【生誕100年】ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau):ザルツブルク音楽祭出演記録(歌曲・声楽曲編②):1961年~1965年

1961.7.29(土)21:00 Großes Festspielhaus

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)*
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton*
ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団
Wiener Philharmoniker
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
Wolfgang Sawallisch Dirigent

ハイドン:交響曲第48番ハ長調「マリア・テレジア」

シューマン:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテのファウストからの情景*

シューベルト:交響曲第7番ロ短調D759「未完成」

1961.7.30(日)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ジェラルド・ムーア(ピアノ)
Gerald Moore, Klavier

ヴォルフ:歌曲集『メーリケの詩』より

苦悩から癒えて希望に寄せる
あけがたに
散歩
新しい愛
火の騎士
眠りに寄せて
真夜中に
狩人の歌
こうのとりの使い

春に
旅の途上で
恋人に
ペレグリーナI
ペレグリーナII
さようなら
出会い
狩人
ある結婚式で
いましめ
あばよ

[アンコール](※ORFEOのライヴ音源による)
ヴォルフ:ヴァイラの歌(歌曲集『メーリケの詩』より)
ヴォルフ:鼓手(歌曲集『メーリケの詩』より)
ヴォルフ:隠棲(歌曲集『メーリケの詩』より)
ヴォルフ:告白(歌曲集『メーリケの詩』より)
ヴォルフ:祈り(歌曲集『メーリケの詩』より)

1962.7.30(月)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ジェラルド・ムーア(ピアノ)
Gerald Moore, Klavier

ブゾーニ:
不機嫌の歌
ジプシーの歌 Op.55/2
有難くもない慰め
メフィストフェレスの歌

マーラー:
自分の気持ち
シュトラスブルクの塁壁で
魚に説教するパドゥアのアントニウス
私はこの世に忘れられて
真夜中に

プフィッツナー:
ダンツィヒにて Op.22/1
みんなが今夜パーティをひらいている Op.4/2
娘との別れに Op.10/3
夜 Op.26/2

R.シュトラウス:
少女よ、それがなんの役に立つかしらね Op.19/1
ミスター春 Op.37/5
夜 Op.10/3
ああ、悲し、不幸なるわれ Op.21/4
憩え、わが魂 Op.27/1
きみを愛す Op.37/2

[アンコール](※ORFEOのライヴ音源による)
R.シュトラウス:たそがれの夢 Op.29/1(Traum durch die Dämmerung)
R.シュトラウス:あした Op.27/4(Morgen)
R.シュトラウス:したわしき幻 Op.48/1(Freundliche Vision)
R.シュトラウス:献呈 Op.10/1(Zueignung)

1962.8.19(日)21:30 Großes Festspielhaus

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)*
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton*
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
Berliner Philharmonisches Orchester
カール・ベーム(指揮)
Karl Böhm, Dirigent

モーツァルト:交響曲ト短調 KV550

マーラー:歌曲集『亡き子をしのぶ歌』(全5曲)*
 いま太陽は明るく昇る
 いま私には分かるのだ
 おまえのお母さんが
 よく私は考える
 こんなひどい嵐の日には

R.シュトラウス:ツァラトゥストラはこう語った Op.30

1963.8.1(木)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ジェラルド・ムーア(ピアノ)
Gerald Moore, Klavier

シューベルト:
魔王 D328
さすらい人 D489
タルタルスの群れ D583
メムノン D541
友に D654
心のままに沈んでゆく D700
竪琴に寄す D737
ヘリオポリス D754(※公式サイトではD753(ヘリオポリスI)と記載されているが、ORFEOのライヴ音源を聞くとD754(ヘリオポリスII)が正しい)
ミューズの子 D764
君はわが憩い D776
孤独な男(独りずまい) D800
夕映えの中で D799
ブルックにて D853
セレナーデ D957/4
星 D939

[アンコール](※ORFEO, EMIのライヴ音源による)
シューベルト:夜のすみれ D752(Nachtviolen)
シューベルト:ひめごと D719(Geheimes)
シューベルト:さすらい人が月に寄せて D870(Der Wanderer an den Mond)
シューベルト:シルヴィアに D891(An Silvia)※
シューベルト:十字軍 D932(Der Kreuzzug)※
シューベルト:漁師の娘 D957/10(Das Fischermädchen)
シューベルト:夜と夢 D827(Nacht und Träume)
シューベルト:別離 D957/7(Abschied)
(※「シルヴィアに」はORFEO盤では「さすらい人が月に寄せて」の次に置かれているが、EMI盤には含まれていない。一方、「十字軍」はEMI盤では「さすらい人が月に寄せて」の次に置かれているが、ORFEO盤には含まれていない。)

1964.8.17(月)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ジェラルド・ムーア(ピアノ)
Gerald Moore, Klavier

