【生誕100年】ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau):ザルツブルク音楽祭出演記録(歌曲・声楽曲編⑦):1986年~1992年

F=ディースカウは1986年には2公演に参加しています。1つはフランク・マルタンのオラトリオ『ゴルゴタ』で、私の知る限りF=ディースカウのディスコグラフィーに含まれていないレパートリーです。
その19日後にヘルのピアノでヴォルフの『メーリケ歌曲集』が演奏されています。1961.7.30(ムーア)、1972.8.4(リヒテル)に続いてザルツブルク音楽祭3回目の披露となるプログラムですが、今回「新しい愛」と「火の騎士」の間に「思いみよ、おお心よ(Denk es. o Seele!)」が追加されています。
1987,1988年の2年間は出演がなく、1989年にブレンデルと『冬の旅』を披露しています。
その後1990,1991年の2年間出演がなく、1992年に3夜にわたるリサイタルが催され、歌手としての最後の出演となりました(F=ディースカウは1992年12月31日の演奏会が歌手としての最後の出演だったと1993年になってからアナウンスしました。従って、告別演奏会のようなものはせずに静かに歌手生活にピリオドを打ったことになります)。
第1夜の『美しき水車屋の娘』は、F=ディースカウにとってザルツブルク音楽祭最初で最後の披露でした。キャリアの最後になって、彼はこの歌曲集を世界各地のステージで積極的に歌うようになりました(1992年秋の来日公演でも披露し、CD化もされています)。この甘く切ない物語に老年のディースカウが再び惹かれたきっかけは何だったのか気になるところです。
第2夜はシューマンのハイネ歌曲集、第3夜はヴォルフのゲーテ歌曲集でした。
最終日のヴォルフ『ゲーテ歌曲集』は、1960.7.28のムーアとのプログラムと基本的には同じですが、「似た者同士」「現象」「創造と生与」がカットされ、「花の挨拶」が追加されています。さらに多少の順序の入れ替えもあります。ヴォルフの『ゲーテ歌曲集』を若い頃と同じように歌うのはさすがのディースカウでも大変だったのでしょうか。
こうして歌手活動から引退後、10年あまり経ってから再び、指揮、朗読でザルツブルク音楽祭に復帰することになります。

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1986.8.11(月)19:30 Felsenreitschule

エッダ・モーザー(ソプラノ)
Edda Moser, Sopran
クリスタ・ルートヴィヒ(メッゾソプラノ)
Christa Ludwig, Mezzosopran
ペーター・シュライアー(テノール)
Peter Schreier, Tenor
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バス)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bass
ハリー・ペーテルス(バス)
Harry Peeters, Bass
トーマス・ダニエル・シュレー(オルガン)
Thomas Daniel Schlee, Orgel
アルノルト・シェーンベルク合唱団
Arnold Schoenberg Chor
オーストリア放送合唱団
ORF-Chor
エルヴィン・オルトナー(合唱指導)
Erwin Ortner, Choreinstudierung
オーストリア放送交響楽団(現・ヴィーン放送交響楽団)
ORF-Symphonieorchester
ローター・ツァグロゼク(指揮)
Lothar Zagrosek, Dirigent

フランク・マルタン:オラトリオ「ゴルゴタ」:ソプラノ、アルト、テノール、バリトン、バス、混声合唱、管弦楽とオルガンのための:2部からなる:福音書と聖アウグスチノのテキストによる

1986.8.30(土)19:30 Kleines Festspielhaus

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ハルトムート・ヘル(ピアノ)
Hartmut Höll, Klavier

ヴォルフ:歌曲集『メーリケの詩』より

苦悩から癒えて希望に寄せる
あけがたに
散歩
新しい愛
思いみよ、おお心よ
火の騎士
眠りに寄せて
真夜中に
狩人の歌
こうのとりの使い

春に
旅の途上で
恋人に
ペレグリーナI
ペレグリーナII
さようなら
出会い
狩人
ある結婚式で
いましめ
あばよ

1989.8.20(日)20:30 Großes Festspielhaus

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
アルフレート・ブレンデル(ピアノ)
Alfred Brendel, Klavier

シューベルト:歌曲集『冬の旅』D911
 おやすみ
 風見
 凍った涙
 氷結
 菩提樹
 雪どけの水流
 川の上で
 かえりみ
 鬼火
 休息
 春の夢
 孤独
 郵便馬車
 白い頭
 鴉
 最後の希望
 村にて
 嵐の朝
 幻
 道しるべ
 宿屋
 勇気を!
 幻日
 辻音楽師

1992.8.7(金)20:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ハルトムート・ヘル(ピアノ)
Hartmut Höll, Klavier

歌曲集『美しき水車屋の娘』D795
 さすらい
 どこへ?
 止まれ!
 小川への感謝
 仕事を終えて
 ききたがり屋
 いらだち
 朝の挨拶
 水車屋の花
 涙の雨
 ぼくのもの!
 休み
 緑のリボンで
 狩人
 ねたみと誇り
 好きな色
 いやな色
 しぼんだ花
 水車屋と小川
 小川の子守歌

1992.8.10(月)20:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ハルトムート・ヘル(ピアノ)
Hartmut Höll, Klavier

