フィッシャー=ディースカウ&アーウィン・ゲイジのヘルシンキ・フェスティヴァル・ライヴ(1972年)

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)は150人以上のピアニストと組んだとかつて述懐していましたが、その中でスタジオ録音では共演していないピアニストも沢山います。その一人がアーウィン・ゲイジ(Irwin Gage)です。ゲイジの追悼放送でフィッシャー=ディースカウとのシューベルト「魔王」のライヴ音源が流れたことがありましたが、今回アンナ・アマーリア、ブゾーニ、レーガー、ライヒャルト、R.シュトラウス、ツェルターのゲーテ歌曲のヘルシンキ・ライヴ音源がアップされているサイトを見つけました。プログラミングはORFEOレーベルのカール・エンゲルとのライヴCDと同じと思われます。

こちら(mp)

1972, Helsinki Festival

Dietrich Fischer-Dieskau, baritone
Irwin Gage, piano

Anna Amalia von Sachsen-Weimar: Auf dem Land und in der Stadt

Johann Friedrich Reichardt: Beherzigung "Feiger Gedanken"

Carl Friedrich Zelter: Gleich und gleich

Richard Strauss: Gefunden, Op. 56,1

Max Reger: Einsamkeit, Op. 75,18

Ferruccio Busoni: Zigeunerlied

ディースカウとゲイジはお互いにあまり良好な関係ではなかったようで、1972年の4都市のツアー以降は再び共演することはなかったようです(こちらの記事参照)。ただ、貴重な記録であることは間違いなく、ファンにとってはお宝音源ですので、じっくり楽しみたいと思います。このサイト、何人かの音楽家のライヴ音源が他にも聞けるようで、ディースカウについては、ムーアとの1962年ロンドンでのブゾーニ歌曲や、コダーイ作品の作曲家自身の指揮との1960年共演録音もアップされていました。これから徐々に増えていくことを期待したいと思います。

(参考CD)カール・エンゲルとのゲーテ歌曲集(ORFEO)

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フィッシャー=ディースカウ&ムーア・ユネスコ・コンサートの映像(1974年1月9日, Paris)

ジェラルド・ムーア(Gerald Moore: 1899-1987)は、1967年2月20日イギリスのロイヤル・フェスティヴァル・ホールで催された告別コンサートでステージから別れを告げたと一般には言われていますが、実はその1か月後にフィッシャー=ディースカウとアメリカ演奏旅行に同行し、シューマンなどを演奏しています。その後もBBCの音楽番組に出演してビクトリア・デ・ロサンヘレスと共演しており、さらに1976年8月にシューマン「スペインの愛の歌」のグレアム・ジョンソンの連弾パートナーとしてもシークレットゲストとしてステージに出演したそうです。60年代後半から70年代前半にはF=ディースカウ、プライ、ベイカー、モッフォら複数の歌手たちとスタジオ録音を続けた後に演奏活動にピリオドを打ったと思いきや、1974年1月9日のユネスココンサートにF=ディースカウと共に出演し、シューベルトの歌曲を演奏しています(ムーアの回想録『Farewell Recital (1978)』によるとイェフディ・メニューヒンの依頼だったので断れなかったそうです)。その録画がアップされていましたのでこちらで共有させていただきます。
特に「夕映えの中で」の前奏ではムーアの手がアップになり、そのしなやかな指さばきを見ることが出来ます。
こちらは以前4曲まとめた映像でご紹介したことがありましたが、今回の映像はモノクロながらより鮮明に映っていて、曲ごとに分かれているので見やすいと思い、再度記事にしました。

●シューベルト:漁師の娘D957/10
Dietrich Fischer Dieskau Schwanengesang D 957 (10. Das Fischermädchen)

Channel名:George გიორგი (オリジナルのサイトはこちらのリンク先。音が出ます)

●シューベルト:夕映えの中でD799
Dietrich Fischer Dieskau Im Abendrot D.799

Channel名:George გიორგი (オリジナルのサイトはこちらのリンク先。音が出ます)

●シューベルト:孤独な男D800、ひめごとD719
Dietrich Fischer Dieskau Der Einsame D.800(, Geheimes D.719)

Channel名:George გიორგი (オリジナルのサイトはこちらのリンク先。音が出ます)

Piano: Gerald Moore
Recorded in Paris, France January 9, 1974 UNESCO concert

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ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ初出音源6曲 "DISCOVERIES"

今年没後10年を迎えたディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau: 1925-2012)がDeutsche Grammophonに残した歌曲全録音が107枚組のCDで発売されたことが歌曲ファン界隈で注目されていますが、もう1種類、おまけのように彼の新発見の録音(これまで倉庫深くに眠っていた音源)が6曲含まれたデジタルアルバムがリリースされたのは望外の喜びでした。

