江崎皓介ピアノリサイタル(2022年12月10日 ミューザ川崎シンフォニーホール 音楽工房 市民交流室)

江崎皓介ピアノリサイタル
フランク生誕200周年&スクリャービン生誕150周年プログラム
~ピアノで織りなす神秘劇~

2022年12月10日(土)19:00開演(18:30開場)
ミューザ川崎シンフォニーホール 音楽工房 市民交流室

江崎皓介(ピアノ)

フランク(バウアー編):前奏曲、フーガと変奏曲 Op.18

フランク:前奏曲、コラールとフーガ M.21

フランク:前奏曲、アリアと終曲 M.23

~休憩(15分)~

スクリャービン:10のマズルカ Op.3

スクリャービン:ピアノソナタ第4番 Op.30

アンコール
シューマン:「子供の情景」~トロイメライ

江崎皓介氏のTwitter告知

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毎年恒例の江崎皓介氏のピアノリサイタルを聞いてきました。今回は川口ではなくミューザ川崎で、神奈川出身でありながら一度も行ったことがなかったので楽しみでした。

JR川崎駅中央改札を出て、地上に降りずにそのまま一本道で会場まで行けるのが便利でした(徒歩3分ぐらい)。会場前にはおそらく音符を模したと思われるモニュメントがいくつか設置されていました。
ミューザ川崎の建物に入り、長いエスカレーターを上ると、シンフォニーホールがありましたが、今回はそちらではなく音楽工房 市民交流室という小さなホールで、ピアノを聞くにはちょうどいいスペースでした。

ちょうどこの日はセザール・フランク(César Franck: 1822年12月10日 - 1890年11月8日)の生誕200回目の誕生日にあたり、その当日に彼の代表的な鍵盤作品3作が聴けるという贅沢な時間でした。

この日は前半がフランク、後半は今年が生誕150周年にあたるスクリャービン(Alexandre Scriàbine: 1872年1月6日 - 1915年4月27日)の作品で、アニバーサリー・イヤーの作曲家の作品を堪能できる素晴らしいプログラミングでした。

最初のフランク「前奏曲、フーガと変奏曲 Op.18」はもともとオルガン独奏用に作曲され、その後フランク自身によってハルモニウムとピアノの為に編曲されましたが、今回はかなり広く弾かれているハロルド・バウアー編曲によるピアノ独奏版です。前奏曲とフーガの間のつなぎのLargoの部分にピアノ版では急速なパッセージが追加されていますが、概して原曲に忠実な編曲なのではないでしょうか。冒頭のフレーズはあまりにも印象的で、一度聞けば耳から離れない魔力のようなものがあります。個人的にはいにしえの響きのようでもあり、フィリップ・グラスの作品を予感させるようにも感じられます。

続く「前奏曲、コラールとフーガ M.21」はフランクのピアノ曲の中でも特に有名なもので、アルペッジョの美しいフレーズはとりわけ印象的です。

前半最後の「前奏曲、アリアと終曲 M.23」は親しみやすいフレーズで始まる前奏曲、息の長いメロディのアリア、それと対照的に激しく蠢く終曲からなり、規模は大きめではないでしょうか。

江崎さんはこのかなりエネルギーを要すると思われるこの3作から実に細やかなポリフォニーを描き分け、それぞれの声部が浮かんでは背後に沈み、音が生き物のように胸に迫ってきました。かなりダイナミクスの幅は大きくとられ、渾身の演奏でした。

前半だけで55分というボリュームで、休憩15分をはさんで後半はスクリャービンです。

最初に「10のマズルカ Op.3」が演奏されましたが、私は寡聞にしてスクリャービンがマズルカを作曲していることを知りませんでした。なんでもスクリャービンはショパンの影響を受けていたそうで、このOp.3は10代後半に散発的に作曲されたのだとか。確かにショパンの香り漂う作品群でした。
江崎さんは昨年ショパンのエチュード全曲を聞かせていただき、素晴らしかったのを記憶していますが、プロフィールによると第14回スクリャービン国際コンクールで第一位を取られているとのこと。スラブ系の音楽は特に十八番なのでしょう。
スクリャービンのマズルカ、ショパンに近いものがありながらも曲調はそれぞれ異なり、それぞれの曲の中でも異なる曲調が併存しており、楽しめました。江崎さんは第4曲の後で一回拍手にこたえておられました。
最終曲は後半で執拗に繰り返される変ハ音(Ces)(ロ音と同じ音)が強迫観念のように聴き手の不安を煽ります。
私の記憶では江崎さんはこの最後の変ハ音を鳴らしたまま、次のピアノソナタ第4番Op.30の冒頭の異名同音のロ音(H)につなげて演奏していました。このソナタ冒頭の模糊とした雰囲気にすんなり溶け込んでいて、とても興味深い試みだと思いました。このソナタ、まだスクリャービンが単一楽章でソナタを作る前の作品で、2楽章からなりますが、短くあっという間に終わってしまいます。両楽章の性格は全く異なり、模糊とした1楽章から霧が晴れたような2楽章へと切れ目なく続き、単一楽章ソナタへの予兆と見ることも出来るかもしれません。江崎さんは深く踏み込んだ表現で素晴らしかったです。

スクリャービン:マズルカOp.3-10の最後
Scriabin-op-310

スクリャービン:ピアノソナタ第4番Op.30の冒頭
Scriabin-sonata-op-30

この日のアンコールはシューマンの「トロイメライ」。快適なテンポで美しく歌われていました。終演は21時。かなりのボリュームでしたが、集中力がとだえることなく、二人の偉大な作曲家の魅力を存分に堪能させていただきました。

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マーク・パドモア&内田光子 デュオリサイタル(2022年11月24日 東京オペラシティ コンサートホール)

マーク・パドモア&内田光子 デュオリサイタル

2022年11月24日(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール

マーク・パドモア(T)
内田光子(P)

ベートーヴェン:
「希望に寄せて」(第2作)op. 94
「あきらめ」WoO 149
「星空の下の夕べの歌」WoO 150
歌曲集『遥かなる恋人に』op. 98
第1曲:丘の上に腰をおろし
第2曲:灰色の霧の中から
第3曲:天空を行く軽い帆船よ
第4曲:天空を行くあの雲も
第5曲:五月は戻り、野に花咲き
第6曲:愛する人よ、あなたのために

~休憩(20分)~

シューベルト:歌曲集『白鳥の歌』D 957/D 965a
第1曲:愛の使い
第2曲:戦士の予感
第3曲:春の憧れ
第4曲:セレナーデ
第5曲:すみか
第6曲:遠い地で
第7曲:別れ
第8曲:アトラス
第9曲:彼女の肖像
第10曲:漁師の娘
第11曲:都会
第12曲:海辺で
第13曲:影法師
第14曲:鳩の便り

(※日本語表記はプログラム冊子に従いました)

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Mark Padmore & Mitsuko Uchida Duo Recital 2022

November 24, 2022, 7:00 pm
Tokyo Opera City, Concert Hall

Mark Padmore, tenor
Mitsuko Uchida, piano

Ludwig van Beethoven: An die Hoffnung, Op. 94
Ludwig van Beethoven: Resignation, WoO 149
Ludwig van Beethoven: Abendlied unterm gestirnten Himmel, WoO 150

Ludwig van Beethoven: "An die ferne Geliebte", Op. 98
1. Auf dem Hügel sitz ich spähend
2. Wo die Berge so blau
3. Leichte Segler in den Höhen
4. Diese Wolken in den Höhen
5. Es kehret der Maien, es blühet die Au
6. Nimm sie hin denn, diese Lieder

- Intermission (20 min.) -

Franz Schubert: "Schwanengesang", D 957/D 965a
1. Liebesbotschaft
2. Kriegers Ahnung
3. Frühlingssehnsucht
4. Ständchen
5. Aufenthalt
6. In der Ferne
7. Abschied
8. Der Atlas
9. Ihr Bild
10. Das Fischermädchen
11. Die Stadt
12. Am Meer
13. Der Doppelgänger
14. Die Taubenpost