ブラームス:歌曲集『美しきマゲローネのロマンス』Op.33 (全15曲)
 後悔する者はない
 弓も矢もすでに整い
 悩みか喜びか
 愛ははるかな国から
 あなたは哀れな者を
 たえがたい喜び
 くちびるの震えはあなたのためか
 余儀ない別れ
 いこえ、いとしい人よ
 あわだつ波よ、響きわたれ
 光りも輝きも消えうせて
 悲しい別れに
 恋人よ、いずこの土地に
 わたしの胸は、うれしくいきいきと
 まことの愛はとこしえに

[アンコール](※ORFEO, EMIのライヴ音源による)
ブラームス:野の孤独 Op.86/2(Feldeinsamkeit)
ブラームス:湖上で Op.59/2(Auf dem See)
ブラームス:早くおいで Op.97/5(Komm bald)
ブラームス:なんとあなたは、私の女王 Op.32/9(Wie bist du, meine Königin)

1965.8.13(金)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ジェラルド・ムーア(ピアノ)
Gerald Moore, Klavier

ベートーヴェン:
この暗い墓のうちに WoO133
希望に寄せて Op.94

歌曲集『ゲレルトの詩による6つの歌』Op.48
 ねがい
 隣人の愛
 死について
 自然における神の栄光
 神の力と摂理
 懺悔の歌

歌曲集『はるかなる恋人に寄す』Op.98
 丘の上に腰を下ろし
 灰色の霧の中から
 天空を行く軽い帆船よ
 天空を行くあの雲も
 五月はもどり、野に花咲き
 愛する人よ、あなたのために

うずらの鳴き声 WoO129
アデライーデ Op.46
悲しみの喜び Op.83/1
五月の歌 Op.52/4
あこがれ Op.83/2
新しき愛、新しき生 Op.75/2
のみの歌 Op.75/3

[アンコール](※ORFEOのライヴ音源による)
ベートーヴェン:想い WoO136(Andenken)
ベートーヴェン:いらだつ恋人 Op. 82/4(L'amante impaziente)
ベートーヴェン:優しい愛(きみを愛す) WoO123(Zärtliche Liebe)
ベートーヴェン:マーモット Op. 52/7(La Marmotte)

●フェルッチョ・ブゾーニ:メフィストフェレスの歌
Lied des Mephistopheles

30 July 1962, Stiftung Mozarteum — Großer Saal
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
Gerald Moore, Klavier

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(参考)

Archiv: Salzburger Festspiele (上の方のメニューの右側にある「ERWEITERTE SUCHE」をクリックして「Künstler·in」欄に「Dieskau」と入力するとすぐ下に「Dietrich Fischer-Dieskau」という候補が表示されるのでそれをクリック。続いて「SUCHEN」をクリックすると、フィッシャー=ディースカウのザルツブルク音楽祭出演歴が表示されます)

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【生誕100年】ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau):ザルツブルク音楽祭出演記録(歌曲・声楽曲編①):1951年~1960年

不世出の名バリトン、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)は、今年2025年5月で生誕100年を迎えます。それを記念して、1951年にザルツブルク音楽祭に初出演して以降のプログラムのうち、歌曲に絞って数回にわたりまとめてみようと思います(オペラ、宗教曲等はもし余裕があれば別の機会にまとめるかもしれません)。

1951.8.19(日)12:00 Festspielhaus

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)*
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton*
ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団
Wiener Philharmoniker
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
Wilhelm Furtwängler, Dirigent

メンデルスゾーン:フィンガルの洞窟Op.26

マーラー:歌曲集『さすらう若者の歌』(全4曲)*
 彼女の婚礼の日は
 朝の野辺を歩けば
 僕の胸の中には燃える剣が
 彼女の青い目が

ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調

1956.8.13(月)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ジェラルド・ムーア(ピアノ)
Gerald Moore, Klavier

シューベルト:歌曲集『白鳥の歌』D957より
 アトラス D957/8
 彼女の絵姿 D957/9
 漁師の娘 D957/10
 都会 D957/11
 海べで D957/12
 影法師 D957/13

シューマン:歌曲集『詩人の恋』Op. 48(全16曲)
 美しい五月に
 わたしの涙から
 ばらに、ゆりに、はとに
 あなたのひとみを見つめる時
 わたしの心をゆりのうてなに
 神聖なラインの流れに
 わたしは嘆くまい
 花が知ったなら
 鳴るのはフルートとヴァイオリン
 恋人の歌を聞く時
 若者はおとめを愛し
 明るい夏の朝
 夢の中で私は泣いた
 夜ごとの夢に
 昔話の中から
 いまわしい思い出の歌

[アンコール](※ORFEOのライヴ音源による)
シューマン:あなたは花のよう Op.25/24(Du bist wie eine Blume)
シューマン:月の夜 Op.39/5(Mondnacht)
シューマン:さすらい Op.35/7(Wanderung)
シューマン:新緑 Op.35/4(Erstes Grün)
シューマン:美しき異郷 Op.39/6(Schöne Fremde)

1957.8.5(月)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ジェラルド・ムーア(ピアノ)
Gerald Moore, Klavier