シューマン:ハイネの詩による歌曲集

ぼくの馬車はゆっくりと行く Op.142/4
ぼくの愛はかがやきわたる Op.127/3
海辺の夕暮れ Op.45/3

シューマン:歌曲集『リーダークライス』Op.24 (全9曲)
 朝起きると胸に尋ねる
 気ばかりあせって
 ぼくは樹々の下をただ一人
 かわいい恋人よ、手をぼくの胸に
 ぼくの苦しみの美しい揺り籠よ
 待ってくれ、待ってくれ、威勢のいい舟乗りよ
 山々とその上に立つ城が
 はじめはほとんど絶望するところだった
 ミルテと薔薇で

シューマン:歌曲集『詩人の恋』Op. 48 (全16曲)
 美しい五月に
 わたしの涙から
 ばらに、ゆりに、はとに
 あなたのひとみを見つめる時
 わたしの心をゆりのうてなに
 神聖なラインの流れに
 わたしは嘆くまい
 花が知ったなら
 鳴るのはフルートとヴァイオリン
 恋人の歌を聞く時
 若者はおとめを愛し
 明るい夏の朝
 夢の中で私は泣いた
 夜ごとの夢に
 昔話の中から
 いまわしい思い出の歌

1992.8.15(土)20:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ハルトムート・ヘル(ピアノ)
Hartmut Höll, Klavier

ヴォルフ:歌曲集『ゲーテの詩』より
 竪琴弾きI
 竪琴弾きII
 竪琴弾きIII
 一年中春
 ガニュメデス
 花の挨拶
 新しいアマディス
 羊飼い
 ねずみ捕り
 旅人の夜の歌
 人間の限界
 アナクレオンの墓
 プロメテウス
 天才の行為
 コフタの歌I
 コフタの歌II

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(参考)

Archiv: Salzburger Festspiele (上の方のメニューの右側にある「ERWEITERTE SUCHE」をクリックして「Künstler·in」欄に「Dieskau」と入力するとすぐ下に「Dietrich Fischer-Dieskau」という候補が表示されるのでそれをクリック。続いて「SUCHEN」をクリックすると、フィッシャー=ディースカウのザルツブルク音楽祭出演歴が表示されます)

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【生誕100年】ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau):ザルツブルク音楽祭出演記録(歌曲・声楽曲編⑥):1982年~1985年

1980~81年のザルツブルク音楽祭不在の後、82年にブレンデルを共演者に迎えてシューベルトとシューマンのハイネ歌曲集で音楽祭に復活しました。これは1956年にF=ディースカウがザルツブルクで初リサイタルを行った時と同じプログラム(ムーアのピアノ)となり、26年ぶりに披露したことになります。
1983年に初めてハルトムート・ヘルとザルツブルク音楽祭で共演します。この時のブラームスのプログラムは、1985年にBayerレーベルにほぼそのままスタジオ録音することになります。
ブラームスリサイタルと同じ年にマルタンの『イェーダーマンからの6つのモノローグ』をツェンダーの指揮で披露し、ORFEOレーベルからその音源がリリースされています。
またメロス弦楽四重奏団とはシェックの『ノットゥルノ』を歌っています。
1984年は同じくヘルとの共演で、シューマンの『リーダークライス』Op.39とケルナー歌曲集Op.35を披露しました。このプログラムも1959年にムーアと演奏して以来25年ぶりのザルツブルクでの演奏となります。
同じ年にツァグロゼクの指揮でハルトマンの「《ソドムとゴモラ》による歌の情景」も披露しました。
1985年はシェーンベルクとベルクの歌曲集を、いつものライマンではなく、ヘルのピアノで披露しました。80年代にEMIにスタジオ録音した曲から多く選ばれています。
そして同じ年にハーガーの指揮でライマンの『リア王』からの断片を歌い、さらに再びツァグロゼクの指揮で歌劇『アッシジの聖フランチェスコ』に参加しました。このメシアンの録音はORFEOからリリースされています。

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1982.8.9(月)19:30 Kleines Festspielhaus

エルンスト・コヴァチッチ(ヴァイオリン)*
Ernst Kovacic, Violine*
ユリア・ヴァラディ(ソプラノ)**
Julia Varady, Sopran**
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)**
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton**
オーストリア放送交響楽団
ORF-Symphonieorchester
ローター・ツァグロゼク(指揮)
Lothar Zagrosek, Dirigent

クシシトフ・ペンデレツキ:ヤコブ目覚めしとき神のいますを見しが、そを知らざりき

ハインツ・カール・グルーバー(geb. 1943):ヴァイオリン協奏曲「... aus schatten duft gewebt」*

ツェムリンスキー:抒情交響曲 Op.18:管弦楽とソプラノ、バリトンの声のためのラビンドラナート・タゴールの詩による7つの歌からなる**

1982.8.20(金)19:30 Kleines Festspielhaus

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
アルフレート・ブレンデル(ピアノ)
Alfred Brendel, Klavier

シューベルト:歌曲集『白鳥の歌』D957より
 アトラス D957/8
 彼女の絵姿 D957/9
 漁師の娘 D957/10
 都会 D957/11
 海べで D957/12
 影法師 D957/13

シューマン:歌曲集『詩人の恋』Op. 48(全16曲)
 美しい五月に
 わたしの涙から
 ばらに、ゆりに、はとに
 あなたのひとみを見つめる時
 わたしの心をゆりのうてなに
 神聖なラインの流れに
 わたしは嘆くまい
 花が知ったなら
 鳴るのはフルートとヴァイオリン
 恋人の歌を聞く時
 若者はおとめを愛し
 明るい夏の朝
 夢の中で私は泣いた
 夜ごとの夢に
 昔話の中から
 いまわしい思い出の歌

