シューベルト「乙女の嘆き(Des Mädchens Klage)」全3作(D 6, D 191, D 389)を聴く

Des Mädchens Klage
 乙女の嘆き

Der Eichwald [brauset](1),
Die Wolken [ziehn](2),
Das Mägdlein [sitzet](3)
An Ufers Grün,
Es bricht sich die Welle mit Macht, mit Macht,
Und sie seufzt hinaus in die finstre Nacht,
Das Auge [von](4) Weinen [getrübet](5).
 樫の森はざわめき、
 雲は流れ行く。
 娘は
 岸辺の緑野に座っている。
 波は勢いよく、勢いよく砕け散る。
 彼女は暗い夜にため息をもらし、
 目は泣きはらして曇っている。

"Das Herz ist gestorben,
Die Welt ist leer,
Und weiter giebt sie
Dem Wunsche nichts mehr.
Du Heilige [rufe](6) dein Kind zurück,
Ich habe genossen das irdische Glück,
Ich habe gelebt und geliebet!"
 「この心は死に、
 世の中はむなしい、
 そしてこれ以上世の中は
 望みをもはや何もかなえてくださらないのです、
 汝、聖母様、汝の子を召還してください、
 私はこの世の幸せを充分味わいました、
 私は生き、愛してきました。」

Es rinnet der Thränen
Vergeblicher Lauf,
Die Klage, sie wecket
Die Todten nicht auf,
Doch nenne, was tröstet und heilet die Brust
Nach der süßen Liebe [verschwundener](7) Lust,
Ich, die himmlische, wills nicht versagen.
 涙が
 むなしく流れつづける。
 嘆き、それが
 死者を目覚めさせることはない。
 だが、甘い愛の喜びが消えたあとに
 その胸を慰め、癒すものを挙げるがよい、
 天上にいる私はそれまで拒むつもりはない。

Laß rinnen der Thränen
Vergeblichen Lauf,
Es wecke die Klage
Den Todten nicht auf,
Das süßeste Glück für die [traurende](8) Brust,
Nach der schönen Liebe [verschwundener](7) Lust,
Sind der Liebe Schmerzen und Klagen.
 むなしく涙が
 流れるままにしてください。
 嘆いても
 死者が目覚めないようにしてください。
 悲しむ胸にとって、
 美しい愛の喜びが消えたあとの、最も甘い幸せは、
 愛の苦しみと嘆きなのです。

---

※註
(1) Schubert (D.191 and D.389): "braust"
(2) Schubert (D.6, first occurrence only): "ziehen"
(3) Schubert (D.191 and D.389): "sitzt"
(4) Schiller (editions from 1810), and Schubert: "vom"
(5) Schubert (D.6): "getrübt"
(6) Schubert (D.6): "ruf'"
(7) Schubert (D.191, second version only): "verschwund'ner"
(8) Schubert (D.191 and D.389): "trauernde"

---

詩:Friedrich Schiller (1759-1805)
音楽:Franz Peter Schubert (1797-1828)

-------------------

シューベルトは、シラーの詩によって多くの歌曲を書きましたが、いくつかの作品は同じテキストに異なる作曲を試みています。
この「乙女の嘆き」は、三十年戦争を題材にした「ヴァレンシュタイン(Wallenstein)」というシラーの作品の第2部第3幕第7場で、ヴァレンシュタインの娘テークラによって歌われる詩の最初の2節分とほぼ同じ内容とのことです。
岩波文庫から濱川祥枝氏の訳したものが出ているのですが(2003年)、その解説によると、詩が1798年に発表され、「ヴァレンシュタイン」は1798-1799年に書かれたようなので、すでに発表していた詩を、戯曲の中に取り入れたということになるのかもしれません。

シューベルトはこの詩に、14、15歳頃に最初に作曲し、さらに18歳の時に第2作を作り、その翌年には第3作を作曲します。
しかし、出版された第2作のみがとてもよく知られるようになり、リストもピアノ・ソロ用に編曲しているほどです。

第2作は2つの稿があり、出版された前奏付のものは2稿目です。
「ヴァレンシュタイン」の中では、テークラがギターを奏でつつ歌うというト書きがある為、シューベルトもそれを意識したのかもしれません(14、15歳頃の作曲では前奏がなく、いきなり歌が始まります)。

シューベルトが同じ詩からどのような解釈の変化を反映させたのか興味深い例だと思います。
お時間があれば、D 6からD 191、D 389の順番にお聞きになると、シューベルトの作曲の変遷が分かると思います。

同じ詩にツェルターとメンデルスゾーンが作曲した作品との比較も興味深いと思います。

●シラーの詩の朗読(Susanna Proskura)

--------

シューベルト作曲の3つの作品(作曲順)
グンドゥラ・ヤノヴィツ(S) & アーウィン・ゲイジ(P)
Gundula Janowitz(S) & Irwin Gage(P)
1977/78年録音

●第1作(D 6)(1811年または1812年作曲):通作形式

●第2作(D 191)(1815年5月15日作曲):有節形式

●第3作(D 389)(1816年3月作曲):有節形式 (ここでは全4節中、第1~2節のみが歌われています)

--------

●シューベルト作曲の第2作(D 191)に基づくフランツ・リスト(Franz Liszt)によるピアノ独奏用編曲版の演奏(Valentina Lisitsa)

--------

●ツェルター(Carl Friedrich Zelter: 1758-1832)作曲による作品(有節形式)
Duo con emozioneによる演奏
こちら
この動画は埋め込めないので、上記のリンク先からお聴き下さい。

--------

●メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn: 1809-1847)作曲による作品(第1~2節のみの通作形式。シラーの戯曲の箇所のみに作曲したということになります)
Andrea Folan(S) & Tom Beghin(fortepiano)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

シューベルト「男なんてみんな悪者よ!(Die Männer sind méchant!) D 866-3」を聴く

Die Männer sind méchant! D 866-3
 男なんてみんな悪者よ!