曲目はシューベルトの『白鳥の歌』から2曲、ジャネット・ベイカーとのシューベルト二重唱曲のLPに含まれていなかった1曲、ヴァラディ、シュライアーと録音したシューマン二重唱曲集のLPに含まれていなかった1曲、それにジェスィー・ノーマンと分担したブラームス歌曲全集でノーマンが歌っていた2曲のF=ディースカウによる録音です。

シューベルト、シューマンの二重唱曲集は、いずれもお蔵入りになる理由が思い当たらないので、おそらく膨大な録音テープの中に埋もれてレコード製作時に気付かれなかったのではないでしょうか。

ブラームスの方はディースカウの録音した後にノーマンがこの2曲を録音して、全集という性格上、どちらかの録音を採用するという段階でディースカウの録音はお蔵入りとなったのでしょう。

『白鳥の歌』の2曲は、著名な共演ピアニストのフーベルト・ギーゼン(Hubert Giesen)と、その夫人エリノア・ユンカー=ギーゼン(Ellinor Junker-Giesen)によるシューベルトの歌曲の録音が同じテープに入っていたそうですが、だからといってフーベルト・ギーゼンがディースカウのパートナーだったという確証はないようです。このアルバムの解説を書いているMarkus Kettner氏によると、初期のディースカウが放送録音でよく組んでいたクラウス・ビリング(Klaus Billing)の可能性もあると言っていますが、それならばヘルタ・クルストの可能性もあることになり、結局ピアニストの特定は出来ないということになるでしょう。

演奏はそれぞれの時期の良さが感じられる素晴らしいもので、豪華な共演者たち(歌手、ピアニスト)との息もぴったりでした。
特筆すべきなのが最初の「彼女の姿」です。解説のMarkus Kettner氏も触れていますが、かなりたっぷりとしたテンポで歌っています。

シューベルト:彼女の姿(Ihr Bild) D957/9 (ピアニスト不明)(1949年3月録音)

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
「発見」 シューベルト・シューマン・ブラームス

シューベルト
彼女の姿 D957/9(『白鳥の歌』D957より)
漁師の娘 D957/10(『白鳥の歌』D957より)
ピアニスト名不明
録音:1949年3月, ベルリン

シューベルト
パンチ酒の歌 D253
ジャネット・ベイカー(MS), ジェラルド・ムーア(P)
録音:1972年3月, UFA-Tonstudio, ベルリン

シューマン
悲劇Ⅲ Op. 64/3c "彼女の墓の上に一本のリンデが立っている"
ペーター・シュライアー(T), クリストフ・エッシェンバハ(P)
録音:1977年12月, Studio Lankwitz, ベルリン

ブラームス
サッポー風の頌歌 Op. 94/4
メロディーのように Op. 105/1
ダニエル・バレンボイム(P)
録音:1978年3月, Studio Lankwitz, ベルリン

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Dietrich Fischer-Dieskau
DISCOVERIES Schubert · Schumann · Brahms

FRANZ SCHUBERT
Schwanengesang, D. 957: No 9, Ihr Bild
Schwanengesang, D. 957: No. 10, Das Fischermädchen
Unknown pianist
Recording: March 1949, Berlin

FRANZ SCHUBERT
Punschlied, D. 253
Janet Baker, Gerald Moore
Recording: March 1972, UFA-Tonstudio, Berlin

ROBERT SCHUMANN
Romanzen und Balladen, Vol. IV: Tragödie, Op. 64 No. 3c, "Auf ihrem Grab, da steht eine Linde"
Peter Schreier, Christoph Eschenbach
Recording: Dec. 1977, Studio Lankwitz, Berlin

JOHANNES BRAHMS
5 Lieder, Op. 94: No. 4, Sapphische Ode
5 Lieder, Op. 105: No. 1, Wie Melodien zieht es mir
Daniel Barenboim
Recording: March 1978, Studio Lankwitz, Berlin

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(参考)

Deutsche Grammophonのサイト

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ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ (ピアノ:デームス、ヘル、ブレンデル)/シューベルト&R.シュトラウス・ライヴ(1980年,1982年,1984年アムステルダム)

オランダの放送局NPO Radio4が、本日(5月28日)誕生日のディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)のアムステルダム・コンセルトヘバウでのライヴを3種類、期間限定でアップしています。
おそらく数週間で消されてしまうと思いますので、もし興味のある方は早めに聴いてみて下さい。1曲ずつでも再生できるようになっているので、聞きたい曲だけ聞くことも出来ます。
シューベルトの方は1980年のライヴで、2014年にアップされた時にブログの記事にしていますので、その後アップされていなかったとしたら8年ぶりということになります。ピアノはイェルク・デームスです。

●Schubert-recital door Dietrich Fischer-Dieskau

ライヴ録音:1980年12月9日, Concertgebouw Grote Zaal Amsterdam(アムステルダム・コンセルトヘバウ大ホール)

Dietrich Fischer-Dieskau(ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ) (bariton)
Jörg Demus(イェルク・デームス) (piano)