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テノールのマーク・パドモアがベートーヴェンとシューベルトの歌曲を歌うというので初台の東京オペラシティに行ってきました。
すでに先週の土曜日には「冬の旅」を歌ったそうです。

過去にパドモアの実演を聴いたのはトッパンホール(2008,2011)と王子ホール(2014)で、2008年10月のイモジェン・クーパーとの「冬の旅」、2011年12月のティル・フェルナーとの「美しい水車屋の娘」と「白鳥の歌」他の2夜、2014年12月のポール・ルイスとの「美しい水車屋の娘」と「白鳥の歌」他の2夜と、5回も聴いていました。我ながらよく聞いたものだと思います(笑)クーパーとルイスは独奏者としても大好きなピアニストなので、彼らのピアノも目当てのうちだったのです。

トッパンホールは408席、王子ホールは315席と歌曲を聴くのにうってつけの広さで、演奏家と客席の一体感が魅力でした。今回の東京オペラシティ コンサートホールは1632席とトッパンホールの4倍、王子ホールの5倍以上です。こんな広いホールでパドモアを聴いたことがなかったので期待と不安の入り混じった気持ちで聴きに来ました。

今回の共演者はあの内田光子です!彼女のソロリサイタル(モーツァルト、シューマン、シューベルトの曲)も過去に聴いたことがあり、歌うようなとても美しい響きを奏でるピアニストなので、歌曲ではどんな感じなのか楽しみでもありました。

私の席は3階左側の後方でした。前に落下防止の手すりがあるので舞台はあまり見えません。パドモアは前方のお客さんが身を乗り出さない時に顔がかろうじて見えましたが、内田さんは位置的に演奏中は全く見えず、拍手にこたえて中央寄りに来た時にちらっと見えるぐらいでした。でもずっと顔を左に向けて聴くのもきついので、1階のお客さんのあたりに視線を落としながら耳を澄まして演奏を楽しむという感じでほとんどの時間を過ごしました。

これまで幸いなことに全盛期の実演を何度も聴くことが出来たパドモアがすでに60代だったことに驚きましたが、年齢による声の変化は生身の人間である限り避けられないのは当然でしょう。
強声の時は美しくふくよかな響きが私の席まで充分に届いてきましたが、ソットヴォーチェの時は響きがやせ気味になることがありちょっと年齢を感じました。ただ、それでも声が全く聞こえないということはなかったので、鍛錬を積んだ歌手は凄いですね。
パドモアは大きめのホールだからといって表現を大振りにするということはなく、フォルテからピアニッシモまで多様な響きでリートの繊細な世界をそのまま提示してくれていたのが心地よかったです。

冒頭のベートーヴェンの単独の3曲はいずれも内省的な趣で共通している選曲で、訴えかけるように歌うパドモアの表現が生きていました。驚くほど澄み切った響きの内田のピアノがパドモアの語るような歌唱を優しく包み、導いていました。ソリストにありがちな歌とピアノの衝突はなく、内田が磨きぬいたタッチでパドモアの声を包み込んでいました。

連作歌曲集『遥かな恋人に』は真摯なパドモアの描く人物がこの詩の主人公に重なります。内田は第6曲の前奏などこのうえなく美しく歌って奏でていました。それにしても第5曲「五月は戻り、野に花咲き」の冒頭から歌手は高いト音(G)を出さなければならず、歌手泣かせだなと思いました(パドモアはもちろん出していましたが、やはり楽ではなさそうです)。

休憩は20分とのことで、席に座っていると、15分ぐらい経った頃にステージ向い側の2階席に向けて拍手が起こり、なんと上皇后美智子様がおいでになりました。後半のプログラムを最後の拍手が終わるまでご覧になられ、楽しまれておられたようです。

後半はシューベルトの『白鳥の歌』で、通常のハスリンガー出版譜の曲順のまま14曲演奏されました。10月に聴いたプレガルティアンは曲順を入れ替えたりしていましたが、個人的にはこの通常の曲順が好きです。
これらの晩年の歌曲の底知れぬ深さと凄みをこの二人の名手の演奏からあらためて感じさせてもらえた時間でした。

パドモアは、例えば第1曲「愛の使い」の第3連"Wenn sie am Ufer,"の"Wenn"を"Wann"と歌っていたので、新シューベルト全集(Neue Gesamtausgabe)の楽譜を使用したものと思われます。
「戦士の予感」「すみか」での強靭な声の威力は健在でした。
内田は「セレナーデ」の右手のギターを模した音型を徹底してスタッカート気味に演奏して、見事な聞きものとなっていましたが、次の「すみか」でちょっと疲れが出た感もありました。もちろん概して作品の世界を見事に描いていたと思います。
後半のハイネ歌曲は切り詰めた音を用いた傑作群で、この名手たちの演奏の素晴らしさもあって、シューベルトが新しい境地に足を踏み入れた凄みが一層切実に感じられた時間でした。
「影法師」など内田は決して急激なアッチェレランドをかけたりせず、その和音の重みで徐々に緊迫感を出していて凄かったです。パドモアはほとんど語り部のような趣でこの曲の凄みを表現し尽くしていました。
このハイネ歌曲の厳しく緊迫した時間があったからこそ、最後の「鳩の便り」が生来のシューベルトらしい純粋な響きで聴き手の気持ちを解放してくれるのだと思います。この曲では両者は比較的ゆっくりめのテンポで丁寧に演奏していました。新しい境地と従来の抒情の間を自在に行き来するシューベルトの天才と、それを素晴らしく再現した二人の巨匠演奏家たちに拍手を送りたいと思います。

盛大な拍手に何度も呼び出された二人でしたがアンコールはありませんでした。でもこれだけボリュームたっぷりの充実したプログラムを聞かせてもらえれば聴き手ももうおなかいっぱいです。終演はちょうど9時頃でした。

オペラシティに来たのは随分久しぶりだなと思い、ブログの管理画面で検索してみたところ、2015年9月のオッター&ティリング&ドレイクのコンサート以来7年ぶりでした。だんだん実演から録音音源にシフトしつつあった私ですが、こうしてたまに生の音を浴びるとやはりいいものですね。

2022

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エリー・アーメリング初期のヴォルフ「イタリア歌曲集」全曲(ハンス・ヴィルブリンク&フェーリクス・ドゥ・ノーベル)(1962年12月)

動画サイトにエリー・アーメリング(Elly Ameling)の新しい音源がアップされていたのでご紹介します!同じくオランダ出身のバリトン歌手ハンス・ヴィルブリンク(Hans Wilbrink: born 8 October 1933 in Rotterdam; died 20 August 2003 in Munich)と分担してヴォルフの「イタリア歌曲集」全曲を演奏した時の録音で、オランダの歌曲ピアノの名手フェーリクス・ドゥ・ノーベル(Felix de Nobel: born 27 May 1907 in Haarlem; died 25 March 1981 in Amsterdam)と共演しています。以前Sandmanさんに教えていただいたサイトBeeld en Geluidの音源とおそらく同じと思われ、最初の数曲は購入して所持していたのですが、その後、おそらく権利の関係で日本からは購入出来なくなってしまった為、こうして全曲を聞くことが出来て嬉しいです。アーメリングとヴィルブリンクは当時29歳、ドゥ・ノーベルは当時55歳で、歌手とピアニストの年齢差26歳です。ちなみにこの年齢差はF=ディースカウとムーアの年齢差と同じです。ベテランのピアニストが有望な若手歌手と組んで世の中に紹介していくという仕組みですね。そういえばJanny de Jong著「Elly Ameling: Vocaal Avontuur」というアーメリングについて書かれた本にこの3人の写真が掲載されていたのを思い出しました。彼女はデームスやボールドウィンと出会う前はドゥ・ノーベルとリサイタルや放送録音でよく共演していたようです。