Du sagtest mir es, Mutter:
Er ist ein Springinsfeld!
Ich würd' es dir nicht glauben,
Bis ich mich krank gequält!
Ja, ja, nun ist er's wirklich;
Ich hatt' ihn nur verkannt!
Du sagtest mir's, o Mutter:
»Die Männer sind méchant!«
 私にこう言っていたわよね、お母さん、
 あいつは軽い男だよって!
 私はお母さんが信じられなかったの、
 病むほどに苦しむまでは!
 そう、そうなのよ、あいつはまさにその通りだったの、
 私はあいつのことを分かっていなかったの!
 私にこう言っていたわよね、ねぇお母さん、
 「男なんてみんな悪者なのよ!」と。

Vor'm Dorf im Busch, als gestern
Die stille Dämm'rung sank,
Da rauscht' es: »Guten Abend!«
Da rauscht' es: »Schönen Dank!«
Ich schlich hinzu, ich horchte;
Ich stand wie festgebannt:
Er war's mit einer Andern -
»Die Männer sind méchant!«
 村の前にある茂みの中でね、昨日
 静かな夕日が沈んだころに、
 こう聞こえたの、「こんばんは!」って。
 すると別の声がしたわ、「ありがとう!」って。
 私そっと近づいて行って、聞き耳を立てていたの、
 私、金縛りにあったかのように立ちつくしてしまったわ、
 だってあいつったら他の女と一緒だったのよ、
 「男ってひどい!」

O Mutter, welche Qualen!
Es muß heraus, es muß! -
Es blieb nicht bloß beim Rauschen,
Es blieb nicht bloß beim Gruß!
Vom Gruße kam's zum Kusse,
Vom Kuß zum Druck der Hand,
Vom Druck, ach liebe Mutter! -
»Die Männer sind méchant!«
 ああ、お母さん、なんて苦しいの!
 さらに言わなくちゃ!
 ただ声をかけただけじゃなかったのよ、
 ただ挨拶をしただけじゃなかったの、
 挨拶してからキスをしたの、
 キスをしてから手を握ったわ、
 手を握ったあとで...ああ、お母さん!
 「男って最低!」

詩:Johann Gabriel Seidl (1804-1875)
音楽:Franz Schubert (1797-1828)

-----------

シューベルトはザイドル(最後の歌曲「鳩の便り」の詩人)の詩によって「4つのリフレイン歌曲集(Vier Refrainlieder)」を作曲しました。その3曲目が「男なんてみんな悪者よ!」です。
私がはじめてこの曲を聴いたのは、アーメリング&ボールドウィンのシューベルト歌曲集のLP(PHILIPSレーベル)だったのですが、他の歌曲と明らかに毛色の異なる曲調に驚いたものでした。
シューベルトは詩によっては大衆的な音楽をつけることがたまにあったのですが、これなどもなかなかパンチのきいた内容になっています。

彼氏に二股かけられていたことを知った若い女性が母親にその苦しみを訴えるという内容で、いつの世も男女の間に同じような問題が起きていたのだなと思うと、人間は本質的には何も変わっていないのではないかと思ってしまいます。
シューベルトは各節最後に繰り返される「Die Männer sind méchant!」に同じ音楽が付くようにしつつも、物語の展開を迫真のドラマにしていて、映像が目に浮かぶようです。

ズザンナ・プロスクラ(speaker)
Susanna Proskura(speaker)

テキストの朗読です。語りの口調を聞いてからシューベルトの音楽を聴くと、シューベルトが実に話法を巧みに取り入れているのが感じられます。

エリー・アーメリング(S) & ドルトン・ボールドウィン(P)
Elly Ameling(S) & Dalton Baldwin(P)

アーメリングの芝居の上手さは際立っています。ボールドウィンも一体になって見事にドラマを作り上げています。

グンドゥラ・ヤノヴィツ(S) & アーウィン・ゲイジ(P)
Gundula Janowitz(S) & Irwin Gage(P)

1977/78年録音。さすがヤノヴィツは役者です。怒りと悲しみの入り混じった少女の感情を巧みに表現して、聞き手を惹きつけます。ゲイジも情景を雄弁に演奏しています。

ルネ・フレミング(S) & クリストフ・エッシェンバハ(P)
Renée Fleming(S) & Christoph Eschenbach(P)

1996年録音。フレミングは声色の変化を巧みに使い、オペラで鍛えた表現力で聞かせます。エッシェンバハも雄弁な演奏です。

キャスリーン・バトル(S) & ジェイムズ・レヴァイン(P)
Kathleen Battle(S) & James Levine(P)

1987年録音。バトルはあまり感情を込めず淡々と歌っているので、実はこの歌の女性も後ろめたいことがあって、彼氏に本気で怒ってはいないという設定なのかなという気もします。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

シューベルト「笑ったり泣いたり(Lachen und Weinen) D 777」を聴く

Lachen und Weinen, D 777
 笑ったり泣いたり(笑いと涙)