シューベルト:
無限なる者に D291
十字軍 D932
悲しみ D772
墓掘り人の郷愁 D842
馭者クロノスに D369
海の静寂 D216 (※公式サイトはD215A(第1稿)と記載されているが、ORFEOから発売されているライヴ音源を聞くとD216(第2稿)が正しい)
プロメテウス D674
ヴィルデマンの丘で D884
さすらい人が月に寄せて D870
夜のすみれ D752
こびと D771
憩いなき愛 D138
ひめごと D719
春のあこがれ D957/3
春に D882
別離 D957/7

[アンコール](※ORFEOのライヴ音源による)
シューベルト:旅人の夜の歌 D768(Wanderers Nachtlied II)
シューベルト:シルヴィアに D891(An Silvia)
シューベルト:夕映えの中で D799(Im Abendrot)
シューベルト:さすらい D795/1(Das Wandern)

1957.8.22(木)21:00, 8.23(金)12:00 Felsenreitschule

リーザ・デラ・カーザ(ソプラノ)
Lisa Della Casa, Sopran
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
フランツ・ザウアー(オルガン)
Franz Sauer, Orgel
ウィーン楽友協会合唱団
Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団
Wiener Philharmoniker
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
Herbert von Karajan, Dirigent

ブラームス:ドイツ・レクイエム Op.45

1958.8.9(土)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ジェラルド・ムーア(ピアノ)
Gerald Moore, Klavier

ブラームス:
歌曲集『4つの厳粛な歌』Op.121(全4曲)
 人の子らに臨むところは
 わたしはまた、日の下に行われる
 ああ死よ、おまえを思い出すのは
 たといわたしが、人々の言葉や

夜中にはね起きて Op.32/1
私は夢を見た Op.57/3
小川 Op.32/4
秋の感情 Op.48/7
教会の庭(墓地)で Op.105/4
ああ、悲しいこと、お前はまたもや Op.32/5
たそがれる夕べ Op.49/5
サラマンダー(火いもり) Op.107/2
秘密 Op.71/3
私たちはさまよった Op.96/2
愛しき人への道 Op.48/1
セレナーデ Op.106/1
航海 Op.96/4
月光 Op.85/2
早くおいで Op.97/5(※ORFEOのライヴ音源にこの曲は含まれていない。録音の不具合、もしくは演奏上の理由か、それとも演奏されなかったのかは不明)
湖上にて Op.59/2
私の女王よ Op.32/9
使い Op.47/1

1958.8.26(火)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

イルムガルト・ゼーフリート(ソプラノ)
Irmgard Seefried, Sopran
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)*
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton*
エリク・ヴェルバ(ピアノ)
Erik Werba, Klavier

ヴォルフ:歌曲集『イタリア歌曲集』(全46曲:ヴェルバによる配列版)
1. ちいさなものでも
42. ぼくはもう歌えない*
43. ちょっと黙ったらどう
44. おお、知るがいい、お前のおかげで*
6. 誰があんたを呼んだの?
13. いやにお高くとまってるんだな*
32. なにを怒ってるの?*
31. どうしてぼくは楽しそうにしたり*
45. あたしの恋人の小屋を深淵がのみこみ
4. 祝福あれ、この世をお創りになった方に*
24. もはや私は乾いたパンを
8. もう平和を締結しようよ*
36. もしもあなたが天国へのぼったら
19. 私たち二人は
23. どんな歌を*
20. あたしの恋人が家の前で
5. 幸なるかな、まなこめしいたる者は*
29. なみなみならぬご身分は
35. しあわせな母に祝福あれ*
21. みんながいってるわ、お母さんが反対なんですってね
33. ぼくが死んだら、体を花で覆ってくれ*
2. うわさによると、遠く旅に出られるそうですね
17. お前の恋人をこがれ死なせる気なら*
27. ぼくはもう床の中で疲れた手足を伸ばしていた*
41. 今夜、私が夜中に起き上がってみると
18. ブロンドの頭をお上げ*
40. あなたのお家が硝子みたいに透明だったら
34. 朝はやく、ベッドから起き出すと*
39. 祝福あれ、緑と、緑を身にまとう人に
9. お前の魅力がそっくり絵に描かれたとしたら*
38. お前がちらりとぼくを見て*
16. あんたがた、戦場におでかけのおにいさんたち
7. 月はいたましい歎きをかかげて*
10. あんたはかぼそい一本の糸で
14. なあ兄弟、ひとつ坊主に化けようじゃないか*
15. あたしの恋人はとてもおチビさん
22. 皆様方にセレナーデをお贈りすべく*
12. いえ、お若い方
3. あなたはこの世の中で一番美しい*
11. どんなに長い間、あたしは願っていたことでしょう
37. お前を愛したばっかりに*
25. あたしの恋人があたしを食事に招いた
26. ぼくは人にたずねて、こう聞かされた*
28. あんたはいうのね、あたしが女王様じゃないって
30. 勝手にさせとくさ*
46. ペンナにあたしの恋人がいる

