マーラー(Mahler)/「春の朝(Frühlingsmorgen)」を聴く

Frühlingsmorgen
 春の朝

Es klopft an das Fenster der Lindenbaum.
Mit Zweigen blütenbehangen:
Steh' auf! Steh' auf! Was liegst du im Traum?
Die Sonn' ist aufgegangen!
[Steh' auf! Steh' auf!]
 リンデの木が窓をたたきます、
 花のついた枝で。
 起きて!起きて!あなたは夢の中なのですか?
 太陽がもうのぼっていますよ!
 [起きて!起きて!]

Die Lerche ist wach, die Büsche weh'n!
Die Bienen summen und Käfer!
[Steh' auf! Steh' auf!]
Und dein munteres Lieb' hab ich auch schon geseh'n.
Steh' auf, Langschläfer! Langschläfer[, steh' auf]!
[Steh' auf! Steh' auf!]
 ひばりはもう起きているし、茂みは風になびいていますよ!
 ミツバチも甲虫も羽音を立てていますよ!
 [起きて!起きて!]
 あなたの元気な恋人ももう見かけましたよ。
 起きて、寝坊助さん!寝坊助さん[、起きて]!
 [起きて!起きて!]

※[ ]内はマーラーによる繰り返し

詩:Richard Volkmann (1830-1889), as Richard Leander, no title, appears in Gedichte, in Kleine Lieder, no. 9
曲:Gustav Mahler (1860-1911), "Frühlingsmorgen", 1880-7, published 1892 [voice and piano], Mainz, Schott

---------

マーラーの「春の朝(Frühlingsmorgen)」を聴いてみましょう。

テキストを書いたのは外科医のリヒャルト・フォン・フォルクマンという人で、詩を書く時はリヒャルト・レアンダーと名乗りました。

マーラーの作曲年代ははっきりしていませんが、1883年頃とするのが通説だそうです(『ブルックナー/マーラー事典』(1993年 東京書籍 渡辺裕)より)。

初演は1886年4月18日プラハで行われました(ソースはこちら)。
1892年にマインツのショット社から14曲からなる『リートと歌(Lieder und Gesänge)』の第1集第1曲として出版されました。

春が来て、リンデの木(セイヨウシナノキ、セイヨウボダイジュ)が枝で寝坊助さんの窓をこつこつ叩きます。
「もう日が昇っていますよ。ヒバリもミツバチもカブトムシも起きて音を立てていますよ。あなたの恋人もさっき見かけましたよ」と寝坊助さんに伝えます。

詩人がここで最も伝えたいのは「あなたの恋人はもう起きているのだから、早く恋人にもとに行きなさい」ということではないかと思います。

マーラーの音楽は、春が来たことの輝かしい爆発的な喜びという感じではなく、春の温かさに気持ちよくまどろんでいるような響きで一貫しています。ヒバリの鳴き声やミツバチの羽音をピアノがトリルで描写したり、ワルツのようなリズムを刻んだりもしますが、聴いているうちにだんだん心地よい眠りに誘われるような印象です。
「起きなさい」という枝の音も子守歌になってしまったかのようです。音楽は寝坊助さんの立場で描かれているようにすら思えます。
歌声部に1オクターブの上行音型が数回あらわれていて、マーラーはヨーデルのような効果を出して民謡の趣を与えようとしているのかもしれません(ピアノパートは9度上行がいくつか出てきます)。

"Steh' auf!(起きなさい)"という2音節の言葉は場所によって異なる動きがあてられ、時に同音のままの場合もありますが、4度から5度の下行の箇所が特に印象的で、下行した後の音(auf)が主音より高い音があてられていて、呼びかけている感じをうまくあらわしているように思います。

マーラーが楽譜冒頭に記した"Gemächlich, leicht bewegt"ですが、"Gemächlich"がゆったりと、くつろいでというような意味で、一方"leicht bewegt"が軽やかに動いてというような意味なので、一見矛盾しているようにも思えます。くつろいだ雰囲気のまま重くならないように演奏してほしいというようなニュアンスでしょうか。

6/8拍子
ヘ長調 (F-dur)
Gemächlich, leicht bewegt (くつろいで、軽やかな動きで)

●アン・ソフィー・フォン・オッター(MS), ラルフ・ゴトーニ(P)
Anne Sofie von Otter(MS), Ralf Gothóni(P)

オッターは深みと軽やかさの両面があり、素晴らしい歌唱です。

●アンゲリカ・キルヒシュラーガー(MS), ヘルムート・ドイチュ(P)
Angelika Kirchschlager(MS), Helmut Deutsch(P)

1996年録音。キルヒシュラーガーは明晰なディクションと伸びのある美声で魅了されました。ドイチュのベテランらしい細やかなピアノも良かったです。

●クリスティアン・ゲアハーアー(BR), ゲロルト・フーバー(P)
Christian Gerhaher(BR), Gerold Huber(P)

