NPO Radio4で、エリー・アーメリング(Elly Ameling)の特集ページ公開

オランダのラジオ局NPO Radio4のサイトで、エリー・アーメリング(Elly Ameling)の特集ページが公開されました。

Elly Ameling

オランダ語で彼女の経歴が書かれているほか、貴重な写真も掲載されていて、ファンにはたまらない内容になっています!

1963年のフォレ「レクイエム」とヴェルディ「聖歌四篇」は数年前からずっとアップされたままですが、その他のいくつかの音源が久しぶりにアップされているのは嬉しいです。

30 november 1963: Elly Ameling zingt Fauré
フォレ:「レクイエム」とヴェルディ:「聖歌四篇」

1963年11月30日, Concertgebouw, Amsterdam(コンセルトヘバウ、アムステルダム)

Elly Ameling, sopraan
Bernhard Kruysen, bariton (Fauré)
Bernard Bartelink, orgel (Fauré)
Radio Filharmonisch Orkest
Groot Omroepkoor
Carlo Maria Giulini, dirigent

エリー・アーメリング(ソプラノ)
ベルナルト・クラウセン(バリトン)(フォレ)
ベルナルト・バルテリンク(オルガン)(フォレ)
オランダ放送大合唱団
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)

Gabriel Fauré - Requiem
フォレ:レクイエム(19:15頃からアーメリングの「ピエ・イエズ」)

Giuseppe Verdi - Quattro pezzi sacri (Ave Maria; Stabat Mater; Laudi alla Vergine Maria; Te Deum)
ヴェルディ:「聖歌四篇」(アーメリングは4曲目「テ・デウム」の最後の方37:35からわずかな出番のみ)

Die Zauberflöte door RFO o.l.v Bernard Haitink met Fritz Wunderlich
モーツァルト:歌劇「魔笛」全曲(アーメリングは第一の童子、ヴンダーリヒがタミーノ)

1958年5月24日

Maria van Dongen(マリア・ファン・ドンゲン) (Pamina; sopraan)(パミーナ)
Fritz Wunderlich(フリッツ・ヴンダーリヒ) (Tamino; tenor)(タミーノ)
Albert van Haasteren(アルベルト・ファン・ハーステレン) (Sarastro/spreker; bas)(ザラストロ、弁者)
Juliane Farkas(ユリアーナ・ファルカス) (Köningin der Nacht; sopraan)(夜の女王)
Jan Derksen(ヤン・デルクセン) (Papageno; bariton)(パパゲーノ)
Nel Duval(ネル・デュヴァル) (Papagena; sopraan)(パパゲーナ)
Annette de la Bije(アネッテ・ド・ラ・ベイエ) (Erste Dame; sopraan)(第一の侍女)
Lucienne Bouwman(ルシエネ・バウマン) (Zweite Dame; mezzosopraan)(第二の侍女)
Annie Deloirie(アニー・デローリ) (Dritte Dame; mezzosopraan)(第三の侍女)
Reinier Schweppe(レニエ・シュヴェッペ) (Monostatos; tenor)(モノスタートス)
Elly Ameling(エリー・アーメリング) (Erste knabe)(第一の童子)
Thea van de Steen(テア・ファン・デア・ステーン) (Zweite knabe)(第二の童子)
Cora Canne Meyer(コーラ・カネ=メイアー) (Dritte knabe)(第三の童子)
Jan Waayer(ヤン・ヴァイアー) (Erster Priester & Erster geharnischter Mann; bas)(第一の僧、第一の武士)
Sybert van Keeken(シーベルト・ファン・ケーケン) (Zweiter Priester & Zweiter geharnischter Mann; bas)(第二の僧、第二の武士)
Nederlands Omroep Koor(オランダ放送合唱団)
Radio Filharmonisch Orkest(オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団)
Bernard Haitink(ベルナルト・ハイティンク) (Dirigent)

Wolfgang Amadeus Mozart - Die Zauberflöte, KV 620
モーツァルト:歌劇「魔笛」全曲

Elly Ameling en Bernard Haitink
モーツァルト:モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」、マーラー:交響曲第2番

1969年11月8日, Concertgebouw, Amsterdam

Elly Ameling (sopraan)
Aafje Heynis (alt)
Groot Omroepkoor
Radio Filharmonisch Orkest
Bernard Haitink (Dirigent)

エリー・アーメリング(ソプラノ)
アーフィエ・ヘイニス(アルト)
オランダ放送大合唱団
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
ベルナルト・ハイティンク(指揮)

Wolfgang Amadeus Mozart - Motet voor sopraan en orkest KV.165, "Exsultate, jubilate"
モーツァルト:モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」

Gustav Mahler - Symfonie nr. 2 in c "Auferstehung"
マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」

※上記のサイトから当日のプログラムをPDFでダウンロード出来ます(Mediaという見出しの下の行のリンクを右クリックして「名前をつけてリンク先を保存」)。

Elly Ameling zingt Schubert
シューベルト・リサイタル(ドルトン・ボールドウィン:ピアノ)

1978年4月14日, Concertgebouw, Amsterdam

Elly Ameling (sopraan)
Dalton Baldwin (piano)

エリー・アーメリング(ソプラノ)
ドルトン・ボールドウィン(ピアノ)

Franz Schubert

1. Ellens Gesang nr.1 (エレンの歌Ⅰ“憩いなさい、兵士よ”D837)
2. Ellens Gesang nr.2 (エレンの歌Ⅱ“狩人よ、休みなさい”D838)
3. Ellens Gesang nr.3 (エレンの歌Ⅲ“アヴェ・マリア”D839)
4. Rosamunde, Fürstin von Zypern D.797: Romanze "Der Vollmond strahlt" (「キプロスの女王ロザムンデ」D797より~ロマンツェ“満月は輝き”)
5. Amalia (アマーリアD195)
6. Das Mädchen (娘D652)
7. Refrainlieder: Die Männer sind méchant (「4つのリフレイン歌曲」より~男はみんなこんなものD866-3)
8. Suleika I (ズライカⅠD720)
9. Der König in Thule (トゥーレの王D367)
10.Gretchens Bitte (グレートヒェンの祈りD564)
11.Gretchen am Spinnrade (糸を紡ぐグレートヒェンD118)
12.Claudine von Villa Bella: "Liebe schwärmt auf allen Wegen" (「ヴィラ・ベラのクラウディーネ」D239より“愛はいたるところに”)
13.Die Liebende schreibt (恋する娘が手紙を書くD673)
14.Nähe des Geliebten (恋人のそばD162)
15.Liebhaber in allen Gestalten (あらゆる姿をとる恋人D558)
16.Heidenröslein (野ばらD257)
17.Der Schmetterling (蝶々D633)

Elly Ameling en Irwin Gage spelen Schubert
シューベルト・リサイタル(アーウィン・ゲイジ:ピアノ)

1975年6月19日, Circustheater, Scheveningen

Elly Ameling (sopraan)
Irwin Gage (piano)

エリー・アーメリング(ソプラノ)
アーウィン・ゲイジ(ピアノ)