1959.7.29(水)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ジェラルド・ムーア(ピアノ)
Gerald Moore, Klavier

シューマン:歌曲集『ユスティヌス・ケルナーの詩』Op.35 (全12曲)
 嵐の夜のよろこび
 愛と喜びよ、消え去れ
 旅の歌
 新緑
 森へのあこがれ
 亡き友の盃に寄せて
 さすらい
 ひそかな愛
 問い
 ひそかな涙
 誰がお前を悩ますのか
 古いリュート

シューマン:歌曲集『リーダークライス』Op.39 (全12曲)
 異郷にて
 間奏曲
 森の対話
 静けさ
 月の夜
 美しき異郷
 古城にて
 異郷にて
 悲しみ
 たそがれ
 森の中で
 春の夜

1960.7.28(木)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ジェラルド・ムーア(ピアノ)
Gerald Moore, Klavier

ヴォルフ:歌曲集『ゲーテの詩』より
 竪琴弾きI
 竪琴弾きII
 竪琴弾きIII
 ガニュメデス
 似た者同士
 一年中春
 羊飼い
 新しいアマディス
 現象
 ねずみ捕り
 旅人の夜の歌
 人間の限界
 アナクレオンの墓
 プロメテウス
 創造と生与
 天才の行為
 コフタの歌I
 コフタの歌II

[アンコール](※ORFEOのライヴ音源による)
ヴォルフ:コーランは永遠のものか(Ob der Koran von Ewigkeit sei?)(歌曲集『ゲーテの詩』より)
ヴォルフ:出会い(Begegnung)(歌曲集『メーリケの詩』より)
ヴォルフ:狩人(Der Jäger)(歌曲集『メーリケの詩』より)
ヴォルフ:あばよ(Abschied)(歌曲集『メーリケの詩』より)

1960.7.31(日)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

イルムガルト・ゼーフリート(ソプラノ)
Irmgard Seefried, Sopran
エリク・ヴェルバ(ピアノ)
Erik Werba, Klavier
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)*
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton*
ジェラルド・ムーア(ピアノ)*
Gerald Moore, Klavier*

ヴォルフ:歌曲集『スペイン歌曲集』より

聖歌曲集(※聖歌曲集はライヴ音源が残っておらず、各曲の演奏者が不明)
8.ああ、心のまどろみの長かったこと!
2.神を生みたもうたあなた
3.さあ、歩くのだよ、マリア
4.棕梠の樹をめぐって飛ぶものたち
10.愛する方、あなたは傷を負われて
5.御子よ、ベツレヘムへお導きください!
6.ああ、幼な児の瞳は
1.今こそわたしはあなたのもの
7.罪を負い、辛苦のはてにわたしは来ました
9.主よ、この地にはなにが芽生えるのでしょう

世俗歌曲集
20.ああ、それは五月のことだった(Ach im Maien war's)(※公式サイトに記載がないが、OEFEOのライヴ音源にある)*
28.進軍のラッパが鳴っている
7.恋を取り逃がす男など*
12.あれはあなただったのね、ご立派なお方
4.恋人をすきなだけからかうんだね*
13.口さがないひとたちにはいつも
11.心よ、落胆するのはまだはやい*
22.いつの日かぼくの想いは*
2.わたしの髪のかげで
21.すべてのものは、心よ、憩っている*
26.わたしを花でつつんでね
24.来れ、おお、死よ*
34.さあ、もう行くときよ、わたしの恋人!
5.みどりの窓からあの子が(Auf dem grünen Balkon mein Mädchen)(※公式サイトに記載がないが、OEFEOのライヴ音源にある)*

●シューマン:歌曲集『詩人の恋』Op. 48~1.美しい五月に
Dichterliebe, Op. 48: No. 1, Im wunderschönen Monat Mai

13 August 1956, Stiftung Mozarteum — Großer Saal
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
Gerald Moore, Klavier

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(参考)

Archiv: Salzburger Festspiele (上の方のメニューの右側にある「ERWEITERTE SUCHE」をクリックして「Künstler·in」欄に「Dieskau」と入力するとすぐ下に「Dietrich Fischer-Dieskau」という候補が表示されるのでそれをクリック。続いて「SUCHEN」をクリックすると、フィッシャー=ディースカウのザルツブルク音楽祭出演歴が表示されます)

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【フォレ没後100年記念】ジェラルド・ムーアの演奏するフォレ器楽曲(エレジーOp. 24他)(Fauré: Élégie, Op. 24)