Schubert(シューベルト)作曲

1.Prometheus(プロメテウス) D.674
2.Meeresstille(海の静けさ) D.216
3.An die Leier(竪琴に寄せて) D.737
4.Memnon(メムノン) D.541
5.Freiwilliges Versinken(自ら沈み行く) D.700
6.Der Tod und das Mädchen(死と乙女) D.531
7.Gruppe aus dem Tartarus(タルタロスの群れ) D.583
8.Nachtstück(夜曲) D.672
9.Totengräbers Heimweh(墓掘人の郷愁) D.842

10.Der Wanderer an den Mond(さすらい人が月に寄せて) D.870
11.Abendstern(夕星) D.806
12.Selige Welt(幸福の世界) D.743
13.Auf der Donau(ドナウ川の上で) D.553
14.Über Wildemann(ヴィルデマンの丘を越えて) D.884
15.Wanderers Nachtlied(さすらい人の夜の歌Ⅱ) D.768
16.Des Fischers Liebesglück(漁師の恋の幸福) D.933
17.An die Laute(リュートに寄せて) D.905
18.Der Musensohn(ムーサの息子) D.764

19.Nachtviolen(はなだいこん) D.752
20.Geheimes(秘めごと) D.719
21.An Sylvia(シルヴィアに) D.891
22.Abschied(別れ) D.957 nr.7

次にR.シュトラウスのリサイタルで、こちらも2014年にアップされた時に記事にしていました。ピアノはハルトムート・ヘルです。

●Richard Strauss recital door Dietrich Fischer-Dieskau

ライヴ録音:1982年2月18日, Concertgebouw, Amsterdam(アムステルダム・コンセルトヘバウ)

Dietrich Fischer-Dieskau(ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ) (bariton)
Hartmut Höll(ハルトムート・ヘル) (piano)

Richard Strauss(リヒャルト・シュトラウス)作曲

1 Schlechtes Wetter(悪天候), op.69 nr.5
2 Im Spätboot(夜更けの小舟で), op.56 nr.3
3 Stiller Gang(静かな散歩), op.31 nr.4
4 O wärst du mein(おお君が僕のものならば), op.26 nr.2
5 Ruhe, meine Seele(憩え、わが魂よ), op.27 nr.1 (04:00)
6 Herr Lenz(春さん), op.37 nr.5
7 Wozu noch, Mädchen(少女よ、それが何の役に立つのか), op.19 nr.1
8 Frühlingsgedränge(春の雑踏), op.26 nr.1
9 Heimkehr(帰郷), op.15 nr.5
10 Ach, weh mir unglückhaftem Mann(ああ辛い、不幸な俺), op.21 nr.4

11 Winternacht(冬の夜), op.15 nr.2
12 Gefunden(見つけた), op.56 nr.1
13 Einerlei(同じもの), op.69 nr.3
14 Waldesfahrt(森の走行), op.69 nr.4
15 Himmelsboten(天の使者), op.32 nr.5
16 Junggesellenschwur(若者の誓い), op.49 nr.6
17 "Krämerspiegel(「商人の鑑」)": O lieber Künstler(おお親愛なる芸術家よ), op.66 nr.6
18 "Krämerspiegel": Die Händler und die Macher(商人どもと職人どもは), op.66 nr.11
19 "Krämerspiegel": Hast du ein Tongedicht vollbracht(あなたが交響詩を書き上げたら), op.66 nr.5
20 "Krämerspiegel": Einst kam der Bock als Bote(かつて牝山羊が使者にやって来た), op.66 nr.2

21 Traum durch die Dämmerung(黄昏を通る夢), op.29 nr.1
22 Ständchen(セレナーデ), op.17 nr.2
23 Morgen(明日), op.27 nr.4
24 Zugemessene Rhythmen(整いすぎたリズム), WoO.122

1984年のアルフレート・ブレンデルとの『冬の旅』のライヴは、スタジオ録音やDVDの映像と比較してみるのも興味深いかと思います。

●Legendarisch archief: Winterreise door Dietrich Fischer-Dieskau

ライヴ録音:1984年6月29日, Concertgebouw, Amsterdam(アムステルダム・コンセルトヘバウ)

Dietrich Fischer-Dieskau(ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ) (bariton)
Alfred Brendel(アルフレート・ブレンデル) (piano)

Schubert(シューベルト)作曲

Winterreise(『冬の旅』) D.911 - compleet

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ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau: 1925.5.28-2012.5.18) 没後10年を記念して