Lachen und Weinen zu jeglicher Stunde
Ruht bei der Lieb auf so mancherlei Grunde.
Morgens lacht ich vor Lust,
Und warum ich nun weine
Bei des Abendes Scheine,
Ist mir selbst nicht bewußt.
 恋をしている時にいつでも笑ったり泣いたりするのは
 さまざまな理由があるものだ。
 朝には喜んで笑っていたのに、
 夕日の射す今になって
 どうしてぼくは泣いているのか、
 自分でも分からないのだ。

Weinen und Lachen zu jeglicher Stunde
Ruht bei der Lieb auf so mancherlei Grunde.
Abends weint ich vor Schmerz,
Und warum du erwachen
Kannst am Morgen mit Lachen,
Muß ich dich fragen, o Herz?
 恋をしている時にいつでも泣いたり笑ったりするのは
 さまざまな理由があるものだ。
 夕方にぼくは苦しくて泣いていたのに
 朝になってきみは
 どうして笑って目覚めることが出来るんだい、
 きみに聞かずにはいられないよ、おおぼくの心よ。

詩:Friedrich Rückert (1788-1866)
音楽:Franz Schubert (1797-1828)

-----------

リュッケルトの詩に1823年に作曲されたこの「笑ったり泣いたり(通称:笑いと涙)」は、恋をしている時の感情の移り変わりを自問するという内容です。
第2節で「きみ(du)」といっているのは、恋する相手のことではなく、自分の心に呼び掛けていることが詩の最後で分かります。
シューベルトは和音の長短を巧みに使い分けて、感情の制御し難い様を絶妙に表現しています。
簡素な小品の中に盛り込まれた感情の機微はさすがシューベルトと脱帽するのみですね。

-----------

ズザンナ・プロスクラ(speaker)
Susanna Proskura(speaker)

リュッケルトのテキストの朗読が聞けます。まずは詩の響きを味わってみて下さい。

エリー・アーメリング(S) & イェルク・デームス(P)
Elly Ameling(S) & Jörg Demus(P)

1970年録音。細やかなアーメリングの美声と、よく歌うデームスのピアノ。なんともチャーミングです。

エリーザベト・シュヴァルツコプフ(S) & ジェラルド・ムーア(P)
Elisabeth Schwarzkopf(S) & Gerald Moore(P)

1961年録音。シュヴァルツコプフの言葉に込められた想いが伝わってくる名演です。ムーアは温かい演奏です。

アーリーン・オジェー(S) & ランバート・オーキス(Fortepiano)
Arleen Augér(S) & Lambert Orkis(Fortepiano)

1991録音。オジェーの澄み切った美声に酔いしれます。オーキスのフォルテピアノの音色も味わい深いです。

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(BR) & ジェラルド・ムーア(P)
Dietrich Fischer-Dieskau(BR) & Gerald Moore(P)

フィッシャー=ディースカウとムーアの演奏はこの小品にドラマを盛り込んでいます。

キャスリーン・バトル(S) & ジェイムズ・レヴァイン(P)
Kathleen Battle(S) & James Levine(P)

1987年録音。バトルが明暗の色合いを見事に使い分けています。

エディト・ヴィーンス(S) & ルドルフ・ヤンセン(P)
Edith Wiens(S) & Rudolf Jansen(P)

ヴィーンスの素直な発声と陰影のこもった歌声が素晴らしいです。ヤンセンはいつもながら上手いです。

マティアス・ゲルネ(BR) & エリク・シュナイダー(P)
Matthias Goerne(BR) & Eric Schneider(P)

2014年録音。ゲルネは深みのある声で心地よい響きを聞かせています。シュナイダーも歌と息がぴったりです。

ピアノ伴奏のみ
Accompaniment only

演奏に合わせて楽譜が映されているので、歌ってみてくださいね。演奏は素直で好感が持てます。

【おまけ】30秒のみ:ヘルマン・プライ(BR) & レナード・ホカンソン(P)
下記のリンク先のサイトのジャケット写真下にあるプレイヤー左端の▶マークをクリックすると、30秒だけ試聴出来ます。動画サイトにはアップされていなかったので、こちらでご勘弁を!プライのみずみずしく溌剌とした歌唱が聞けます。
 こちら

| | コメント (4) | トラックバック (0)

シューベルト「愛はいたるところに群がっている(Liebe schwärmt auf allen Wegen)」D 239-6(ジングシュピール「ベラ荘のクラウディーネ」より)を聴く

Liebe schwärmt auf allen Wegen
 愛はいたるところに群がっている

Liebe schwärmt auf allen Wegen;
Treue wohnt für sich allein.
Liebe kommt euch rasch entgegen;
Aufgesucht will Treue sein.
 愛はいたるところに群がっているが、
 誠実は独りきりでいる。
 愛はあなた方のもとにさっと近づいていくが、
 誠実は相手が訪ねてくれることを望んでいる。

詩:Johann Wolfgang von Goethe (1749-1832)
曲:Franz Peter Schubert (1797-1828)

-----

なお、上記のテキストがシューベルトの作品では下記のように繰り返されます([ ]内が繰り返しの箇所)。

Liebe schwärmt auf allen Wegen;
Treue wohnt für sich allein.
Liebe kommt euch rasch entgegen;
Aufgesucht will Treue sein.

[Liebe schwärmt auf allen Wegen;
Treue wohnt für sich allein.]