Franz Schubert

An Sylvia(シルヴィアにD891)
Ganymed(ガニュメデスD544)
Der Musensohn(ミューズの息子D764)
Ellens Gesang I: Raste, Krieger(エレンの歌ⅠD837:憩いなさい、兵士よ)
Ellens Gesang II: Jäger, ruhe(エレンの歌ⅡD838:狩人よ、狩をお休みなさい)
Ellens Gesang III: Ave Maria(エレンの歌ⅢD839:アヴェ・マリア)
Im Frühling(春にD882)
Suleika I(ズライカⅠD720)
Frühlingsglaube(春の思いD686)
Heimliches Lieben(ひそやかな愛D922)
Der Einsame(孤独な男D800)
Du liebst mich nicht(あなたは私を愛していないD756)
Auf dem Wasser zu singen(水の上で歌うD774)
Gretchen am Spinnrade(糸を紡ぐグレートヒェンD118)
Seligkeit(幸福D433)
Lachen und Weinen(笑ったり泣いたりD777)
Suleika II(ズライカⅡD717)
"Claudine von Villa Bella": Liebe schwärmt auf allen Wegen(「ヴィラ・ベラのクラウディーネ」D239~愛はいたるところに)
An die Musik(音楽に寄せてD547)
Romanze aus "Rosamunde": Der Vollmond strahlt(「ロザムンデ」D797~ロマンス:満月は輝き)
Die Forelle(ますD550)

アーメリングのマスタークラス
Podium Witteman Masterclass: Elly Ameling - 29 augustus

2021年8月29日放送

7分頃~
Lucie Horsch (mezzo soprano), Hans Eijsackers (piano)

Schumann: Widmung, Op. 25-1
シューマン:献呈

25分頃~
Noëlle Drost (soprano), Hans Eijsackers (piano)

Debussy: Mandoline
ドビュッシー:マンドリン

43分頃~
Vincent Kusters (baritone), Hans Eijsackers (piano)

Fauré: Après un rêve, Op. 7-1
フォレ:夢のあとで

Schumann: Widmung, Op. 25-1
シューマン:献呈

Wie is... Elly Ameling?

タイトルを訳すと「アーメリングってどんな人?」という感じでしょうか。
いくつかの動画も引用されていますが、このサイトでは彼女の秘話がオランダ語で紹介されています。Google翻訳の助けを借りて読むと、小さい頃から歌好きだったアーメリングは母親に連れられて行ったジェラール・スゼーのリサイタルに啓示を受け、この時のことを「歌手人生の始まり」とみなしたとのこと。そして引退を決意した時もスゼーの言葉を引用しました「精神的に成熟した瞬間に楽器が劣化してしまうのが歌手の悲劇です」。Google翻訳でぜひ読んでみて下さい。

De Gouden Opnamen van Elly Ameling

タイトルは「エリー・アーメリングのゴールド・ディスク」という感じでしょうか。アーメリングの優れた録音をいろいろな人が日替わりで選ぶ企画のようです。

初日の月曜日はバスバリトンのロベルト・ホル(Robert Holl)がシューベルトの「音楽に寄せて」を、De Podiumというこの番組のスタッフがラヴェルの「シェエラザード」を選びます。
「Speel fragment af」をクリックすると、これらの録音やホルの祝福の言葉を聞くことが出来ます。

火曜日はオーボエ奏者のハン・ドゥ・フリース(Han de Vries)セレクトのバッハ「結婚カンタータ」BWVから"Sich üben im Lieben"と、番組スタッフセレクトのマーラー「交響曲第4番」の第4楽章です。

水曜日はフォレ「夢のあとに」、ドビュッシー「美しい夕暮れ」、ベルリオーズ『夏の夜』~「ばらの精」

木曜日はアーメリングの弟子のバリトン、ラウル・ステファーニ(Raoul Steffani)の選んだシューマン『リーダークライスOp.39』~第1・2曲と、番組のセレクトによるバッハの「マタイ受難曲」より「私の心は涙の中を漂っています-私はあなたに私の心を捧げます(Wiewohl mein Herz in Tränen schwimmt - Ich will dir mein Herze schenken)」

金曜日はアーメリングの弟子のソプラノ、レネケ・ラウテン(Lenneke Ruiten)の選んだシューベルト「岩の上の羊飼い」がオーケストラ伴奏版で放送されます。

土曜日は意外なところで、今大きく売り出し中のアイスランドのピアニスト、ヴィキングル・オラフソン(Víkingur Ólafsson)がアイスランドに来た彼女の声を聞いて「私の人生を変えた」とコメント

Elly Ameling in podcast Hollandse Helden

「オランダの英雄たち」というポッドキャストにエリー・アーメリングも加わりました。説明の他に動画が2つ掲載されていて、一つはNOS Radio 1 Journaalのパーソナリティとの電話の会話。もう一つは最近のアーメリングの姿を映した動画でハンス・ハフマンス(Hans Haffmans)と会話しながら衣装やスーツケースをお披露目し、最後には貴重な運転姿まで披露しています。
肝心のポッドキャストですが、残念ながら日本からは聞けない仕様になっているようです。

SOPRANISTIN ELLY AMELING
Eine Stimme aus Kristall

Jürgen Kestingによるアーメリングの経歴と歌唱に関する独語のエッセーです。彼女が賞を獲得した後、しばらく音楽から離れて本屋に勤めていたこと、その後復帰したこと、それからベルナック門下の彼女の歌うフランス歌曲について等が書かれています。

Elly Ameling (90): Weet u welk liedje mijn moeder voor me zong als ik slapen ging?

オランダの日刊紙Trouwのインタビュー記事ですが、料金を払わないと記事は見れません。ヘッダーに白髪のアーメリングのアップ写真が掲載されています。

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ジェラール・スゼー&ドルトン・ボールドウィン/1961年リサイタル音源(france musique)

Récital de Gérard Souzay et Dalton Baldwin en 1961
https://www.francemusique.fr/emissions/les-tresors-de-france-musique/recital-de-gerard-souzay-et-dalton-baldwin-en-1961-98546

フランスのバリトン、ジェラール・スゼー(Gérard Souzay: 1918-2004)とアメリカのピアニスト、ドルトン・ボールドウィン(Dalton Baldwin: 1931-2019)は歌曲演奏の名コンビとして広く知られていますが、ヘンデル、パーセル、シューベルト、ドビュッシー、ヴィラ=ローボスの作品による音源がfrance musiqueのサイトで公開されていました。

スゼーは言わずと知れたフランス歌曲の名人ですが、実は多言語のレパートリーを持ち、中田喜直の歌曲も以前録音しています(おそらくCD化はされていませんが)。今回の音源の中ではポルトガル語の作品(ヴィラ=ローボス)も歌っています。

ヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」もレパートリーだったとは知りませんでした。
パーセルの軽快な歌いぶり、シューベルトの多様性、十八番のドビュッシー(夕暮れに因んだ3曲)など聴きどころ満載でスゼー42歳の絶頂期の美声と表現を堪能できます。それから彼と切り離せない存在のボールドウィンの完璧なまでに一体となった素晴らしい演奏もぜひお聞きください。

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ジェラール・スゼー(BR)
ドルトン・ボールドウィン(P)

1961年5月12日録音

(5:01-)
ヘンデル:オンブラ・マイ・フ(これほどの木陰はなかった)

(9:03-)
パーセル:男は女のために作られていて
パーセル:ニンフと羊飼い
パーセル:バラよりも甘く

(15:28-)
シューベルト:悲しみ D 772
シューベルト:春の思い D 686
シューベルト:春への憧れ D 957-3
(24:40-)
シューベルト:小人 D 771
シューベルト:酒神讃歌 D 801
シューベルト:星 D 939

(36:48-)
ドビュッシー:美しい夕暮れ
ドビュッシー:夕暮れのハーモニー(『5つのボドレールの詩』より)
ドビュッシー:夕暮れ(『叙情的散文』より)

(47:37-)
ヴィラ=ローボス:モジーニャ(『セレスタス』より)
ヴィラ=ローボス:Saudades da Minha Vida (『セレスタス』より)
ヴィラ=ローボス:ノザニ・ナ(『ブラジル風カンサン』より)
ヴィラ=ローボス:天の星は新しい月だ(『ブラジル風カンサン』より)

(55:43-)
R.シュトラウス:明日!