ドイツ歌曲の演奏史に燦然と輝くディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau : 28. Mai 1925, Zehlendorf, Berlin - 18. Mai 2012, Berg am Starnberger See)が亡くなって早いものでもう10年が経ちました(2022年5月現在)。
中学生の頃にドイツ歌曲に惹かれて以来、彼にどれほど楽しませてもらったことでしょう。LPからCDに移り変わる時期にレコード店でLP、CD、カセットテープを夢中になって漁っていた時が懐かしく思い出されます。私にとって忘れがたい歌曲演奏家は山のようにいるのですが、その中でもF=ディースカウは別格の存在でした。
彼の声を美しくないと評する意見をよく目にするのですが、私の耳には彼の若かりし頃の声はとても心地よい美しさをもって響いてきます。ハイバリトンの軽やかな響きは自在なダイナミズムとめりはりのきいたディクションによって手に汗握るようなドラマを描いてくれます。
「完璧すぎる」「うますぎて鼻につく」というのも彼の評で頻繁に目にします。人の受け取り方はそれぞれなのでそれはその人にとってはおそらく真実なのだと思います。ただ私は畑中良輔氏がインタビューした時に彼が「自分には絶対音感がないので現代音楽は覚えるまで何度でも練習する」と言った言葉が忘れられません。彼が並外れた才能をもっていることは言うまでもないことですが、そんな彼ですら覚えるために地道に繰り返し練習するのです。その結果「完璧」とみなされるのならば私にはただただ凄いことにしか思えません。

私にとってフィッシャー=ディースカウの歌曲歌唱の中で最高だと思うのは断トツでシューベルトです。
中でもDeutsche Grammophonレーベルに1966年12月から1972年3月にかけてジェラルド・ムーアと共に録音したシューベルト歌曲大全集は一番の宝物です。463曲ものシューベルトの歌曲の録音が、今か今かと聞かれるのを待っているように盤面でひしめきあっているように感じられます。
実は私はまだ通して全曲を聞いたことがないので、先週から時間を見つけて次々と聞き進めているところです。こうしてどっぷりこの全集に集中してみると、いかにフィッシャー=ディースカウという存在が偉大であったか改めてひしひしと感じています。例えば歌曲集『美しい水車屋の娘』の第1曲のメリスマなど、F=ディースカウは必ずしもシューベルトの音程どおりではなく、勢いに任せて歌っていたりします。「完璧、お手本」といった言葉の堅苦しさと異なる自由な歌いぶりが感じられて個人的にはとても興味深いです。いつかのインタビューで「自然に」歌うことを心掛けていると言っていました。ともすれば「人工的」と評されがちなF=ディースカウのそうではない特質をこのシューベルトの1曲1曲から感じ取ることが出来て、とても楽しく聞き進めています。

この膨大な全集の曲目一覧をPDFファイルにまとめましたので興味のある方はダウンロードしてご参照ください。

ダウンロード(PDFファイル)

シューベルト歌曲大全集の一環として三大歌曲集も1971-72年に録音していますが、その他にもフィッシャー=ディースカウは折に触れ繰り返し録音しています。彼自身は「その時一番新しい録音」が最も納得のいく演奏と語っていましたが、歌曲ファンにとってはそれぞれの時期の歌唱を聞き比べる喜びがあり、これだけの録音を残してくれたF=ディースカウと関係者の方に感謝あるのみです。

●シューベルト:歌曲集『美しい水車屋の娘』D 795
Schubert: Die schöne Müllerin, D 795

1) HMV (EMI): 3-7 October 1951, Abbey Road Studios, London
Gerald Moore, piano

2) HMV (EMI): 2-4 December 1961, Gemeindehaus, Berlin-Zehlendorf
Gerald Moore, piano

3) Deutsche Grammophon: 8-10 January 1968, Ufa-Ton-Studio, Berlin
Jörg Demus, piano

4) Deutsche Grammophon: December 1971, Ufa-Ton-Studio, Berlin
Gerald Moore, piano

5) [DVD] Arthaus: 20 June 1991, Feldkirch, Austria (live)
András Schiff, piano

6) [DVD] EMI: 2 April 1992, Salle Pleyel, Paris (live)
Christoph Eschenbach, piano

7) Tobu Recordings: 24 November 1992, Concert Hall, Tokyo Metropolitan Theatre (Tokyo Geijutsu Gekijo) (live)
Wolfgang Sawallisch, piano

●シューベルト:歌曲集『冬の旅』D 911
Schubert: Winterreise, D 911

1) Moviment Musica; audite: 19 January 1948, Kleist-Saal, Berlin
Klaus Billing, piano

2) Verona: 4 October 1952, Köln (live)
Hermann Reutter, piano

3) Melodram: 6 November 1953, Berlin (live)
Hertha Klust, piano

4) HMV (EMI): 13-14 January 1955, Gemeindehaus, Berlin-Zehlendorf
Gerald Moore, piano

5) INA: 4 July 1955, Prades (live)(第5曲「リンデンバウム(Der Lindenbaum)」は演奏中に起きた停電の為録音が残されていない。CDではヘルタ・クルスト(Hertha Klust)との録音を流用)
Gerald Moore, piano

6) HMV (EMI): 10 & 17 November 1962, Gemeindehaus, Berlin-Zehlendorf
Gerald Moore, piano