ゲアハーアーのめりはりのきいたディクションとハイバリトンの美声が素晴らしく、充実した歌唱でした。

●白井光子(MS), ハルトムート・ヘル(P)
Mitsuko Shirai(MS), Hartmut Höll(P)

白井さんの余裕のある歌唱は、お姉さんが年下の子に「いつまで寝ているの」と言っている感じがしました。

●ベルナルダ・フィンク(MS), アントニー・スピリ(P)
Bernarda Fink(MS), Anthony Spiri(P)

2014年録音。アルゼンチン生まれのフィンクはドイツリートも得意としていて、ここでも丁寧で美しい歌唱を聞かせています。

●クリスティアーネ・カルク(S), ブルクハルト・ケーリング(P)
Christiane Karg(S), Burkhard Kehring(P)

清楚で落ち着いた雰囲気のソプラノの歌唱が聞いていて心地よいです。

●ピアノパートのみ(Dan Marginean(P))
G.Mahler - Lieder und Gesänge: 1. Frühlingsmorgen (piano accompaniment)

チャンネル名:Dan Marginean (リンク先に飛ぶと音が出ますのでご注意ください)
マーラーもピアノパートが充実しているのが分かります。この歌曲もピアノパートだけで十分楽しめました。ニュアンスに富んだとても惹きつけられる演奏でした。

---------

(参考)

The LiederNet Archive

The Music of Gustav Mahler: A Catalogue of Manuscript and Printed Sources (Paul Banks)

IMSLP (楽譜のダウンロード)

Richard von Volkmann (Wikipedia)

『ブルックナー/マーラー事典』(1993年初版 東京書籍 歌曲は渡辺裕執筆)

| | | コメント (2)

マーラー:私はこの世からいなくなった (Mahler - Ich bin der Welt abhanden)

ピアニストのTrung Samさんが私がこちらの記事で掲載したマーラー「私はこの世からいなくなった(Ich bin der Welt abhanden)」の日本語訳詞を動画で使いたいとのご連絡をいただき、こうして出来上がった動画をシェアしていただきました。

ソプラノのSabine Ritterbuschさんの自然で凛とした歌声、そして一音一音に気持ちのこもった美しいTrung Samさんの演奏をぜひお聞き下さい。

Trung Samさん、Yukoさん、有難うございました!

Thank you for sharing this wonderful movie, Mr. Trung Sam and Yuko-san!

[covid art film] | 私はこの世からいなくなった - G. Mahler - Ich bin der Welt abhanden | Ritterbusch Sam

„I am lost to the world - Ich bin der Welt abhanden gekommen“
Gustav Mahler | lyrics by Friedrich Rückert

Sabine Ritterbusch soprano - http://sabine-ritterbusch.de​
Trung Sam piano - https://www.trungsam.com​

recorded in 2019, august 6th and 7th in Richard Jacoby Saal of Hannover University of Music, Drama and Media

a JULIUS MEYERHOFF film

sound: Oliver Rogalla zu Heyden
camera: Julius Meyerhoff, Eric Lassahn
editing: Julius Meyerhoff
styling: Gina Hanning
light design: Wilfried Heitmüller

| | | コメント (0)

マーラー「高遠なる知性の賛美(Lob des hohen Verstandes)」を聴く

Lob des hohen Verstandes
 高遠なる知性の賛美

Einstmals in einem tiefen Tal
Kukuk und Nachtigall
Täten ein Wett' anschlagen:
Zu singen um das Meisterstück,
Gewinn' es Kunst, gewinn' es Glück:
Dank soll er davon tragen.
 昔、ある深い谷で
 かっこうとナイチンゲールが
 見事な作品を歌うための
 競技を企てた。 
 芸と幸運を手に入れたら
 感謝してもらおう。

Der Kukuk sprach: "So dir's gefällt,
Hab' ich den Richter wählt",
Und tät gleich den Esel ernennen.
"Denn weil er hat zwei Ohren groß, [Ohren groß, Ohren groß,]
So kann er hören desto bos
Und, was recht ist, kennen!"
 かっこうは言った「きみさえ良ければ
 ぼくが審査員を選んでおいたよ」
 そしてすぐにロバを指名した。
 「だってロバは二つの大きな耳があるから
 悪いところがいっそう聞こえるだろうし、
 正しいことを知っているだろうからね!」

Sie flogen vor den Richter bald.
Wie dem die Sache ward erzählt,
Schuf er, sie sollten singen.
Die Nachtigall sang lieblich aus!
Der Esel sprach: "Du machst mir's kraus! [Du machst mir's kraus! Ija! Ija!]
Ich kann's in Kopf nicht bringen!"
 彼らはすぐに審査員の前まで飛んで行った。
 事の次第を聞かされたロバは
 二羽に歌うように告げた。
 ナイチンゲールは愛らしく歌った。
 ロバは言った「きみの歌はわけが分からんよ![イーヤー!]
 頭の中に入ってこない!」

