エリー・アーメリング(Elly Ameling)初出音源!バッハ「我が心は血の海に浮かぶ」BWV199

1969年2月8日録音のエリー・アーメリングのライヴ音源がアップされていました。

バッハ「我が心は血の海に浮かぶ」BWV199です。

この録音日は、アーメリングのちょうど36歳の誕生日です。
共演の指揮者やオーケストラから想像するに、おそらくイタリアでのライヴではないでしょうか。

1969年は他にも彼女のライヴがすでにいくつか商品化されています。
例えば、デームスとのオランダ音楽祭でのモーツァルト歌曲や、ブリテン指揮のマーラー歌曲など。
脂の乗ったみずみずしい美声と知的なアプローチは素晴らしいです!
その歌声にどっぷり浸ってみてください。

Johann Sebastian Bach: Mein Herze schwimmt im Blut - Cantata BWV 199
per soprano, oboe , due violini, viola e basso continuo

Elly Ameling, soprano
Elementi dell'Orchestra Alessandro Scarlatti di Napoli della Rai
diretti da Massimo Pradella
Registrazione dell'8 febbraio 1969

バッハ:カンタータ「我が心は血の海に浮かぶ」BWV199

録音:1969年2月8日(ライヴ)

エリー・アーメリング(S)
RAIナポリ・アレッサンドロ・スカルラッティ管弦楽団
マッシモ・プラデッラ(C)

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エリー・アーメリング(Elly Ameling)の歌うバッハ:カンタータBWV 51

Bach: Kantate BWV 51 "Jauchzet Gott in allen Landen"

Elly Ameling: Sopran
Edward H. Tarr: Trompete
Das Collegium musicum des WDR
Kurt Thomas: Leitung

1.Arie: Jauchzet Gott in allen Landen (0:00)
2.Rezitativ: Wir beten zu dem Tempel an (5:04)
3.Arie: Höchster mache deine Güte ferner alle Tage neu (7:13)
4.Choral+Halleluja: Sei Lob und Preis mit Ehren (11:50)

Bandaufnahme vom Radio

録音年は記載されていませんでしたが、若い頃の録音ではないかと思います。
アーメリングの他の録音ではなかなか聞けないようなかなり高い音も複数回出てきます。
アーメリングは全曲出ずっぱりですので、ファンの方はぜひ楽しんで下さい。

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エリー・アーメリングのバッハ・カンタータ音源(BWV 106, 24, 96, 70)

エリー・アーメリング(Elly Ameling)(S)のこれまで商品化されていなかったバッハのカンタータ音源がアップされていましたので、こちらでシェアさせていただきます。

1960年代の音源2種類と、録音年不詳の音源1種類ですが、後者もおそらくアーメリングの若い頃の録音と思われます。

いずれもアーメリングの歌唱部分は多くないですが、若かりし頃のつやつやした美声と優れた様式感覚を味わえると思います。

●Bach Kantate BWV 106 Gottes Zeit Actus Tragicus, Hans Thamm 1961

Bandaufnahme vom Radio,
Elly Ameling Sopran,
Erika Wien Alt,
Georg Jelden Tenor,
Erich Wenk Bass,
Der Windsbacher Knabenchor,
Auf historischen Instrumenten:
Hans Martin Linde und Günter Höller Blockflöte,
August Wenzinger** und Hannelore Müller Gambe,
Reinhold Johannes Buhl und Johannes Koch Violone,
Leitung: Hans Thamm

1.Sonatina (0:00)
2a.Chor: Gottes Zeit ist die allerbeste Zeit. (2:19)
2b.Arioso Tenor: Ach, Herr, lehre uns bedenken, (4:20)
2c.Arie Bass: Bestelle dein Haus (6:13)
2d.Chor: Es ist der alte Bund: Mensch, du musst sterben (7:36)
 +Sopran:Ja, komm, Herr Jesu, komm!←アーメリングの歌唱
3a.Arie Alt: In deine Hände befehl ich meinen Geist (11:07)
3b.Arioso Bass: Heute wirst du mit mir im Paradies sein.(13:14)
 +Choral Alt: Mit Fried und Freud ich fahr dahin
4.Chor: Glorie, Lob, Ehr und Herrlichkeit (16:40) Amen (17:54)

**August Wenzinger setzte sich auch schon vor dem 2.Weltkrieg für historische Instrumente ein.
Er zeigte mit der Cappella Coloniensis (1954), daß man auch auf historischen Instrumenten ganz normal Musik machen kann......