ここでのアーメリングの声のみずみずしさは言うまでもなく素晴らしいです!安定したテクニックと言葉さばきの見事さは天性のものもきっとあるのでしょう。ヴィルブリンクのハイバリトン(バスバリトンと表記されることもあるようですが)も爽やかで聞いていて気持ちよいです。指揮や合唱ピアノもしていたドゥ・ノーブルは、歌曲のピアニストとしてシュヴァルツコプフやプライなどがオランダに来た時に共演していましたから、日本で言う小林道夫さんのような感じだったのでしょうか。ここでも46曲の難曲を表情豊かに描いていました。

それにしてもヴォルフの「イタリア歌曲集」はやはり楽しいです!!1~2分の曲が多く、全部聴いても75分ぐらい(「冬の旅」と同じぐらい)なので初めて聞くという方もぜひ試しに聞いてみてください。

録音:1962年12月18/20日, デン・ハーグ(デン・ハーハ)(Den Haag)
(※Beeld en Geluidのサイトでは1962年12月18/28日と記載されている。)

エリー・アーメリング(Elly Ameling)(S)
ハンス・ヴィルブリンク(Hans Wilbrink)(BR)
フェーリクス・ドゥ・ノーベル(Felix de Nobel)(P)

1 小さくてもうっとりとさせられるものはある (S) 0:00
2 遠いところに旅立つそうね (S) 2:04
3 あなたは世界で一番美しい (BR) 3:33
4 この世界の生みの親に祝福あれ (BR) 5:06
5 目の見えない人たちは幸いだ (BR) 6:25
6 一体誰があんたを呼んだのよ (S) 8:01
7 月がひどい不満をぶちまけ (BR) 9:12
8 さあ、仲直りしよう (S) 11:01
9 君の魅力がすべて描かれて (BR) 12:50
10 あなたは細い糸たった一本で私を捕まえて (S) 14:25
11 もうどれほどずっと待ち焦がれてきたことでしょう (S) 15:26
12 駄目、お若い方、そんな事しちゃ嫌 (S) 17:35
13 ふんぞり返っておいでだな、麗しき娘よ (BR) 18:21
14 相棒よ、おれたちゃ修道服でもまとって (BR) 19:13
15 私の恋人はとってもちっちゃいの (S) 21:24
16 戦場に向かわれるお若い方々 (S) 23:02
17 君の彼氏が昇天するところを見たいのなら (BR) 24:23
18 ブロンドの頭をあげておくれ、眠るんじゃないぞ (BR) 26:15
19 私たちは二人とも、長いこと押し黙っていました (S) 28:01
20 あたしの恋人が月明りの注ぐ家の前で歌っているわ (S) 30:05
21 あなたのお母さんがお望みでないらしいわね (S) 31:34
22 セレナードを捧げにわたくし参りました (BR) 32:37
23 君にはどんな歌を歌ってあげたらいいのかな (BR) 34:02
24 私はもう濡れていないパンを食べることはありません (S) 35:52
25 彼氏があたしを食事に招いてくれたの (S) 37:16
26 私がしょっちゅう聞かされた噂では (BR) 38:11
27 ベッドの中でへとへとの体を大きく伸ばしているというのに (BR) 39:44
28 侯爵夫人様じゃないんだからって、あたしに言うけど (S) 41:39
29 賤しからぬあなた様の御身分は重々承知しておりますわ (S) 42:50
30 放っておけばいいさ、あんな高慢ちきを演じる女なんか (BR) 44:35
31 どうして陽気でいられるもんか、まして笑うことなんて (S) 45:54
32 なにを怒っているの、大切な方、そんなに熱くなって (S) 47:34
33 僕が死んだら、この体を花で包みこんでおくれ (BR) 49:09
34 それから、あなたが朝早くベッドから起き上がり (BR) 51:17
35 今は亡き君の母上に祝福あれ (BR) 54:03
36 あなたが、愛する方、天国に昇る時がきたら (S) 57:40
37 君を愛することで、どれほどの時間を無駄使いしてきたことか (BR) 59:22
38 君が僕をちら見して笑い出し (BR) 1:00:56
39 緑色と、緑を身にまとう人に幸ありますように (S) 1:02:27
40 ああ、あなたのお家がガラスみたいに透き通っていたらいいのに (S) 1:03:52
41 昨夜、真夜中に私が起き上がると (BR) 1:05:18
42 ぼくはもう歌えないよ、だって風が (BR) 1:06:58
43 ちょっと黙ってよ、そこの不愉快なおしゃべり男 (S) 1:08:04
44 おお、お前は分かっているのだろうか、どれほど俺がお前を思って (BR) 1:09:06
45 深淵が恋人の小屋を飲み込んでしまえ (S) 1:11:03
46 あたし、ペンナに住んでる恋人がいるの (S) 1:12:20

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Recording: 18/20 December 1962, Den Haag
("Beeld en Geluid" says "Opnameperiode: 1962-12-18 1962-12-28".)

Elly Ameling, soprano
Hans Wilbrink, baritone
Felix de Nobel, piano

1. Auch kleine Dinge können uns entzücken (S) 0:00
2. Mir ward gesagt, du reisest in die Ferne (S) 2:04
3. Ihr seid die Allerschönste weit und breit (BR) 3:33
4. Gesegnet sei, durch den die Welt entstund (BR) 5:06
5. Selig ihr Blinden, die ihr nicht zu schauen (BR) 6:25
6. Wer rief dich denn? Wer hat dich herbestellt (S) 8:01
7. Der Mond hat eine schwere Klag' erhoben (BR) 9:12
8. Nun laß uns Frieden schließen, liebstes Leben (S) 11:01
9. Daß doch gemalt all deine Reize wären (BR) 12:50
10. Du denkst mit einem Fädchen mich zu fangen (S) 14:25
11. Wie lange schon war immer mein Verlangen (S) 15:26
12. Nein, junger Herr, so treibt man's nicht, fürwahr (S) 17:35
13. Hoffärtig seid Ihr, schönes Kind, und geht (BR) 18:21
14. Geselle, woll'n wir uns in Kutten hüllen (BR) 19:13
15. Mein Liebster ist so klein, daß ohne Bücken (S) 21:24
16. Ihr jungen Leute, die ihr zieht ins Feld (S) 23:02
17. Und willst du deinen Liebsten sterben sehen (BR) 24:23
18. Heb' auf dein blondes Haupt und schlafe nicht (BR) 26:15
19. Wir haben beide lange Zeit geschwiegen (S) 28:01
20. Mein Liebster singt am Haus im Mondenscheine (S) 30:05
21. Man sagt mir, deine Mutter woll es nicht (S) 31:34
22. Ein Ständchen Euch zu bringen kam ich her (BR) 32:37
23. Was für ein Lied soll dir gesungen werden (BR) 34:02
24. Ich esse nun mein Brot nicht trocken mehr (S) 35:52
25. Mein Liebster hat zu Tische mich geladen (S) 37:16
26. Ich ließ mir sagen und mir ward erzählt (BR) 38:11
27. Schon streckt' ich aus im Bett die müden Glieder (BR) 39:44
28. Du sagst mir, daß ich keine Fürstin sei (S) 41:39
29. Wohl kenn' ich Euren Stand, der nicht gering (S) 42:50
30. Laß sie nur gehn, die so die Stolze spielt (BR) 44:35
31. Wie soll ich fröhlich sein und lachen gar (S) 45:54
32. Was soll der Zorn, mein Schatz, der dich erhitzt (S) 47:34
33. Sterb' ich, so hüllt in Blumen meine Glieder (BR) 49:09
34. Und steht Ihr früh am Morgen auf vom Bette (BR) 51:17
35. Benedeit die sel'ger Mutter (BR) 54:03
36. Wenn du, mein Liebster, steigst zum Himmel auf (S) 57:40
37. Wie viele Zeit verlor ich, dich zu lieben (BR) 59:22
38. Wenn du mich mit den Augen streifst und lachst (BR) 1:00:56
39. Gesegnet sei das Grün und wer es trägt (S) 1:02:27
40. O wär dein Haus durchsichtig wie ein Glas (S) 1:03:52
41. Heut Nacht erhob ich mich um Mitternacht (BR) 1:05:18
42. Nicht länger kann ich singen, denn der Wind (BR) 1:06:58
43. Schweig einmal still, du garst'ger Schwätzer dort (S) 1:08:04
44. O wüßtest du, wie viel ich deinetwegen (BR) 1:09:06
45. Verschling der Abgrund meines Liebsten Hütte (S) 1:11:03
46. Ich hab in Penna einen Liebsten wohnen (S) 1:12:20

