ゲルハルト・ヒュッシュ&ピエール・パラ/シューマン「ケルナー歌曲集」Op.35
今年が没後40年にあたるゲルハルト・ヒュッシュ(1901-1984)は20世紀前半、ドイツ歌曲演奏が耽美的で自在な響きにあふれていた頃、作品への厳格な姿勢による演奏スタイルでドイツ本国のみならず、日本の音楽ファンから崇められていたバリトン歌手です。ヒュッシュなくして、F=ディースカウのスタイルはなかったのではと思うほど、これまでの演奏家と異なる歌唱は当時の人たちにも新鮮に感じられたことは想像がつきます。
そんなヒュッシュですが、残された歌曲録音のレパートリーは当時の情勢もおそらく関係しているのでしょうがあまり多くなく、キルピネンやプフィッツナー、パウル・グレーナーを除くと比較的王道な作品の録音のみが残されたように感じます。
そんな中、おそらく放送録音でしょうが、シューマンのケルナー歌曲集Op.35全曲の音源がアップされていました。私の記憶ではヒュッシュはこの歌曲集を録音していなかったのではないでしょうか。ピエール・パラというピアニストも私ははじめて聞く名前です。
これは貴重な音源だと思います。アップしてくださった方に感謝です!
少し聞いてみましたが、ヒュッシュらしい清潔な響きで明晰なディクションも美しく、それぞれの歌曲の魅力が素晴らしく引き出されていたように感じました。これからじっくり聞いてみます。
●Gerhard Hüsch sings Kerner Lieder, op. 35 (1958)
チャンネル名:kadoguy(オリジナルのサイトはこちらのリンク先です。音が出ますので注意!)
1958年3月9日放送
ゲルハルト・ヒュッシュ(BR)
ピエール・パラ(P)
シューマン/『ケルナー歌曲集』Op.35
I. 嵐の夜の喜び 0:00
II. 死ぬのだ、愛も喜びも 1:32
III. 旅の歌 6:44
IV. 新緑 9:52
V. 森林地帯への憧れ 11:54
VI. 亡き友の盃に寄せて 13:53
VII. 旅 17:54
VIII. ひそかな愛 19:22
IX. 問い 22:06
X. ひそかな涙 23:20
XI. 誰があなたを傷つけたのか 26:11
XII. 昔の響き 28:30
Gerhard Hüsch, baritone
Pierre Palla, piano
broadcast: March 9, 1958
Schumann: Kerner Lieder, Op. 35
I. "Lust der Sturmnacht" 0:00
II. "Stirb’, Lieb’ und Freud’" 1:32
III. "Wanderlied" 6:44
IV. "Erstes Grün" 9:52
V. "Sehnsucht nach der Waldgegend" 11:54
VI. "Auf das Trinkglas eines verstorbenen Freundes" 13:53
VII. "Wanderung" 17:54
VIII. "Stille Liebe" 19:22
IX. "Frage" 22:06
X. "Stille Tränen" 23:20
XI. "Wer machte dich so krank?" 26:11
XII. "Alte Laute" 28:30
最近のコメント