7) Deutsche Grammophon: 11-15 May 1965, Ufa-Ton-Studio, Berlin
Jörg Demus, piano

8) Deutsche Grammophon: 18-20 August 1971, Ufa-Ton-Studio, Berlin
Gerald Moore, piano

9) ORFEO: 23 August 1978, Kleines Festspielhaus, Salzburg (live)
Maurizio Pollini, piano

10) [DVD] TDK: 13 January 1979, Berlin
Alfred Brendel, piano

11) Deutsche Grammophon: 19-21 January 1979, Studio Lankwitz, Berlin
Daniel Barenboim, piano

12) Philips: 17-24 July 1985, Siemens-Villa, Berlin
Alfred Brendel, piano

13) SONY CLASSICAL: 15-18 July 1990, Siemens-Villa, Berlin
Murray Perahia, piano

●シューベルト:歌曲集『白鳥の歌』D 957
Schubert: Schwanengesang, D 957
1. Liebesbotschaft; 2. Kriegers Ahnung; 3. Frühlingssehnsucht; 4. Ständchen; 5. Aufenthalt; 6. In der Ferne; 7. Abschied; 8. Der Atlas; 9. Ihr Bild; 10. Das Fischermädchen; 11. Die Stadt; 12. Am Meer; 13. Der Doppelgänger; 14. Die Taubenpost, D 965A

1) Melodram: 7 January 1954, Berlin
Hertha Klust, piano
(CDに記載されている1948年1月録音Klaus Billing (piano)は、Monika Wolf著"Dietrich Fischer-Dieskau: Verzeichnis der Tonaufnahmen"によると間違いとのこと)

2) HMV (EMI): 6 October 1951, Abbey Road Studios, London (8-13);
2, 12, 13 May 1955, Abbey Road Studios, London (1,3,7);
20, 21 September 1957, Gemeindehaus, Berlin-Zehlendorf (2,14);
23, 24 May 1958, Gemeindehaus, Berlin-Zehlendorf (4,5,6)
Gerald Moore, piano

3) HMV (EMI): 7-8 May 1962, Berlin
Gerald Moore, piano

4) Deutsche Grammophon: 7 & 9 March 1972, Ufa-Ton-Studio, Berlin
Gerald Moore, piano

5) Philips: 24 August - 1 September 1982, Siemens-Villa, Berlin
Alfred Brendel, piano

●シューベルト歌曲大全集からの音源:臨終を告げる鐘 D 871
Schubert: Das Zügenglöcklein, D 871

Dietrich Fischer-Dieskau(BR), Gerald Moore(P)
録音:1969年3月, Ufa-Ton-Studio, Berlin

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(参考)

Wikipedia (ドイツ語)

Wikipedia (日本語)

Dietrich Fischer-Dieskau (Monika Wolf)

Monika Wolf: "Dietrich Fischer-Dieskau: Verzeichnis der Tonaufnahmen": Tutzing: Schneider, 2000: ISBN 3 7952 0999 4

Compiled by John Hunt: "A Notable Quartet: Janowitz, Ludwig, Gedda, Fischer-Dieskau": John Hunt, 1995: ISBN 0 9525827 1 6

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ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)のDeutsche Grammophon全歌曲録音発売予定

2012年5月に86歳で亡くなったディートリヒ・フィッシャー=ディースカウがDeutsche Grammophonに録音した全歌曲集成が2022年10月末にドイツで発売されるそうです(106枚組)。PhilipsやDeccaの録音も含まれるそうで、「冬の旅」は4種類が収録されることになるとのことです(デームス、ムーア、バレンボイム、ブレンデルのピアノ)。

ソース(jpc)

フィッシャー=ディースカウほどの著名なリート歌手でも没後10年経たないと全集が発売されないというのは寂しいところではありますが、CDが売れない時代でレコード会社もいろいろ大変なのでしょう。ようやく待望の録音がまとめて復活されることを素直に喜びたいと思います。かなり高価なのがちょっと痛いですが...

(2022/5/19追記)
Dietrich Fischer-Dieskau - Complete Lieder (Trailer)

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ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ1963年~1992年来日公演記録(Dietrich Fischer-Dieskau in Japan)

不世出の大バリトン、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)の誕生日(5月28日)に記事が書けなかったので、遅ればせながら彼の96回目の生誕記念日(2021年現在)を祝して、過去に書いたF=ディースカウの来日公演記録の目次(リンク集)を今日アップします。
1992年大晦日をもって歌手としての活動を終えた彼ですが、その後指揮者として来日予定だったところまでは記憶しているのですが、実際に来日したかどうか未確認です。
従って、下記の目次は歌手としてのF=ディースカウの来日公演全記録ということになります。
今思えば、彼ほどの歌手が数年おきに来日してくれたとは日本の招聘元に感謝しないといけませんね。もちろんF=ディースカウ本人にも感謝です。

1.フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1963年(初来日)

2.フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1966年(第2回来日)

3.フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1970年(第3回来日)

4.フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1974年(第4回来日)

