【生誕100年】ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau):ザルツブルク音楽祭出演記録(歌曲・声楽曲編⑦):1986年~1992年
F=ディースカウは1986年には2公演に参加しています。1つはフランク・マルタンのオラトリオ『ゴルゴタ』で、私の知る限りF=ディースカウのディスコグラフィーに含まれていないレパートリーです。
その19日後にヘルのピアノでヴォルフの『メーリケ歌曲集』が演奏されています。1961.7.30(ムーア)、1972.8.4(リヒテル)に続いてザルツブルク音楽祭3回目の披露となるプログラムですが、今回「新しい愛」と「火の騎士」の間に「思いみよ、おお心よ(Denk es. o Seele!)」が追加されています。
1987,1988年の2年間は出演がなく、1989年にブレンデルと『冬の旅』を披露しています。
その後1990,1991年の2年間出演がなく、1992年に3夜にわたるリサイタルが催され、歌手としての最後の出演となりました(F=ディースカウは1992年12月31日の演奏会が歌手としての最後の出演だったと1993年になってからアナウンスしました。従って、告別演奏会のようなものはせずに静かに歌手生活にピリオドを打ったことになります)。
第1夜の『美しき水車屋の娘』は、F=ディースカウにとってザルツブルク音楽祭最初で最後の披露でした。キャリアの最後になって、彼はこの歌曲集を世界各地のステージで積極的に歌うようになりました(1992年秋の来日公演でも披露し、CD化もされています)。この甘く切ない物語に老年のディースカウが再び惹かれたきっかけは何だったのか気になるところです。
第2夜はシューマンのハイネ歌曲集、第3夜はヴォルフのゲーテ歌曲集でした。
最終日のヴォルフ『ゲーテ歌曲集』は、1960.7.28のムーアとのプログラムと基本的には同じですが、「似た者同士」「現象」「創造と生与」がカットされ、「花の挨拶」が追加されています。さらに多少の順序の入れ替えもあります。ヴォルフの『ゲーテ歌曲集』を若い頃と同じように歌うのはさすがのディースカウでも大変だったのでしょうか。
こうして歌手活動から引退後、10年あまり経ってから再び、指揮、朗読でザルツブルク音楽祭に復帰することになります。
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●1986.8.11(月)19:30 Felsenreitschule
エッダ・モーザー(ソプラノ)
Edda Moser, Sopran
クリスタ・ルートヴィヒ(メッゾソプラノ)
Christa Ludwig, Mezzosopran
ペーター・シュライアー(テノール)
Peter Schreier, Tenor
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バス)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bass
ハリー・ペーテルス(バス)
Harry Peeters, Bass
トーマス・ダニエル・シュレー(オルガン)
Thomas Daniel Schlee, Orgel
アルノルト・シェーンベルク合唱団
Arnold Schoenberg Chor
オーストリア放送合唱団
ORF-Chor
エルヴィン・オルトナー(合唱指導)
Erwin Ortner, Choreinstudierung
オーストリア放送交響楽団(現・ヴィーン放送交響楽団)
ORF-Symphonieorchester
ローター・ツァグロゼク(指揮)
Lothar Zagrosek, Dirigent
フランク・マルタン:オラトリオ「ゴルゴタ」:ソプラノ、アルト、テノール、バリトン、バス、混声合唱、管弦楽とオルガンのための:2部からなる:福音書と聖アウグスチノのテキストによる
●1986.8.30(土)19:30 Kleines Festspielhaus
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ハルトムート・ヘル(ピアノ)
Hartmut Höll, Klavier
ヴォルフ:歌曲集『メーリケの詩』より
苦悩から癒えて希望に寄せる
あけがたに
散歩
新しい愛
思いみよ、おお心よ
火の騎士
眠りに寄せて
真夜中に
狩人の歌
こうのとりの使い
春に
旅の途上で
恋人に
ペレグリーナI
ペレグリーナII
さようなら
出会い
狩人
ある結婚式で
いましめ
あばよ
●1989.8.20(日)20:30 Großes Festspielhaus
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
アルフレート・ブレンデル(ピアノ)
Alfred Brendel, Klavier
シューベルト:歌曲集『冬の旅』D911
おやすみ
風見
凍った涙
氷結
菩提樹
雪どけの水流
川の上で
かえりみ
鬼火
休息
春の夢
孤独
郵便馬車
白い頭
鴉
最後の希望
村にて
嵐の朝
幻
道しるべ
宿屋
勇気を!
幻日
辻音楽師
●1992.8.7(金)20:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ハルトムート・ヘル(ピアノ)
Hartmut Höll, Klavier
歌曲集『美しき水車屋の娘』D795
さすらい
どこへ?
止まれ!
小川への感謝
仕事を終えて
ききたがり屋
いらだち
朝の挨拶
水車屋の花
涙の雨
ぼくのもの!
休み
緑のリボンで
狩人
ねたみと誇り
好きな色
いやな色
しぼんだ花
水車屋と小川
小川の子守歌
●1992.8.10(月)20:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ハルトムート・ヘル(ピアノ)
Hartmut Höll, Klavier
シューマン:ハイネの詩による歌曲集
ぼくの馬車はゆっくりと行く Op.142/4
ぼくの愛はかがやきわたる Op.127/3
海辺の夕暮れ Op.45/3
シューマン:歌曲集『リーダークライス』Op.24 (全9曲)
朝起きると胸に尋ねる
気ばかりあせって
ぼくは樹々の下をただ一人
かわいい恋人よ、手をぼくの胸に
ぼくの苦しみの美しい揺り籠よ
待ってくれ、待ってくれ、威勢のいい舟乗りよ
山々とその上に立つ城が
はじめはほとんど絶望するところだった
ミルテと薔薇で
シューマン:歌曲集『詩人の恋』Op. 48 (全16曲)
美しい五月に
わたしの涙から
ばらに、ゆりに、はとに
あなたのひとみを見つめる時
わたしの心をゆりのうてなに
神聖なラインの流れに
わたしは嘆くまい
花が知ったなら
鳴るのはフルートとヴァイオリン
恋人の歌を聞く時
若者はおとめを愛し
明るい夏の朝
夢の中で私は泣いた
夜ごとの夢に
昔話の中から
いまわしい思い出の歌
●1992.8.15(土)20:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ハルトムート・ヘル(ピアノ)
Hartmut Höll, Klavier
ヴォルフ:歌曲集『ゲーテの詩』より
竪琴弾きI
竪琴弾きII
竪琴弾きIII
一年中春
ガニュメデス
花の挨拶
新しいアマディス
羊飼い
ねずみ捕り
旅人の夜の歌
人間の限界
アナクレオンの墓
プロメテウス
天才の行為
コフタの歌I
コフタの歌II
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(参考)
Archiv: Salzburger Festspiele (上の方のメニューの右側にある「ERWEITERTE SUCHE」をクリックして「Künstler·in」欄に「Dieskau」と入力するとすぐ下に「Dietrich Fischer-Dieskau」という候補が表示されるのでそれをクリック。続いて「SUCHEN」をクリックすると、フィッシャー=ディースカウのザルツブルク音楽祭出演歴が表示されます)

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