●Bach Kantate BWV 24 Ein ungefärbt Gemüte, Gerhard Wilhelm

Bandaufnahme vom Radio,
Elly Ameling Sopran,
Maureen Lehane Alt,
Theo Altmeyer Tenor,
Siegmund Nimsgern Bass,
Stuttgarter Hymnuschorknaben,
Collegium musicum des WDR,
Leitung: Gerhard Wilhelm

1.Arie Alt: Ein ungefärbt Gemüte (0:00)
2.Rezitativ Tenor: Die Redlichkeit ist eine von den Gottesgaben (3:31)
3.Chor+Soli: Alles nur was ihr wollt (5:37)←アーメリングの歌唱を含む
4.Rezitativ+Arioso Bass: Die Heuchelei ist eine Brut (8:57)
5.Arie Tenor: Treu und Wahrheit sei der Grund (10:41)
6.Choral: O Gott, du frommer Gott (14:38)

●Bach Kantate BWV 96 Herr Christ, der einge Gottessohn, Kurt Thomas 1965

Bandaufnahme vom Radio,
Elly Ameling Sopran,
Norma Procter Alt,
Peter Witsch Tenor,
Roland Hermann Bass,
Der Tölzer Knabenchor,
Das Collegium musicum des WDR,
Leitung Kurt Thomas, 1965

1.Chor: Herr Christ, der einge Gottessohn, (0:00)
2.Rezitativ Alt: O Wunderkraft der Liebe, (6:04)
3.Arie Tenor: Ach, ziehe die Seele mit Seilen der Liebe, (7:43)
4.Rezitativ Sopran: Ach, führe mich, o Gott, zum rechten Wege, (17:19)←アーメリングの歌唱
5.Arie Bass: Bald zur Rechten, bald zur Linken (18:10)
6.Choral: Ertöt uns durch dein Güte, (21:11)

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(2019.11.3(日)追記)BWV70の録音(1967年)

こちらはSandmanさんに教えていただきました。
アーメリングは正規の録音のレパートリー以外にも幅広くバッハのカンタータを歌っているようですね。
ここでも伸びやかな美声と安定した様式美が堪能できます。

●Bach Kantate BWV 70 Wachet betet, betet wachet, H.Schroeder 1967

Sopran: Elly Ameling, Alt: Maureen Lehane,
Tenor: Theo Altmeyer, Baß: Siegmund Nimsgern,
Madrigalchor der Musikhochschule Köln,
Leitung: Hermann Schroeder 1967,

 1.Chor: Wachet betet,betet wachet (0:00)
 2.Rezitativ Baß: Erschrecket, ihr verstockten Sünder, (4:14)
 3.Arie Alt: Es kommt der Tag, an dem wir ziehen, (5:37)
 4.Rezitativ Tenor: Auch bei dem himmlischen Verlangen (10:10)
 5.Arie Sopran: Laß der Spötter Zungen schmähen (11:03)→アーメリングの歌唱
 6.Rezitativ Tenor: Jedoch bei dem unartigen Geschlechte, (13:55)
 7.Choral: Freu dich sehr, o meine Seele, (14:37) Zweiter Teil
 8.Arie Tenor: Hebt euer Haupt empor (16:04)
 9.Rezitativ Baß: Ach, soll nicht dieser große Tag, (19:41)
10.Arie Baß: Seligster Erquickungstag, (21:46)
11.Choral: Nicht nach Welt, nach Himmel nicht, (24:17)

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アーメリング&アムステルダム・バッハソリステン&ヤン・ヴィレム・ドゥ・フリント/バッハ「結婚カンタータ」BWV 202

エリー・アーメリングの「結婚カンタータ」のおそらくこれまで知られていなかった録音がインターネットで聞けるようになっていました。

 こちら

上記のリンク先の下から2番目の▶印をクリックすると聞けます。
1991年の円熟期の録音のようです。
ファンの皆様も聞いてみて下さい。

Bach: Cantata "Weichet nur, betrübte Schatten(しりぞけ、もの悲しき影: 結婚カンタータ)", BWV 202

Elly Ameling(S)
Amsterdamse Bachsolisten
Jan Willem de Vriend(C)