Der Kukuk drauf fing an geschwind
Sein Sang durch Terz und Quart und Quint.
Dem Esel g'fiels, er sprach nur "Wart! [Wart! Wart!]
Dein Urteil will ich sprechen[, ja sprechen].
 続いてかっこうが急いで歌い始めた、
 三度と四度と五度音程の歌を。
 ロバは気に入り、こう言った「待て!
 判定を言い渡そう。

Wohl sungen hast du, Nachtigall!
Aber Kukuk, singst gut Choral! [gut Choral!]
Und hältst den Takt fein innen! [fein innen!]
Das sprech' ich nach mein' hoh'n Verstand! [hoh'n Verstand! hoh'n Verstand!]
Und kost' es gleich ein ganzes Land,
So laß ich's dich gewinnen! [gewinnen!]"
[Kukuk! Kukuk! Ija!]
 きみもよく歌ったよ、ナイチンゲール!
 だがかっこうよ、きみはコラールを上手に歌ったな!
 拍の中にうまく収まっておったぞ!
 わが高遠なる知性にかけて申す!
 きみの歌はまるごと一国に値する、
 よってきみの勝ちとする!」
 [カッコー!カッコー!イーヤー!]

詩:Achim von Arnim (1781-1831) und Clemens Brentano (1778-1842) aus "Des Knaben Wunderhorn"
曲:Gustav Mahler (1860-1911)

※今回の訳詞を作成するにあたって、かなり迷った箇所もありましたので、あくまで参考程度にご覧ください。
第2節第5行の"bos"は、私の見た範囲ではどの辞書にも載っておらず、"böse(悪い)"のことと想像しました。
おそらくオリジナル詩集の注を見れば何らかのヒントが載っているのかもしれませんが、もし分かりましたら反映したいと思います。

----------

オリジナルのタイトルは"Wettstreit des Kukuks mit der Nachtigal(かっこうとナイチンゲールの競い合い)"

オリジナルのテキストは下記のリンク先をご覧ください。
 こちら

----------

先日の記事で、ロバの登場するヴォルフの歌曲をご紹介しましたが、今回はそのマーラー編です。
マーラーがアルニム&ブレンターノの編纂した「子供の魔法の角笛(Des Knaben Wunderhorn)」の中の詩に手を加えて歌曲集を作りました。
その中の1つが、「高遠なる知性の賛美(Lob des hohen Verstandes)」です。

歌自慢のかっこうとナイチンゲールが、歌を競い合おうということになり、審査員に耳の大きなロバを指名します。
ロバは審査員を引き受けましたが、ナイチンゲールの歌は難しすぎて理解できませんでした。
そこでかっこうに歌ってもらうと、例の「カッコー」という音程の単純な下降がロバの耳には分かりやすく、かっこうを勝者にします。
その理由が「拍の中にうまく収まっておった」からで、ロバにも理解できたということなのでしょう。
ロバは「わが高遠なる知性にかけて(nach mein' hoh'n Verstand)」判定の正しさを主張します。
その歌声は一国まるまるの価値があるとまで言い放ちます。
これらの鳥や動物を通じて、耳に馴染みやすいものを評価し、斬新な響きには聞く耳を持たないという批評家、聴衆たちを皮肉っていることは明白でしょう。

マーラーがこの詩を音楽にする際に、一見コミカルな響きの中に、強烈な音楽業界への皮肉を込めているのがはっきりと感じられます。
ナイチンゲールの歌う場面でマーラーが用いた音楽は、シューベルトのピアノソナタ第18番ト長調D894「幻想」の第4楽章を思い起こさせます。
(参考文献:こちら

歌声に時折トリルを加えたり、ロバの鳴き声を極端に広い音程で表現したり、グロテスクな表情はいたるところに散りばめられています。
この曲にはオーケストラ版とピアノ版の両方がありますが、最初にピアノ版で聞いて想像をふくらませた後に、オーケストラ版を聞くと、より鮮明に動物たちの響きが聞こえてくると思います。

ここでもロバは結局、頭の固い無知な者という位置づけがされていますが、あくまで象徴として使われているだけであって、実際のロバがどうなのかということはまた別問題だと思います。
それぞれの名演を楽しんでください。

かっこう(der Kuckuck)の鳴き声

ナイチンゲール(die Nachtigall)の鳴き声

ロバ(der Esel)の鳴き声

詩の朗読(Susanna Proskura)

Christa Ludwig(MS), Gerald Moore(P)
クリスタ・ルートヴィヒ(MS), ジェラルド・ムーア(P)