[Liebe schwärmt auf allen Wegen;]
[Aufgesucht will Treue sein.]

[Aufgesucht will Treue sein.]

-------------

文豪ゲーテの書いたジングシュピール「ベラ荘のクラウディーネ(Claudine von Villa Bella)」にシューベルトが曲を付けています。シューベルトは全曲を完成したらしいのですが、後に楽譜を所持していた人の女中さんが暖炉の焚き付けに使ってしまったようで、完全に残っているのが第1幕だけというのが残念です。
ORFEOレーベルに第1幕の録音がありますので、興味のある方はそちらもチェックしてみて下さい。
井形 ちづる著『シューベルトのオペラ―オペラ作曲家としての生涯と作品』(水曜社)という本にこのジングシュピールのあらすじが書かれています。
このアリアはクラウディーネという人物によって歌われるのですが、どうやら主役級の登場人物ではなさそうです。
1分ぐらいのチャーミングなアリアです。
ちなみに、動画サイトにはなかったのですが、アーメリングがオリジナルのオーケストラ伴奏でもこの曲を録音しており、SACDで聴くことが出来ます(オリジナルはPHILIPSレーベル、SACD化はPentatoneレーベル。Hybrid SACDなので、通常のCDプレイヤーで再生出来ます)。


エリー・アーメリング(S) & イェルク・デームス(P)
Elly Ameling(S) & Jörg Demus(P)

1970年録音。アーメリングの清冽な美声と細やかな音楽の流れ、明晰なディクション等いつもながら聴き惚れてしまいます。デームスも味わい深い演奏です。


エリーザベト・シュヴァルツコプフ(S) & ジェラルド・ムーア(P)
Elisabeth Schwarzkopf(S) & Gerald Moore(P)

1961年録音。放たれる気品はシュヴァルツコプフならではでしょう。ムーアもよく歌っています。


グンドゥラ・ヤノヴィッツ(S) & アーウィン・ゲイジ(P)
Gundula Janowitz(S) & Irwin Gage(P)

1977/78年録音。素直な美声のヤノヴィッツがいつも以上に可愛らしい少女に変身したような歌唱でした。また、ピアノ後奏での色合いの付け方などゲイジらしい演奏でした。


キャスリーン・バトル(S) & ジェイムズ・レヴァイン(P)
Kathleen Battle(S) & James Levine(P)

バトルのクリーミーな美声がチャーミングです。レヴァインの抑えた表現も見事でした。


アーリーン・オジェー(S) & ドルトン・ボールドウィン(P)
Arleen Auger(S) & Dalton Baldwin(P)

オジェーの透明な美声が慎ましやかに表現されていました。ボールドウィンの熟練したピアノは素晴らしいです。


ベルナルダ・フィンク(MS) & ゲロルト・フーバー(P)
Bernarda Fink(MS) & Gerold Huber(P)

2008年録音。メッゾの温かい声と美しいディクションに魅了されました。フーバーも歌を生かしたいい演奏でした。


エディト・ヴィーンス(S) & ルドルフ・ヤンセン(P)
Edith Wiens(S) & Rudolf Jansen(P)

ヴィーンスは陰影に富んだ歌唱で魅力的です。ヤンセンもいいサポートぶりです。


Hye-Kyung Chung(P)

ピアノ伴奏のみです。ぜひ歌ってみて下さいね。


←井形 ちづる著『シューベルトのオペラ―オペラ作曲家としての生涯と作品』

←ORFEOレーベルの第1幕録音

←アーメリングのオーケストラ伴奏録音(Hybrid SACD。通常のCDプレーヤーで再生可能)

| | コメント (4) | トラックバック (0)

シューベルト「光と愛(Licht und Liebe)」D 352を聴く

シューベルトには美しい重唱曲も多くありますが、中でも比較的知られている「光と愛」という作品をご紹介したいと思います。
詩人は「夜と夢」のテキストでも知られるコリンです。
この曲、二重唱コンサートのアンコールでもたびたび取り上げられ、私が実演ではじめて聴いたのも、中村智子&ウーヴェ・ハイルマン夫妻がノーマン・シェトラーのピアノで歌ったコンサートのアンコールでした。
最初に男声がソロで歌い、中盤で歌に変化が出てきたところで女声のソロに代わり、最後に冒頭の音楽が回帰して二人で美しいハーモニーを奏でます。
ピアノは大きな見せ場はないのですが、歌唱を美しい響きで支えています。


Licht und Liebe (Nachtgesang), D 352
 光と愛(夜の歌)

(Männliche Stimme)
Liebe ist ein süßes Licht.
Wie die Erde strebt zur Sonne,
Und zu jenen hellen Sternen
In den weiten blauen Fernen,
Strebt das Herz nach Liebeswonne:
Denn sie ist ein süßes Licht.
(男声)
 愛は甘美な光。
 大地が太陽や
 青いはるか遠方にある
 あの明るい星々を求めるように、
 心は愛の喜びを求める、
 何故ならそれは甘美な光だから。

(Weibliche Stimme)
Sieh! wie hoch in stiller Feier
Droben helle Sterne funkeln:
Von der Erde fliehn die dunkeln
Schwermutsvollen trüben Schleier.
Wehe mir! wie so trübe
Fühl ich tief mich im Gemüte,
Das in Freuden sonst erblühte,
Nun vereinsamt, ohne Liebe.
(女声)
 見よ!なんと高くに静かな祝典の中で
 頭上の明るい星々がきらめいていることか。
 すると、大地から暗く
 憂いに満ちた、陰鬱なベールが消え失せる。
 なんと悲しいこと!
 かつて喜びに花開いていた気持ちの中で、
 私は深く陰鬱さを感じているのだ、
 いまや孤独の身で、愛を失くして。