録音:1991年12月18日, 20:15 uur, Westerkerk, Amsterdam

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椎名雄一郎/J.S.バッハ オルガン全曲演奏会第11回(2014年5月18日 東京芸術劇場コンサートホール)

《椎名雄一郎 J.S.バッハ オルガン全曲演奏会》
第11回「ライプツィヒ・コラール集」
~様々な手法による18のライプツィヒ・コラール集

Shiina_20140518


2014年5月18日(日)14:30 東京芸術劇場コンサートホール
椎名雄一郎(Yuichiro Shiina)(ORG)
石川洋人(Hiroto Ishikawa)(テノール:コラール唱)
淡野太郎(Taro Tanno)(バリトン:コラール唱)

ファンタジア「来たれ、聖霊、主なる神よ」BWV651
「来たれ、聖霊、主なる神よ」BWV652
「バビロンの流れのほとりにて」BWV653
「身を飾れ、おお愛する魂よ」BWV654
トリオ「主イエス・キリストよ、われらに目を向けたまえ」BWV655
「おお、罪のない神の子羊」BWV656
「いざ、もろびと、神に感謝せよ」BWV657
「わたしは神から離れまい」BWV658

〜休憩〜

「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BWV659
「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BWV660
「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BWV661
「いと高きところの神にのみ栄光あれ」BWV662
「いと高きところの神にのみ栄光あれ」BWV663
「いと高きところの神にのみ栄光あれ」BWV664
「イエス・キリスト、われらの救い主は」BWV665
「イエス・キリスト、われらの救い主は」BWV666
「来たれ、創り主にして聖霊なる神よ」BWV667
「われら苦しみの極みにあるとき」BWV668a

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椎名雄一郎のJ.S.バッハ オルガン全曲演奏会の第11回に出かけた。
来年の第12回が最終回とのことで、長く地道な計画を継続されてきたことに敬意を表したい。

以前彼の演奏を聴いたのは今は一般使用されていない御茶ノ水のカザルスホールだった。
あの後、カザルスホールの一般使用を求める活動が有志でされていたと記憶するが、どうなったのだろうか。

まあそれはともかく、椎名氏のバッハ全曲シリーズは池袋の東京芸術劇場に場所を移して継続されている。
普段オーケストラの定期公演に行く習慣のない私は、この東京芸術劇場に来るのもおそらく20年ぶりぐらいである。
前回何のコンサートで来たのかも全く思い出せないほどの無沙汰である。
今住んでいる場所から決して遠いわけではないのだが、来る機会がなく(池袋へはしばしば来るのだが)、今回が本当に久しぶりの訪問となった。

以前は東京芸術劇場のコンサートホールのフロアまで長~いエスカレーターが続いていたと記憶するのだが、現在は改装されて途中に一度踊り場が出来ていた(いまさらだが)。
そういえばこのホールでオルガンを聴いたのもはじめてかもしれない。
確かバロック用と現代用の2種類のオルガンが設置されていたと思うが、今回はもちろんバロックオルガンによる。

今回演奏された「ライプツィヒ・コラール集」は、この為にバッハが新たに作ったのではなく、以前に作ったものからの選集で、椎名氏曰く「バッハの自信作」となっているようだ。
今回はテノールの石川洋人とバリトンの淡野太郎によるユニゾンで、それぞれのオルガン曲に使用された元のコラールが歌われてからオルガンが演奏された。
2人の歌手はオルガン演奏中はオルガンのホール奥の暗い場所に待機して、歌唱の時のみ登場して歌うという形をとっていた。
東京芸術劇場のオルガンはホール2階に設置されていて、椅子は演奏者の足が見えるようになっている為、椎名氏の忙しそうに動くペダルさばきも見ることが出来た。

歌手たちによってア・カペラで素朴で美しいコラールが歌われる時はあたかも時が止まったかのような荘厳な雰囲気がホールを満たし、教会の中にさまよいこんだような錯覚を覚える。
そしてオルガン演奏になると、コンサートホールの適度な残響を伴いながら、バッハの音がクリアに伝わってくるのである。

私は残念ながら各コラールをよく知らない為、バッハが曲の中にどう織り込んだのか判別するのは難しかった。
そのままコラールがむきだしで出てくる曲はあまりなかったように感じたのだが、どうなのだろう。
同じコラールで複数の曲が全く異なる趣で演奏されたりもするので、コラールをテーマにしたバッハの様々な創意工夫といったところなのだろうか。