1957年録音。ルートヴィヒの語り口の鮮やかなことといったら!雄弁なムーアのピアノと共に表情が見事です。

Anne Sofie von Otter(MS), Ralf Gothoni(P)
アンネ・ソフィー・フォン・オッター(MS), ラルフ・ゴトーニ(P)

1989年録音。彼女のディクションの上手さが見事に生かされています。ゴトーニは「ナイチンゲール」の響きが特に美しかったです。

Thomas Hampson(BR), Geoffrey Parsons(P)
トマス・ハンプソン(BR), ジェフリー・パーソンズ(P)

マーラーを得意とするハンプソンの余裕をもった歌唱とロバのいななきが聴きどころです。パーソンズはいつも同様うまいです。

Elisabeth Schwarzkopf(S), The London Symphony Orchestra, George Szell(C)
エリーザベト・シュヴァルツコプフ(S), ロンドン交響楽団, ジョージ・セル(C)

1968年録音。シュヴァルツコプフのユーモラスな側面を聴くことが出来ます。

Brigitte Fassbaender(MS), Rundfunk-Sinfonieorchester Saarbrücken, Hans Zender(C)
ブリギッテ・ファスベンダー(MS), ザールブリュッケン放送交響楽団, ハンス・ツェンダー(C)

1979年4月録音。ファスベンダーの歌っている姿が見られます。彼女も声色のパレットの豊富な歌手でした。そのパレットを存分に発揮しています。

【参考】シューベルト: ピアノソナタ第18番ト長調D894「幻想」の第4楽章(スヴャトスラフ・リヒテル(Sviatoslav Richter)の1977年の演奏)

0:24-0:26等の音型(その後も何度か出てきます)が、マーラーのこの歌曲のナイチンゲールの響きに取り入れられていると考えられます。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

フィッシャー=ディースカウの1989年来日公演より「さすらう若者の歌」第2曲、第4曲(2018.1.21.放映 NHK Eテレ クラシック音楽館)

本日、2018年1月21日(日)放映のNHK Eテレ「クラシック音楽館」(21:00-23:00)の最後の方に、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウの1989年来日公演から、マーラーの「さすらう若者の歌」の第2曲、第4曲が放映されるそうです。

本編で「巨人」が放送されるので、その関連ということのようです。
懐かしいディースカウの歌唱を楽しみたいと思います。
指揮がN響とゆかりの深いサヴァリッシュなのも嬉しいですね。

情報をお寄せいただいた真子さん、本当に有難うございます!

公式サイトはこちら

1.バイオリン協奏曲 ホ短調 作品64(メンデルスゾーン)
2. 交響曲 第1番 ニ長調「巨人」(マーラー)

バイオリン:樫本大進
管弦楽:ウィーン交響楽団
指 揮:フィリップ・ジョルダン
(2017年12月1日 サントリーホールで収録)

<コンサート・プラス>
~NHK交響楽団 演奏会から~

(曲目)
「さすらう若者の歌」から第2曲、第4曲(マーラー)

バリトン:ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウ
管弦楽:NHK交響楽団
指 揮:ウォルフガング・サヴァリッシュ
(1989年4月28日 サントリーホールで収録)

| | | コメント (4) | トラックバック (0)

アーメリングの歌うマーラー「交響曲第4番」第4楽章の映像!!!

動画サイトにエリー・アーメリングの歌唱シーンが収められた映像がアップされていました。
マーラーの「交響曲第4番」第4楽章の独唱者としてです。
セルジュ・コミッシオーナ指揮RTVE交響楽団で1985年スペインのテアトロ・レアル収録とのことです。

彼女の同曲の録音はスタジオ録音が2種類(ハイティンク指揮とプレヴィン指揮。詳細はSandmanさんのサイトをご覧下さい)、その他に放送局などの録音がいくつか残されていました。
しかし、映像を見るのは私は初めてです。
まさにファン待望のお宝映像です!

Sinfonía nº 4 en Sol Mayor de Gustav Mahler

49分頃から第4楽章が始まります。
アーメリング・ファンの方は49分あたりに目盛りを合わせて、お聞き下さい。
もちろんマーラー・ファンの方は最初からじっくりお聞き下さい。

収録:1985年、Teatro Real

Soprano: Elly Ameling
Orquesta de RTVE
Director: Sergiu Comissiona

若かりし頃の録音のような豊麗さはないかもしれませんが、細やかな言葉さばきは楽しめますし、何しろまだ十分美声を保っています。
歌詞を反映したと思われる微笑みも見られ、歌い方も相変わらずチャーミングです(ファン心理かもしれませんが)。
ぜひご覧下さい!

| | | コメント (6) | トラックバック (0)

アーメリング&クーベリック指揮コンセルトヘボウ/マーラー「交響曲第4番」1963年音源

動画サイトにアーメリングが参加したクーベリック指揮のマーラー「交響曲第4番」のライヴ録音があがっていました。
1963年ということはアーメリングはまだ30歳!
これまでに聴くことの出来た彼女の同曲のどの音源よりも若いです!!
実際聴いてみると、その若々しさと伸びやかな美声は素晴らしいです!
ライヴということもあるのか、かなりたっぷりと思い入れを込めた熱唱を聴かせてくれています。
ファン必聴です!

