テレサ・ベルガンサ(Teresa Berganza)追悼
スペイン出身のメゾソプラノ、テレサ・ベルガンサ(Teresa Berganza Vargas: 1933年3月16日, Madrid - 2022年5月13日, San Lorenzo de El Escorial)が亡くなりました。89歳だったとのことです。
ベルガンサは「カルメン」などオペラ、コンサートで引く手あまたでしたが、歌曲も得意としていて、私も過去に一度だけ実演に接することが出来ました。今のところプログラムが見当たらないので確認できないのですが、ドイツリートも含まれていた記憶があります(「魔王」も歌っていたような気がします)。
私の中でベルガンサといえば次の曲の印象が強いです。
●ヒメネス作曲:サルスエラ『テンプラニカ』~サパテアード
Teresa Berganza Zapateado La Tempranica Giménez
Teresa Berganza(MS), probably Juan Antonio Álvarez Parejo(P)
上の動画とは別の映像ですが、確かTVで来日公演のリサイタルを見た際に、音楽に合わせて手や振りを付けて格好よく決めていた印象があります。
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(2022/5/17追記)上述の動画ありました!
●ヒメネス作曲:サルスエラ『テンプラニカ』~サパテアード(タランチュラ)
Teresa BERGANZA sings "La tarántula é un bicho mu malo"
Teresa Berganza(MS), Juan Antonio Álvarez Parejo(P)
1986年5月31日東京文化会館
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それからリカルド・レケホとのシューマン『女の愛と生涯』とムソルクスキー『子供部屋』のCDは、独露の名作を深みと愛らしさのある歌で魅了してくれました。どちらもベルガンサの母性を感じさせてくれる温かい表現が印象的でした。
●シューマン:『女の愛と生涯』
Teresa Berganza "Frauenliebe und Leben" Schumann
Teresa Berganza(MS), Ricardo Requejo(P)
その後もClavesレーベルなどにスペイン歌曲等を録音していました。
●グリーディ作曲:『6つのカスティーリャの歌』~当ててごらんと言ったって
Guridi: Seis Canciones Castellanas: V. Como Quieres que Adivine
Teresa Berganza(MS), Juan Antonio Álvarez Parejo(P)
録音:1986年10月, Church of Seon, Switzerland
彼女の強靭で濃厚な美声で聴くグラナドスの歌曲は最高です。
●グラナドス:『トナディーリャス』~悲しみにくれるマハⅠ
Teresa Berganza La maja dolorosa I Granados
Teresa Berganza(MS), probably Juan Antonio Álvarez Parejo(P)
以前インタビューで読んだ時ですが、彼女が以前の旦那さんと離婚される際に生死をかけたやりとりがあったというようなことを語っていて(正確な言葉は失念してしまいましたが、大体そんな感じでした)、見た目では分からない気性の強さがあるのだなぁと思ったものでした。
若い頃にはBBCのテレビに出演してジェラルド・ムーアと共演したういういしい映像も残されています。
●ファリャ:『7つのスペイン民謡』~ムーア人の織物、ムルシア地方のセギディーリャ、アストゥリアス地方の歌
De Falla, Siete Canciones Populares Espanolas - Teresa Berganza; Gerald Moore [1]
1. El Paño Moruno; 2. Seguidilla Murciana; 3. Asturiana
Teresa Berganza(MS), Gerald Moore(P)
●ファリャ:『7つのスペイン民謡』~ホタ、子守歌、カンシオン、ポロ
De Falla, Siete Canciones Populares Espanolas - Teresa Berganza; Gerald Moore [2]
4. Jota; 5. Nana; 6. Canción; 7. Polo
Teresa Berganza(MS), Gerald Moore(P)
テレサ・ベルガンサさんのご冥福をお祈りいたします。
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