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Gérard Souzay, baryton
Dalton Baldwin, piano

Georg Frederic Haendel:
Serse, HWV 40 - "Ombra mai fu"

Henry Purcell:
The Mock Marriage, Z 605 - "Man is for woman made
The Libertine or The Libertine Destroyed, Z 600 - "Nymphs and Shepherds"
Pausanias The Betrayer of His Country, Z 585 - "Sweeter than roses"

Franz Schubert:
Wehmut, D 772
Frühlingsglaube, D 686
Schwanengesang, D 957 - n°3 - "Frühlingssehnsucht"
Der Zwerg, D 771
Dithyrambe, D 801
Die Sterne, 939

Claude Debussy:
Beau Soir, L 84
5 Poèmes de Charles Baudelaire, L 70 - n°2 - "Harmonie du soir"
Proses Lyriques, L 84 - n°4 - "De soir..."

Heitor Villa-Lobos:
14 Serestas, W 216 - n°5 - "Modinha"
14 Serestas, W 216 - n°4 - "Saudades da Minha Vida"
13 Cancoes Tipicas Brasileiras, W 158 - n°2 - "Nozani Na"
13 Cancoes Tipicas Brasileiras, W 158 - n°5 - "Estrela é lua nova"

Richard Strauss:
Morgen!, Op. 27-4

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エリー・アーメリングのブラームス歌曲集(Elly Ameling: Brahms Lieder)

エリー・アーメリング(Elly Ameling)のYouTube公式チャンネルで、今度はブラームス歌曲集がアップされました!アーメリングの歌うブラームスも最高なんです!!!

今回の録音はおそらく4種類のスタジオ録音(うち3種類はブラームス歌曲集として発売されたスタジオ録音)と1種類のライヴ音源と思われます。編集のThom Janssenは、歌詞のアルファベット順に配置したようです。おそらくアーメリング自身の書き込みの入った楽譜が表示されますので、ブラームス歌曲を勉強している方向けなのだと思いますが、私のような単なる音楽ファンにとっても嬉しいです。

全部が聴き所だと思いますが、個人的に好きなのは「湖上で」「黄昏は上方から降り来て」「リンデの木に霜がおり」「野の孤独」「別れはなければならないのか」「夢遊病者」「五月の夜」「使い」あたりでしょうか。もちろん他の録音も素晴らしいです。ヴィオラ助奏の「宗教的な子守歌」が彼女の歌で聴けるのは嬉しいですね。彼女のブラームスは、この作曲家の渋いイメージを払拭してくれるのではないでしょうか。いつも通りの細やかなアプローチが素晴らしいですが、ブラームスらしいメロディーラインもしっかり響かせています。そしてルドルフ・ヤンセン、ドルトン・ボールドウィン、ノーマン・シェトラーといった名手たちのピアノも素晴らしいです。ぜひお好きな曲だけでも楽しんでみて下さい。

1977年録音のボールドウィンとのLP録音は未だにB面の収録曲がほとんどCD化されていないので、今回期待したのですが、残念ながら収録されていませんでした。レコード会社に望むのは難しそうなので、こちらのチャンネルに期待したいです。

●1977年録音のDalton Baldwin共演盤の未CD化作品
Botschaft
Komm bald
Des Liebsten Schwur
Dein blaues Auge
Das Mädchen spricht
Von ewiger Liebe
Sandmännchen

特に「恋人の誓い(Des Liebsten Schwur)」はライヴなどの他音源も今のところありませんので、この曲だけでも復活希望です!(他の曲は別の時期の録音で聴くことが出来ます)