※私が以前歌曲投稿サイト「詩と音楽」に投稿した「イタリア歌曲集」の全曲訳詩はこちらの曲目リストのリンクからご覧いただけます。

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クリストフ・プレガルディエン&ミヒャエル・ゲース/シューベルト「白鳥の歌」他(2022年10月1日(土)トッパンホール)

トッパンホール22周年 バースデーコンサート
〈歌曲(リート)の森〉~詩と音楽 Gedichte und Musik~ 第25篇
〈シューベルト三大歌曲 1〉
クリストフ・プレガルディエン&ミヒャエル・ゲース

2022年10月1日(土)18:00 トッパンホール

クリストフ・プレガルディエン(テノール)
ミヒャエル・ゲース(ピアノ)

ベートーヴェン:連作歌曲《遥かなる恋人に寄す》Op.98
 第1曲 僕は丘の上に腰を下ろして
 第2曲 青い山なみが
 第3曲 空高く軽やかに飛ぶ雨ツバメよ
 第4曲 高みにある雲の群れも
 第5曲 五月はめぐり
 第6曲 受け取ってください、これらの歌を

シューベルト:白鳥の歌 D957より
 第1曲 愛の言づて
 第2曲 兵士の予感
 第3曲 春のあこがれ
 第4曲 セレナーデ
 第5曲 居場所
 第6曲 遠い地で
 第7曲 別れ

~休憩~

ブラームス:〈君の青い瞳〉Op.59-8~《リートと歌》より
ブラームス:〈永遠の愛〉Op.43-1~《4つの歌》より
ブラームス:〈野の中の孤独〉Op.86-2~《低音のための6つのリート》より
ブラームス:〈飛び起きて夜の中に〉Op.32-1~《プラーテンとダウマーによるリートと歌》より
ブラームス:〈教会の墓地で〉Op.105-4~《低音のための5つのリート》より

シューベルト:白鳥の歌 D957より
 第10曲 魚とりの娘
 第12曲 海辺で
 第11曲 町
 第13曲 もう一人の俺
 第9曲 あの娘の絵姿
 第8曲 アトラス

[アンコール]

シューベルト:鳩の使い D965A
シューベルト:我が心に D860
シューベルト:夜と夢 D827

(※上記の演奏者や曲目の日本語表記はプログラム冊子に従いました。アンコールもトッパンホールの公式Twitterの日本語表記に従いました。)

Toppan Hall The 22th Birthday Concert
[Song Series 25 -Gedichte und Musik-]
Christoph Prégardien(Ten) & Michael Gees(pf)

Saturday, 1 October 2022 18:00, Toppan Hall

Christoph Prégardien, Tenor
Michael Gees, piano

Beethoven: Liederzyklus "An die ferne Geliebte" Op.98
 No. 1. Auf dem Hügel sitz ich spähend
 No. 2. Wo die Berge so blau
 No. 3. Leichte Segler in den Höhen
 No. 4. Diese Wolken in den Höhen
 No. 5. Es kehret der Maien, es blühet die Au
 No. 6. Nimm sie hin denn, diese Lieder

Schubert: 7 Lieder nach Gedichten von L. Rellstab aus "Schwanengesang" D957
 No. 1. Liebesbotschaft
 No. 2. Kriegers Ahnung
 No. 3. Frühlingssehnsucht
 No. 4. Ständchen
 No. 5. Aufenthalt
 No. 6. In der Ferne
 No. 7. Abschied

-Intermission-

Brahms: 'Dein blaues Auge' Op.59-8 aus "Lieder und Gesänge"
Brahms: 'Von ewiger Liebe' Op.43-1 aus "4 Gesänge"
Brahms: 'Feldeinsamkeit' Op.86-2 aus "6 Lieder für eine tiefere Stimme"
Brahms: 'Wie rafft' ich mich auf in der Nacht' Op.32-1 aus "Lieder und Gesänge von A. v. Platen und G. F. Daumer"
Brahms: 'Auf dem Kirchhofe' Op.105-4 aus "5 Lieder für eine tiefere Stimme"

Schubert: 6 Lieder nach Gedichten von Heinrich Heine aus "Schwanengesang" D957
 No. 10. Das Fischermädchen
 No. 12. Am Meer
 No. 11. Die Stadt
 No. 13. Der Doppelgänger
 No. 9. Ihr Bild
 No. 8. Der Atlas

[Zugaben]

Schubert: Die Taubenpost D965A
Schubert: An mein Herz D860
Schubert: Nacht und Träume D827

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久しぶりに生のコンサートに出かけてきました。テノールのクリストフ・プレガルディエン(プレガルディアン)がシューベルトの三大歌曲集をトッパンホールで披露するというので、その初回(10月1日)の『白鳥の歌』他のリサイタルを聴きました。
最近はあまりコンサートの広告などを熱心に見ることもなく、たまたまフリーペーパーの「ぶらあぼ」をぱらぱらめくっていてこのコンサートに気付いたので、数日前に電話してチケットをとり、飯田橋に降り立ちました。

個人的なことですが、飯田橋は社会人になって最初に勤めた会社があった場所で(大昔の話です)、久しぶりにそのビルに行ってみましたが、とうの昔に居酒屋のビルに変わっているばかりか、周辺の書店やよく通った飲食店などかなり変わってしまっていて妙にノスタルジックな気分に襲われました。

そんな感傷を引きずりながら15分ほどの坂道をのぼっていくと、以前はなかったスーパーいなげやが途中にありました。コンサートに向かう道は期待に胸ふくらませていて独特の高揚感があるんですよね。

ホールに着き、チケットをもぎってもらうと同時に受け取るプログラム冊子は以前と全く同じ表紙・デザインのものでした。変わるものがあれば変わらないものもあり、いろいろな思いが交錯する日となりました。

トッパンホールに来たのは一体何年ぶりだろうというぐらい久しぶりだったのですが、席についてしまえば過去に過ごした多くの素敵な時間がよみがえってきます。

今回は後方左側の席だったのですが、段になっているので、舞台がよく見渡せるいい席でした。

プログラムは前半がベートーヴェンの歌曲集《遥かなる恋人に寄す》と、シューベルトの『白鳥の歌』からレルシュタープの詩による7曲、休憩をはさみ後半はブラームスの歌曲5曲と、『白鳥の歌』からハイネの詩による6曲でした。
『白鳥の歌』の順序を出版順から入れ替えるのが最近の流行りで、プレガルディエンのちらしではレルシュタープ、ハイネそれぞれ曲順を入れ替えた形で発表されていましたが、結局レルシュタープ歌曲集はお馴染みの出版順で演奏され、ハイネ歌曲集のみがプレガルディエン独自の曲順に入れ替えられていました。

プレガルディエンはすでに66歳になっていたということにまず驚きました。F=ディースカウが歌手活動から引退したのが67歳の時で、その頃にはすでに声がかなり重くなっていたことを考えると、プレガルディエンの声のコンディションの見事さはちょっと信じがたいほどでした。高音域が若干きつそうな場面がある以外は殆ど年齢による衰えを感じることがなく、細やかな表現から劇的な表現まで変幻自在でした。ホール後方の席にいた私にも細やかな表現の綾がしっかり伝わってきます。基礎がしっかりしている人は長く歌い続けられるということなのでしょうか。

プレガルディエンは楽譜立てに紙を置いて、歌っていましたが、それが楽譜なのか歌詞なのか席からは確認できませんでした。ただ、ほとんどそれを見ることなく、正面の客席に顔を向けて歌っていたので、あくまで万が一の為の備忘録のような感じに思えます。