1983.4.25(月)19:30 Kleines Festspielhaus

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ハルトムート・ヘル(ピアノ)
Hartmut Höll, Klavier

ブラームス:
エオリアン・ハープに寄せて Op.19/5
夜中にはね起きて Op.32/1
もうお前のところには行くまい Op.32/2
私のそばでざわめいていた流れ Op.32/4
吹き飛べ、それほどまでにお前はまた私を Op.32/5
たそがれ Op.49/5
恋人をたずねて Op.48/1
湖上にて Op.59/2
鼓手の歌 Op.69/5
セレナード Op.70/3
夕方の雨 Op.70/4
春の恋はこよなくて! Op.71/1
秘密 Op.71/3
うちかてぬ Op.72/5
テレーゼ Op.86/1
わが思いは君のもとに Op.95/2
花は見ている Op.96/3
航海 Op.96/4
墓地にて Op.105/4
柳の花 Op.107/4

1983.8.9(火)19:30 Kleines Festspielhaus

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)*
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton*
ダヴィッド・ゲリンガス(チェロ)**
David Geringas, Violoncello**
オーストリア放送交響楽団(現・ヴィーン放送交響楽団)
ORF-Symphonieorchester
ハンス・ツェンダー(指揮)
Hans Zender, Dirigent

ブルーノ・マデルナ(1920-1973):小管弦楽のための「宗教的な庭」

エルンスト・クシェネク(1900-1991):チェロ協奏曲第2番 Op.236**

フランク・マルタン(1890-1974):歌曲集『イェーダーマンからの6つのモノローグ』*
 楽しい宴もすべて終り 客は皆
 ああ全く、死神を見るとぞっとしてくる
 誰かが呼んでいたような気がする
 完全に打ち砕かれてしまいたい
 はい!私は信じます、あの方が成就されたことを
 おお永遠なる神よ! おお神々しきみ顔よ

ヴィトルト・ルトスワフスキ(1913-1994):管弦楽のための「ミ・パルティ」

1983.8.22(月)19:30 Stiftung Mozarteum — Großer Saal

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)*
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton*
メロス弦楽四重奏団
Melos-Quartett
 Wilhelm Melcher, Violine
 Gerhard Voss, Violine
 Hermann Voss, Viola
 Peter Buck, Violoncello

ドビュッシー:弦楽四重奏曲 Op.10

シューベルト:弦楽四重奏曲第12番ハ短調 D703『四重奏断章』

オトマル・シェック:『ノットゥルノ』Op.47*
 斜面に草の茂ったあの山をご覧
 夢はひどく荒々しく、ひどく不気味だった
 風が冷たく吹いていた、周囲の大枝の葉を落としながら
 あたりは黙し、色褪せてゆく
 ああ、誰がひとりで飲みたいものか

1984.8.11(土)19:30 Felsenreitschule

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)*
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton*
パウル・ヴォルフルム(バリトン)**
Paul Wolfrum, Bariton**
アルノルト・シェーンベルク合唱団
Arnold Schoenberg Chor
オーストリア放送合唱団
ORF-Chor
エルヴィン・オルトナー(合唱指導)
Erwin Ortner, Choreinstudierung
オーストリア放送交響楽団(現・ヴィーン放送交響楽団)
ORF-Symphonieorchester
ローター・ツァグロゼク(指揮)
Lothar Zagrosek, Dirigent

ベルント・アロイス・ツィンマーマン(1918-1970): オーケストラスケッチ「静寂と反転」

カール・アマデウス・ハルトマン(1905-1963):ジャン・ジロドゥの《ソドムとゴモラ》による歌の情景(バリトンと管弦楽のための)*

パウル・エンゲル(1949-):混声合唱、大管弦楽、バリトン独唱のための交響曲第3番**
 I Trennung
 II Traumbilder
 III Wiedergeburt und Nachklang

1984.8.22(水)20:00 Kleines Festspielhaus

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ハルトムート・ヘル(ピアノ)
Hartmut Höll, Klavier

シューマン:歌曲集『リーダークライス』Op.39 (全12曲)
 異郷にて
 間奏曲
 森の対話
 静けさ
 月の夜
 美しき異郷
 古城にて
 異郷にて
 悲しみ
 たそがれ
 森の中で

シューマン:歌曲集『ユスティヌス・ケルナーの詩』Op.35 (全12曲)
 嵐の夜のよろこび
 愛と喜びよ、消え去れ
 旅の歌
 新緑
 森へのあこがれ
 亡き友の盃に寄せて
 さすらい
 ひそかな愛
 問い
 ひそかな涙
 誰がお前を悩ますのか
 古いリュート

1985.8.8(木)20:00 Kleines Festspielhaus

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ハルトムート・ヘル(ピアノ)
Hartmut Höll, Klavier

アルバン・ベルク:
愛しの美しい女(ひと)(Geliebte Schöne) Op.9/2
影の生(Schattenleben) Op.9/3
眠れぬ夜(Schlummerlose Nächte) Op.11/3
私たちが見ているものは変わる(Es wandelt, was wir schauen) Op.12/2
夜明けどき(Im Morgengrauen) Op.13/2
墓碑銘(Grabschrift) Op.13/3

アルノルト・シェーンベルク:
警告(Warnung) Op.3/3
見捨てられた(Verlassen) Op.6/4
夢見るような人生(Traumleben) Op.6/1
期待(Erwartung) Op.2/1