Elly Ameling; Brahms Lieder

00:00:05 Ach, wende diesen Blick (op 57/4) ¹ (ああ、この視線をそらして)
00:01:55 Am Sonntag Morgen, zierlich angetan (op 49/1) ⁵ (日曜日の朝に)
00:03:17 Auf die Nacht in der Spinnstub’n (op 107/5 Mädchenlied) ⁵ (娘の歌 "夜に糸紡ぎの部屋で")
00:05:09 Blauer Himmel (op 59/2 Auf dem See) ³ (湖上で)
00:08:09 Da unten in Tale läuft Wasser so trüb (WoO 33/6) ⁴ (あの谷底で)
00:10:57 Dämmrung senkte sich von oben (op 59/1) ³ (黄昏は上方から降り来て)
00:15:00 Dein blaues Auge (op 59/8) ¹ (あなたの青い目)
00:17:28 Der Mond steht über dem Berge (op 106/1 Ständchen) ⁵ (セレナード)
00:19:06 Die Blümelein sie schlafen (WoO 31/4 Sandmännchen) ² (眠りの精)
00:22:56 Die ihr schwebet um diese Palmen (op 91/2 Geistliches Wiegenlied) ⁴* (宗教的な子守歌)
00:29:11 Du milchjunger Knabe (op 86/1 Therese) ³ (テレーゼ)
00:31:01 Dunkel, wie dunkel (op 43/1 Von ewiger Liebe) (永遠の愛について)
00:35:36 Es hing der Reif im Lindenbaum (op 106/3) ¹ (リンデの木に霜がおり)
00:39:00 Es lockt und säusselt (op 6/2 Der Frühling) ⁴ (春)
00:41:40 Es steht ein Lind in jenem Tal (WoO 33/41) ⁵ (リンデが立っている)
00:44:26 Es träumte mir, ich sei dir teuer (op 57/3) ¹ (私は夢を見た)
00:47:58 Feinsliebchen, du sollst mir nicht barfuß gehn (WoO 33/12) ⁵ (美しい恋人よ、裸足で来ては駄目だよ)
00:51:10 Geuss’ nicht so laut (op 46/4 An Die Nachtigall) ³ (サヨナキドリに寄せて)
00:54:02 Guten Abend, gut’ Nacht (op 49/4 Wiegenlied) ⁴ (子守歌)
00:56:11 Guten Abend, mein Schatz (op 84/4 Vergebliches Ständchen) ¹ (甲斐なきセレナード)
00:57:59 Ich ruhe still, im hohen grünen Gras (op 86/2 Feldeinsamkeit) ³ (野の孤独)
01:02:13 Immer leiser wird mein Schlummer (op 105/2) ¹ (わが眠りはますます浅くなり)
01:06:24 In dem Schatten meiner Locken (op 6/1 Spanisches Lied) ⁴ (スペインの歌)
01:08:44 In stiller Nacht, zur ersten Wacht (WoO 33/42) ⁵ (静かな夜に)
01:11:39 Mei Mueter mag mi net (op 7/5 Die Trauerende) ⁴ (悲しむ娘)
01:13:28 Mein Lieb ist ein Jäger (op 95/4 Der Jäger) ⁴ (狩人)
01:14:38 Mein wundes Herz verlangt nach milder ruh (op 59/7) ³ (私の傷ついた心)
01:16:20 Meine Liebe ist grün (op 63/5) ³ (わが恋は緑)
01:17:53 Muss es eine Trennung geben (op 33/12) ³ (別れはなければならないのか)
01:21:30 O Frühlingsabenddämmerung (op 71/3 Geheimnis) ³ (秘密)
01:23:28 O kühler Wald, wo rauschest du (op 72/3) ³ (おお涼しい森よ)
01:25:42 O Nachtigall, dein süsser Schall (op 97/1 Nachtigall) ³ (サヨナキドリ)
01:28:16 O versenk’ dein Leid (op 3/1 Liebestreu) ³ (愛の誠)
01:31:08 O wüsst ich doch den Weg zurück (op 63/8) ¹ (おお帰り道を知っていたならば)
01:35:07 Och Modr, ich well en Ding han (WoO 33/33) ⁵ (おお お母さん、ほしいものがあるの)
01:36:49 Rosenzeit, wie schnell vorbei (op 59/5 Agnes) ⁴ (アグネス)
01:40:00 Ruhe, Süssliebchen (op 33/9 Ruhe, Süssliebchen) ³ (憩え、かわいい恋人よ)
01:46:27 Schwalbe, sag’ mir an (op 107/3 Das Mädchen spricht) ⁵ (娘は語る)
01:47:48 Schwesterlein, wann gehn wir nach Haus (WoO 33/15) ⁵ (お姉ちゃん)
01:50:42 Singe Mädchen, hell und klar (op 84/3 In Den Beeren) ⁴ (いちご畑で)
01:52:16 Störe nicht den leisen Schlummer (op 86/3 Nachtwandler) ³ (夢遊病者)
01:56:28 Unbewegte laue Luft (op 57/8) ¹ (そよがぬ生ぬるい風)
02:00:21 Voller, dichter tropft ums Dach da (op 58/2 Während des Regens) ⁵ (雨の間)
02:01:37 Von waldbekränzter Höhe (op 57/1) ⁴ (森に覆われた丘から)
02:04:01 Wann der silberne Mond (op 43/2 Die Mainacht) ³ (五月の夜)
02:07:23 Warum den warten von Tag zu Tag (op 97/3 Komm bald) ¹ (早くおいで)
02:10:03 Wehe, Lüftchen, lind und lieblich (op 47/1 Botschaft) ¹ (使い)
02:12:10 Wenn du nur zuweilen lächelst (op 57/2) ¹ (あなたがほんの時折でも微笑んでくれたら)
02:13:53 Wie Melodien zieht es mir (op 105/1) ¹ (メロディのように)
02:16:08 Wir wandelten, wir zwei zusammen (op 96/2) ¹ (私たちは歩き回った)

Elly Ameling
Rudolf Jansen (1983) ¹→おそらく5枚組CDボックス"80 jaar"に収録された1983年1月14日Concertgebouwでのライヴ録音と思われる。ただし「わが眠りはますます浅くなり」と「便り」は"80 jaar"では1978年10月3日Concertgebouw録音と記載されている。
Rudolf Jansen (1988) ²→おそらくPhilipsレーベルに録音した「歌の翼に」と題されたオムニバス歌曲集と同一音源
Rudolf Jansen (1990) ³→おそらくHyperionレーベルに録音した「ブラームス歌曲集」と同一音源
Dalton Baldwin (1977) ⁴→おそらくPhilipsレーベルに録音した「ブラームス歌曲集」と同一音源
Norman Shetler (1967) ⁵→おそらくHarmonia Mundiレーベルに録音した「ブラームス歌曲集」と同一音源
George Szende - viola *

Editing: Thom Janssen

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エリー・アーメリングのヴォルフ歌曲集!!!

エリー・アーメリング(Elly Ameling)のYouTube公式チャンネルで、なんとヴォルフのメーリケ歌曲集、スペイン歌曲集等が大量にアップされました!!!
もう大判振る舞いです。
大好きなアーメリングの歌う大好きなヴォルフの歌曲を素晴らしいピアニストのヤンセン、ボールドウィンとの共演で聴ける幸せ!!!
しかも、いくつかは初出ライヴ音源と思われます!!!(→2021/5/29追記:もしかしたら録音年月の表記間違いで、すでに発売されたライヴ音源と同じかもしれません。)
この週末はリピート決定です!

いつもこのチャンネルの動画を編集しておられるThom Janssen氏にも感謝です。

●Elly Ameling; Mörike Lieder - Wolf
ヴォルフ/『メーリケ歌曲集』より

00:00:06 Nimmersatte Liebe(飽くことのない愛) *
00:02:38 Er ist's(春だ) *
00:04:01 An den Schlaf(眠りに寄せて) *
00:06:17 Verborgenheit(隠遁) **
00:09:26 Begegnung(出逢い) *
00:10:59 In der Frühe(明け方に) *
00:13:40 Elfenlied(妖精の歌) **
00:15:50 An eine Aeolsharfe(エオリアンハープに寄せて) *
00:22:08 Lied vom Winde(風の歌) *
00:24:46 Im Frühling(春に) **
00:29:34 Storchenbotschaft(こうのとりの使い) *
00:33:35 Die Geister am Mummelsee(ムメル湖の亡霊) ***
00:37:13 Nixe Binsefuss(水の精ビンゼフース) ***
00:39:24 Auf eine Christblume I(クリスマスローズに寄せてⅠ) ***
00:44:38 Auf eine Christblume II(クリスマスローズに寄せてⅡ) ***
00:46:35 Das verlassene Mägdlein(捨てられた娘) ***
00:49:39 Lebe wohl(さようなら) ***
00:51:53 Schlafendes Jesuskind(眠る嬰児イエス) ***
00:55:19 Der Knabe und das Immlein(子供と蜜蜂) ***
00:58:00 Ein Stündlein wohl vor Tag(夜明け前のひととき) ***
01:00:12 Gebet(祈り) ***
01:02:43 Selbstgeständnis(告白) ***
01:03:58 Bei einer Trauung(ある結婚式で) ***
01:06:04 Rat einer Alten(老女の忠告) ***
01:08:12 Mausfallen-Sprüchlein(ねずみ捕りのおまじない) *

Elly Ameling
Piano
Rudolf Jansen * (recording Feb. 1989)
Rudolf Jansen ** (recording Sept. 1991)
Dalton Baldwin *** (recording Aug. 1970)

1991年のヤンセン共演録音と、1970年のボールドウィン共演録音はすでに発売されたCDやLPと同一音源ではないかと想像されます。
ところが1989年2月に録音されたライヴらしきヴォルフの音源は私は知らないので、おそらくアーメリングの初出個人所蔵音源なのではないかと思います。(→2021/5/29追記:実はすでに発売されたライヴ音源"80 jaar"に1989年2月21日録音の2曲(ねずみ捕りのおまじない、隠遁)が含まれていましたので、初めてではありませんでした。失礼しました。"80 jaar"に収録されている他のメーリケ歌曲集は1986年1月14日録音なのですが、もしかしたら今回のこの初出音源(*印の曲)も1986年が正しい可能性があります。そうすると初出音源はないことになります。)
個人的には大好きな「こうのとりの使い」の新しい音源(→2021/5/29追記:上述の通り、新しい音源ではないかもしれません。1986年のライヴ録音と歌詞を間違える箇所が同じなので、同一音源の可能性があります)が聞けたのが嬉しかったです!いやこれら全部嬉しいです!!