5.フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1977年(第5回来日)

6.フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1979年(第6回来日)

7.フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1981年(第7回来日)

8.フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1983年(第8回来日)

9.フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1987年(第9回来日)

10.フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1989年(第10回来日)

11.フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1992年(第11回来日)

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ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)と共演したピアニストたち

リートの巨匠ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau: 1925年5月28日, Berlin - 2012年5月18日, Berg)がインタビューなどで共演したピアニストの数を尋ねられた時、大体100人から150人と答えていたように記憶しています。
彼はスタジオ録音に限ってもかなりの数のピアニストたちと共演しています。
例えば、ヘルタ・クルスト、ギュンター・ヴァイセンボルン、ジェラルド・ムーア、イェルク・デームス、カール・エンゲル、アリベルト・ライマン、ハルトムート・ヘルなどが挙げられるでしょう。
一方、音楽ジャーナリストたちはF=ディースカウが独奏者として名高いピアニスト、あるいはピアノがうまい指揮者と共演したことをとりわけ重視しているように感じられます。
ダニエル・バレンボイム、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、スヴャトスラフ・リヒテル、クリストフ・エッシェンバッハ、アルフレート・ブレンデル、レナード・バーンスタインら一流の音楽家たちがF=ディースカウと組んだ録音は音楽評論家たちから激賞されています。
もう一つ気づくのは、これほど多くのピアニストたちと共演しているにもかかわらず、同時代に歌曲演奏で活躍したピアニスト、例えばジェフリー・パーソンズ、ドルトン・ボールドウィン、コンラート・リヒター、ルドルフ・ドゥンケルらとの共演記録が見当たらないことです。
いろいろな事情があるのだとは思いますが、ヘルマン・プライとしばしば共演していたヘルムート・ドイチュによると、ドイチュがF=ディースカウのカセットテープを持っていることを知ったプライファンの人にそのことを責められたとのことです。
ドイチュは、プライ自身F=ディースカウの録音を聴いていることをそのファンの人は知らないのだろうと述懐しています。
意識するしないにかかわらずある種の縄張りのようなものがあって、他の歌手と結びつきの強いピアニストとの共演は遠慮するということはあるのではないかと想像します。
パーソンズがシュヴァルツコプフ、F=ディースカウと3人で談笑している写真が残っていますが、それでもシュヴァルツコプフのほぼ専属的な立場にいたパーソンズと共演することはあえて避けたのではないかと推測します。

Monika Wolfという人がF=ディースカウ&ヴァラディ夫妻のサイトを立ち上げていて、その中にF=ディースカウのコンサート記録も含まれています。
http://mwolf.de/kalendarium/index.htm
1947年から亡くなる2012年まで記録がつけられています。
F=ディースカウ自身が出演記録をつけていたということも大きいと思いますが、その記録にプログラムなども紐づけられていて、とても貴重な記録となっています。
そこに共演者の名前も記載されていましたので、ピアニストと判断できる人をピックアップして、エクセルにまとめました。
そのエクセルファイルをPDF化したものをこちらで公開したいと思います。

ダウンロード - dietrich20fischerdieskaus20pianists.pdf

コンサート記録に掲載されていたピアニストとチェンバリストの名前とコンサートの日付と場所をまとめてあります。
さらにコンサート記録には出てこなくて録音(スタジオ録音、放送録音、共演したがお蔵入りの録音)でのみ共演した(と思われる)ピアニストはコンサート共演リストの下に録音データをまとめてあります(コンサートで共演しているピアニストについては録音データを記載していません)。
1992年12月31日をもって歌手活動から引退したF=ディースカウですが、その後も歌手以外の活動に精力的に取り組んでいます。
メロドラマ(朗読とピアノの組み合わせ)の朗読、作曲家や作家の手紙などの朗読、ピアニストとしての演奏(主に連弾)、あるいは指揮者として、マスタークラスの指導者としても活動しています。
歌手活動をしている時にあまり時間をさけなかった活動に夢中で取り組んでいるようで、本当に音楽家として生涯を全うしたことに敬意を感じます。
メロドラマでは特にR.シュトラウスの「イノック・アーデン」とウルマンの「旗手クリストフ・リルケの愛と死の歌」がお気に入りだったようで、歌手時代には共演しなかった若いピアニストたちともしばしば共演しています。
そのような朗読者として共演したピアニストもリストに含まれていますが、その場合は「D.F-D is narrator.」と記してありますので、分かると思います。

朗読者時代のピアニストを含めてもF=ディースカウが述べた100人という人数には及びませんでした。
Monika Wolfのコンサート記録にはピアニストの名前が書かれていない場合もあるので、おそらく他にも共演したピアニストはいるのだろうと思います。

ピアニストの国籍を見ていくとF=ディースカウはお気に入りのピアニストを演奏旅行に連れていく場合と、現地のピアニストと共演する場合の両方がありました。
アメリカ旅行ではポール・ウラノウスキー、イタリア旅行ではジョルジョ・ファヴァレット、そして我が日本でも小林道夫との共演記録があります(小林さんとのシューマン歌曲集はCD化されています)。