椎名氏の演奏は安定したテクニックと適切なテンポ感で心地よく聴くことが出来て、心が癒された時間だった。
オリジナルのコラールが歌えるぐらいになれば、バッハがどういうことをしたのかが分かって楽しいかもしれない。

来年の最終回もぜひともうかがって、椎名氏の偉業のひとつの完結を見届けたいと思う。

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小林道夫/チェンバロ演奏会(2011年12月25日 東京文化会館 小ホール)

小林道夫チェンバロ演奏会
~クリスマスをバッハの名曲で静かに過ごす~
2011年12月25日(日)14:00 東京文化会館 小ホール(O列56番)

小林道夫(Michio KOBAYASHI)(harpsichord)

J.S.バッハ/ゴルトベルク変奏曲(Goldberg-Variationen)BWV988
 主題~第15変奏

~休憩~

 第15変奏~主題復帰

~アンコール~
J.S.バッハ/クラヴィーア練習曲第3巻~4つのデュエットより第3曲BWV804

※使用チェンバロ:French double-manual harpsichord after P.Taskin 1769 MOMOSE HARPSICHORD 2009

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1972年から毎年12月に続けているという小林道夫の「ゴルトベルク変奏曲」演奏会。
遅ればせながら今回はじめて聴くことが出来た。
計算すると今回がちょうど40回目という記念すべき回になるはずだが、配布プログラムにそのことが全く触れられていないのがいかにも氏らしい。
文化会館小ホールはほぼ満席で、期待の大きさがうかがえた。
途中で休憩をはさむというのも私にとっては有難く感じた(全部まとめて聴きたいという方もいるだろうが)。

小林さんの演奏は含蓄に富んだ温かみのあるタッチが魅力的である。
長年追究されてきた演奏上の様々な成果が反映されていることはおそらく間違いないが、学究的な堅苦しさが全くなく、聴く者を癒す響きが実に心地よい。
不眠症解消の音楽という伝説は伝説に過ぎないとしても、小林氏の素朴な演奏を聴くとアルファ波が脳内にあふれ出ているだろうなと感じてしまう。
奇をてらわずにまっすぐに作品に向き合った演奏、人によってはもっと刺激を求めるのかもしれないが、私にとってはまさに理想の「ゴルトベルク」演奏であった。

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椎名雄一郎/J.S.バッハ オルガン全曲演奏会 第8回(2010年3月22日 日本大学カザルスホール)

椎名雄一郎

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J.S.バッハ オルガン全曲演奏会
第8回 コラールの世界
2010年3月22日(月・祝) 15:00 日本大学カザルスホール(1階A列7番)

椎名雄一郎(Yuichiro Shiina)(オルガン)
石川洋人(Hiroto Ishikawa)(テノール)

ヨハン・セバスティアン・バッハ(J.S.Bach)作曲

幻想曲と模倣曲 ロ短調 BWV563
コラールパルティータ<ああ、罪人なるわれ、何をすべきか>BWV770
<キリストを、われらさやけく頒め讃えうべし>BWV696
<讃美を受けたまえ、汝イエス・キリスト>BWV697
<主キリスト、神の独り子>BWV698
<いざ来ませ、異邦人の救い主よ>BWV699
<高き天よりわれは来たれり>BWV700、701
前奏曲とフーガ ハ長調 BWV545

~休憩~

幻想曲 ハ長調 BWV570
<神の子は来たりたまえり>BWV703
<全能の神に讃美あれ>BWV704
<いと尊きイエスよ、われらはここに集いて>BWV706
<主イエス・キリストよ、われらを顧みて>BWV709
<われは汝に依り頼む、主よ>BWV712
<イエスよ、我が喜び>BWV713
<マニフィカト>(わが魂は主をあがめ)BWV733
前奏曲とフーガ ヘ短調 BWV534

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椎名雄一郎による「バッハ オルガン全曲演奏会」の第8回を日本大学カザルスホールで聴いてきた。
先日の吉田恵が全曲シリーズ最終回をこのカザルスホールで締めくくったのに対して、椎名雄一郎のシリーズは2014年までかけてじっくり進めていくようだ。
しかし、今月いっぱいで閉館するカザルスホールのオルガンを演奏するのは今回が最後になり、それゆえに「さよならカザルスホール オルガン・コンサート第2弾」という副題が付けられている。