アルバン・ベルク:
最初の喪失(Erster Verlust) Op.15/2
海辺で(Am Strande)
憧れIII(Sehnsucht III) Op.6/1
遠方の歌(Ferne Lieder) Op.6/3
悲しみ(Traurigkeit)
彼は春の短い開花を嘆く(Er klagt, daß der Frühling so kurz blüht)

『4つの歌(Vier Lieder)』Op.2
 眠る、眠る(Schlafen, schlafen, nichts als schlafen)
 眠っていると(Schlafend trägt man mich in mein Heimatland)
 いま私は一番強い巨人を倒し(Nun ich der Riesen Stärksten überwand)
 風が暖かい(Warm die Lüfte)

1985.8.12(月)19:30 Kleines Festspielhaus

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)*
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton*
オーストリア放送交響楽団(現・ヴィーン放送交響楽団)
ORF-Symphonieorchester
レオポルト・ハーガー(指揮)
Leopold Hager, Dirigent

アルフレート・シュニトケ(1934-1998):夏の夜の夢、ではなくて

アリベルト・ライマン(1936-2024):歌劇『リア王』からの断片(バリトンと管弦楽のための)*
 I. Zwischenspiel - Monolog I - Zwischenspiel
 II. Zwischenspiel - Monolog II - Zwischenspiel
 III. Zwischenspiel - Monolog III

エゴン・ヴェレス(1885-1974):プロスペローの魔法(シェイクスピアの「テンペスト」による5つの交響的小品) Op. 53
 1. Prosperos Beschwörung
 2. Ariel und der Sturm
 3. Ariels Gesang
 4. Caliban
 5. Ferdinand und Miranda Epilog

1985.8.22(木)19:30 Felsenreitschule

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton (Saint François)
ラシェル・ヤカール(ソプラノ)
Rachel Yakar, Sopran (L'Ange)
ケネス・リーゲル(テノール)
Kenneth Riegel, Tenor (Le Lépreux)
ロバート・ティアー(テノール)
Robert Tear, Tenor (Frère Massée)
ジル・カシュマイユ(バスバリトン)
Gilles Cachemaille, Bassbariton (Frère Léon)
セバスチャン・ヴィトゥッチ(バスバリトン)
Sebastian Vittucci, Bassbariton (Frère Bernard)
アルノルト・シェーンベルク合唱団
Arnold Schoenberg Chor
ヴィーン・オーストリア放送合唱団
ORF-Chor Wien
エルヴィン・オルトナー(合唱指導)
Erwin Ortner, Choreinstudierung
オーストリア放送交響楽団(現・ヴィーン放送交響楽団)
ORF-Symphonieorchester
ローター・ツァグロゼク(指揮)
Lothar Zagrosek, Dirigent

オリヴィエ・メシアン(1908-1992):歌劇『アッシジの聖フランチェスコ』

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(参考)

Archiv: Salzburger Festspiele (上の方のメニューの右側にある「ERWEITERTE SUCHE」をクリックして「Künstler·in」欄に「Dieskau」と入力するとすぐ下に「Dietrich Fischer-Dieskau」という候補が表示されるのでそれをクリック。続いて「SUCHEN」をクリックすると、フィッシャー=ディースカウのザルツブルク音楽祭出演歴が表示されます)

amazon (1983 Frank Martin: Orchesterlieder)

amazon (1985 Messiaen)

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ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ (ピアノ:デームス、ヘル、ブレンデル)/シューベルト&R.シュトラウス・ライヴ(1980年,1982年,1984年アムステルダム)

オランダの放送局NPO Radio4が、本日(5月28日)誕生日のディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)のアムステルダム・コンセルトヘバウでのライヴを3種類、期間限定でアップしています。
おそらく数週間で消されてしまうと思いますので、もし興味のある方は早めに聴いてみて下さい。1曲ずつでも再生できるようになっているので、聞きたい曲だけ聞くことも出来ます。
シューベルトの方は1980年のライヴで、2014年にアップされた時にブログの記事にしていますので、その後アップされていなかったとしたら8年ぶりということになります。ピアノはイェルク・デームスです。

●Schubert-recital door Dietrich Fischer-Dieskau

ライヴ録音:1980年12月9日, Concertgebouw Grote Zaal Amsterdam(アムステルダム・コンセルトヘバウ大ホール)

Dietrich Fischer-Dieskau(ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ) (bariton)
Jörg Demus(イェルク・デームス) (piano)

Schubert(シューベルト)作曲

1.Prometheus(プロメテウス) D.674
2.Meeresstille(海の静けさ) D.216
3.An die Leier(竪琴に寄せて) D.737
4.Memnon(メムノン) D.541
5.Freiwilliges Versinken(自ら沈み行く) D.700
6.Der Tod und das Mädchen(死と乙女) D.531
7.Gruppe aus dem Tartarus(タルタロスの群れ) D.583
8.Nachtstück(夜曲) D.672
9.Totengräbers Heimweh(墓掘人の郷愁) D.842

10.Der Wanderer an den Mond(さすらい人が月に寄せて) D.870
11.Abendstern(夕星) D.806
12.Selige Welt(幸福の世界) D.743
13.Auf der Donau(ドナウ川の上で) D.553
14.Über Wildemann(ヴィルデマンの丘を越えて) D.884
15.Wanderers Nachtlied(さすらい人の夜の歌Ⅱ) D.768
16.Des Fischers Liebesglück(漁師の恋の幸福) D.933
17.An die Laute(リュートに寄せて) D.905
18.Der Musensohn(ムーサの息子) D.764