プレガルディエンはプログラム最初の《遥かなる恋人に寄す》の冒頭の曲からすでに声が朗々と前に出ていて年齢的な心配は杞憂に過ぎませんでした。
彼はバッハ歌いでもあり、彼の歌の基本は聴き手に伝えるという姿勢だと思います。
言葉が明瞭に聞こえてきます。
プレガルディエンは実演でも録音でも、歌の旋律に装飾を加えたり、多少変更を加えたりします。
当時の作品が演奏される際にすでにそうしたことは行われていて、シューベルト歌曲の紹介者フォーグルがどのように変更したかは楽譜の形で残っています。シューベルトはフォーグルの歌の伴奏をしたわけですから、そうした変更はシューベルトの公認と言ってもいいのでしょう。
プレガルディエンはすべての曲に装飾を加えるわけではなく、特定の曲に絞って装飾・変更を加えていきます。
私の記憶では《遥かなる恋人に寄す》では装飾は付けていませんでした。
この日最初に装飾を加えたのは『白鳥の歌』第3曲「春のあこがれ」でした。
特定の曲で装飾を加える時は、数か所変更を加えます。そして、歌手に呼応してゲースも思いっきりピアノパートに変更を加えます。
どこまで事前に準備していて、どこから即興的なやりとりなのかは知るよしもないですが、耳馴染みの音楽にちょっと装飾を加えて歌とピアノの新しい響きが生まれる瞬間に居合わせられるのはスリリングです。

プレガルディエンは万能歌手で、若者の心の痛みでも、抒情的な風景でも、疎外された者の心情でも、愛の告白でも、見事に説得力をもった表現で聴かせてくれるので、聴き手は身を委ねて、それぞれの小世界に浸ることが出来ます。
例えば《遥かなる恋人に寄す》第1曲では"Bote(使い)"の前に少しだけ間をとって「愛の使者はいないのか」という気持ちを強調していました。
年齢を重ねて低音は充実していて、特にテノール歌手には必ずしも歌いやすくはないであろう「遠い地で」の低音がしっかりと響いていたのは聴きごたえありました。

ピアノのミヒャエル・ゲースは、これまで数多くのピアニストたちと共演してきたプレガルディエンのパートナーの中でも極めて異彩を放っていることは間違いないです。
ゲースはリズムや拍を楽譜通りに明瞭に伝えようとはしません。
むしろ音楽的な響きの中でそれを(おそらく)あえてぼやかします。
ペダルの海の中で響きは時に濁り、普段聞こえる音が響きに埋没するかと思うと、普段埋もれがちな内声が浮き立ってきたりもします。
それは手垢にまみれたリート演奏に独自の視点をもたらそうとしているのかもしれませんし、もともとのゲースの資質なのかもしれません。
プレガルディエンが同じ作品を現代作曲家の様々な演奏形態による編曲版で歌ったりするのが新しい視点の可能性を試みているということならば、ゲースというピアニストと共演するということもその一環としてとらえてもいいのかもしれません。
ゲースは基本的に右手を中心に響かせ、左手はここぞという時だけ強調します。過去の様々な演奏に馴染んだ耳には、なぜ左手のバス音をこんなに弱く演奏するのだろうかという疑問をつきつけられます。それこそが先入観に疑問を持つようにというゲースから聴き手へのメッセージのようにも思えます。
それからリートを弾くピアニストたちがここぞという時にやる右手と左手のタイミングをわずかにずらすことによる味付けをゲースはこれでもかというぐらいに多用します。これはゲースの好みなのかもしれませんね。
また、ジャズも演奏するというゲースはプレガルディエンの装飾に呼応してかなり大胆な変更を施します。このあたりもプレガルディエンが志す方向と共通しているのだと思います。ただ、ブラームスの「永遠の愛」の後奏はゲースの創作作品になってしまっていて、これはさすがにやり過ぎかなと個人的には思いました。

大体『白鳥の歌』のプログラムだと、45分ぐらいで終わってしまうので、他に何が追加されるのかが愛好家にとっては気になるのですが、今回はよく一緒に演奏される『遥かなる恋人に寄す』の他にブラームスの歌曲5曲という珍しいカップリングが興味深かったです。私はブラームス歌曲が大好きなので、この日のコンサートは大好きな作品のオンパレードでとても楽しめました。プログラムビルディングも大事ですよね。

『白鳥の歌』出版時に含まれた「鳩の便り」は一つだけザイドルのテキストということもあって、今回のように正規のプログラムからは外されることが多くなってきましたが、アンコールで歌ってくれたのでこの曲が好きな私としては良かったです!そしてアンコール2曲目は珍しいシュルツェの詩による「我が心に」が演奏され、最後の「夜と夢」は魔術的な美しさでした。プレガルディエンのレガート健在でした!

やはりホールの美しい響きの中で聴く一流の演奏は格別でした。行って良かったです!あと2夜行ける方はぜひ楽しんできてください!

トッパンホールのHPでの公演詳細

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アンゲリカ・キルヒシュラーガー2022年草津公演の映像

オーストリアのメゾソプラノ、アンゲリカ・キルヒシュラーガー(Angelika Kirchschlager)といえば、過去に何度か東京で歌曲のコンサートが企画されたものの、ご自身の出産や天災などの影響(私の曖昧な記憶なので違っていたらすみません)で結局実現しないままでした。
オペラでは以前に来日しているようですので、彼女の実演を聴いた方はおられることと思いますが、YouTubeのKusatsu Academy & Festivalのチャンネルを登録していたところ、突然"Angelika Kirchschlager in Kusatsu Academy 2022"という動画がアップされて驚きました。今年の8月に草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルの為に来日してコンサートを開いていたのですね。
リサイタルの詳細はこちらのリンク先に記載がありますが、シューベルト、ブラームス、シューマン、シュトラウス、マーラーといったドイツリートの王道のプログラムを披露したのですね。その中から3曲アップしてくださり、有難いです。

Angelika Kirchschlager in Kusatsu Academy 2022

Angelika Kirchschlager in Kusatsu Academy 2022

アンゲリカ・キルヒシュラーガー メゾ・ソプラノ ・リサイタルより

2022年8月22日(月)16:00 草津音楽の森国際コンサートホール
アンゲリカ・キルヒシュラーガー(MS)
クリストファー・ヒンターフーバー(P)

R.シュトラウス:献呈 作品10-1 TrV 141
G.マーラー:ラインの伝説~ 子供の不思議な角笛
G.マーラー:高遠なる知性の賛美 ~子供の不思議な角笛

Angelika Kirchschlager (M-Sop) / Christopher Hinterhuber (Pf)

R. Strauss:Zueignung, Op.10-1 TrV 141
G. Mahler:Rheinlegendchen / Lob des hohen Verstandes - from “Des Knaben Wunderhorn”

The 42nd Kusatsu International Summer Music Academy & Festival

さすがの歌いっぷりですね。生で聞けた方々がうらやましいです。

その他に草津の常連のピアニスト岡田博美さんが演奏した中からロッシーニの「老いのあやまち」のコミカルな2曲のピアノ独奏曲を披露していて、こちらも個人的には楽しめました。

from “Péchés de vieillesse”, Okada plays Rossini, Kusatsu Academy

他にもいろいろ過去動画なども含めてありますので、探してみてはいかがでしょうか。萩原朔太郎の小説(青空文庫で読めます)をもとにした西村朗作曲の「猫町」などというバリトンの松平 敬氏が委嘱した作品の実演もアップされていて楽しいです!

【Kusatsu Music Festival 2021】VOCAL CONCERT / FROM BEETHOVEN: ADELAIDE TO NISHIMURA (22.Aug.)