ガブリエル・フォレ(Gabriel Fauré: 1845.5.12-1924.11.4)は多くの歌曲やレクイエムだけでなく、器楽曲も沢山作曲しています。その中で個人的に強く印象に残っているのがチェロとピアノの為の「エレジー(Élégie) 作品24」です。最初に聞いたのはジェラルド・ムーア(Gerald Moore)を特集したFMラジオ番組でした。その頃、歌曲のピアニストとしてのムーアはすでに数多く聞いていて、私にとってのヒーローでしたが、器楽曲を演奏するムーアを当時ほとんど聞いたことがありませんでした。このラジオで流れたのはジャクリーン・デュ・プレと録音したフォレのエレジーでした。これはカセットテープにエアチェックして本当にどれほど巻き戻して繰り返し聞いたか分からないほど聞きまくりました。
このフォレの「エレジー」という曲はもともとソナタの緩徐楽章として書き始められたようですが、結局ソナタは実現せず、単独の小品として今でも愛されています。
曲の冒頭の暗い前奏からフォレの世界に引き込まれます。チェロが物悲しいメロディーを奏で終わると、今度はピアノが美しいメロディーを谷間に咲く一輪の花のように演奏し、次にチェロがそのメロディーを繰り返します。そうこうするうちに嵐のような音楽に変わり、チェロ、ピアノ共に激しく情熱をぶつけます。その後に落ち着いてから弾かれるピアノのメロディーがまた美しく、彼岸の音楽のようにはかなく切ないのです。そしてこのメロディーもチェロが繰り返します(この曲はピアノが先導してチェロが後に続くパターンが多いですね)。
7分ほどの音楽の中に静謐さと激しい慟哭と諦観のような響きが入れ替わり、聞いていて一つのドラマを体験したような気持ちになります。
これまで歌曲のピアニストとして知っていたムーアが、その音の温かさは残しつつ、深刻で悲痛な響きをドラマティックに響かせていて、私にとっては特別な録音となりました。デュ・プレのチェロも力強さと切なさが感じられて感動的な演奏でした。

ちなみにムーアはデュ・プレとの録音の12年前(1957年)にピエール・フルニエとすでにこの「エレジー」を録音していて、その際に他のフォレのチェロ小品3曲も併せて録音しています。

●フォレ:エレジーOp. 24
Fauré: Élégie, Op. 24
ジャクリーン・デュ・プレ(VLC), ジェラルド・ムーア(P)
Jacqueline du Pré(VLC), Gerald Moore(P)

1969年4月1日、No. 1 Studio, Abbey Road, London録音。この音源はムーアの70歳記念レコードの為にEMIに録音されました。

●フォレ:エレジーOp. 24
Fauré: Élégie, Op. 24
ピエール・フルニエ(VLC), ジェラルド・ムーア(P)
Pierre Fournier(VLC), Gerald Moore(P)

1957年9月、10月録音。

●フォレ:シシリエンヌ Op. 78
Fauré: Sicilienne, Op. 78
ピエール・フルニエ(VLC), ジェラルド・ムーア(P)
Pierre Fournier(VLC), Gerald Moore(P)

1957年9月、10月録音。「シシリエンヌ」の懐かしい響きは曲名は知らずとも誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。私も最初に聞いたのがいつだか覚えていないのですが、このメロディーは音楽好きなら必ずどこかのタイミングで耳にしているのではないかと思います。

●フォレ:蝶々 Op. 77
Fauré: Papillon, Op. 77
ピエール・フルニエ(VLC), ジェラルド・ムーア(P)
Pierre Fournier(VLC), Gerald Moore(P)

1957年9月、10月録音。

●フォレ:子守歌 Op. 16
Fauré: Berceuse, Op. 16
ピエール・フルニエ(VLC), ジェラルド・ムーア(P)
Pierre Fournier(VLC), Gerald Moore(P)

1957年9月、10月録音。

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フィッシャー=ディースカウ&ムーア・ユネスコ・コンサートの映像(1974年1月9日, Paris)

ジェラルド・ムーア(Gerald Moore: 1899-1987)は、1967年2月20日イギリスのロイヤル・フェスティヴァル・ホールで催された告別コンサートでステージから別れを告げたと一般には言われていますが、実はその1か月後にフィッシャー=ディースカウとアメリカ演奏旅行に同行し、シューマンなどを演奏しています。その後もBBCの音楽番組に出演してビクトリア・デ・ロサンヘレスと共演しており、さらに1976年8月にシューマン「スペインの愛の歌」のグレアム・ジョンソンの連弾パートナーとしてもシークレットゲストとしてステージに出演したそうです。60年代後半から70年代前半にはF=ディースカウ、プライ、ベイカー、モッフォら複数の歌手たちとスタジオ録音を続けた後に演奏活動にピリオドを打ったと思いきや、1974年1月9日のユネスココンサートにF=ディースカウと共に出演し、シューベルトの歌曲を演奏しています(ムーアの回想録『Farewell Recital (1978)』によるとイェフディ・メニューヒンの依頼だったので断れなかったそうです)。その録画がアップされていましたのでこちらで共有させていただきます。
特に「夕映えの中で」の前奏ではムーアの手がアップになり、そのしなやかな指さばきを見ることが出来ます。
こちらは以前4曲まとめた映像でご紹介したことがありましたが、今回の映像はモノクロながらより鮮明に映っていて、曲ごとに分かれているので見やすいと思い、再度記事にしました。

●シューベルト:漁師の娘D957/10
Dietrich Fischer Dieskau Schwanengesang D 957 (10. Das Fischermädchen)