コンサートの回数でいくと、意外かもしれませんが、ギュンター・ヴァイセンボルンとの共演がデームスやムーア、ヘルを大きく引き離して最も多かったです。
ドイツ国内の各地を演奏旅行する時はヴァイセンボルンと共演することが多いようです。

いろいろ想像がふくらむ共演者リストになっておりますので、よろしければご覧ください。

ちなみに名前だけは下に列記しておきます(詳細はPDFをご覧ください)。

※参考文献:Dietrich Fischer-Dieskau: Verzeichnis der Tonaufnahmen

Gerhard Albersheim
ゲアハルト・アルバースハイム

Hans Altmann
ハンス・アルトマン (放送録音のみ)

Vladimir Ashkenazy
ヴラディーミル・アシュケナージ

Daniel Barenboim
ダニエル・バレンボイム

Leonard Bernstein
レナード・バーンスタイン

Klaus Billing
クラウス・ビリング

Otto Braun
オットー・ブラウン

Alfred Brendel
アルフレート・ブレンデル

Benjamin Britten
ベンジャミン・ブリテン

Gerhard Burgert
ゲアハルト・ブルゲルト

John Buttrick
ジョン・バトリック

Jörg Demus
イェルク・デームス

Karl Engel
カール・エンゲル

Christoph Eschenbach
クリストフ・エッシェンバハ

Giorgio Favaretto
ジョルジョ・ファヴァレット

Irwin Gage
アーウィン・ゲイジ

Cord Garben
コルト・ガルベン (放送録音のみ:CD化されている)

William Glock
ウィリアム・グロック

Florian Henschel
フローリアン・ヘンシェル

Hellmut Hideghéti
ヘルムート・ヒデゲティ

Ludwig Hoffmann
ルートヴィヒ・ホフマン

Franz Holetschek
フランツ・ホレチェク

Hartmut Höll
ハルトムート・ヘル

Vladimir Horowitz
ヴラディーミル・ホロヴィッツ

Raimund Hose
ライムント・ホーゼ

Theodor Jakobi
テオドア・ヤコビ

Rudolf Jansen
ルドルフ・ヤンセン (CD録音のみ)

Lotte Jekèli
ロッテ・イェケリ

Franz Jung
フランツ・ユング

Burkhard Kehring
ブルクハルト・ケーリング

Wilhelm Kempff
ヴィルヘルム・ケンプフ (LP録音のみ:CD化されている)

Hertha Klust
ヘルタ・クルスト

Michio Kobayashi (piano, harpsichord)
小林道夫

Ernst Křenek
エルンスト・クシェネク

Arni Kristiansson
アルニ・クリスティアンソン

Fritz Lehmann
フリッツ・レーマン

Daniel Levy
ダニエル・レヴィ (CD録音のみ)

Ernest Lush
アーネスト・ラッシュ (放送録音のみ)

George Malcolm (harpsichord)
ジョージ・マルコム

Martin Mälzer
マルティン・メルツァー

Siegfried Mauser
ジークフリート・マウザー

Erwin Milzkott
エアヴィン・ミルツコット

Gerald Moore
ジェラルド・ムーア

Fritz Neumeyer
フリッツ・ノイマイアー

Hans-Peter Olshausen
ハンス=ペーター・オルスハウゼン

Kjell Olsson
シェル・オルソン

Gerhard Oppitz
ゲアハルト・オピッツ

Murray Perahia
マリー・ペライア

Edith Picht-Axenfeld (harpsichord, piano)
エディト・ピヒト=アクセンフェルト

Maurizio Pollini
マウリツィオ・ポッリーニ

Michael Ponti
マイクル・ポンティ (LP録音のみ:CD化されている)

Michael Raucheisen
ミヒャエル・ラウハイゼン (放送録音のみ:CD化されている)

Ernst Reichert
エルンスト・ライヒェルト

Aribert Reimann
アリベルト・ライマン

Hermann Reutter
ヘルマン・ロイター

Sviatoslav Richter
スヴィャトスラフ・リフテル

Hans-Erich Riebensahm
ハンス=エーリヒ・リーベンザーム

Wolfram Rieger
ヴォルフラム・リーガー

Per Rundberg
ペール・ルンドバーリ

Wolfgang Sawallisch
ヴォルフガング・サヴァリシュ

Anneliese Schier-Tiessen
アネリーゼ・シーア=ティーセン

András Schiff
アンドラーシュ・シフ

Reinhard Schwarz-Schilling
ラインハルト・シュヴァルツ=シリング (放送録音のみ)

Joachim Seyer-Stephan
ヨアヒム・ザイアー=シュテファン

Norman Shetler
ノーマン・シェトラー

John Steele Ritter (harpsichord)
ジョン・スティール・リッター

Leo Stein
レオ・シュタイン (スタジオ録音のみ:一度も発売されていない)