第41回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル
「アデライーデ」から現代の歌へ
L.v.ベートーヴェン:アデライーデ 作品46
A.シェーンベルク:期待~4つの歌曲 作品2より第1曲
V.ウルマン:お前はどこからそのすべての美をうけたのだ/ピアノを弾きながら~リカルダ・フーフの詩による5つの愛の歌 作品26より第1曲/同第4曲
A.ツェムリンスキー:海の瞳/ばらのイルメリン~ばらのイルメリンとその他の歌 作品7より第3曲/同第4曲
L.ベリオ:セクエンツァ III
西村 朗:猫町
天羽明惠(ソプラノ)/ 日野妙果(メゾ・ソプラノ)/ 小貫岩夫(テノール)/ 江上菜々子(ピアノ)
松平 敬(バリトン)/工藤あかね(ソプラノ)/中川俊郎(ピアノ)

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エディタ・グルベロヴァ・歌曲リサイタル映像2種(エリク・ヴェルバ、フリードリヒ・ハイダー)(1977年&1991年)

エディタ・グルベロヴァ(Edita Gruberová)のリサイタル映像はいろいろあがっていますが、中でも歌曲中心の2つをご紹介したいと思います。
1977年の方は歌曲演奏の巨匠エリク・ヴェルバとの共演です。
故ヴェルバの演奏映像もなかなかレアだと思います。
若かりしロングヘアのグルベロヴァはすでに歌曲の王道レパートリーを歌っていたのですね。
1991年の方は当時プライベートでもパートナーだったフリードリヒ・ハイダーとの共演で、こちらもドヴォジャーク、シュトラウスが演奏されています。この2人の作曲家は特にグルベロヴァのお気に入りだったのかもしれませんね。

●Upscaled video EDITA GRUBEROVA recital - Werba - Klosterneuburg 1977

1977年, クロスターノイブルク修道院

エディタ・グルベロヴァ(S)
エリク・ヴェルバ(P)

モーツァルト
[0:38] ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時
[2:44] すみれ

シューベルト
[5:25] ミニョンの歌「ただ憧れを知る者だけが」
[8:48] クレールヒェンの歌

マーラー
[10:26] 私はほのかな香りを吸い
[12:50] 自分の感情

エーベルト・トリオによる演奏(※ここはグルベロヴァは登場しません)
[14:44] Das Ebert Trio spielt Alfred Uhl: "Kleines Konzert"

リヒャルト・シュトラウス
[31:15] 私は花束を編みたかった
[34:10] アーモル

ドヴォジャーク
『ジプシーのメロディ』より
[37:00] 老いた母が私に歌を教えてくれた時
[39:22] 鷹の翼はタトラの峰をざわめかせるが

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Stift Klosterneuburg, 1977

Edita Gruberová, soprano
Erik Werba, piano

Wolfgang Amadeus Mozart
[0:38] Als Luise die Briefe ihres ungetreuen Liebhabers verbrannte, KV 520
[2:44] Das Veilchen, KV 476

Franz Schubert
[5:25] Lied der Mignon "Nur wer die Sehnsucht kennt", D 877-4
[8:48] Klärchens Lied, D 210

Gustav Mahler
[10:26] Ich atmet einen linden Duft
[12:50] Selbstgefühl

[14:44] Das Ebert Trio spielt Alfred Uhl: "Kleines Konzert"

Richard Strauss
[31:15] Ich wollt ein Sträußlein binden, Op.68-2
[34:10] Amor, Op. 68-5

Antonín Dvorák
Zigeunermelodien Op.55
[37:00] Kdyz mne stará (Als die alte Mutter mich noch singen lehrte)
[39:22] Dejte klec jestrábu (Darf des Falken Schwinge Tatrahöh'n umrauschen)

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●Edita Gruberova Recital Prague Opera 1991

録画:1991年9月17日、プラハ国立歌劇場

エディタ・グルベロヴァ(S)
フリードリヒ・ハイダー(P)

拍手 2:10-

メンデルスゾーン:
最初のスミレ, Op. 19/2 2:35-
新しい恋, Op. 19/4 5:34-
歌の翼に乗って, Op. 34/2 7:48-
春の歌, Op. 47/3 12:05- (14:30頃大きめの雑音あり)

ドヴォジャーク:
歌曲集『愛の歌, Op. 83』 16:06-

リヒャルト・シュトラウス:
献呈, Op. 10/1 35:13-
夜, Op. 10/3
黄金色あふれる中を, Op. 49/2
森の至福, Op. 49/1
ツェツィーリエ, Op. 27/2

アンコール:

R.シュトラウス: 響け, Op. 48/3 49:59-
R.シュトラウス: アーモル, Op. 68/5 52:04-
シャルパンティエ: 歌劇『ルイーズ』からアリア 56:11-
トマ: 歌劇『ハムレット』からオフィーリアの狂乱の場 1:02:04-

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17 September 1991, Národní divadlo v Praze (Prague Opera)

Edita Gruberová, soprano
Friedrich Haider, piano

Beifall 2:10-

Mendelssohn:
Das erste Veilchen, Op. 19/2 2:35-
Neue Liebe, Op. 19/4 5:34-
Auf Flügeln des Gesanges, Op. 34/2 7:48-
Frühlingslied, Op. 47/3 12:05- (about 14:30, large noise)

Dvorák:
"Pisne Milostne", Op. 83 16:06-
1. Ó naší lásce nekvete (Oh, for us love does not bloom)
2. V tak mnohém srdci mrtvo jest (So many hearts are as though dead)
3. Kol domu se ted’ potácím (Around the house I stagger now)
4. Já vím, že v sladké naději (I know that in my sweet hope)
5. Nad krajem vévodi lehký spánek (Over the countryside reigns a light sleep)
6. Zde v lese u potoka (In forest here by a brook)
7. V té sladké moci ocí tvých (In that sweet power of your eyes)
8. Ó duše drahá jedinká (Oh dear soul, the only one)

R. Strauss:
Zueignung, Op. 10/1 35:13-
Die Nacht, Op. 10/3
In goldener Fülle, Op. 49/2
Waldseligkeit, Op. 49/1
Cäcilie, Op. 27/2

Encores:

R. Strauss: Kling, Op. 48/3 49:59-
R. Strauss: Amor, Op. 68/5 52:04-
Charpentier: Aria from "Louise" 56:11-
Thomas: Ophelia's mad scene from "Hamlet" 1:02:04-

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ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ (ピアノ:デームス、ヘル、ブレンデル)/シューベルト&R.シュトラウス・ライヴ(1980年,1982年,1984年アムステルダム)

オランダの放送局NPO Radio4が、本日(5月28日)誕生日のディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)のアムステルダム・コンセルトヘバウでのライヴを3種類、期間限定でアップしています。
おそらく数週間で消されてしまうと思いますので、もし興味のある方は早めに聴いてみて下さい。1曲ずつでも再生できるようになっているので、聞きたい曲だけ聞くことも出来ます。
シューベルトの方は1980年のライヴで、2014年にアップされた時にブログの記事にしていますので、その後アップされていなかったとしたら8年ぶりということになります。ピアノはイェルク・デームスです。

●Schubert-recital door Dietrich Fischer-Dieskau

ライヴ録音:1980年12月9日, Concertgebouw Grote Zaal Amsterdam(アムステルダム・コンセルトヘバウ大ホール)

Dietrich Fischer-Dieskau(ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ) (bariton)
Jörg Demus(イェルク・デームス) (piano)

Schubert(シューベルト)作曲

1.Prometheus(プロメテウス) D.674
2.Meeresstille(海の静けさ) D.216
3.An die Leier(竪琴に寄せて) D.737
4.Memnon(メムノン) D.541
5.Freiwilliges Versinken(自ら沈み行く) D.700
6.Der Tod und das Mädchen(死と乙女) D.531
7.Gruppe aus dem Tartarus(タルタロスの群れ) D.583
8.Nachtstück(夜曲) D.672
9.Totengräbers Heimweh(墓掘人の郷愁) D.842

10.Der Wanderer an den Mond(さすらい人が月に寄せて) D.870
11.Abendstern(夕星) D.806
12.Selige Welt(幸福の世界) D.743
13.Auf der Donau(ドナウ川の上で) D.553
14.Über Wildemann(ヴィルデマンの丘を越えて) D.884
15.Wanderers Nachtlied(さすらい人の夜の歌Ⅱ) D.768
16.Des Fischers Liebesglück(漁師の恋の幸福) D.933
17.An die Laute(リュートに寄せて) D.905
18.Der Musensohn(ムーサの息子) D.764