(Beide Stimmen)
Liebe ist ein süßes Licht.
Wie die Erde strebt zur Sonne,
Und zu jenen hellen Sternen
In den weiten blauen Fernen,
Strebt das Herz nach Liebeswonne:
Liebe ist ein süßes Licht.
(女声&男声)
 愛は甘美な光。
 大地が太陽や
 青いはるか遠方にある
 あの明るい星々を求めるように、
 心は愛の喜びを求める。
 愛は甘美な光。

詩:Matthäus Kasimir von Collin (1779-1824)
曲:Franz Peter Schubert (1797-1828)

-------------

エッダ・モーザー(S), ペーター・シュライアー(T), レナード・ホカンソン(P)
Edda Moser(S), Peter Schreier(T), Leonard Hokanson(P)

1983年録音。シュライアーの清冽な美声が何とも素晴らしいです!


アンケ・フォンドゥング(MS), コンラッド・ジャーノット(BR), クリストフ・ベルナー(fortepiano)
Anke Vondung(MS), Konrad Jarnot(BR), Christoph Berner(fortepiano)

ジャーノットのテノラールなバリトンの美声と、フォンドゥングの落ち着いたメゾの声が見事に溶け合っています。


エレン・ファン・リアー(S), ロベルト・ホル(BSBR), デイヴィッド・ルッツ(P)
Ellen van Lier(S), Robert Holl(BSBR), David Lutz(P)

実際の夫婦による二重唱。息が合わないはずがないですね。丁寧な歌いぶりがとても心に沁みました。


ジャネット・ベイカー(MS), ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(BR), ジェラルド・ムーア(P)
Janet Baker(MS), Dietrich Fischer Dieskau(BR), Gerald Moore(P)

1972年録音。ゆったりとしたテンポ設定で抑えた表現をした名手たちの競演です。


ピアノ伴奏のみ

分散和音の簡素なピアノパートながらシューベルトがいかに必要な音を選び抜いたかが分かります。こちらの素敵な伴奏に乗せて歌ってみて下さい。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

マーラー「私はこの世からいなくなった」を聴く

Ich bin der Welt abhanden gekommen
 私はこの世からいなくなった

Ich bin der Welt abhanden gekommen,
Mit der ich sonst viele Zeit verdorben,
Sie hat so lange nichts von mir vernommen,
Sie mag wohl glauben, ich sei gestorben.
 私はこの世からいなくなった、
 そこで私はかつて多くの時を堕して過ごしたものだった。
 世間が私の消息を何も聞かなくなってすでに久しく、
 私が死んでしまったのだと信じているのだろう。

Es ist mir auch gar nichts daran gelegen,
Ob sie mich für gestorben hält,
Ich kann auch gar nichts sagen dagegen,
Denn wirklich bin ich gestorben der Welt.
 私には全くどうでもよいことなのだ、
 世間が私を死んだものとみなしているかどうかなどは。
 私もそのことに対して全く何も言うことが出来ないのだ。
 なぜなら本当に私は世間というものからは死んでしまったのだから。

Ich bin gestorben dem Weltgetümmel,
Und ruh' in einem stillen Gebiet.
Ich leb' allein in meinem Himmel,
In meinem Lieben, in meinem Lied.
 私は世の喧騒から死んでしまい、
 ある静かな地域で安らいでいる。
 わが天空の中で一人生きているのだ、
 わが愛の中、わが歌の中で。

詩:Friedrich Rückert (1788 - 1866)
曲:Gustav Mahler (1860 - 1911)

-------------

マーラーがリュッケルトの詩に作曲した歌曲「私はこの世からいなくなった」をアーメリングが歌った録音がアップされていたので(Omniumレーベルから出ている放送録音と思われます)、この機会に他の歌手たちと聴き比べてみようと思います。
ちなみにマーラーはいつも通り、リュッケルトの原詩に手を加えています。
世の中の喧騒を離れた孤高の心境が、マーラーの静かで美しい音楽で語られます。

Elly Ameling(S), Radio Kamerorkest, Ed Spanjaard(C) 1991

演奏活動の最後の時期に差し掛かり、アーメリングの歌の奥行きは増すばかりです。胸にしみ渡ります。

Hermann Prey(BR), Michael Krist(P) Oct. 1972

ここではクリストのピアノ伴奏で歌われます。プライはコントロールを効かせながら、希望の光を灯しているかのように歌っています。

Dietrich Fischer-Dieskau(BR), Berlin Philharmonic, Karl Böhm(C) 1964

ディースカウの声がつやつやしていた頃にあえてこの深みのある作品に挑戦しています。丁寧なディクションが印象的です。

Kathleen Ferrier(A), Wiener Philharmoniker, Bruno Walter(C) 20 May 1952

この夭折した英国のアルト歌手、キャスリーン・フェリアが何故現在までこれほど評価され続けているのかよく分かります。人間味に満ち溢れた声の素晴らしさ!

| | コメント (11) | トラックバック (0)