マーラー「交響曲第4番」

録音:1963年12月13日、Holland Festival (ライヴ)

エリー・アーメリング(Elly Ameling)(S:4楽章)
コンセルトヘボウ管弦楽団
ラファエル・クーベリック(Rafael Kubelik)(C)

ちなみにアーメリングが登場する第4楽章は、46:20~です。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

マーラー「私はこの世からいなくなった」を聴く

Ich bin der Welt abhanden gekommen
 私はこの世からいなくなった

Ich bin der Welt abhanden gekommen,
Mit der ich sonst viele Zeit verdorben,
Sie hat so lange nichts von mir vernommen,
Sie mag wohl glauben, ich sei gestorben.
 私はこの世からいなくなった、
 そこで私はかつて多くの時を堕して過ごしたものだった。
 世間が私の消息を何も聞かなくなってすでに久しく、
 私が死んでしまったのだと信じているのだろう。

Es ist mir auch gar nichts daran gelegen,
Ob sie mich für gestorben hält,
Ich kann auch gar nichts sagen dagegen,
Denn wirklich bin ich gestorben der Welt.
 私には全くどうでもよいことなのだ、
 世間が私を死んだものとみなしているかどうかなどは。
 私もそのことに対して全く何も言うことが出来ないのだ。
 なぜなら本当に私は世間というものからは死んでしまったのだから。

Ich bin gestorben dem Weltgetümmel,
Und ruh' in einem stillen Gebiet.
Ich leb' allein in meinem Himmel,
In meinem Lieben, in meinem Lied.
 私は世の喧騒から死んでしまい、
 ある静かな地域で安らいでいる。
 わが天空の中で一人生きているのだ、
 わが愛の中、わが歌の中で。

詩:Friedrich Rückert (1788 - 1866)
曲:Gustav Mahler (1860 - 1911)

-------------

マーラーがリュッケルトの詩に作曲した歌曲「私はこの世からいなくなった」をアーメリングが歌った録音がアップされていたので(Omniumレーベルから出ている放送録音と思われます)、この機会に他の歌手たちと聴き比べてみようと思います。
ちなみにマーラーはいつも通り、リュッケルトの原詩に手を加えています。
世の中の喧騒を離れた孤高の心境が、マーラーの静かで美しい音楽で語られます。

Elly Ameling(S), Radio Kamerorkest, Ed Spanjaard(C) 1991

演奏活動の最後の時期に差し掛かり、アーメリングの歌の奥行きは増すばかりです。胸にしみ渡ります。

Hermann Prey(BR), Michael Krist(P) Oct. 1972

ここではクリストのピアノ伴奏で歌われます。プライはコントロールを効かせながら、希望の光を灯しているかのように歌っています。

Dietrich Fischer-Dieskau(BR), Berlin Philharmonic, Karl Böhm(C) 1964

ディースカウの声がつやつやしていた頃にあえてこの深みのある作品に挑戦しています。丁寧なディクションが印象的です。

Kathleen Ferrier(A), Wiener Philharmoniker, Bruno Walter(C) 20 May 1952

この夭折した英国のアルト歌手、キャスリーン・フェリアが何故現在までこれほど評価され続けているのかよく分かります。人間味に満ち溢れた声の素晴らしさ!

| | | コメント (15) | トラックバック (0)

クリスティアン・ゲルハーヘル&ゲロルト・フーバー/没後100年記念マーラーを歌う(2011年12月9日 トッパンホール)

〈歌曲(リート)の森〉 ~詩と音楽 Gedichte und Musik~ 第9篇
クリスティアン・ゲルハーヘル(バリトン) 没後100年記念マーラーを歌う
2011年12月9日(金)19:00 トッパンホール(C列6番)

クリスティアン・ゲルハーヘル(Christian Gerhaher)(Baritone)
ゲロルト・フーバー(Gerold Huber)(Piano)

グスタフ・マーラー(Gustav Mahler)

《さすらう若人の歌(Lieder eines fahrenden Gesellen)》
 第1曲 いとしいひとがお嫁に行く日は(Wenn mein Schatz Hochzeit macht)
 第2曲 今朝ぼくは野原を歩んだ(Ging heut morgen übers Feld)
 第3曲 ぼくは燃える剣をもっている(Ich hab'ein glühend Messer)
 第4曲 いとしいあの子のつぶらな瞳が(Die zwei blauen Augen)