今回は1階最前列という席。
席は大方埋まっていたように思う。
まず、2階のオルガン席に椎名雄一郎とストップ操作の助手(奥様?)があらわれ、第1曲を演奏する。
2階で聴く時と比べ、オルガンの音が上方から直に降ってくるような印象があり、オルガンのシャワーを浴びているような迫力を感じた。
椎名が第1曲を弾き終えると、テノールの石川洋人が登場し、1階ステージの向かって右側に位置した。
石川洋人はコラールに基づく各オルガン作品が演奏される前にオリジナルのコラールを無伴奏で歌った。
つまり前半はBWV770からBWV701まで、後半はBWV703からBWV733まで石川の歌が聞けた。
ただし、後半の2曲<いと尊きイエスよ、われらはここに集いて>BWV706と、<イエスよ、我が喜び>BWV713のみは、無伴奏コラールだけではなく、オルガン演奏の途中からも加わり、オルガン伴奏でコラールを歌う形をとっていた。

石川洋人は古楽の歌唱法によるもので、薄いヴィブラートをかけ、清澄に声を伸ばしていく。
最前列で聞いていると、曲が進むにつれて、彼の声のボリュームが明らかに豊かになっていく様をはっきりと実感できた。
こうしてアカペラで響く歌声を聴くと、まさにホール全体が楽器なのだと実感させられる。
コラールをじっくり聴いていると、その独特の節回しによって遠い時代にタイムスリップしたかのようだった。

椎名雄一郎による今回のプログラミングは、コラールに基づく作品を前半と後半の中心に据えてはいるが、それぞれを挟み込む形で最初と最後にオルガンのためのオリジナル作品が演奏された。
コラール作品は小規模なものが多く、愛らしい小品という感じだが、石川氏のオリジナルのコラール唱の後で演奏されると、バッハがコラールをそのまま、あるいは部分的に取り込みながら、いかに巧みな味付けを加味しているかが分かる。
私にとってはプロテスタントの会衆が歌うコラールは馴染みがあるわけではないので、今回、歌とオルガンを一緒に聴くことが出来たのは分かりやすかった。
この夜のコンサートもいずれCD化されるだろうが、ぜひコラール唱も収録してほしいものだ。

椎名の演奏は一貫して弛緩することなく、見事に構築されていて素晴らしかったと思う。
また、コラールによる作品群では、温かい音色が聴いていて気持ち良かった。
効果的なストップ選択も演奏の成功に寄与していることだろう(バッハ自身によって音色が指定されている曲もあるが、殆どは演奏者の決定に任されているのだろう)。

椎名氏の言葉によれば「カザルスホールで一番演奏したかったバッハの作品、それが今回のコラール作品です」とのこと。
このホールのアーレントオルガンにふさわしい作品だということなのだろう。
それが、椎名氏にとって最後のカザルスホールの演奏で実現したのは良かったと思う。

演奏終了後、椎名氏も1階に下りてきて、石川氏と並んで拍手に応じていたが、最後にオルガンの方に手をかざして感謝の念を示していたのが印象的だった。

素晴らしい響きを聞かせてくれたカザルスホールに感謝!

椎名氏のこのシリーズ、次回の演奏は池袋の東京芸術劇場で行われるそうだ。

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吉田 恵/J.S.バッハ オルガン作品全曲演奏会 第12回<最終回>(2010年3月13日 日本大学カザルスホール)

J.S.バッハ オルガン作品全曲演奏会 第12回<最終回>

Yoshida_2010032010年3月13日(土) 19:00 日本大学カザルスホール (全自由席)

吉田 恵(Megumi Yoshida)(オルガン)

J.S.バッハ/《クラヴィーア練習曲集 第3部》

前奏曲 変ホ長調 BWV552/1

キリエ,とこしえの父なる神よ BWV669
キリストよ,世の人すべての慰め BWV670
キリエ,聖霊なる神よ BWV671
キリエ,とこしえの父なる神よ BWV672
キリストよ,世の人すべての慰め BWV673
キリエ,聖霊なる神よ BWV674
いと高きところでは神にのみ栄光あれ BWV675
いと高きところでは神にのみ栄光あれ BWV676
いと高きところでは神にのみ栄光あれ BWV677
これぞ聖なる十戒 BWV678
これぞ聖なる十戒 BWV679
われらみな唯一なる神を信ず BWV680