シューベルト/「狩人の合唱」 D797-8(『ロザムンデ』より)を聴く

Jägerchor
 狩人の合唱

Wie lebt sich's so fröhlich im Grünen,
im Grünen bei fröhlicher Jagd,
von sonnigen Strahlen durchschienen,
wo reizend die Beute uns lacht.
 緑の中ではいかに陽気に過ごせることか、
 緑の中で、陽気な狩りをする時は。
 太陽の光に当たって
 獲物が我らに魅力的に笑いかけるところでは。

Wir lauschen, und nicht ist's vergebens,
wir lauschen im duftenden Klee.
O sehet das Ziel unsres Strebens:
ein schlankes, ein flüchtiges Reh.
 我らは耳を澄ます、すると徒労に終わることはない、
 我らは香るクローバーの中で耳を澄ます。
 おお、我らの狙っている標的を見よ、
 すらりとした逃げ足の速いノロジカだ。

Getroffen bald sinkt es vom Pfeile,
doch Liebe verletzt, dass sie heile,
nicht bebe, du schüchternes Reh,
die Liebe gibt Wonne für Weh.
 すぐに獲物は矢に当たり倒れこむ、
 だが、愛は治すために傷つけるのだ。
 震えることはない、臆病なノロジカよ、
 愛は痛みと引き換えに喜びを与えるのだ。

詩:Wilhelmina Christiane von Chézy, née Klencke (1783-1856)
曲:Franz Peter Schubert (1797-1828)

---------------------

この曲もZu-simolinさんのリクエストです。
「ロザムンデ」は声楽曲が多く含まれているのですが、いずれも名作ですね。
単独で演奏されてもいい曲ばかりです。
狩人の歌なのでホルンが活躍するのは定番ですね。
「美しい水車屋の娘」の狩人とは違って、こちらは気楽に聴けます(獲物の立場になれば、単純に気楽にとは言えないかもしれないですが)。

演奏者不明

生き生きと歯切れのいい歌声と、オケのつやつやした感じが素晴らしかったです。

演奏者不明

速めのテンポで軽快に進んでいきます。

ホルン八重奏のための編曲版

狩りの歌なのでホルンだけで聴くのも違和感がないです。演奏はちょっと荒っぽいかな?

| | コメント (2) | トラックバック (0)

シューベルト「アトラス」D957-8を聴く

Der Atlas
 アトラス

Ich unglücksel'ger Atlas! Eine Welt,
Die ganze Welt der Schmerzen muß ich tragen,
Ich trage Unerträgliches, und brechen
Will mir das Herz im Leibe.
 俺は世にも不幸なアトラス!ひとつの世界、
 苦悩の全世界を俺は支えねばならぬ。
 俺は耐えがたきを背負い、
 心は体内で破裂すればいいさ。

Du stolzes Herz, du hast es ja gewollt!
Du wolltest glücklich sein, unendlich glücklich,
Oder unendlich elend, stolzes Herz,
Und jetzo bist du elend.
 誇り高き心よ、おまえは望んでいたはずだ!
 幸せでありたい、限りなく幸せでありたい、
 さもなければ限りなく惨めでありたいと、誇り高き心よ、
 いまやおまえは惨めそのものだ。

詩:Heinrich Heine (1797 - 1856)
曲:Franz Peter Schubert (1797 - 1828)

-----------

シューベルトが最晩年になってはじめて手がけたハイネの詩による作品群は、後に出版社によってレルシュタープやザイドルの詩による歌曲と合わせて「白鳥の歌」としてまとめられました。
そのハイネの詩による6曲はどれも最晩年の新しい境地を垣間見せていて、その深淵に戦慄を覚えるものばかりですが、ギリシャ神話に題材をとった「アトラス」は歌曲の限界に挑戦するかのような激しい怒りの表現が聴き手に強い印象を与えます。

音楽は重々しい左手のバスを伴った右手のトレモロのピアノ前奏で始まり、世界を背負った重みと、心の中の自暴自棄を激しく吐露するさまがイメージされます。
A-B-A’の構成をとった歌は高低の音域の広さが際立っていて、落ち着かず苦しむ様が旋律で見事に描かれているように感じられます。
Bの部分で歌もピアノも突然雰囲気を変えるところと、最後に元の音楽に回帰するところが非常に印象的です。

詩の朗読(Susanna Proskura)

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(BR)&ピアニスト(おそらくジェラルド・ムーアとの1970年代の録音)

ディースカウの余裕をもった歌唱はほれぼれするほどうまいです。ムーアもただ激しいだけでない音楽としてのゆとりが感じられます。

ハンス・ホッター(BSBR)&ジェラルド・ムーア

ホッターの低音はこの曲と相性ぴったりで、いつもより速めでリズムを強調しながら歯切れよく歌うのが素晴らしいです。ムーアも硬質の歯切れ良いタッチが効果的で見事です。

ヘルマン・プライ&レナード・ホカンソン

5:11-が「アトラス」です。1980年代のプライがまるでもっと若返ったかのようなドラマティックな響きで全身全霊の歌唱を聴かせてくれます。ホカンソンはさすがにプライと息がぴったりです。

ペーター・シュライアー(T)&アンドラーシュ・シフ(1989年録音)

47:39-が「アトラス」です。シュライアーがまだ美声を保っていた頃の貫録の名唱です。シフもよいコンビネーションを聴かせています。

ナタリー・シュトゥッツマン(CA)&インゲル・セーデルグレン

シュトゥッツマンほどこの曲を違和感なくしっかり歌い上げる女声は他になかなかいないのではないでしょうか。セーデルグレンもさりげない巧さが感じられます。

トーマス・E.バウアー(BR)&ヨス・ファン・インマーセール(2013年録画)