●Elly Ameling; Wiegenlied im Sommer - Wolf
ヴォルフ/夏の子守歌

Elly Ameling
Piano - Rudolf Jansen

こちらは箸休め的なとろけるような子守歌ですね。
ライニクの詩による美しい作品です。
録音データの記載はありませんでした。(→2021/5/29追記:"80 jaar"収録のものと同じ音源が使われているとしたら1982年5月12日録音となります。)

●Elly Ameling; Spanisches Liederbuch - Wolf
ヴォルフ/『スペイン歌曲集』より

00:06 WL No 2: In dem Schatten meiner Locken(私の巻き毛の陰で)
02:25 WL No 25: Ob auch finstre Blicke glitten(不機嫌な視線に苦しめられても)
04:38 WL No 26: Bedeckt mich mit Blumen(私を花で覆ってください)
08:07 WL No 12: Sagt, seid ihr es, feiner Herr(ねえ、あなたでしたの、素敵な殿方)
10:10 WL No 23: Tief im Herzen trag ich Pein(心の奥深く苦悩を抱え)
12:02 WL No 21: Alle gingen, Herz, zur Ruh(ものみな憩いについた、心よ)
14:01 WL No 24: Komm, o Tod, von Nacht umgeben(来たれ、おお死よ、夜に包まれて)
17:14 WL No 28: Sie blasen zum Abmarsch(出発の合図が鳴っている)
19:48 WL No 13: Mögen alle bösen Zungen(口の悪い人たちはみな)
21:43 WL No 34: Geh, Geliebter, geh jetzt(行って、恋人よ、もう行って)
25:42 WL No 30: Wer tat deinem Füsslein weh?(誰があなたのあんよを傷つけたの)
28:08 GL No 6: Ach, des Knaben Augen(ああ、嬰児の瞳は)
30:03 GL No 4: Die ihr schwebet(この棕櫚のまわりに漂う者たち)
33:04 GL No 7: Mühvoll komm ich und beladen(苦労を重ね重荷を背負って私は来ました)

WL = Weltliche Lied(世俗的歌曲)
GL = Geistliche Lied(宗教的歌曲)

Elly Ameling
Piano - Rudolf Jansen

録音データが記載されていませんが、これは彼女のキャリア最後のステレオ録音(Hyperion)と同一音源のように聞こえます。(→2021/5/29追記:Hyperionのヴォルフ歌曲集は1991年9月12-16日に録音されました。)
最後の「苦労を重ね重荷を背負って私は来ました」の苦悩の表現は、円熟期ならではの素晴らしさです。

本当は今日はフィッシャー=ディースカウの誕生日なので、彼の記事を書こうとしていたところ、この宝物のような音源を見つけてしまって急遽予定変更です。
F=ディースカウ・ファンの方ごめんなさい。
F=ディースカウについてはまたいずれ何か記事を書きます。

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プライ&エンドレス(Prey & Endres)映像;オージェ&ボールドウィン(Augér & Baldwin)1984年NYリサイタル音源

長い新型コロナウイルス対策、皆様大変お疲れ様です。
音楽がお好きな方々は、最近アップしてくださった素敵な映像や音源で一息ついて下さいね。

●ヘルマン・プライ(BR)&ミヒャエル・エンドレス(P)
シューベルト「美しい水車屋の娘」より~1.さすらい

Hermann Prey, baritone
Michael Endres, piano

Die schöne Müllerin, D 795: 1. Das Wandern


●アーリーン・オージェ(S)&ドルトン・ボールドウィン(P)1984年ニューヨーク・リサイタル

Recital
録音:25 January 1984, Alice Tully Hall, New York City (live)

Arleen Augér(アーリーン・オージェ), soprano
Dalton Baldwin(ドルトン・ボールドウィン), piano

Mozart(モーツァルト):
- Das Veilchen(すみれ) 0:00
- Die Verschweigung() 2:43
- Als Luise die Briefe …ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時) 5:55
- Sehnsucht nach dem Frühling(春への憧れ) 7:37
- Abendempfindung(夕暮れの感情) 9:35
Schumann(シューマン):
- Widmung(献身) 15:11
- Röselein, Röselein!(ばらよ、ばらよ!) 17:40
- Er ist’s!(あの季節だ!) 20:27
- Geisternähe(魂の近さ) 21:55
- Mondnacht(月夜) 24:18
- Aufträge(ことずて) 28:40
- Des Sennen Abschied(羊飼いの別れ) 31:04
- Kennst du das Land?(あの国をご存知でしょうか) 32:58
- Singet nicht in Trauertönen(悲しい音色で歌わないで) 37:09
Debussy(ドビュッシー):
- Romance(ロマンス) 39:12
- Mandoline(マンドリン) 41:31
- Clair de lune(月の光) 42:54
- Apparition(現れ) 45:36
Strauss(シュトラウス):
- Waldseligkeit(森の至福) 48:52
- Glückes genug(十分幸せ) 51:55
- Schlechtes Wetter(悪天候) 54:32
- Ach Lieb, ich muß nun scheiden(ああ恋人よ、ぼくはもう別れなければならない) 56:54
- Gefunden(見つけた) 59:15
- Hat gesagt - bleibt’s nicht dabei(言いました-それだけでは済みません) 1:02:01
Wolf(ヴォルフ): (encore)
- Auch kleine Dinge(小さなものでも私たちをうっとりさせることが出来るの) 1:03:58
Mozart(モーツァルト): (encore)
- Alleluia(アレルヤ) 1:06:51

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ドルトン・ボールドウィン(Dalton Baldwin)の共演者たち

2019年12月に87歳で亡くなったドルトン・ボールドウィンの共演者をインターネットで分かる範囲内でリストにしてみました。
もちろん不完全ですが、かなりの数にのぼりますね。録音ではスゼー、アーメリング、キンブロー、ヴァン・ダムらが複数残していますが、コンサートでは録音のない人ともかなり共演しているようです。
ドイツ語圏の歌手がほとんどおらず、アメリカ人、フランス人が多いのが興味深く感じました。
日本人はこれまで頻繁に来日して、コンサートをしたり、録音をしたりした際の情報が多かったので、リストでもかなり目立ちますが、おそらく他の国でも沢山の歌手たちと共演したことでしょう。日本人の漢字の読みは分かる範囲で調べましたが、明記されていない場合は一般的な読み方に従いました。その為間違えている可能性もあります。お気づきの点がありましたらコメント欄でお知らせいただけますと幸いです。