 ~休憩~

われらみな唯一なる神を信ず BWV681
天にましますわれらの父よ BWV682
天にましますわれらの父よ BWV683
われらの主キリスト,ヨルダンの川に来れり BWV684
われらの主キリスト,ヨルダンの川に来れり BWV685
深き淵より,われ汝に呼ばわる BWV686
深き淵より,われ汝に呼ばわる BWV687
われらの救い主なるイエス・キリストは BWV688
われらの救い主なるイエス・キリストは BWV689

4つのデュエット
 第1曲 ホ短調 BWV802
 第2曲 ヘ長調 BWV803
 第3曲 ト長調 BWV804
 第4曲 イ短調 BWV805

フーガ 変ホ長調 BWV552/2

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2004年12月に開始された吉田恵によるJ.S.バッハ・オルガン作品全曲演奏会も今回でとうとう最終回である。
私は、この大偉業のシリーズ最後の数回分しか聴くことが出来なかったが、こうして最終回に立ち会えたのは聴衆としても感無量である。
今月いっぱいで閉館されるカザルスホールのオルガンがシリーズ最終回に間に合ったことは演奏者にとっても良かったのではないだろうか
(ちなみにこのアーレントオルガンは閉館後も学内利用のために保管されるようでとりあえず一安心である)。

ところで、今回開場時間の18時半ごろに会場に着いたらすでに長蛇の列で、これまでにこのようなことが無かっただけに驚いた。
ホールに別れを惜しむ人たちが大挙して押し寄せたというところだろうか。
ホール内もほぼ満席で、常にこのぐらいの集客が望めれば閉館ということにもならなかったのかもしれないが、そういうことを言ってみたところでもはや事態が変わるわけでもない。

今回は音楽友達のCさんと2階左側の席で聴いたが、アーレントオルガンの多彩な響きを存分に堪能できたのが良かった。
私はこのオルガンの音色から荘厳さ以上に愛らしさ、温かみを感じる。
謹厳なバッハ先生というよりは教会で信者たちに慈しみをもってオルガンを演奏している印象である。

最終回の演目は大規模な《クラヴィーア練習曲集 第3部》全曲である。
最初と最後に規模の大きめな前奏曲とフーガを配し、それらにコラール編曲と4曲のデュエットが挟まれる形をとる。
私の手元にあるヘルムート・ヴァルヒャの往年の録音では大オルガン用と小オルガン用でコラールを分けて配置してあったが、今回の吉田恵の演奏では同じコラールによる複数の編曲は連続して演奏された(BWV番号の順)。
プログラムノートの金澤正剛氏の解説によれば「本来はそのうちの1曲を選んで弾けば良いことになっている」そうだが、今回は全曲演奏という企画でもあり、すべて演奏された。

前半最初の「前奏曲」は、この長大な曲集の冒頭を飾るにふさわしい華やかさがあり、その後に続くコラール群は時にドラマティックに、時に親密にという多面的な表情が楽しめた。
同じコラールによる編曲が並置されると、編曲次第でまるで別の曲のような表情をもつのが興味深く、それらをちょっとした表情を付けながらもあくまで作品の揺ぎ無い構築性を保ちながら快適なテンポで表現し尽くした吉田さんの演奏はとても魅力的だった。
「4つのデュエット」はヴァルヒャの録音ではチェンバロで演奏されていたが、これらがオルガンで弾かれると全然違った印象を受けたのが面白かった。
ヴァルヒャの時はチェンバロの4曲だけが曲集の別格扱いのような印象を受けたが、吉田さんによるオルガン演奏では曲集内でも違和感なくオルガン曲としての魅力を放っていたと思った。
プログラム締め近くに演奏された「われらの救い主なるイエス・キリストは BWV688」は目まぐるしい音の動きが印象的で、吉田さんの演奏も冴えていた。
最後のドラマティックな「フーガ」ではやはり吉田さんのカザルスホール最後の演奏曲ということもあってか、聴いている私にもその表情豊かな意気込みが伝わってきたように感じ、感慨深いものがあった。