Channel名:George გიორგი (オリジナルのサイトはこちらのリンク先。音が出ます)

●シューベルト:夕映えの中でD799
Dietrich Fischer Dieskau Im Abendrot D.799

Channel名:George გიორგი (オリジナルのサイトはこちらのリンク先。音が出ます)

●シューベルト:孤独な男D800、ひめごとD719
Dietrich Fischer Dieskau Der Einsame D.800(, Geheimes D.719)

Channel名:George გიორგი (オリジナルのサイトはこちらのリンク先。音が出ます)

Piano: Gerald Moore
Recorded in Paris, France January 9, 1974 UNESCO concert

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ジェラルド・ムーア(Gerald Moore)生誕120年

ジェラルド・ムーア (Gerald Moore, 1899.7.30, Watford, Hertfordshire - 1987.3.13, Penn, Buckinghamshire)

歌曲の伴奏者として一時代を築いたジェラルド・ムーアが生まれて2019年7月30日で120年が経ちました。
早いものです。
私がムーアの演奏に惹かれて、自伝を読んだり、録音を聞いたりしていた頃、彼はもちろんとっくに引退していましたが、まだご健在でした。
1987年に彼の訃報記事が新聞に掲載された時のショックは今でも思い出すことが出来ます。
当時はインターネットなどありませんでしたから、図書館に行って、新聞各紙の訃報欄をチェックしたりしたものでした。

ムーアの演奏や自伝を通じて、彼のことを知るにつれて、ムーアの器楽曲演奏の録音をもっと聞いてみたいと思うようになってきました。
彼は一般には歌曲の分野で大きな名声を獲得しましたが、実際には楽器奏者たちとも数多く共演しており、彼の著書にも器楽曲について触れられていました。
当時店頭で入手出来たのは、シューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」をフォイアマンのチェロと共演したLPでした。
その後、FMでムーアの特集が組まれた時に放送されたデュ・プレとのフォレ「エレジー」のあまりの素晴らしさに、エアチェックしたテープを何度も巻き戻して聞いたものでした(これもLPで再発売されたものに収録されていました)。
ムーアが器楽曲でも歌心を発揮した独自の魅力を醸し出していることを知り、その後、少しずつ彼の器楽録音を入手したり、入手できないものは上野の音楽資料館で探して、例えばゴイザーとのブラームス:クラリネット・ソナタのLPなどを楽しみました。
今やインターネットで様々な貴重な音源を聞くことが出来、つくづくいい時代になったなぁと感じます。
そんなムーアの器楽曲演奏をいくつか貼り付けてみました。
興味のある方は、彼の歌曲以外の演奏がどんな感じなのかぜひ聴いてみてください。

●ピアノ独奏
ヘラー: 練習曲 ホ長調 Op.45 No.9
ジェラルド・ムーア(P)
Gerald Moore plays Heller Étude in E Major Op.45 No.9
Gerald Moore
Rec. 9 November 1949

●ピアノ連弾
ドヴォジャーク: スラヴ舞曲 ト短調 Op. 46 No. 8
ジェラルド・ムーア(P: Primo)
ダニエル・バレンボイム(P: Secondo)
16 Slavonic Dances B78 & B145 (Opp. 46 & 72) (2003 Remastered Version) , B78: No. 8 in G minor
Gerald Moore
Daniel Barenboim
Rec. 1969

●チェロとピアノ
フォレ: エレジー ハ短調 Op. 24
ジャクリーン・デュ・プレ(VLC)
ジェラルド・ムーア(P)
Fauré / Jacqueline du Pré, 1962: Elegie in C minor, Op. 24 - Gerald Moore, piano
Jacqueline du Pré (1945-1987)
Rec. 1 April 1969

●チェロとピアノ
シューベルト: アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D821
エマヌエル・フォイアマン(VLC)
ジェラルド・ムーア(P)
Schubert - Arpeggione sonata - Feuermann / Moore
Emanuel Feuermann
Gerald Moore
Rec. 29-30.VI.1937, Abbey Road Studio 3, London

●クラリネットとピアノ
ブラームス: クラリネット・ソナタ ヘ短調 Op.120-1
ハインリヒ・ゴイザー(CL)
ジェラルド・ムーア(P)
Johannes Brahms: Sonate für Klarinette und Klavier Nr. 1
Heinrich Geuser / Gerald Moore
Rec. 14 November 1958, Berlin, Zehlendorf

第1楽章 Allegro appassionato

第2楽章 Andante un poco adagio

第3楽章 Allegretto grazioso

第4楽章 Vivace

●ヴィオラとピアノ
ブラームス: ヴィオラ・ソナタ 変ホ長調 Op.120-2
ウィリアム・プリムローズ(VLA)
ジェラルド・ムーア(P)
Brahms: Sonata in E-Flat, Op. 120, No. 2
William Primrose, viola
Gerald Moore, piano
Rec. 16 September 1937, EMI's Studio No. 3, Abbey Road, London
1. Allegro amabile
2. Allegro appassionato (at 7:30)
3. Andante con moto (at 12:45)