19.Nachtviolen(はなだいこん) D.752
20.Geheimes(秘めごと) D.719
21.An Sylvia(シルヴィアに) D.891
22.Abschied(別れ) D.957 nr.7

次にR.シュトラウスのリサイタルで、こちらも2014年にアップされた時に記事にしていました。ピアノはハルトムート・ヘルです。

●Richard Strauss recital door Dietrich Fischer-Dieskau

ライヴ録音:1982年2月18日, Concertgebouw, Amsterdam(アムステルダム・コンセルトヘバウ)

Dietrich Fischer-Dieskau(ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ) (bariton)
Hartmut Höll(ハルトムート・ヘル) (piano)

Richard Strauss(リヒャルト・シュトラウス)作曲

1 Schlechtes Wetter(悪天候), op.69 nr.5
2 Im Spätboot(夜更けの小舟で), op.56 nr.3
3 Stiller Gang(静かな散歩), op.31 nr.4
4 O wärst du mein(おお君が僕のものならば), op.26 nr.2
5 Ruhe, meine Seele(憩え、わが魂よ), op.27 nr.1 (04:00)
6 Herr Lenz(春さん), op.37 nr.5
7 Wozu noch, Mädchen(少女よ、それが何の役に立つのか), op.19 nr.1
8 Frühlingsgedränge(春の雑踏), op.26 nr.1
9 Heimkehr(帰郷), op.15 nr.5
10 Ach, weh mir unglückhaftem Mann(ああ辛い、不幸な俺), op.21 nr.4

11 Winternacht(冬の夜), op.15 nr.2
12 Gefunden(見つけた), op.56 nr.1
13 Einerlei(同じもの), op.69 nr.3
14 Waldesfahrt(森の走行), op.69 nr.4
15 Himmelsboten(天の使者), op.32 nr.5
16 Junggesellenschwur(若者の誓い), op.49 nr.6
17 "Krämerspiegel(「商人の鑑」)": O lieber Künstler(おお親愛なる芸術家よ), op.66 nr.6
18 "Krämerspiegel": Die Händler und die Macher(商人どもと職人どもは), op.66 nr.11
19 "Krämerspiegel": Hast du ein Tongedicht vollbracht(あなたが交響詩を書き上げたら), op.66 nr.5
20 "Krämerspiegel": Einst kam der Bock als Bote(かつて牝山羊が使者にやって来た), op.66 nr.2

21 Traum durch die Dämmerung(黄昏を通る夢), op.29 nr.1
22 Ständchen(セレナーデ), op.17 nr.2
23 Morgen(明日), op.27 nr.4
24 Zugemessene Rhythmen(整いすぎたリズム), WoO.122

1984年のアルフレート・ブレンデルとの『冬の旅』のライヴは、スタジオ録音やDVDの映像と比較してみるのも興味深いかと思います。

●Legendarisch archief: Winterreise door Dietrich Fischer-Dieskau

ライヴ録音:1984年6月29日, Concertgebouw, Amsterdam(アムステルダム・コンセルトヘバウ)

Dietrich Fischer-Dieskau(ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ) (bariton)
Alfred Brendel(アルフレート・ブレンデル) (piano)

Schubert(シューベルト)作曲

Winterreise(『冬の旅』) D.911 - compleet

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F=ディースカウ&ヘル/ハイネの詩によるシューマン歌曲集

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウとハルトムート・ヘルによるシューマン歌曲のコンサート映像がアップされていたので、こちらで共有したいと思います。
おそらく1980年代半ば頃ではないかと推測されるのですが、とにかくヘルはまだ初々しく、F=ディースカウの歌唱も衰え知らずです。
ハイネの詩による単独の歌曲ではじめ、その後に2大歌曲集「リーダークライス」と「詩人の恋」が歌われます。
F=ディースカウの細やかな表現と同時に表情も楽しめますし、歌手だけでなくピアニストにも焦点をあてた映像はなかなか見ごたえがあります。
ぜひ楽しんで下さい。

Dietrich Fischer Dieskau Schumann Lieder Heine online video cutter com

Recording date: unknown

Dietrich Fischer-Dieskau, baritone
Hartmut Höll, piano

Schumann:

Mein Wagen rollet langsam, Op. 142-4
Es leuchtet meine Liebe, 127-3
Abends am Strand, Op. 45-3

Liederkreis, Op. 24

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DFD Dichterliebe, Op. 48

Recording date: unknown

Dietrich Fischer-Dieskau, baritone
Hartmut Höll, piano

Schumann:

Dichterliebe, Op. 48

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白井光子&ハルトムート・ヘル/プラチナ・シリーズ(2015年3月6日 東京文化会館 小ホール)

Music Weeks in TOKYO 2014
プラチナ・シリーズ 第5回
白井光子&ハルトムート・ヘル ~世界最高峰のリートデュオ~

2015年3月6日(金)19:00 東京文化会館 小ホール

白井光子(Shirai Mitsuko)(メゾソプラノ)
ハルトムート・ヘル(Hartmut Höll)(ピアノ)

ブラームス(Brahms):
たそがれ op.49-5
メロディのように op.105-1
おお、帰り道さえわかれば(郷愁II) op.63-8
野原にひとり op.86-2
家もなく故郷もなく(あるドラマより) op.94-5
夢は去り op.58-7
春の歌 op.85-5