また、今回は前半と後半それぞれ途中の数曲で、鍵盤上方のふたを左右に開けて、内部のパイプをより響かせていたが、曲の特質によって開閉を決めていたのだろうか(前回は壮大な「パッサカリアとフーガ」でふたを開けていたのを覚えている)。

演奏が終わり何度かのカーテンコールを経て、吉田さんとストップ操作の女性が1階のホールに下りてきて、オルガンと共に盛大な拍手を受けていた。
この前人未到の企画をやり遂げた吉田恵さんと関係者の方々には心から拍手を贈りたい。
そして、カザルスホールの魅力的なアーレントオルガンにも・・・。

なお、カザルスホールのオルガンに関して読売新聞に記事があったのでリンクしておきます。
 こちら
 
ちなみにこの日はフーゴ・ヴォルフの150回目の誕生日。
それを記念して韓国のバリトン歌手ロッキー・チョンとピアニストの松川儒による「メーリケ歌曲集」のコンサートが津田ホールで企画されたが、17時開演では両方聴くのは無理そうなので今回は涙を飲んだ。

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吉田恵/J.S.バッハ オルガン作品全曲演奏会 第11回(2009年12月5日 日本大学カザルスホール)

J.S.バッハ オルガン作品全曲演奏会 第11回

Yoshida_2009122009年12月5日(土)19:00 日本大学カザルスホール(全自由席)
吉田恵(Megumi Yoshida)(ORG)

J.S.バッハ(1685-1750)

前奏曲とフーガ ニ長調 BWV532

いと尊きイエスよ,われらここに集いて BWV730
イエスよ,わが喜び BWV713
心よりわれこがれ望む BWV727
天にましますわれらの父よ BWV737
神の子は来たりたまえり BWV724
主イエス・キリストよ,われらを顧みて BWV709, 726
甘き喜びに包まれ BWV729
わが確き望みなるイエスは BWV728
いと尊きイエスよ,われらここに集いて BWV731

トリオ ハ短調 BWV585

コーラル・パルティータ《ああ,罪びとなるわれ,何をなすべきか》 BWV770

 ~休憩~

ソナタ 第3番 ニ短調 BWV527

ノイマイスター・コラール集より
 おお,イエスよ,いかに汝の姿は BWV1094
 おお,神の子羊,罪なくして BWV1095
 ただ汝にのみ,主イエス・キリストよ BWV1100
 汝,平和の君,主イエス・キリスト BWV1102
 主よ,われら汝の御言葉のもとに留めたまえ BWV1103
 イエスよ,わが喜び BWV1105
 神はわが救い,助けにして慰め BWV1106
アリア ヘ長調 BWV587
ノイマイスター・コラール集より
 イエスよ,わが命の命 BWV1107
 イエス・キリストが夜に BWV1108
 ああ神よ,憐れみたまえ BWV1109
 おお主なる神よ,汝の聖なる御言葉は BWV1110
 キリストこそわが生命 BWV1112
 わがことを神にゆだね BWV1113
 主イエス・キリスト,汝こよなき宝 BWV1114
 われ,心より汝を愛す,おお主よ BWV1115

パッサカリア ハ短調 BWV582

(アンコール曲1曲)

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冷たい雨が降りしきる土曜日の夜、吉田恵のバッハオルガン作品全曲演奏会の第11回を聴いてきた。
このシリーズも来年の第12回でいよいよ完結である。
カザルスホールのオルガンを聴けるのもあとわずか。
しっかり耳に刻み付けておきたい。

今回も彼女の達者な指使いがよく見えるように2階左側の席をとった。

プログラムは前半後半それぞれのブロックの最初と最後に規模の大きな作品を置き、その中にコラールに基づく小品をさしはさむ形をとっていた。
その結果華やかな雰囲気でスタートし、優しい癒しの響きが中盤を占め、最後にまた重量感のあるドラマティックな作品で締めくくるという変化に富んだ流れが形成されていた。

最初の「前奏曲とフーガ ニ長調」では足鍵盤の高度なテクニックを余裕をもって演奏しており、足の動きを見てみたいところだが、このホールでは足が見えないつくりになっているのが残念。
ノイマイスター・コラール集からの「ただ汝にのみ,主イエス・キリストよ」BWV1100では指の高度なテクニックがたっぷり披露された。