●ヴァイオリンとピアノ
シマノフスキー: 神話 Op.30 ~ 1. アレトゥーザの泉
ティボール・ヴァルガ(VLN)
ジェラルド・ムーア(P)
Karol Szymanowsky: Mythes, Op.30, No. 1: La fontaine d'Arethuse
Tibor Varga · Gerald Moore
Rec. 1947

●チェロとピアノ
リムスキー=コルサコフ: マルハナバチの飛行(「熊蜂の飛行」という題で有名ですが、正しくは「熊蜂」ではないそうです)
ピエール・フルニエ(VLC)
ジェラルド・ムーア(P)
Rimsky-Korsakov: Flight of the Bumblebee, Fournier & Moore (1957)
Pierre Fournier (1906-1986), Cello
Gerald Moore (1899-1987), Piano
Rec. 1957

●ピアノ独奏
シューベルト(ジェラルド・ムーア編曲): 音楽に寄せて D547
ジェラルド・ムーア(P)
Schubert (arr. Moore): An die Musik D547 (2003 Remastered Version)
Gerald Moore
Rec. 20 Feb. 1967, Royal Festival Hall (live)

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ヘルマン・プライ&ジェラルド・ムーア/シューベルト「冬の旅」(1959年ケルン録音)配信限定リリース

いつもコメントを下さるプライファンの真子さんからの情報で、ヘルマン・プライ(Hermann Prey)&ジェラルド・ムーア(Gerald Moore)の「冬の旅」初出音源が発売されたことが分かりましたので、ご紹介します。

プライとムーアのコンビはシューベルトのゲーテ&シラー歌曲集、「白鳥の歌」、ブラームス、ヴォルフ、プフィッツナー、R.シュトラウス歌曲集など数多くの名盤を残してきましたが、「冬の旅」の録音はありませんでした。

今回、1959年ケルン録音ということまではジャケット写真の記載で分かっているのですが、パッケージではなく、配信のみの販売とのことで、詳細ないきさつなどは不明です。

音源を聞いた限りでは、ライヴ録音ではなさそうです。
放送録音か、あるいは商業用に録音してお蔵入りになった録音なのでしょうか。
音は悪くないです。

 amazonはこちら

Singers of the Century - Hermann Prey: Winterreise

Prey_moore_winterreise_1959


プライは伸びやかな美声で丁寧に歌を紡いでいきます。
ムーアは安定したテンポで、歌に満ちた演奏を聞かせています。

興味のある方はまずは上記のサイトから試聴してみることをお勧めします。

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もう一つ、動画サイトにプライとホカンソンによるシューベルトの1984年ヴィーン・ライヴ録音がアップされていました。

録音: Nov. 1984, Brahms-Saal, Musikverein, Wien (live)

Hermann Prey(BR)
Leonard Hokanson(P)

Franz Schubert:
I. Sehnsucht(憧れ), D 123 0:00-
II. Am See(湖上で), D 124 4:05-
III. Der Taucher(水中を潜る男), D 111 10:14-
IV. Geistes-Gruß(幽霊の挨拶), D 142 34:39-
V. Genügsamkeit(満足), D 143 36:41-
VI. Der Sänger(歌びと), D 149 38:34-
VII. Alles um Liebe(愛のすべて), D 241 46:25-

長大な「水中を潜る男(潜水者), D 111」が聞きものですが、他に「満足」や「愛のすべて」のような珍しい作品も歌われていて貴重な音源だと思います。

プライ生誕90年にあたり、あらためて彼の録音を一つ一つ聞いてみるのもいいかもしれませんね。

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アーメリング、F=ディースカウ、ムーアらの写真!

たまたま画像検索していて見つけたのですが、エリー・アーメリング、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、ジェラルド・ムーアの3人が1枚に収まっているという超レアな写真がありました!
この3人だけでなく、ピアニストのスティーヴン・コヴァセヴィッチと、指揮者のベルナルト・ハイティンクも一緒です。
1970年の1枚ということですが、何か像を持っているので、授賞式か何かなのかもしれませんね。

 こちらの上方の写真です。クリックすると拡大します。

ちなみにこの写真の5人、すべて視線が別の方向を向いています。
意図的なのか偶然なのかは分かりませんが、ちょっと面白いです。
F=ディースカウがアーメリングを見つめる眼差しが優しげに感じられるのは気のせいでしょうか。
ちなみにアーメリング、F=ディースカウ、ムーアの3人は、この2年後にシューベルトの重唱曲の録音で共演を果たすことになります(Deutsche Grammophon)。

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ジェラルド・ムーア独奏による「音楽に寄せて」&「ヘラー作曲練習曲」