19.Nachtviolen(はなだいこん) D.752
20.Geheimes(秘めごと) D.719
21.An Sylvia(シルヴィアに) D.891
22.Abschied(別れ) D.957 nr.7

次にR.シュトラウスのリサイタルで、こちらも2014年にアップされた時に記事にしていました。ピアノはハルトムート・ヘルです。

●Richard Strauss recital door Dietrich Fischer-Dieskau

ライヴ録音:1982年2月18日, Concertgebouw, Amsterdam(アムステルダム・コンセルトヘバウ)

Dietrich Fischer-Dieskau(ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ) (bariton)
Hartmut Höll(ハルトムート・ヘル) (piano)

Richard Strauss(リヒャルト・シュトラウス)作曲

1 Schlechtes Wetter(悪天候), op.69 nr.5
2 Im Spätboot(夜更けの小舟で), op.56 nr.3
3 Stiller Gang(静かな散歩), op.31 nr.4
4 O wärst du mein(おお君が僕のものならば), op.26 nr.2
5 Ruhe, meine Seele(憩え、わが魂よ), op.27 nr.1 (04:00)
6 Herr Lenz(春さん), op.37 nr.5
7 Wozu noch, Mädchen(少女よ、それが何の役に立つのか), op.19 nr.1
8 Frühlingsgedränge(春の雑踏), op.26 nr.1
9 Heimkehr(帰郷), op.15 nr.5
10 Ach, weh mir unglückhaftem Mann(ああ辛い、不幸な俺), op.21 nr.4

11 Winternacht(冬の夜), op.15 nr.2
12 Gefunden(見つけた), op.56 nr.1
13 Einerlei(同じもの), op.69 nr.3
14 Waldesfahrt(森の走行), op.69 nr.4
15 Himmelsboten(天の使者), op.32 nr.5
16 Junggesellenschwur(若者の誓い), op.49 nr.6
17 "Krämerspiegel(「商人の鑑」)": O lieber Künstler(おお親愛なる芸術家よ), op.66 nr.6
18 "Krämerspiegel": Die Händler und die Macher(商人どもと職人どもは), op.66 nr.11
19 "Krämerspiegel": Hast du ein Tongedicht vollbracht(あなたが交響詩を書き上げたら), op.66 nr.5
20 "Krämerspiegel": Einst kam der Bock als Bote(かつて牝山羊が使者にやって来た), op.66 nr.2

21 Traum durch die Dämmerung(黄昏を通る夢), op.29 nr.1
22 Ständchen(セレナーデ), op.17 nr.2
23 Morgen(明日), op.27 nr.4
24 Zugemessene Rhythmen(整いすぎたリズム), WoO.122

1984年のアルフレート・ブレンデルとの『冬の旅』のライヴは、スタジオ録音やDVDの映像と比較してみるのも興味深いかと思います。

●Legendarisch archief: Winterreise door Dietrich Fischer-Dieskau

ライヴ録音:1984年6月29日, Concertgebouw, Amsterdam(アムステルダム・コンセルトヘバウ)

Dietrich Fischer-Dieskau(ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ) (bariton)
Alfred Brendel(アルフレート・ブレンデル) (piano)

Schubert(シューベルト)作曲

Winterreise(『冬の旅』) D.911 - compleet

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シュヴァルツコプフの歌う「ライアー弾き(Der Leiermann, D911-24)」他(1969年、1972年ライヴ音源)

An Elisabeth Schwarzkopf Recital (Montréal, 1972)

kadoguyさんのYouTubeチャンネル(※リンク先は音が出ます)からエリーザベト・シュヴァルツコプフ(Elisabeth Schwarzkopf: 1915-2006)とマーティン・イセップ(Martin Isepp: 1930-2011)によるカナダ、モントリオールでの1972年ライヴ音源がアップされていました。

詳細データは下記の通りですが、注目すべきなのは、最初のシューベルト歌曲のグループに歌曲集『冬の旅』から「リンデンバウム(セイヨウボダイジュ)」と「ライアー弾き(辻音楽師)」が歌われていることです!
「リンデンバウム」についてはすでにアムステルダムで歌われた際のライヴ音源がCD化されているので商品として聴くことは出来たのですが、「ライアー弾き」はこれまで聴くことが出来ず、私も今回はじめてこの貴重な録音により聴くことが出来ました。
彼女の来日公演プログラムには両曲とも含まれていて、これらが彼女のレパートリーに入っていることは知っていたのですが、「ライアー弾き」の音源がまさか残っているとは思いませんでした。

上記の動画の5:30に目盛りを移動すると「リンデンバウム」が、10:38に目盛りを移動すると「ライアー弾き」が始まります。

彼女の「ライアー弾き」は、噛みしめるように一語一語を丁寧に抑えめに語ります。ほとんど一貫して抑制した歌いぶりですが、最後の単語"drehn"で大きなクレッシェンドをかけて強調していました。第三者的というよりは主人公になりきった歌唱のように感じました。

さまざまな作曲家のミックスプログラムであえてこの曲を選ぶというのは珍しいことではないかと思いますが、演奏活動の終焉をそろそろ予感していた時期に『冬の旅』を歌いたいという心境になっていたのでしょうか。

ピアノのマーティン・イセップは、ヴィーン生まれで、8歳の時にイギリスに移り、ここを本拠地として活動しました。特にジャネット・ベイカーとのコンビは高く評価されています。
シュヴァルツコプフは彼女の演奏活動後期に複数回イセップと共演していたようですが、録音ではおそらく契約の関係でしょうか、ほぼジェフリー・パーソンズとのみ共演していましたので、このライヴ音源はイセップとの共演の記録という意味でも貴重です。

1972年4月7日, サル・ヴィルフリド=ペルティエ、モントリオール(モンレアル)

エリーザベト・シュヴァルツコプフ(S)
マーティン・イセップ(P)

フランツ・シューベルト:
I. ズライカⅠ, D. 720 0:00
II. リンデンバウム, D. 911, no. 5 5:30
III. ライアー弾き, D. 911, no. 24 10:38

ローベルト・シューマン:
IV. くるみの木, op. 25, no. 3 14:56
V. トランプ占いする女, op. 31, no. 2 19:05

ヨハネス・ブラームス:
VI. あの下の谷に, WoO. 33 no. 6 22:18
VII. 甲斐なきセレナード, op. 84, no. 4 25:01

エドヴァルト・グリーグ:
VIII. 睡蓮とともに, op. 25, no. 4 26:49
IX. きみを愛す, op. 5, no. 3 29:46

フランツ・リスト:
X. 三人のジプシー, S. 320 32:34

リヒャルト・シュトラウス:
XI. 明日!, op. 27, no. 4 39:06

フーゴ・ヴォルフ:
XII. フィリーネ 43:37
XIII. あなたは私が侯爵夫人でもないくせにと言うのね 46:50
XIV. あなたは私を一本の糸で捕まえて 48:10
XV. 私ペンナに住んでいる恋人がいるの 49:16

フランツ・シューベルト:
XVI. 至福, D. 433 50:35

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April 7, 1972, Salle Wilfrid-Pelletier, Montréal

Elisabeth Schwarzkopf, soprano
Martin Isepp, piano

Franz Schubert:
I. Suleika I, D. 720 0:00
II. Der Lindenbaum, D. 911, no. 5 5:30
III. Der Leiermann, D. 911, no. 24 10:38

Robert Schumann:
IV. Der Nussbaum, op. 25, no. 3 14:56
V. Die Kartenlegerein, op. 31, no. 2 19:05

Johannes Brahms:
VI. Da unten im Tale, WoO. 33 no. 6 22:18
VII. Vergebliches Ständchen, op. 84, no. 4 25:01

Edvard Grieg:
VIII. Mit einer Wasserlilie, op. 25, no. 4 26:49
IX. Ich liebe dich, op. 5, no. 3 29:46