今回は面白い音響効果を聴くことが出来た。
「甘き喜びに包まれ」BWV729では、鈴の音のような響きを曲の間中鳴らしていて、クリスマスをイメージさせた。
「おお主なる神よ,汝の聖なる御言葉は」BWV1110では鳥のさえずりのような音を、助手の女性が特定のストップを押したり引いたりして曲に合わせて響かせていた。
このような響きのストップがあるとは知らなかったので驚いたが、使える曲が限られるだろうから、今回この場に居合わせることが出来て幸運だった。

この日一番のクライマックスはやはり最後の「パッサカリア ハ短調」である。
私もバッハのオルガン曲中、最も好きな作品なので、久しぶりに生で聴けて嬉しかった。
この曲、最初にパッサカリアの主題8小節(アンドレ・レゾンという人の作品からとられている)が提示されて、それが様々に変奏されていく形をとるが、吉田恵はこの曲の演奏前に、鍵盤上方の扉を左右に開けて、中にあったパイプの響きが直接客席に届くようにしていた。
彼女は最初の足鍵盤のみによる主題提示から、すでに大音量で威勢良く始めていたが、私の好みでは、ここは神秘的に抑えて始めて、それから徐々に盛り上げていく方が好きである。
しかし、彼女の並々ならぬ積極性は最後まで貫かれ、かなりドラマティックな演奏となっていた。
後半は同じ主題による「フーガ」となり、多くの演奏では、フーガのはじまる前に和音を弾きのばしていったん区切りをつけてからフーガに進むパターンがよくあるが、彼女は区切らずにすぐにフーガに移行したのが珍しく、新鮮に感じられた。

アンコールはジグザグの下降音形が特徴的な短い曲が1曲演奏された(コラール集の曲だろうか)。

今回彼女の2度目の実演に接して感じたのは、とてもよく回る指で軽快に弾き進めると同時に、感情表現に「ため」を使い、それが効果的に響いていたが、流れが若干停滞して感じられる時もあった。
しかし、抜群のテクニック(手と足の両方)で常に安定した演奏を聴かせてくれたのはやはり素晴らしかった。

前半50分、後半1時間の長大なプログラムだったが、30曲(+アンコール1曲)をいささかの弛緩もなく弾ききった彼女に拍手を贈りたい。
美しい響きの余韻にひたりながら会場を出ると、すでに雨は止んでいた。

Yoshida_200912_chirashi

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バッハ/カンタータ「イエスよ、あなたはわが魂を」BWV78より第2曲アリア・デュエット

バッハ・コレギウム・ジャパンのコンサートで、このソプラノとアルトの二重唱を聴いて以来、頭から離れない。
躍動感のあるオケのリズムと音楽がなんとも印象的で、二重唱も快活に、時に哀愁も漂わせてハモリ、一度で好きになってしまった。

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Jesu, der du meine Seele, BWV78: 2) Wir eilen ...
 カンタータ「イエスよ、あなたはわが魂を」BWV78より第2曲「我らは急ぎます」

Wir eilen mit schwachen, doch emsigen Schritten,
O Jesu, o Meister, zu helfen zu dir.
Du suchest die Kranken und Irrenden treulich.
Ach höre, wie wir
Die Stimmen erheben, um Hülfe zu bitten!
Es sei uns dein gnädiges Antlitz erfreulich!
 我らは急ぎます、弱い足取りながらもせっせと歩を進めて、
 おおイエスよ、おお師よ、助けてもらおうと、あなたの許へ急ぐのです。
 あなたは病める者や迷える者を真摯に求めておられます。
 ああお聞きください、我らが
 助けを求めて、声を張り上げているのを!
 我らにはあなたの憐れみ深きお顔が喜びなのです!

曲:ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach: 1685-1750)

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以下のリンク先で聴くことが出来る。

初音ミク(コンピュータソフトのすごい性能に驚嘆。曲と歌声とのギャップがたまらなくいい。ちゃんとドイツ語で歌わせている)
http://www.youtube.com/watch?v=OsQA08YQGN8

野々下由香里&ダニエル・テイラー&バッハ・コレギウム・ジャパン(安心して聴けます)
http://www.youtube.com/watch?v=75pLbKR3M-U

グルベローヴァ&米良美一のデュエット(意外性のある組み合わせ!)
http://www.youtube.com/watch?v=DkSmf-_lids

*私は初音ミク版にはまってしまい、何度もリピートして聴いています。

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