《子どもの魔法の角笛》より(Lieder aus «Des Knaben Wunderhorn»)
 この歌をつくったのはだれ?(Wer hat dies Liedlein erdacht?)
 夏の歌い手交替(Ablösung im Sommer)
 みどり深い森をたのしく歩んだ(Ich ging mit Lust durch einen grünen Wald)
 いたずらっ子をしつけるには(Um die schlimme Kinder artig zu machen)
 ラインの伝説(Rheinlegendchen)
 番兵の夜の歌(Der Schildwache Nachtlied)

~休憩(Intermission)~

《子どもの魔法の角笛》より(Lieder aus «Des Knaben Wunderhorn»)
 塔の囚人の歌(Lied des Verfolgten im Turm)
 浮世の暮らし(Das irdische Leben)
 シュトラースブルクの砦(Zu Straßburg auf der Schanz)
 トランペットが美しく鳴りひびくところ(Wo die schönen Trompeten blasen)

《亡き子をしのぶ歌(Kindertotenlieder)》
 第1曲 いま太陽が明るく昇るところだ(Nun will die Sonn' so hell aufgeh'n)
 第2曲 今になってわかる、あの暗い炎がなぜ(Nun seh' ich wohl, warum so dunkle Flammen)
 第3曲 おまえのお母さんが(Wenn dein Mütterlein)
 第4曲 わたしはよく思う、子供たちはちょっと外出しただけだと(Oft denk' ich, sie sind nur ausgegangen)
 第5曲 こんなひどいあらしの日には(In diesem Wetter)

~アンコール~
マーラー/原光(Urlicht)

--------------------

実に濃密で充実した演奏であった。
「さすらう若人の歌」「亡き子をしのぶ歌」といった有名歌曲集を両端に置き、その間に「子どもの魔法の角笛」に因んだ歌曲を配すという選曲は見事なものである。

ゲルハーヘルもフーバーもこれらの作品の多くにひそむ暗部を拡大して表出してみせてくれた。
それにより、たまにあらわれる楽しい曲(「この歌をつくったのはだれ?」等)や皮肉な曲(「いたずらっ子をしつけるには」等)がちょっとした気分転換となり、聴衆に一息つかせる効果があった。

「さすらう若人の歌」での繊細な感情、そして「亡き子をしのぶ歌」での悲壮感が、真実味をもった表現で描かれていて素晴らしかった。
最高のリート解釈者2人の演奏を味わえた喜びを感じた2時間だった。
今後のさらなる活動がますます楽しみである。

| | | コメント (2) | トラックバック (0)

クリスティアン・ゲルハーヘル&ゲロルト・フーバー/“マーラーの二夜”<第2夜>(2011年12月7日 王子ホール)

クリスティアン・ゲルハーヘル“マーラーの二夜”<第2夜>

2011年12月7日(水)19:00 王子ホール(D列1番)

クリスティアン・ゲルハーヘル(Christian Gerhaher)(Baritone)
ゲロルト・フーバー(Gerold Huber)(Piano)

グスタフ・マーラー(Gustav Mahler)

「大地の歌」より 第2楽章 秋に寂しきもの
(From "Das Lied von der Erde" No.2 Die Einsame im Herbst)

「7つの最新歌曲(最後の7つの歌)」
(Sieben Lieder aus letzter Zeit)
 死せる鼓手(Revelge)
 少年鼓手(Der Tamboursg'sell)

 私の歌をのぞき見しないで(Blicke mir nicht in die Lieder)
 私は快い香りを吸いこんだ(Ich atmet' einen linden Duft!)
 真夜中に(Um Mitternacht)
 美しさをあなたが愛するなら(Liebst du um Schönheit)
 私はこの世に捨てられて(Ich bin der Welt abhanden gekommen)

~休憩(Intermission)~

「大地の歌」より 第6楽章 告別
(From "Das Lied von der Erde" No.6 Der Abschied)

--------------------

王子ホールはクリスティアン・ゲルハーヘルとゲロルト・フーバーを迎えて、今年没後100年のマーラー歌曲のみの夕べを2夜企画した。
そのうちの第1夜は9日のトッパンホールでも全く同じ内容で催されるので、私は王子ホールでは第2夜のみを聴いた。

プログラムは「大地の歌」の中から低声用の2曲を両端に置き、その間に「7つの最新歌曲」を挟み込むというもの。
「7つの最新歌曲」とは一般には聞き慣れないタイトルだが、「7つの最後の歌」という従来訳は"letzt"の解釈の違いによるものである。
この作品がマーラーの最後の歌ではないので「最新」という意味でとらえるべきだというのが訳者広瀬大介氏の考えであり、それは妥当な見解だと思う。
ちなみにこの「7つの最新歌曲」、「角笛」歌曲集から「死せる鼓手」「少年鼓手」の2曲にリュッケルトの5つの歌曲をまとめたものである。