Franz Liszt:
X. Die drei Zigeuner, S. 320 32:34

Richard Strauss:
XI. Morgen!, op. 27, no. 4 39:06

Hugo Wolf:
XII. Philine 43:37
XIII. Du sagst mir, daß ich keine Fürstin sei 46:50
XIV. Du denkst mit einem Fädchen mich zu fangen 48:10
XV. Ich hab' in Penna einen Liebsten wohnen 49:16

Franz Schubert:
XVI. Seligkeit, D. 433 50:35

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Elisabeth Schwarzkopf sings Schubert & Schumann Lieder! (Montréal, 1969)

もう1つ1969年のモントリオールでのシュヴァルツコプフのライヴが同じくkadoguyさんのYouTubeチャンネルからアップされていて、こちらの共演者はジョン・ニューマーク(John Newmark: 1904-1991)です。ニューマークとは1970年2月15日にテレビ用コンサートで共演して、その時の録音がRococoというレーベルからLPで発売されたことがあるそうです。彼はドイツ生まれで後にカナダに帰化したピアニストで、独奏者として、またカナダ内外の多数の音楽家の共演者として活躍しました。特にキャスリーン・フェリアやモーリーン・フォレスターとの共演は非常に有名です。

「くるみの木」はこちらでも歌われています。後期のシュヴァルツコプフはこの曲をゆっくりめに歌う傾向があり、ここでもしっとりとした匂い立つような演奏ですね。

1969年10月19日, エクスポ劇場、モントリオール(モンレアル)

エリーザベト・シュヴァルツコプフ(S)
ジョン・ニューマーク(P)

I. シューベルト:音楽に寄せて, D. 547 0:00
II. シューベルト:ます, D. 550 2:37
III. シューマン:くるみの木, op. 25, no. 3 4:45
IV. シューベルト:至福, D. 433 8:32

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October 19, 1969, Expo-Théâtre, Montréal

Elisabeth Schwarzkopf, soprano
John Newmark, piano

I. "An die Musik", D. 547 (Schubert) 0:00
II. "Die Forelle", D. 550 (Schubert) 2:37
III. "Der Nußbaum", op. 25, no. 3 (Schumann) 4:45
IV. "Seligkeit", D. 433 (Schubert) 8:32

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ジェスィー・ノーマン&マーク・マーカム(Jessye Norman & Mark Markham)/ドイツ・リサイタル

2019年に亡くなった名ソプラノのジェスィー・ノーマンと、ピアニスト、マーク・マーカムによるドイツでのリサイタル録音(録音年は記載なし)がアップされていました。ASPS NY (Art Song Preservation Society of New York)という組織の動画チャンネルなのでおそらく正規のルートを経てアップロードされたものと思われます。
ブラームス、シューベルト、プーランク、シュトラウスから黒人霊歌までノーマンの十八番が堪能できます。
このコンビは来日公演でも聴いたことがあり、とても懐かしいです。
ノーマンのリサイタルはホールが彼女の強烈なオーラで満たされていたのが思い出されます。

●ジェスィー・ノーマン&マーク・マーカム・ドイツ・リサイタル(part 1)
Jessye Norman (soprano) and Mark Markham (pianist) in recital in Germany - part 1 LIVE

Brahms(ブラームス作曲):
0:27-
Heimkehr(帰郷), Op. 7 No. 6
1:19-
Dein blaues Auge(あなたの青い瞳), Op. 59 No. 8
3:53-
Immer leiser wird mein Schlummer(わがまどろみはますます浅くなり), Op. 105 No. 2
8:04-
Auf dem Kirchhofe(教会墓地にて), Op. 105 No. 4
11:01-
Meine Liebe ist grün(わが愛は緑), Op. 63 No. 5

Schubert(シューベルト作曲):
12:39-
Rastlose Liebe(たゆみなき愛), D 138
13:58-
An die Natur(自然に寄せて), D 372
16:24-
Ellens dritter Gesang: Ave Maria(エレンの歌Ⅲ「アヴェ・マリア」), D 839
22:49-
Der Tod und das Mädchen(死と乙女), D 531
26:03-
Erlkönig(魔王), D 328

●ジェスィー・ノーマン&マーク・マーカム・ドイツ・リサイタル(part 2)
Jessye Norman, Mark Markham Recital in Germany - part 2

Poulenc(プランク作曲):
0:14-
Voyage à Paris(パリへの旅)
1:11-
Montparnasse(モンパルナス)
4:51-
La Grenouillère(グルヌイエール島)
7:09-
Avant le cinéma(映画の前に)

Brahms(ブラームス作曲): "Zigeunerlieder, Op. 103"(歌曲集『ジプシーの歌』)
8:21- no. 1 He, Zigeuner, greife in die Saiten ein
9:19- no. 2 Hochgetürmte Rimaflut
11:25- no. 3 Wißt ihr, wann mein Kindchen
12:57- no. 4 Lieber Gott, du weißt
14:45- no. 5 Brauner Bursche führt zu Tanze
16:43- no. 6 Röslein dreie in der Reihe
18:42- no. 7 Kommt dir manchmal in den Sinn
22:04- no. 8 Rote Abendwolken ziehn

24:01-
R. Strauss(R.シュトラウス作曲): Cäcilie(ツェツィーリエ), Op. 27 No. 2
26:11-
R. Strauss: Zueignung(献呈), Op.10 No. 1
27:55-
Brahms(ブラームス作曲): Vergebliches Ständchen(甲斐なきセレナード), Op. 84 No.4
29:56-
Spiritual(黒人霊歌): Ride on, King Jesus(馬を進めよ王イエス)
32:29-
Spiritual: Sometimes I feel like a motherless child(時には母のない子のように)
36:03-
Spiritual: He’s got the whole world in his hands(ものみな主の御手に)

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エディタ・グルベロヴァ&ヘルタ・マジャロヴァ/1968年リサイタル映像

スロヴァキアのブラティスラヴァ出身の名ソプラノ歌手エディタ・グルベロヴァ(Edita Gruberová: 1946年12月23日 - 2021年10月18日)がチューリヒで亡くなりました。74歳とのことです。まだ亡くなるような年ではなく全く想像すらしていなかったので驚きました。ご冥福をお祈りいたします。ソース:Gramophone

彼女の生演奏は聴こうと思えば何度も聴けるチャンスはあったのですが、結局逸してしまい、今にして思えばとても残念です。彼女は歌曲もたくさん歌っていますが、本領はオペラにあると思っていたので、実演を聴くならばアリア集がいいのではと思いながら結局行かずじまいでした。

いろいろ動画や音源を検索していたところ、彼女の22歳頃の貴重な映像がありましたのでこちらに転載させていただきます。歌曲(もとはアリアのものも含みますが)ばかり7曲歌っています。
放送局のスタジオでしょうか、カメラ目線をばっちり決めて、コロラトゥーラを封印したリリカルな歌いぶりを聞かせてくれています。何よりも声が若くて美しく、立ち居振る舞いも魅力的です。

Edita Gruberova TV recital Bratislava 1968

チャンネル名:edita gruberova♪

エディタ・グルベロヴァ(S)
ヘルタ・マジャロヴァ(P)

0:11 - A.スカルラッティ: すみれ(歌劇『ピッロとデメートリオ』より)
2:53 - ハッセ: あなたはすぐに戻るでしょう
7:14 - モーツァルト: すみれK. 476
9:42 - シューベルト: ますD 550
11:42 - ベートーヴェン: 遠くからの歌WoO. 137
15:32 - R.シュトラウス: セレナードOp. 17-2
17:59 - スロヴァキアの歌

Edita Gruberová(S)
Herta Maďarová(P)

0:11 - Alessandro Scarlatti (1660-1725): Le violette (from "Il Pirro e Demetrio")
2:53 - Johann Adolf Hasse (1699-1783): Ritornerai fra poco
7:14 - Mozart: Das Veilchen, K. 476
9:42 - Schubert: Die Forelle, D 550
11:42 - Beethoven: Lied aus der Ferne, WoO. 137
15:32 - Richard Strauss: Ständchen, Op. 17-2
17:59 - Slovack Lied

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