期待のリート歌手バウアーも丁寧に歌っていて好感が持てます。重鎮インマーセールのフォルテピアノもこの曲の激しさを十分に表現しています。

Ayhan Baran (BS)&ジェラルド・ムーア

トルコのバス歌手は地の底から響くような狂気を感じてユニークです。ここでもムーアが好サポートしています。

ヴェルナー・ギューラ(T)&クリストフ・ベルナー

ギューラは非常にうまい歌手なので、テノールでも激しい感情の吐露が伝わってきて素晴らしいです。ベルナーも上手い演奏です。

リスト編曲のピアノ独奏版:Valentina Lisitsa(P)

最初のピアノのトレモロが分散和音に変わっていたり、終盤あたりの音楽など、リストの歌曲編曲の中ではアレンジの要素がかなり強い方だと思います。演奏は見事です。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

シューベルト「羊飼いの合唱」D797-7(「ロザムンデ」より)を聴く

Hirtenchor, D797 no. 7
(Rosamunde, no. 7)
 羊飼いの合唱(「ロザムンデ」より)

Hier auf den Fluren mit rosigen Wangen,
Hirtinnen, eilet zum Tanze herbei,
lasst euch die Wonne des Frühlings umfangen,
Liebe und Freude sind ewiger Mai.
 ここ野原でバラ色の頬をした
 羊飼いの娘たちよ、急いで踊りにおいで、
 春の喜びを抱きしめさせておくれ、
 愛と喜びは永遠の五月なのだ。

Hier zu den Füssen, Holde, dir grüssen,
Herrscherin von Arkadien, wir dich;
Flöten, Schalmeien tönen, es freuen
deiner die Fluren, die blühenden sich.
 ここで、いとしい人、あなたのおみ足に我々は挨拶をしよう、
 アルカディアの君主よ。
 横笛や縦笛が鳴り渡り、
 あなたを喜び、野原が花開く。

Von Jubel erschallen die grünenden Hallen
der Höhen, die luftig, der Fluren, die duftig
erglänzen und strahlen in Liebe und Lust,
in schattigen Thalen, da schweigen die Qualen
Der liebenden Brust.
 歓喜のために、緑なす広間は鳴り響く
 空高く、ほのかに
 光輝く野原へと、愛と楽しさの中で、
 陰のかかった谷の中で、その時黙り込むのは
 愛する胸の泉。

詩:Wilhelmina Christiane von Chézy (1783-1856)
曲:Franz Peter Schubert (1797-1828)

----------

まず、Zu-simolinさんのリクエストによって、この素敵な合唱曲に出会えたことに感謝したいと思います。
「ロザムンデ」と言えば、序曲(とは言っても別の作品の流用なのですが)と、女声独唱の「ロマンツェ」が有名ですが、この羊飼いの合唱という曲も魅力的です。
のどかな田園風景が浮かんでくるような音楽ですね。
曲は、長短短のリズムが全体を貫きますが、シューベルトの音楽でこのリズムが使われるのは「死と乙女」や「さすらい人」など“のどかさ”とは真逆の曲が印象的なだけに、この曲のリズムの使い方は何か裏に込められた意図があるのではと勘ぐってしまいます。
しかし、晩年の「星」のような星のまたたきを模した時にもこのリズムは使われていますし、考え過ぎでしょうね。

テキストが何度も繰り返されながら、美しく親しみやすい音楽が進行していきます。

以下に魅力的な演奏を3種類貼り付けておきます。

ライプツィヒ放送合唱団、シュターツカペレ・ドレスデン、ヴィリー・ボスコフスキー指揮

David Alexander Rahbee指揮

演奏者不明

| | コメント (4) | トラックバック (0)

シューベルト/「春の信仰」D686を聴く

Frühlingsglaube, D686
 春の信仰

Die linden Lüfte sind erwacht,
Sie säuseln und weben Tag und Nacht,
Sie schaffen an allen Enden.
O frischer Duft, o neuer Klang!
Nun, armes Herze, sei nicht bang!
Nun muß sich alles, alles wenden.
 穏やかな風が目を覚まし、
 昼夜を問わず、そよぎ、息づいている。
 それはいたるところで活動している。
 おお新鮮な香り、おお新しい響き!
 さあ、あわれな心よ、心配するな!
 今やすべてのことが変わるにちがいない。

Die Welt wird schöner mit jedem Tag,
Man weiß nicht, was noch werden mag,
Das Blühen will nicht enden;
Es blüht das fernste, tiefste Tal:
Nun, armes Herz, vergiß der Qual!
Nun muß sich alles, alles wenden.
 世の中は日ごとに美しくなっていく。
 さらにどうなりたがっているのか誰も知らない。
 花は咲くことをやめようとしない。
 最も遠く深い谷まで花が咲いている。
 さあ、あわれな心よ、苦しみを忘れるのだ!
 今やすべてのことが変わるにちがいない。

詩:Johann Ludwig Uhland (1787-1862)
曲:Franz Peter Schubert (1797-1828)

--------------

真子さんと、Zu-Simolinさんのリクエストにより、シューベルトの「春の信仰」を取り上げます。
もう季節は夏に向かっているようですが、この曲を聴いて、さわやかな春を思い出してみるのもいいのではないでしょうか。
春の到来とともに事態が好転するのだから悩むのはやめるのだと歌われます。
シューベルトの音楽はこれ以上ありえないほどに春の息吹を描き出しています。

歌詞の朗読(Susanna Proskura)

テキストをまず味わってみて下さい。

アンネリーゼ・ローテンベルガー(S)&ジェラルド・ムーア(P)

ローテンベルガーの爽やかな美声で聴くのは気持ち良いですね。ムーアの縁取りのはっきりした演奏も彩を添えています。

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(BR)&ジェラルド・ムーア(P)

なんと柔らかく爽やかな美声でしょう!彼の表現力の素晴らしさに脱帽です。ムーアのピアノがなんとも温かく優しいです!