●Dalton Baldwin(P)と共演した歌手、演奏家たち

Kimiko Adachi(S) 足立季実子
Colette Alliot-Lugaz(S) コレット・アリオ=ルガズ
Elly Ameling(S) エリー・アーメリング
Norah Amsellem(S) ノラ・アンセレム
Emi Arai(S) 荒井恵美
Tami Asakura(S) 朝倉蒼生
Arleen Augér(S) アーリーン・オジェー
Violet Chang(S) 張縵
Michèle Command(S) ミッシェル・コマン
Yukari Endo(S) 遠藤友歌里
Noriko Ichikawa(S) 市川倫子
Takako Ishii(S) 石井高子
Shigeko Kamada(S) 鎌田滋子
Mayuko Karasawa(S) 唐澤まゆこ
Rosemarie Landry(S) ローズマリー・ランドリー
Soon-Hee Lee(S) イ・ソニ
Felicity Lott(S) フェリシティー・ロット
Yolanda Marcoulescou(S) ヨランダ・マルクレスク
Mady Mesplé(S) マディ・メスプレ
Olivera Miljaković(S) オリヴェラ・ミリャコヴィッチ
Satomi Miyaji(S) 宮地里実
Michie Nakamaru(S) 中丸三千繪
Kuniko Nakatsuji(S) 中辻邦子
Jessye Norman(S) ジェシー・ノーマン
Fujiko Oshima(S) 大島富士子
Emiko Otsuka(S) 大塚恵美子
Kyoko Saito(S) 齊藤京子
Chikako Shimizu(S) 清水知加子
Michiko Sunamura(S) 砂村美智子
Yoko Tachibana(S) 橘洋子
Sayaka Takahashi(S) 高橋さやか
Terumi Takahashi(S) 高橋照美
Yasuko Takemura(S) 竹村靖子
Mieko Takizawa(S) 滝沢三重子
Jennie Tourel(S) ジェニー・トゥレル
Elizabeth Vidal(S) エリザベス・ヴィダル

Teresa Berganza(MS) テレサ・ベルガンサ
Motoko Eguchi(MS,S) 江口元子
Désirée Halac(MS) デジレ・ハラク
Atsumi Honda(MS) 本多厚美
Marilyn Horne(MS) マリリン・ホーン
Ayumi Ikehata(MS) 池端歩
Satomi Kano(MS) 加納里美
Jennifer Larmore(MS) ジェニファー・ラーモア
Glenda Maurice(MS) グレンダ・モーリス
Keiko Ogawa(MS) 小川恵子
Sofie-Christine Süssmann(MS) ゾフィー=クリスティーネ・ジュースマン
Takako Taguchi(MS) 田口孝子
Janice Taylor(MS) ジャニス・テイラー
Yuko Tsuji(MS) 辻宥子
Frederica von Stade(MS) フレデリカ・ヴォン・スターデ

Sandra Goodman(CA) サンドラ・グッドマン
Nathalie Stutzmann(CA) ナタリー・ストゥッツマン

John Aler(T) ジョン・アラー
Nicolai Gedda(T) ニコライ・ゲッダ
Hiromi Itoi(T) 糸井博己
Peter Pears(T) ピーター・ピアーズ
Takateru Sakamoto(T) 坂本貴輝
Teruo Sanbayashi(T) 三林輝夫
Michel Sénéchal(T) ミッシェル・セネシャル
Masao Takeda(T) 武田正雄

Gabriel Bacquier(BR) ガブリエル・バキエ
Simon Chaussé(BR) シモン・ショッセー
Sean Daniel(BR) ショーン・ダニエル
Franck Ferrari(BR) フランク・フェラーリ
Shigeo Harada(BR) 原田茂生
Wolfgang Holzmair(BR) ヴォルフガング・ホルツマイア
Masanori Kawakami(BR) 川上勝功
Steven Kimbrough(BR) スティーヴン・キンブロー
Katsuto Kobayashi(BR) 小林克人
Meinard Kraak(BR) メイナルト・クラーク
Bernard Levasseur(BR) ベルナール・ルヴァスール
Kurt Ollmann(BR) カート・オルマン
William Parker(BR) ウィリアム・パーカー
Gregory Reinhart(BR) グレゴリー・ライナート
Tadahiro Sakashita(BR) 坂下忠弘
Gérard Souzay(BR) ジェラール・スゼー
Muneaki Taguchi(BR) 田口宗明
Yasuo Yoshino(BR) 芳野靖夫

Seiichiro Sato(BSBR) 佐藤征一郎
Pierre Thirion-Vallet(BS) ピエール・ティリオン=ヴァレ
José Van Dam(BSBR) ジョゼ・ヴァン・ダム

Michel Debost(FL) ミッシェル・ドゥボスト
James Galway(FL) ジェイムズ・ゴールウェイ
Maxence Larrieu(FL) マクサンス・ラリュー
Jean-Pierre Rampal(FL) ジャン=ピエール・ランパル
Helmut Riessberger(FL) ヘルムート・リースベルガー
David Glazer(CL) デイヴィッド・グレイザー
A. Robert Johnson(French Horn) A.ロバート・ジョンソン
Masahiro Tanaka(HRN) 田中正大

Ani Kavafian(VLN) アニ・カヴァフィアン
Henryk Szeryng(VLN) ヘンリク・シェリング
John Harrington(VLA) ジョン・ハリントン
Yukimi Kambe(VLA) 神戸愉樹美
Robert Cordier(VLC) ロベール・コルディエ
Pierre Degenne(VLC) ピエール・ドゥジェンヌ
Renaud Fontanarosa(VLC) ルノー・フォンタナロザ
Pierre Fournier(VLC) ピエール・フルニエ
Bernard Greenhouse(VLC) バーナード・グリーンハウス
Friedrich Hiller(VLC) フリードリヒ・ヒラー

Yasuko Suzuki(P) 鈴木靖子

Quatuor Via Nova ヴィア・ノヴァ四重奏団

English Chamber Orchestra イギリス室内管弦楽団

Edo de Waart(C) エド・ドゥ・ヴァールト

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エリー・アーメリング&ドルトン・ボールドウィン(Elly Ameling & Dalton Baldwin)/1982年サル・プレイエル・シューベルト・リサイタル

Récital Elly Ameling, soprano avec Dalton Baldwin, piano : Salle Pleyel, 1982

 こちら

※日本時間の2020.1.16 AM7:00に聴けるようになりました。

Elly Ameling, soprano
Dalton Baldwin, piano

録音:5 novembre 1982 (Salle Pleyel, Paris)

Franz Schubert(シューベルト)

An die Musik(音楽に寄せて) D547
Nachtviolen(ハナダイコン) D752
An den Mond(月に寄せて) D259
Im Freien(戸外にて) D880
Auf dem See(湖上にて) D543
Erlafsee(エルラフ湖) D586
Die Forelle(ます) D550
Wanderers Nachtlied I(さすらい人の夜の歌Ⅰ) D284
Sei mir gegrüsst(わが挨拶を送ろう) D741
Der Musensohn(ムーサの息子) D764
Nähe des Geliebten(恋人のそば) D162
Heidenröslein(野ばら) D257
Amalia(アマーリア) D195
Das Mädchen(乙女) D652
Gretchen's Bitte(グレートヒェンの祈り) D564
Gretchen am Spinnrade(糸を紡ぐグレートヒェン) D118

エリー・アーメリングとドルトン・ボールドウィンによる1982年パリのシューベルト・リサイタルがfrance musiqueのサイトで聞けます。素晴らしいコンビによる素晴らしい音楽をぜひお聞き下さい。

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ドルトン・ボールドウィン追悼ラジオ番組「Hawaii Public Radio presents the Dalton Baldwin Trilogy memorial tribute」

