Maria Elisabeth Frederike Schwarzkopf:1915.12.9, Jarotschin (現Jarocin), Germany (現Poland)-2006.8.3, Schruns, Austria)。90歳。
自宅で就寝中の死というから天寿をまっとうしたということになるのだろう。とうに引退していたとはいえ、歌曲の演奏史で最も大きな功績を残した歌手の死はやはり寂しい。1980年代にはマスタークラスの講師として来日していて、音楽誌でそのレポートを読んだ記憶があるが、実際に演奏のために来日したのは1968年から2年おきに4回だけだった。

私がはじめて彼女の録音を聴いたのはEMIから出ていた2枚組LPのシューベルト歌曲集であった。彼女がEMIに残したすべてのシューベルトのスタジオ録音を網羅したものということで、「糸車に向かうグレートヒェン」や「悲しみ」などはパーソンズ共演とフィッシャー共演の2種類の演奏が収められていた記憶がある。「ハナダイコン」「べにひわの求愛」などをはじめて聴いたのもこのレコードであった。私にとっては歌曲を聴きはじめた頃を思い出す懐かしいLPである。

彼女の演奏はかなり個性の強いもので、他の人には真似しようにも出来ないであろう。歌声には他の歌手にはない気品と色香があったが、それが単調に陥ることはなく自在に曲に合った声の色で味付けして表現していた。特に彼女の弱声の魅力は飛びぬけて素晴らしいと思う。「リートを聴く前と聴いた後では違った人間にならなければなりません。」というほど聴く人にも変化を求めているのである。彼女の歌曲に寄せる思いはきわめて強い。

最も密に共演した2人のピアニストは彼女を次のように評している。

「ほとんどの歌手がリハーサルの時に、メッツァ・ヴォーチェで歌い流すだけであるのに、シュヴァルツコプフは、練習が何時間続こうとも、つねに声をフルに出して歌う。そして私と合わせる前にも、彼女がひとりでどれほど歌ってきたことか、それは神のみぞ知る」(ジェラルド・ムーア)

「彼女の練習態度にはまったく頭がさがる。そして同じ曲が、そのたびに新しい曲にきこえてくる」(ジェフリー・パーソンズ)
(東芝EMI:TOCE-1585の西野茂雄氏の解説より)

才能に寄りかからない努力の人だったようだ。また、敏腕プロデューサーだったご主人ウォルター・レッグの影響もあるだろうが、彼女の自己批判の厳しさも尋常ではなかったらしい。再びムーアの回想から。レッグのプロデュースでレコーディングしている時のひとこまである。

「われわれが(中略)録音をプレイ・バックして聴いた際、彼女は楽譜に続けざまに、矢印、アンダー・ライン、半円、円などを書き込んだ。(中略)書き込みながら彼女は、「高すぎた」「低すぎた」「あっしまった!何てひどいのかしら」とブツブツ言うのである。こんな調子では、われわれは1枚のレコードも作ることができないのではないかと、私は本気で心配した。(中略)われわれにはどうしても不正確に聞こえないところを、エリーザベトは不正確に歌ったと主張して、われわれを困らせた。」
(ジェラルド・ムーア著「お耳ざわりですか」(萩原和子・本澤尚道共訳/音楽之友社、1982年)より)

同じような話は来日時のFM局の録音担当者の回想でも読んだことがある。それだけ自分に厳しい人だったから、当然教育者としてもとても厳しい指導をしていたようだ。

リートの伝道師という感のある彼女の歌曲演奏の録音は多いが、とりわけヴォルフの歌曲は自他ともに認める彼女の十八番であった。言葉を適切に発音し、その言葉のもつ意味を余すところなく伝えようとする彼女の姿勢は他のどの作曲家よりもヴォルフに適していたことは明らかである。「ミニョン」の4曲などは彼女の声の中に主人公のはかない運命がくっきり刻み込まれており、弱声に深い思いを込めた表現で悲しみを完璧に伝えてくる。その深さへの追究ゆえにレパートリーの向き不向きがはっきり分かれていたということは言えるだろう。彼女のレパートリーはすべてレッグが決めていたというが、聴く側の好みはあるもののどの曲も彼女のものに消化されているのは確かに感じられる。

ヴォルフももちろん素晴らしいが、私にとって彼女の数ある録音の中でもっとも印象に残っているのが、ブラームスの「静かな夜に(In stiller Nacht)」という歌曲である。これはブラームスの独唱、合唱の49曲からなる「ドイツ民謡集(Deutsche Volkslieder)」の独唱編最後(42曲目)に置かれた作品で、実はこの曲は民謡にブラームスが編曲した他の曲と違い、メロディも最初の2行以外は彼の創作らしい。独唱編42曲全曲をF=ディースカウ、ジェラルド・ムーアと共にEMIに録音しており(時に対話形式で1曲を2人で歌っているものもある)、洗練され知的な表現はこの種の作品には好き嫌いが分かれるだろうが、私はとても気に入っている。この静寂に包まれた美しい音楽に対してシュヴァルツコプフは心からの真実の表現を聴かせてくれ、聴くたびに鳥肌が立つ。

「静かな夜に」はこう歌われる。

静かな夜に、最初の見張りが立つころ、
ある声が嘆き始め、
夜風は甘く穏やかに
私にその響きを運んでくれた。
苦い苦悩や悲しみで
私の心は溶けてしまい、
花々には、澄んだ涙を
私はそれらみなにふり注いだ。

美しい月が沈もうとしている、
苦悩のあまり、もはや輝きたくないのだ。
星々もその光をとめ、
みなで私と共に泣こうとしている。
鳥の歌も、歓喜の響きも
空中に聞かれず、
野生の動物たちも私と共に
岩場や深淵で悲しんでくれる。

彼女が最後(1977&1979年)に録音した「わが友へ」と題されたDECCAの録音はその半分が得意のヴォルフに当てられ、残りにレーヴェ、グリーグとブラームスが歌われていた。つくづくリートは声だけではないと実感させられた名唱で、表現意欲の強さはいささかも衰えを見せていなかった。ブラームスの「目隠し鬼」などパーソンズの絶妙のサポートと共に、生き生きと若やいでいたものだった。

EMIに4枚の「ソング・ブック」と題された録音があり、かつてCD復活したものだが、この機会に再発を望みたい。得意のドイツものだけでなく、グリーグ、シベリウス、ショパンからムソルクスキー、チャイコフスキー、ヴォルフ=フェルラーリまで多彩なレパートリーを彼女独自の切り口で楽しませてくれた。

またしても歌曲演奏の一つの時代が幕を下ろした。
ナチスとのかかわりなど晩年は暗い側面がクローズアップされた感もあるが、彼女の残してくれた遺産はやはり限りなく大きなものがあったことに間違いない。
一つ一つの録音にじっくり大切に耳を傾けながら、心からご冥福をお祈りしたいと思います。

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