クリスティアン・ゲアハーアー(BR)&ゲロルト・フーバー(P)

ゲアハーアーの力の抜けた柔らかい美声と語り口に魅了されない人はいないのでは?フーバーが柔らかくそよぐ風のような演奏を聴かせてくれます。

フリッツ・ヴンダーリヒ(T)&ピアノ伴奏(フーベルト・ギーゼン?)

ヴンダーリヒは美声を聴かせながらも、歌いこみ過ぎず抑制が効いています。ピアノも味があります。

ヘルマン・プライ(BR)&レナード・ホカンソン(P)

プライが描き出したのは成熟した大人による春の歌に感じられます。ホカンソンはプライの解釈を徹底して再現しているかのようです。

クリスタ・ルートヴィヒ(MS)&アーウィン・ゲイジ(P)

ルートヴィヒの低めの声は落ち着いた包容力を感じさせます。ゲイジは流れるように演奏しています。

エリーザベト・シューマン(S)&ジョージ・リーヴズ(P)

シューマンの歌はポルタメントが独特の味わいを醸し出しています。リーヴズは内声を浮かび上がらせた演奏を聴かせます。

ピアノ伴奏のみ(演奏者不明)

一部弾かれるべき和音が弾かれていない箇所もありますが、演奏自体はいいと思いますので、伴奏に耳を傾けて、さらに歌ってみて下さい。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

CD | DVD | J-Pop | LP | おすすめサイト | アイヒェンドルフ | アンゲーリカ・キルヒシュラーガー | アンティ・シーララ | アーウィン・ゲイジ | アーリーン・オジェー | イアン・ボストリッジ | イェルク・デームス | イタリア歌曲 | イモジェン・クーパー | イングリート・ヘブラー | ウェブログ・ココログ関連 | エディト・マティス | エリック・ヴェルバ | エリーザベト・シュヴァルツコプフ | エリー・アーメリング | エルンスト・ヘフリガー | オペラ | オルガン | オーラフ・ベーア | カウンターテナー | カール・エンゲル | ギュンター・ヴァイセンボルン | クリスタ・ルートヴィヒ | クリスティアン・ゲアハーアー | クリスティーネ・シェーファー | クリスマス | グリンカ | グリーグ | グレアム・ジョンソン | ゲアハルト・オピッツ | ゲアハルト・ヒュッシュ | ゲロルト・フーバー | ゲーテ | コンサート | コントラルト歌手 | シェック | シベリウス | シュテファン・ゲンツ | シューベルト | シューマン | ショスタコーヴィチ | ショパン | ジェフリー・パーソンズ | ジェラルド・ムーア | ジェラール・スゼー | ジュリアス・ドレイク | ジョン・ワストマン | ソプラノ歌手 | テノール歌手 | ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ | ディートリヒ・ヘンシェル | トマス・ハンプソン | トーマス・E.バウアー | ドルトン・ボールドウィン | ナタリー・シュトゥッツマン | ノーマン・シェトラー | ハイドン | ハイネ | ハルトムート・ヘル | ハンス・ホッター | バス歌手 | バッハ | バリトン歌手 | バレエ・ダンス | バーバラ・ヘンドリックス | バーバラ・ボニー | パーセル | ピアニスト | ピーター・ピアーズ | フェリシティ・ロット | フランス歌曲 | フリッツ・ヴンダーリヒ | ブラームス | ブリテン | プフィッツナー | ヘルマン・プライ | ヘルムート・ドイチュ | ベルク | ベートーヴェン | ペーター・シュライアー | ペーター・レーゼル | ボドレール | マティアス・ゲルネ | マルコム・マーティノー | マーク・パドモア | マーティン・カッツ | マーラー | メシアン | メゾソプラノ歌手 | メンデルスゾーン | メーリケ | モーツァルト | ヤナーチェク | ヨーハン・ゼン | ルチア・ポップ | ルドルフ・ヤンセン | ルードルフ・ドゥンケル | レナード・ホカンソン | レルシュタープ | レーナウ | レーヴェ | ロシア歌曲 | ロジャー・ヴィニョールズ | ロッテ・レーマン | ロバート・ホル | ローベルト・フランツ | ヴァルター・オルベルツ | ヴァーグナー | ヴェルディ | ヴォルフ | ヴォルフガング・ホルツマイア | 作曲家 | 作詞家 | 内藤明美 | 北欧歌曲 | 合唱曲 | 小林道夫 | 岡原慎也 | 岡田博美 | 平島誠也 | 指揮者 | 日記・コラム・つぶやき | 映画・テレビ | 書籍・雑誌 | 歌曲投稿サイト「詩と音楽」 | 演奏家 | 白井光子 | 研究者・評論家 | 藤村実穂子 | | 音楽 | R.シュトラウス