Leo Taubman
レオ・タウプマン

Karola Theill
カローラ・タイル

Paul Ulanowsky
ポール・ウラノウスキー

Tamás Vásáry
タマーシュ・ヴァーシャーリ

Robert Veyron-Lacroix (harpsichord)
ロベール・ヴェイロン=ラクロワ

Otto Volkmann
オットー・フォルクマン

Charles Wadsworth
チャールズ・ワズワース

Margrit Weber
マルグリト・ヴェーバー

Roland Weber
ローラント・ヴェーバー

Günther Weißenborn
ギュンター・ヴァイセンボルン

Walter Welsch
ヴァルター・ヴェルシュ

Erik Werba
エリク・ヴェルバ

Rudolf Wille
ルドルフ・ヴィレ

Hans Zippel
ハンス・ツィッペル

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ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)生誕95周年(2020.5.28)

往年の名バリトン、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)が1925年5月28日に生まれて、今日で95年が経ちました。
残念ながら2012年に亡くなっていますが、F=ディースカウの実演を何度か聞くことが出来たことは私にとって最高の思い出になっています。

スタジオ録音は聞ききれないほど膨大な量ですが、インターネットでも彼のライヴをストリーミングで聞くことが出来ます。

オランダの放送局で収録したF=ディースカウとアルフレート・ブレンデルの『冬の旅』のライヴが下記のリンク先で聞けます。
ライヴとは思えないほどの完成度の高さで二人が円熟の演奏を聞かせてくれますので、ぜひお聞きください。

https://www.nporadio4.nl/concerten/4738-legendarisch-archief-winterreise-door-dietrich-fischer-dieskau

●Legendarisch archief: Winterreise door Dietrich Fischer-Dieskau

vrijdag 29 juni 1984, Concertgebouw, Amsterdam

Dietrich Fischer-Dieskau (bariton)
Alfred Brendel (piano)

Franz Schubert(シューベルト): Winterreise(冬の旅), D911

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フィッシャー=ディースカウ&ヴァイセンボルン(Fischer-Dieskau & Weissenborn)/R.シュトラウス・リサイタル(1964年パリ)

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウがギュンター・ヴァイセンボルンのピアノでR.シュトラウスのコンサートを開いた際のライヴ音源がfrance musiqueのサイトにアップされていましたので、ご紹介します。

今でこそ特に女声のリート歌手に大人気のR.シュトラウスですが、一晩全部をR.シュトラウスの歌曲に限定したリサイタルは1964年当時はかなり珍しかったのではないかと思います。
有名な曲と無名な曲をバランスよく配置したF=ディースカウならではの意欲的なプログラミングと言えると思います。
30代後半のまだみずみずしい声のF=ディースカウを堪能できると思います。
また一緒に来日したこともある名手ヴァイセンボルンのピアノも聞きどころの一つでしょう。

Récital Dietrich Fischer-Dieskau à la Salle Pleyel : Une archive de 1964

 こちらのリンク先の再生ボタンをクリックすると聞けます

録音:1964年5月7日, Salle Pleyel

Dietrich Fischer-Dieskau(ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ: 1925-2012)(BR)
Günther Weissenborn(ギュンター・ヴァイセンボルン: 1911-2001)(P)

Richard Strauss(リヒャルト・シュトラウス)作曲

Gefunden(見つけた), Op. 56-1
Das Rosenband(ばらのリボン), Op. 36-1
Einerlei(同じもの), Op. 69-3
Winterweihe(冬の捧げもの), Op. 48-4
O lieber Künstler sei ermahnt(おおいとしい芸術家よ、戒めを聞くように), Op. 66-6 (aus "Krämmerspiegel()")
Einst kam der Bock als Bote(かつて雄山羊が使いに来た), Op. 66-2 (aus "Krämmerspiegel")

Wer wird von der Welt verlangen(世界を求めるものは), Op. 67-4
Hab' ich euch denn je geraten(あれほど忠告したのに), Op. 67-5
Wanderers Gemütsruhe(さすらい人の心の安らぎ), Op. 67-6

Stiller Gang(静かな散歩), Op. 31-4
Ruhe, meine Seele(憩え、わが魂), Op. 27-1
Herr Lenz(春(レンツ)さん), Op. 37-5
Die Nacht(夜), Op. 10-3
Ach weh mir unglückhaftem Mann(ああ辛い、俺は不幸な男), Op. 21-4
Heimkehr(帰郷), Op. 15-5

Traum durch die Dämmerung(黄昏を通る夢), Op. 29-1
Ständchen(セレナード), Op. 17-2
Morgen(明日), Op. 27-4
Wozu noch, Mädchen, soll es frommen(娘さん、それが何の役に立つのだろう), Op. 19-1
Freundliche Vision(親しい幻影), Op. 48-1
Zueignung(献呈), Op. 10-1

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