今年(2017年)が没後30年にあたる名伴奏者ジェラルド・ムーア(Gerald Moore: 1899-1987)のソロ演奏が某サイトにアップされていました。
このSP録音、存在は知っていたのですが、入手できず、「音楽に寄せて」のみは以前に故羽田健太郎さんのラジオで流されたのを聞いたことがあったのですが、ヘラーの練習曲は聞けないままでした。
アップして下さった方にただただ感謝あるのみです。
「音楽に寄せて」はムーアの1967年フェアウェル・コンサート(シュヴァルツコプフ、ロサンヘレス、ディースカウとの共演)のアンコールで弾かれたものが商品化されていますが、そちらは1節のみの短縮バージョンでした。
この1949年版は2節の形で変奏されていますが、あくまでも原曲を生かした編曲なのがムーアらしいです。

ちなみにこの録音、1949年11月ということですので、1899年7月生まれのムーアの満50才の録音ということになります。
他にはバルトークの小品しかソロ録音のないムーアが50才でこの録音をしたのはどういう心境だったのか、ちょっと気になります。

とにかくお聞きになってみてください!
ピアノで歌うということの最高の境地がここにあります。
あまりにも美しいです!

ピアノ独奏(Piano solo):ジェラルド・ムーア(Gerald Moore)
録音(Recording):1949年11月9日(9 November 1949)

シューベルト作曲(Schubert);ムーア編曲(arr. G.Moore):音楽に寄せて(An die Musik, D547)
Gerald Moore plays Schubert-Moore 'An die Musik'

ヘラー作曲(Heller):練習曲ホ長調(Étude in E Major, Op.45 No.9)
Gerald Moore plays Heller Étude in E Major Op.45 No.9

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ジェラルド・ムーア没後30年

往年の歌曲伴奏の第一人者として途方もない業績を残したジェラルド・ムーア(Gerald Moore: 1899.7.30-1987.3.13)が、今日(2017年3月13日)で没後30年を迎えました。
新聞で彼の訃報を読んだ時の衝撃は今でもはっきり思い出すことが出来るのですが、あれからもう30年も経ってしまったとは月日の経つのは早いものです。

ムーアについては膨大な音源があり、彼の業績を称えるには聴く人それぞれに思い入れのある録音があることと思います。

私も彼の録音を聴いて、歌曲好きを続けてきたようなものです。

30年前の今日を偲んで、彼のフェアウェル・コンサートでアンコールに弾いたムーア自身の編曲によるシューベルトの「音楽に寄せて」を聴いてみたいと思います(1967年2月録音)。

ここでの歌そのものと言いたいほど豊かなピアノの響きを耳にすると、彼が何故これほどまでに多くの共演者から愛されたのかがよく分かります。
ピアノで歌うということの最もよい実例がここにあると思います。
何度聞いても胸を打つ演奏です!
ぜひ聴いてみて下さい。

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ヘルマン・プライ&ジェラルド・ムーア/「白鳥の歌」他(ザルツブルク・ライヴ1964)リリース

プライとムーアによる1964年ザルツブルク音楽祭の歌曲の夕べがCD化されたようです。
シューベルトの「白鳥の歌」全曲とその他の歌曲です。
この両者はフィリップスレーベルにも「白鳥の歌」のスタジオ録音を残していますが、1964年のライヴはその曲順の解体で語り草になっていた演奏でした。
私は現在まだ入手できていないのですが、こうして正規盤として聴ける日が来るとは思っていなかっただけに、とても嬉しく歓迎すべきリリースだと思います。

詳細はHMVのサイトをどうぞ。
 こちら

当時は「白鳥の歌」を出版された通りの順序で演奏するのが通例だったと思われるので、どういう経緯でプライが曲順を変えたのか興味深いところです。
往年の記録の復活を喜びたいのと同時に、まだまだプライのザルツブルク・ライヴは沢山お宝が眠っているはずなので、そろそろまとめて歌曲だけでもリリースしてほしいところです。

ちなみに「歌びと」「夕映えの中で」「シルヴィアに」はプライは別のピアニストとスタジオ録音しているので、ムーアとの組み合わせで聴けるのも有難いことです。

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(2015.11.6追記)

CD、入手しました!
プライはもちろんライヴならではの熱唱を聴かせているのですが、ヴァルター・クリーンとの熱いスタジオ録音とは違って、全体にコントロールが感じられるのが興味深かったです。
クリーンとのスタジオ録音が勢いに任せた若い時期ならではの情熱だったのに比べて、こちらは熱さと冷静さのバランスがよく、激しい「アトラス」でさえ、どこか冷静な目が感じられるほどでした。
だからといって決して冷たい演奏ということではなく、プライの歌唱にさらに彫りの深さが加わったということなのでしょう。声を前面に出したものではなく、声を歌唱の手段として使っているのが感じられて素晴らしい演奏でした。
ムーアはピアノでとても美しく歌い、プライの音楽性を完全に把握しているのはいつもながらさすがです!

「白鳥の歌」が目玉であることは間違いないのですが、ぜひとも「竪琴弾きの歌」や「ミューズの子」なども聴いてみて下さい。会場で聴いているような臨場感がなんとも言えず素晴らしいです。

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