R.シュトラウス(R.Strauss):
森を行く op.69-4
おお、あなたが私のものなら op.26-2
帰郷 op.15-5

~休憩~

R.シュトラウス:
私は漂う op.48-2
冬の愛 op.48-5

リスト(Liszt):
ぼくの歌には毒がある S.289
花とそよ風 S.324
ざわめくのは風 S.294
それは素晴らしいことにちがいない S.314
マルリングの鐘よ S.328
御身、天から来たり S.279
3人のジプシー S.320

~アンコール~

フランツ(Franz)/こよなく美しい五月に(Im wunderschönen Monat Mai)Op.25-5
シューマン(Schumann)/くるみの木(Der Nussbaum)Op.25-3
シマノフスキ(Szymanowski)/窓からのり出して(Lean out of the window)Op.54-2
ブラームス(Brahms)/私は夢に見た(Es träumte mir)Op.57-3
ヴォルフ(Wolf)/ねずみ捕りのおまじない(Mausfallen-Sprüchlein)
ブラームス/ねこやなぎ(Maienkätzchen)Op.107-4

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白井光子とハルトムート・ヘルのデュオを久しぶりに聴いた。
前回聴いたのは日本歌曲だっただろうか。
今回は白井さんが歌いたい曲が選ばれているそうで、ブラームス、シュトラウス、それに珍しいリストの歌曲が選曲された。

舞台に登場した真っ赤なドレスに身を包んだ白井さんはお元気そうに見えた。
ブラームスの7曲は続けて歌われたが、最初ということもあり、声が出きっていない感もあり、音程が上がりきらない箇所もあったものの、今の彼女にふさわしい人生観照の深みが描き出されていて、しっとりと心に染み込んでいくような歌声だった。
白井さんは以前のようにあふれるように声を響かせるというよりは、語るように丁寧に言葉を響かせる。
そして、声の色を変化させながら、誠実に旋律を紡いでいく。
声の質は渋みを増しながら、落ち着いた美しい響きを保っていた。

R.シュトラウスの歌曲は前半の最後に3曲、そして後半のはじめに2曲演奏されたが、休憩によって中断された流れを取り戻す効果があるように感じられ、面白い配置法だと思った。
あまり有名ではない曲が選ばれているのも興味深い。
「森を行く」はシューマンの「ぼくの馬車はゆっくりと進む」と同じハイネのテキストによるものだが、シューマンよりもさらに描写的で、ピアノパートも含めて、演奏者の演じ方を楽しめる作品だった。
「おお、あなたが私のものなら」は悲しみに満ちた作品。
そして比較的知られている「帰郷」は美しい分散和音に乗せて「あなたのもとへと帰る」と歌われる。
この曲は、ブラームスの「おお、帰り道さえわかれば」と共に、回帰が歌われており、今の白井さんの心境を反映しているのかもしれない。
そして休憩後の「私は漂う」はピアノの美しい浮遊感のある演奏に乗って、シュトラウスらしいメロディーが歌われる。
最後の「冬の愛」で盛り上がって締めくくられる。
白井さんはシュトラウスのメロディーラインを生かしながら、ここでも語る要素を失わない歌唱を聴かせていた。

そして、貴重なリスト歌曲7曲が歌われた。
「ぼくの歌には毒がある」は前奏付きのバージョン。
ハイネらしい斜に構えたテキストを激しく歌い演奏する。
「花とそよ風」は繊細な美しい佳品。
「ざわめくのは風」はシューベルトの「秋」と同じレルシュタープのテキストによるが、もちろんシューベルトよりも濃厚だ。
「それは素晴らしいことにちがいない」はよく知られた曲で、他の濃いリスト歌曲の中に置かれるとちょっとした清涼感が味わえる。
「マルリングの鐘よ」はピアノパートに鐘の音を響かせながら美しい歌が静かに歌われる。
「御身、天から来たり」は有名なゲーテのテキストによるもので、リスト自身も複数のバージョンを作っている。
今回はドラマティックな第1バージョンで、同じ詩によるシューベルトの作品とのあまりの違いに驚かされる。
同じ詩で作曲家によってこれほど捕らえ方が異なるものなのかと思わされる。
リストの濃厚で官能的ですらある世界が展開されている。
そして締めの「3人のジプシー」はおそらくリスト歌曲の中で最も演奏される機会の高いもの。
今回は最後の省略可能な箇所を省いて演奏された(この方が迫力のあるまま終わるので、プログラムの最後にはふさわしいだろう)。
白井さんはリスト歌曲のブロックになって、声の伸びが格段によくなり、リスト独自の世界を丁寧に時に豊麗な響きで描いてみせた。
彼女の深みのある明晰なディクションによる歌唱は、リスト歌曲の演奏にはうってつけではないだろうか。
今回のコンサートの中で際立って充実した歌唱を聴かせてくれた。

アンコールは拍手にこたえて6曲。
彼女たちのレパートリーの広さが反映されたもので、いずれも素晴らしかった。
個人的にはヴォルフの「ねずみ捕りのおまじない」での声色を変えた茶目っ気のある歌唱を聴けたのが嬉しい!