久しぶりに聴いたクリスティアン・ゲルハーヘルは進境著しい。
声と音楽性の充実はピークに達している印象を受けた。
彼の限界を知らない朗々たる声には王子ホールが小さすぎる印象すら受ける場面もあった。
この声のボリュームは大きなコンサートホールで聴いたとしても全く問題ないであろう。
しかし、リートは声の豊かさだけではなく、抑制された繊細な表現も必要とされる。
従って、ゲルハーヘルの豊かなダイナミックレンジを小ホールの親密な空間で味わえるというのはとても贅沢であると同時に理に適ったことでもあるのだ。

ゲルハーヘルの歌い方はやはり師匠F=ディースカウの影響が大きく感じられる。
声がテノラールな軽やかさをもち、バリトンにもかかわらず明るく高めの響きが聴かれ、テキストが響きに埋没せずにくっきり明瞭に聞こえてくるのも師匠と共通する点だ。
しかし、ゲルハーヘルの歌唱は師匠よりもより作品に忠実たらんとする。
勢いに任せて音が曖昧になることもない。
そこに彼の美質の一つを見ることが出来るように思える。

ゲロルト・フーバーはピアノの蓋をいっぱいに開け、かなり振幅の大きな演奏。
以前は端正で安定した美しい演奏をしていた印象があったのだが、この日は師匠ハルトムート・ヘルを思わせる大胆さが感じられた。
美しさよりも真実味のある音を徹底的に追究し、それを演奏に反映しているように感じた。
時にその振幅の大きさが大仰に感じられる場面もないではなかったが、概して作品が求める表現として受け入れることが出来た。
また、弾きながら低いうなり声をあげるのも以前には気付かなかったことだ。

マーラーのほの暗く深遠な世界をくまなく表出しようとした2人のドラマティックな演奏に感激した。

アンコールはなし(「告別」の後にふさわしい曲はないということなのだろう)。
なお、この日の前半は冒頭の「秋に寂しきもの」の後に拍手を受けつつも袖に戻らず、そのまま「死せる鼓手」「少年鼓手」を歌ってから袖に戻った。
「7つの最新歌曲」とまとめられてはいても「死せる鼓手」「少年鼓手」とリュッケルト歌曲集の間にはそれだけ大きな表現上の切り替えが必要ということなのではないか。

なお、この日はサイン会に並び、サインをいただいたが、2人とも演奏で疲れているはずだろうに、非常に愛想よく、フーバーにいたっては"Tschüss!"とまで声をかけてくれて、人間的にも魅力を感じた2人であった。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

フォレスター、レーフスの歌う「こどもの不思議な角笛」(キングレコード: VANGUARD: KICC 2051)

マーラー/歌曲集「こどもの不思議な角笛」
キングレコード: VANGUARD: KICC 2051
録音:1958年頃

モーリン・フォレスター(Maureen Forrester)(A)
ハインツ・レーフス(Heinz Rehfuss)(BSBR)
ウィーン交響楽団(Wiener Symphoniker)
フェリックス・プロハスカ(Felix Prohaska)(C)

マーラー(Mahler)/歌曲集「こどもの不思議な角笛(Des Knaben Wunderhorn)」

1.死んだ鼓手(Revelge)(レーフス)
2.浮き世の生活(Das irdische Leben)(フォレスター)
3.高い知性への賛歌(Lob des hohen Verstandes)(レーフス)
4.ラインの伝説(Rheinlegendchen)(フォレスター)
5.番兵の夜の歌(Der Schildwache Nachtlied)(レーフス)
6.だれがこの歌を作ったか(Wer hat dies Liedlein erdacht?)(フォレスター)
7.むだな骨折り(Verlor'ne Müh')(フォレスター)
8.少年鼓手(Der Tamboursg'sell)(レーフス)
9.不幸な時の慰め(Trost im Unglück)(レーフス)
10.トランペットが美しく鳴り響く所(Wo die schönen Trompeten blasen)(フォレスター)
11.魚に説教するパドヴァの聖アントニウス(Des Antonius von Padua Fischpredigt)(フォレスター)
12.塔の中の囚人の歌(Lied des Verfolgten im Turm)(レーフス)
13.原光(Urlicht)(フォレスター)

※上記の演奏者、曲名などの日本語表記はCDでの表記に従った。

--------------------

最近中古屋を見ていたら、偶然にも先日亡くなったカナダのコントラルト歌手フォレスターの歌った「こどもの不思議な角笛」のCDを見つけたので、早速購入して聴いてみた。
この録音、1959年にLPで発売された後しばらくして廃盤になり、その後1990年にCD化されるまで長く日の目を見ることがなかったらしい。
その事実が信じられないほど、歌唱もオケも明晰で味わいもあり素晴らしい演奏であった。