NPR - Hawaii Public Radio presents the Dalton Baldwin Trilogy memorial tribute (part 1)

ドルトン・ボールドウィン(Dalton Baldwin)が亡くなって1ヶ月が経とうとしています。
このタイミングでYouTubeのASPS NYチャンネルからボールドウィンを特集した番組がアップされました。

ボールドウィンのキャリアと、過去のインタビューなど、そしてボールドウィンの好きな演奏家の録音を聞きながらのコメントなど、盛り沢山の内容になっています。
ボールドウィンのファン必聴の番組です。

part 1とあるので、シリーズで次週以降アップされることと思います。

ボールドウィンはキャスリン・フェリア、ユッシ・ビョルリング、レナータ・テバルディ、ベルナック&プランク等の録音を聞きながら語っています。ディヌ・リパッティの演奏したモーツァルトのソナタ第8番の最終楽章も流れますが、ボールドウィンはご夫人であるマドレーヌ・リパッティに師事しました。

彼はソリストになろうとしたわけでなく"human voice"を崇拝していたと言っています。
一生を好きな声、歌の為に捧げることが出来たのは幸せな人生だったのかもしれませんね。

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●ドルトン・ボールドウィンの経歴

ドルトン・ボールドウィンは、1931年12月19日にニュージャージー州サミットで生まれた。
ボールドウィンは高校生の時、Morristownで開かれたイギリスのコントラルト歌手キャスリン・フェリアのリサイタルを聞き、「歌の世界へ誘ってくれた」と語っている。
ジュリアード音楽院で学んだ後、オハイオ州のオーバリン音楽院に学び音楽学士を取得した。
パリで著名な教育者ナディア・ブランジェやマドレーヌ・リパッティに師事し、ヴァルター・ギーゼキングやアルフレッド・コルトーのクラスにも参加した。

22歳の時に13歳年長のジェラール・スゼーとはじめて共演し、生涯を通じて共演を続けた。
フランシス・プランクやフランク・マルタンのような作曲家たちからも指導を受けた。
ネッド・ローレムの歌曲集「War Scenes」の1969年の初演をスゼーと共にワシントンで行った。

エリー・アーメリングとは1969年には共演し始め(この年にPhilipsにヴォルフ「イタリア歌曲集」を録音している)、その数年後にジェシー・ノーマンとも共演するようになる。
他にはアーリーン・オージェー、マリリン・ホーン、ジェニー・トゥレル、フレデリカ・ヴォン・スターデ、ミッシェル・コマン、マディ・メスプレ、ローズマリー・ランドリー、フェリシティ・ロット、ニコライ・ゲッダ、ジョゼ・ヴァン・ダム、スティーヴン・キンブロー、等とも共演した。
ヘンリク・シェリングやピエール・フルニエなどの楽器奏者やヴィア・ノヴァ四重奏団とも共演したが、彼は歌手との共演が最も好きだった。

彼は伴奏者(accompanist)と呼ばれることを好まず、単にピアニスト(pianist)と呼ばれたがった。
彼は5つの大陸で演奏し、生涯の録音は100を超えた。

ボールドウィンは2019年11月からの3週間に及ぶ日本での演奏と指導の日程を終え、仏教寺院を見るための短いミャンマー旅行をし、再び日本に戻る飛行機の中で体調を崩した。
飛行機は緊急着陸し、病院に運ばれたが、12月12日に雲南省昆明で亡くなった。87歳。

参考サイトはこちら

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(2020.1.18(土)追記)

ラジオ番組のpart 2がアップされましたので、こちらに貼り付けておきます。スゼーやアーメリングの録音についてボールドウィンが語っています。

NPR - Hawaii Public Radio presents a memorial tribute to Dalton Baldwin (part 2)

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エリー・アーメリング(Elly Ameling)&ドルトン・ボールドウィン(Dalton Baldwin)のLP「Souvenirs」を聞けるサイト

エリー・アーメリング(Elly Ameling)が録音したLPレコードの多くは未だにCD化されないまま埋もれています。
それらが日の目を見ることはもしかしたらないかもしれません。
そうした中、ドルトン・ボールドウィン(Dalton Baldwin)とCBSに録音した1979年のレコード「Souvenirs」を解説付きで扱っているサイトを見つけました。

 こちら

画面上方のプレイヤーの再生ボタンをクリックすると始まります。全部で1時間20分ぐらいです。
演奏と解説が重なっていますが、こういう形でこのLPをフィーチャーしてもらえるのは有難いです。

アーメリング・ファンの方はぜひお聞きください。そして、同時にボールドウィンを偲びながら、その至芸を味わいたいです。
中田喜直の歌曲「おやすみなさい」も含まれていますが、とても美しい曲です(私はアーメリングのこの演奏で、この曲を知りました)。

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エリー・アメリンク・リサイタル(SOUVENIRS)(全17曲)
CBS SONY: 25AC 680 (LP)
録音:1977年11月, 30th Street Studio, NYC
エリー・アメリンク(Elly Ameling)(S)
ダルトン・ボールドウィン(Dalton Baldwin)(P)

1.ロッシーニ(Rossini)/踊り(La danza)2'54
2.カントルーブ(Canteloube)/「オーヴェルニュの歌」:子守歌(Brezairola)3'16
3.ロドリーゴ(Rodrigo)/お母さん、ポプラの林へ行ってきたよ(De los alamos)1'58
4.ヴュイエルモズ(Vuillermoz)/愛の庭(Jardin d'amour)2'59
5.ラフマニノフ(Rachmaninoff)/雪解け(Spring waters)1'57
6.アーン(Hahn)/ラストワルツ(La dernière valse)4'41
7.アイヴズ(Ives)/追憶(Memories)2'38
8.シェーンベルク(Schönberg)/ギゲールレッテ(Gigerlette)1'39
9.中田喜直(Nakada)/おやすみなさい2'12

10.パーセル(Purcell)/憩いの音楽(Music for a while)4'11
11.ウェルドン(Weldon)/眠らないよるうぐいす(The wakeful nightingale)1'52
12.ブリトゥン(Britten)/おお、あわれよ(O Waly, Waly)3'49
13.マルタン(Martin)/菩提樹の下で(Unter der Linden)2'47
14.リスト(Liszt)/おお、いとしい人よ(O lieb)5'20
15.シベリウス(Sibelius)/春は飛ぶが如く足早に(Våren flyktar hastigt)1'38
16.オランダ民謡(Dutch folk song)/母(Moeke)1'47
17.フレブレーク(Hullebroeck)/アフリカーンスの子守歌(Afrikaans Wiegeliedjie)2'35

(日本語表記はジャケット記載に従った)

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ドルトン・ボールドウィン(Dalton Baldwin)の伴奏LP「レッツ・シング・シューベルト(Let's sing Schubert with Dalton Baldwin)」(キングレコード: SEVEN SEAS: K28C-152)

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レッツ・シング・シューベルト(Let’s sing Schubert with Dalton Baldwin)」(キングレコード: SEVEN SEAS: K28C-152)

ダルトン・ボールドウィン(Dalton Baldwin)(P)