ヘルは以前と比べて包容力が増して、白井さんの声を優しく包み込むように演奏していた。
主張すべきところは以前同様前面に出るのだが、概して白井さんの歌のボリュームと色合いに溶け込ませようという意識が感じられて、心地よいピアノだった。
ヘルの演奏の特徴のひとつは、小節線の区切りを意識させない前進のしかたにあると思うが、今回もそれは感じられた。
例えば、ブラームスの「野原にひとり」は荘重にゆったりめなテンポを守りながら演奏されるのが一般的だが、ヘルは早めのテンポで進め、重い額ぶちのようにではなく、歌に寄り添った伸縮自在な演奏を聴かせた。
白井さんとの信頼関係のうえに成り立つ演奏とも言えるだろう。
ヘルもまた円熟の時を迎えていると感じた。

ちなみに今回事前に配布されたプログラムノートには各曲への簡単な解説のみが付いていて、それを頼りに演奏を聴いたのだが、終演後にロビーでようやく全曲の歌詞対訳が配布されたのは、白井さんの「上演中はステージに集中してほしい」という気持ちのあらわれと受け取った。

久しぶりに濃密で充実した歌曲の夕べを堪能して、大満足の一夜だった。
まだまだリートデュオとしての歩みを止めないお二人のさらなるご活躍に大いに期待したいと思う。
そして、それが白井さんと同じ病と闘っておられる方々の大きな励みにもなるのではないだろうか。

ちなみに白井光子さん&ヘルさんからのメッセージは以下のサイトにあります。
 こちら

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ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ&ハルトムート・ヘル/R.シュトラウス・リサイタル(1982年)(オランダRadio4 Concerthuis)

バリトンのディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)がハルトムート・ヘル(Hartmut Höll)のピアノで開いたオール・R.シュトラウス・リサイタルのライヴがオランダのネット配信サイトConcerthuisで期間限定で聴けます。
 こちら

R.シュトラウスだけでF=ディースカウが一晩のリサイタルをもった貴重な記録です。
興味のある方はぜひ聴いてみてください。
詳細は以下の通りです。
個人的には18曲目から21曲目の「商人の鑑(Krämerspiegel)」op.66からの抜粋が聴きものだと思います。

Dietrich Fischer-Dieskau(ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ)(BR)
Hartmut Höll(ハルトムート・ヘル)(P)

録音:1982年2月18日, Concertgebouw, Amsterdam

Richard Strauss(リヒャルト・シュトラウス)作曲

1 Schlechtes Wetter(悪天候), op.69 nr.5 (02:24)
2 Zugemessene Rhythmen(整いすぎたリズム), WoO.122 (02:28)
3 Im Spätboot(夜更けの小舟で), op.56 nr.3 (04:10)
4 Stiller Gang(静かな散歩), op.31 nr.4 (01:41)
5 O wärst du mein(おお君が僕のものならば), op.26 nr.2 (03:31)
6 Ruhe, meine Seele(憩え、わが魂よ), op.27 nr.1 (04:00)
7 Herr Lenz(春さん), op.37 nr.5 (01:08)
8 Wozu noch, Mädchen(少女よ、それが何の役に立つのか), op.19 nr.1 (01:45)
9 Frühlingsgedränge(春の雑踏), op.26 nr.1 (01:49)
10 Heimkehr(帰郷), op.15 nr.5 (02:42)
11 Ach, weh mir unglückhaftem Mann(ああ辛い、不幸な俺), op.21 nr.4 (03:59)

12 Winternacht(冬の夜) op.15 nr.2 (01:50)
13 Gefunden(見つけた), op.56 nr.1 (01:54)
14 Einerlei(同じもの), op.69 nr.3 (02:38)
15 Waldesfahrt(森の走行), op.69 nr.4 (03:23)
16 Himmelsboten(天の使者), op.32 nr.5 (03:03)
17 Junggesellenschwur(若者の誓い), op.49 nr.6 (02:19)
18 "Krämerspiegel(「商人の鑑」)": O lieber Künstler(おお親愛なる芸術家よ), op.66 nr.6 (02:53)
19 "Krämerspiegel": Die Händler und die Macher(商人どもと職人どもは), op.66 nr.11 (01:29)
20 "Krämerspiegel": Hast du ein Tongedicht vollbracht(あなたが交響詩を書き上げたら), op.66 nr.5 (00:56)
21 "Krämerspiegel": Einst kam der Bock als Bote(かつて牝山羊が使者にやって来た), op.66 nr.2 (06:14)

22 Traum durch die Dämmerung(たそがれを通る夢), op.29 nr.1 (05:05)
23 Ständchen(セレナーデ), op.17 nr.2 (04:23)
24 Morgen(明日), op.27 nr.4 (07:17)

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F=ディースカウの1987年来日公演(NHK Eテレ 2012年6月30日)

バリトンのディートリヒ・フィッシャー=ディースカウを追悼して、NHK Eテレで1987年の来日公演からヴォルフのメーリケ歌曲集(11月1日)が放映されます。
2012年6月30日(土)0:00~1:15までとのことで、この記事を書いている時点で残り3時間半後には放送されることになります。

私もこの時はサントリーホールで生で聴き、非常に感銘を受けたのを思い出します。
ディースカウは本当に顔の表情が豊かなのです。
その顔の表情と声の表情がぴったり一致しているのは舞台人として素晴らしいと感じたものでした。
共演のピアニスト、ハルトムート・ヘルも当時まだ若く、ディースカウから多くのものを吸収していた時期と思われます。
ライヴで感動した後にさらにテレビ放映で細かな表情が見れたのを本当に懐かしく思い出します。

曲目などの詳細は以下のリンク先にあります。
ご都合があえばぜひご覧ください。
 こちら

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白井光子&ハルトムート・ヘル/リート・デュオが紡ぐ、日本のこころ(2012年3月18日 東京文化会館 小ホール)

東京・春・音楽祭
-東京のオペラの森2012-
東京春祭 歌曲シリーズvol.7
白井光子 & ハルトムート・ヘル
~リート・デュオが紡ぐ、日本のこころ

2012年3月18日(日)15:00 東京文化会館 小ホール(B列22番)