フォレスターの声はいぶし銀の光沢をもった低音で、メロディーラインがくっきりと描かれるので、マーラーの民謡の形を借りた歌がストレートに伝わってくる。
マーラーが意図したのはこういう歌い方ではなかっただろうかと思えるほど飾り気のない実直な歌いぶりがしっくりと作品と合っていた。
とりわけ「トランペットが美しく鳴り響く所」や「原光」のような静謐な作品において彼女はしっとりとした味わいを聴き手に感じさせてくれた。

ハインツ・レーフスといえばフランク・マルタンと共演したマルタンの「イェーダンマンからのモノローグ」が思い出されるが、リート歌手として数々の名演を残しているようだ。
ここでも実にめりはりのきいた発音と耳に心地よいハイバリトンが美しく響いていた。

プロハスカ指揮のウィーン交響楽団は実に色彩感豊かに各曲を彩っていく。
マーラーが各楽器に込めた意味合いをすべて丁寧に掬い上げようとしたかのような意欲が漲っていた。

今年はヴォルフと同年生まれのマーラーの生誕150年。
歌曲のリサイタルでも例年以上に選曲されているようだが、まだ「角笛」を生のオケ版で聴いたことがない。
いつか聴いてみたいものである。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

CD DVD J-Pop LP 【ライラックさんの部屋】 おすすめサイト アイヒェンドルフ アンゲーリカ・キルヒシュラーガー アンティ・シーララ アーウィン・ゲイジ アーリーン・オジェー イアン・ボストリッジ イェルク・デームス イタリア歌曲 イモジェン・クーパー イングリート・ヘブラー ウェブログ・ココログ関連 エディタ・グルベロヴァ エディト・マティス エリック・ヴェルバ エリーザベト・シュヴァルツコプフ エリー・アーメリング エルンスト・ヘフリガー オペラ オルガン オーラフ・ベーア カウンターテナー カール・エンゲル ギュンター・ヴァイセンボルン クラーラ・シューマン クリスタ・ルートヴィヒ クリスティアン・ゲアハーアー クリスティーネ・シェーファー クリストフ・プレガルディアン クリスマス グリンカ グリーグ グレアム・ジョンソン ゲアハルト・オピッツ ゲアハルト・ヒュッシュ ゲロルト・フーバー ゲーテ コルネーリウス コンサート コントラルト歌手 シェック シベリウス シュテファン・ゲンツ シューベルト シューマン ショスタコーヴィチ ショパン ジェシー・ノーマン ジェフリー・パーソンズ ジェラルド・ムーア ジェラール・スゼー ジュリアス・ドレイク ジョン・ワストマン ソプラノ歌手 テノール歌手 テレサ・ベルガンサ ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ ディートリヒ・ヘンシェル トマス・ハンプソン トーマス・E.バウアー ドビュッシー ドルトン・ボールドウィン ナタリー・シュトゥッツマン ノーマン・シェトラー ハイドン ハイネ ハルトムート・ヘル ハンス・ホッター バス歌手 バッハ バリトン歌手 バレエ・ダンス バーバラ・ヘンドリックス バーバラ・ボニー パーセル ピアニスト ピーター・ピアーズ ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル フェリシティ・ロット フランク フランク・マルタン フランス歌曲 フリッツ・ヴンダーリヒ ブラームス ブリテン ブログ プフィッツナー ヘルマン・プライ ヘルムート・ドイチュ ベルク ベートーヴェン ペーター・シュライアー ペーター・レーゼル ボドレール マティアス・ゲルネ マルコム・マーティノー マーク・パドモア マーティン・カッツ マーラー メシアン メゾソプラノ歌手 メンデルスゾーン メーリケ モーツァルト ヤナーチェク ヨーハン・ゼン ルチア・ポップ ルドルフ・ヤンセン ルードルフ・ドゥンケル レナード・ホカンソン レルシュタープ レーナウ レーヴェ ロシア歌曲 ロジャー・ヴィニョールズ ロッテ・レーマン ロバート・ホル ローベルト・フランツ ヴァルター・オルベルツ ヴァーグナー ヴェルディ ヴォルフ ヴォルフガング・ホルツマイア ヴォーン・ウィリアムズ 作曲家 作詞家 内藤明美 北欧歌曲 合唱曲 小林道夫 岡原慎也 岡田博美 平島誠也 指揮者 日記・コラム・つぶやき 映画・テレビ 書籍・雑誌 歌曲投稿サイト「詩と音楽」 演奏家 白井光子 目次 研究者・評論家 藤村実穂子 音楽 R.シュトラウス