エリー・アーメリング、フランク・マルタンを語る

Elly Ameling on Frank Martin - in conversation with Rien de Reede

元動画(チャンネル名:Frank Martin Composer)はこちら(クリックすると音が出ますのでご注意ください)

エリー・アーメリング(Elly Ameling)はかつてスイスの作曲家フランク・マルタン(Frank Martin)のオラトリオ『キリスト降誕の神秘劇(Le mystère de la Nativité)』の世界初演(エルネスト・アンセルメ(Ernest Ansermet)指揮)に出演し、そのライヴ録音(1959年12月23日, Victoria Hall, Genève)がスイスのCASCAVELLEレーベルから1991年頃にリリースされました。その後、アムステルダムのコンセルトヘバウでの再演時のライヴ録音(1964年10月14日, Concertgebouw, Amsterdam)も指揮者ジャン・フルネ(Jean Fournet)の8枚組放送録音のBOX CDの一部としてリリースされています。

彼女は作曲家自身のピアノでもマルタンの歌曲集をJecklin-DiscoレーベルにLP録音しており、CD化もされています。曲目は『3つの愛の歌(Drey Minnelieder)』『3つのクリスマスの歌(Trois Chants De Noël)』で、後者はPieter Odéのフルート助奏付きです。

そんなマルタンとゆかりの深かったアーメリングに、Rien de Reedeという人がインタビューした動画があがっています。

彼女は相変わらず本当にチャーミングで、録音を聞く時は口ずさんでいて、その記憶力に驚かされます。過去の手紙も保存していて、このインタビューの為に披露してくれるなどサービス精神旺盛です。

彼女の言葉からかいつまんでメモしておきます(会話はオランダ語ですが、親切にも英訳が付いていたので、そちらから訳します)。

・オラトリオ『キリスト降誕の神秘劇(Le mystère de la Nativité)』について
アンセルメは穏やかで真に安心してリハーサルが出来た。
この作品はとーっても美しい(「とーっても」のところは手紙で子音のoを4つ並べて強調しているとのこと)。

シューベルトはあちこちでアクセントが扱いにくく、シューマンは重要ではない音節にアクセントを多く付けていました。
私の知る限り、マルタンは決してミスをしませんでした。

このオラトリオの舞台化は私は反対です。
人々は聞くより見たがりますが、不要だと思います。
かつてベートーヴェンの歌劇『フィデーリオ』を最初にTVで見て、その2週間後にラジオで聞いた時、TVの時より細かいところまで聞き取れました。TVを見た時は気付かないままでした。だから視覚は必要と感じません。

・マルタンが中世の詩をテキストに使ったことについて
ヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデ(Walter von der Vogelweide)をマルタンはヴァルター・フォン・デア・フォッゲルヴェイデと発音しました。「3つの愛の歌」の第1曲Herzeliepはヘルツェリエプ、Leitはライトではなく、オランダ語同様レイトと発音します。
例えば、第3曲のNachtigall(現在の発音はナハティガル。意味は「ナイチンゲール」)の中世ドイツ語はnahtegaal(ナハテガール)、Vögelein(フェーゲライン:意味は「小鳥」)の中世語はvogelin(フォゲリーン)。
中世ドイツ語は時にオランダ語に似ています。

・『3つの愛の歌』の第3曲「リンデの木の下で(Unter der linden)」を聞いて
この少女は男の子と横になっていたところを知られたくないのです。
でもこのテキストに作曲した他の作曲家と違って、マルタンは幸せな少女の喜びを爆発させます。(アアアアアアーのひとふしを歌う)

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(2023年11月25日追記)

Elly Amelingの公式チャンネルでも同じ動画がアップされています。

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