録音:1980年12月12日, King Record Studio No 1, Tokyo

[第1面]
シューベルト(Franz Schubert)作曲
1. ます(Die Forelle)
2. 春の信仰(Frühlingsglaube)
3. 聞け、聞け、ひばりを(Ständchen "Horch, horch, die Lerch")
4. 水の上にて歌える(Auf dem Wasser zu singen)
5. 君は我が憩い(Du bist die Ruh)
6. シルヴィアに(An Silvia)
7. 子守歌(Wiegenlied)

[第2面]
8. 楽に寄す(An die Musik)
9. 糸を紡ぐグレートヒェン(Gretchen am Spinnrade)
10. 野ばら(Heidenröslein)
11. 笑いと涙(Lachen und Weinen)
12. 春に(Im Frühling)
13. ミューズの子(Der Musensohn)
14. アヴェ・マリア(Ave Maria)

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歌曲の伴奏者がピアノパートのみを演奏して録音したLPレコードやCDがいくつか出ています。
例えば、エリク・ヴェルバ(Erik Werba)やジョン・ワストマン(John Wustman)、アーウィン・ゲイジ(Irwin Gage)、イェルク・デームス(Jörg Demus)、カール・カマーランダー(Karl Kammerlander)等の録音を挙げることが出来るでしょう。
私の知る限り、ヴェルバのLP以外はCDとして入手可能だったはずです。
私はヴェルバの録音については入手できていない為未聴なのですが、それ以外の録音を聞いた記憶では、アーウィン・ゲイジのシューベルトとブラームスの録音については歌手の練習用というよりはピアノパートの鑑賞用という印象を受けました。
ルバートの多いゲイジの演奏に合わせて歌うのはなかなか大変なのではないかと思ったのです。
もしかしたらゲイジは最初から歌手の存在を意識せず、ピアノパートだけでどれだけ芸術性があるのかを演奏で実証しようとしたのではないかとすら想像してしまいます。

先日(2019年12月12日)亡くなった名伴奏ピアニスト、ドルトン・ボールドウィン(Dalton Baldwin)も日本のスタジオでシューベルトの伴奏レコードを録音していました。
このLPレコードはCD化されておらず、知る人ぞ知る隠れた録音となっています。
私もこのレコードは随分昔にネットのオークションサイトで見つけて入手しましたし、現在も探せば時折出品されているようですので、気になる方は検索してみてはいかがでしょうか。
録音は1980年12月12日と記されています。
偶然にも彼の命日と同じ日でした。

このLPジャケットの表には「糸を紡ぐグレートヒェン(Gretchen am Spinnrade)」の自筆譜が、裏面にはボールドウィンによる各曲の演奏の手引きが翻訳されて(鈴木靖子氏による翻訳)掲載されています。
このLPでのボールドウィンの演奏は、シューベルトの楽譜に忠実でありながら、そこに美しい歌が感じられ、テンポももたつくことがなく、ピアノパートだけで素晴らしい響きを再現しています。
一見特別なことはしていないように感じられるほど自然でありながら、よく聴くと実に細やかな表情が込められているのが分かります。
ゲイジと対照的に、このボールドウィンの演奏に合わせて歌うのはとても気持ちよさそうです。
ボールドウィンというピアニストは、もともと歌手になりたかったけれど声に恵まれていなかった為にピアニストになって歌曲と関わっていくことを決心したとプロフィールにはよく書かれています。
実際に彼の歌声がどうだったのかは分かりませんが、彼の理想が高かったのかもしれません。
でも、そのお陰でEMIの膨大なフランス歌曲全集(Fauré、Debussy、Ravel、Poulenc、Roussel)を、ボールドウィンの最高の演奏で聴くことが出来るわけですから、彼が伴奏者の道を選んでくれたことに感謝したいです。

ボールドウィンが「楽に寄す(An die Musik)」について述べている言葉を引用したいと思います。

「間奏と後奏にでてくるforte pianoのアクセントは、その音をよく響かせるためにほんの少し時間をかけて弾いて下さい。それは強く叩くアクセントではなく、inner(内的)な=つまり奥の深いところでのアクセントと思って下さい。」

アクセントを杓子定規に強く叩いてしまってはこの曲のデリカシーを壊してしまうのでしょう。
そういう繊細さをボールドウィンはピアニストに求めていますし、聴き手も内的なアクセントを味わいたいものだと思います。

ボールドウィンはジェラール・スゼー(Gérard Souzay)の1960年代以降のほぼ唯一の共演ピアニストでした。
もちろん例外はあって、80年代に日本に来た時にはピアニストの三浦洋一(Youichi Miura)とブラームスの歌曲集を録音しています。
でもスゼーにとって、彼の歌を最も理解しているピアニストは複数必要なかったのでしょう。
ボールドウィンのような常に快適なテンポで過剰さとは無縁の引き締まった演奏を聞かせてくれるピアニストと出会えたことがスゼーにとっても運命的なものだったのでしょう。
ボールドウィン以前にスゼーが共演していたジャクリーヌ・ロバン=ボノー(Jacqueline Robin-Bonneau)はソリストでもあり、シュヴァルツコプフ等とも共演した名伴奏者でもあったのですが、飛行機が苦手だった為、スゼーの演奏旅行の際に同行する別のピアニストが必要になり、ボールドウィンとの共演が始まったようです。
スゼー&ボールドウィンは、Philipsにフランス歌曲の主だったところを録音し、その後にEMIのフランス歌曲全集に参加しました。
後者では声の衰えが指摘されることも少なくないスゼーですが、その語り口の見事さはやはり別格だと思います。
そして、その優れた歌唱を完璧なまでに支え、時にリードし、一体となって歌の細やかな世界を披露してくれたボールドウィンは、スゼー同様の大きな貢献をしてきたと思っています。

私はスゼーと1回、アーメリングと2回の他は、日本人歌手たちと複数回共演するボールドウィンの実演に接することが出来ました。
日本人歌手と共演した時のボールドウィンは、演奏の一グループが終わり、袖に戻る時に、常に歌手に声をかけていて、労わっているように見えました。
歌を演奏するのが本当に心から好きなんだなぁというのが、舞台上でも感じられました。
こういうピアニストはそういるものではないと思います。

彼は最近ほぼ毎年秋に来日して日本人歌手たちとコンサートの舞台に出ていました。
今年の11月にも来日したそうですが、おそらく一般には非公開の形でレッスンを行ったのではないかと思います。
その後にミャンマーに旅行に行き、家に帰る飛行機の中で具合が悪くなり、緊急着陸したものの北京で亡くなったということのようです。

生涯現役を貫いた名手に心からの賛辞と感謝を捧げたいと思います。

Thank you and rest in peace, Mr. Dalton Baldwin.

Fauré: Les berceaux, Op. 23: No. 1(フォレ:ゆりかご)

Gérard Souzay(BR), Dalton Baldwin(P)

Schubert: An die Musik, D 547(シューベルト:音楽に寄せて)

Elly Ameling(S), Dalton Baldwin(P)

Duparc: Chanson triste(デュパルク:悲しい歌)

Jessye Norman(S), Dalton Baldwin(P)

Quilter: Love's Philosophy(クィルター:愛の哲学)

Arleen Augér(S), Dalton Baldwin(P)

Masterclasse Dalton Baldwin(マスタークラス:ファリャ(Falla)「ムルシア地方のセギディーリャ(Seguidilla murciana)」)

Chrystelle Couturier janvier 2009
Centre d'ARt Lyrique de la Méditerranée

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