白井光子(Mitsuko Shirai)(メゾ・ソプラノ)
ハルトムート・ヘル(Hartmut Höll)(ピアノ)

中田喜直(三好達治作詞)/木兎
三善晃(萩原朔太郎作詞)/ほうずき
諸井三郎(三好達治作詞)/少年
平井康三郎(北原白秋作詞)/追分
中田喜直(加藤周一作詞)/さくら横ちょう
中田喜直(山村暮鳥作詞)/たあんき ぽーんき
團伊久麿(北原白秋作詞)/雪女
大中恩(佐藤春夫作詞)/しぐれに寄する抒情
岡山県民謡/山田耕筰編/中国地方の子守歌
團伊久麿(大木実作詞)/花季
平井康三郎(北原白秋作詞)/ちびつぐみ

~休憩~

中田喜直(岸田衿子作詞)/おまつりはどこ
中田喜直(野口雨情作詞)/ねむの木
石桁真礼生(冬木京介作詞)/冬の日
山田耕筰(北原白秋作詞)/曼珠沙華
平井康三郎(北原白秋作詞)/山は雪かよ
服部正(大木惇夫作詞)/野の羊
山田耕筰(北原白秋作詞)/鐘が鳴ります
三善晃(萩原朔太郎作詞)/五月
中田喜直(堀内幸枝作詞)/村祭
中田喜直(小川未明作詞)/烏
別宮貞雄(加藤周一作詞)/さくら横ちょう
山田耕作(北原白秋作詞)/からたちの花

~アンコール~
別宮貞雄(大木惇夫作詞)/蛍
畑中良輔(八木重吉作詞)/秋の空
中田喜直(鎌田忠良作詞)/霧と話した
平井康三郎(北原白秋作詞)/びいでびいで
中田喜直(中井昌子作詞)/おやすみなさい
三善晃(萩原朔太郎作詞)/五月

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白井光子&ハルトムート・ヘルの初の日本歌曲リサイタルに出かけた。
東京・春・音楽祭の一環としての公演である。
この音楽祭、昨年は震災の影響で中止公演が相次いだのだが、こうして今年、予定通りに催されるということがいかに恵まれたことなのか、あらためて思わずにはいられない。
普通の生活が出来ることのありがたみをかみしめつつコンサートを聴いた。

これまでドイツリートの多くの名演を生み出してきたコンビが、全く異なる日本歌曲をどのように聴かせてくれるのか、期待はふくらむばかりだった。
とはいえ、恥ずかしながら、ドイツリートは大好きな私でも、今回選ばれた日本歌曲、知っているのはほんの数曲で、後は初めて聴く作品ばかりである。

今回、中田喜直の作品がアンコールも含めて9曲と多く選ばれている。
私でも知っている「たあんき ぽーんき」や「おやすみなさい」の他、おそらく珍しいと思われる作品も織り交ぜて、選曲はなかなか凝っているのではないか。

それにしても日本歌曲というのは、日本語で歌う西洋歌曲なのだなぁとあらためて思う。
ヘルのような外国人の意見はまた異なるのかもしれないが、日本語のイントネーションに従っていても、ピアノパートの響きを聴くと、リートとなんら変わらないような印象を受ける。
もちろん言葉がストレートに日本人の聴き手に伝わるという点は外国語の歌曲と大きく異なるところだが。

冒頭の中田喜直の「木兎(みみずく)」はドラマチックなバラードである。
中田氏の歌曲はピアノパートが実に雄弁だ。
ヘルが弾いても全く違和感のない、ヨーロッパの響きである。
白井さんの声はほぼ復調したといってよいだろう。
もちろん加齢による変化は多少感じられたが、がっしりと重みの加わった燻し銀の歌唱は今になってようやく聴ける響きだろう。
声もコンサートが進むにつれて張りを増し、徐々にホールいっぱいに響きわたっていった。

中田喜直の「さくら横ちょう」を歌い終えた後、白井さんが「空調が入っているのですか。風が吹いてきます」と聴衆に話しかけ、その後ドイツ語でヘルにも話す。
やはり歌手にとって空調は影響があるのだろう。
しかし、そのまま演奏は続けられた。

楽しみにしていた「たあんき ぽーんき」、白井さんの愛嬌のある歌は素晴らしかったし、ヘルもリズミカルな好演だったが、1回で終わってしまったのは短く感じられた。
2回繰り返す演奏で馴染んでいたのだが、楽譜には繰り返す指示があるのかどうか、いつか調べてみたい。

團伊久麿の「雪女」は前奏からすでにホラー映画のような不気味さである。
曲のもつ描写的な表現力の押しの強さに強いインパクトを受けた。
もちろん演奏が素晴らしかったのは言うまでもない。

大中恩の「しぐれに寄する抒情」、山田耕筰編曲「中国地方の子守歌」と美しい作品が続き、前半最後の「ちびつぐみ」という曲はあっという間に終わってしまう可愛らしい曲だった。

休憩をはさみ、後半は中田喜直の「おまつりはどこ」という作品で始まった。
この曲と、「村祭」という中田の作品は私の記憶だと、どちらも祭囃子がピアノパートで描写されていたように思う(初めて聴いた曲だった)。
ヘルのピアノは実に生き生きと響きを描きだしていた。

山田耕筰の「曼珠沙華」「鐘が鳴ります」のような有名曲での白井さんの歌唱も聴き応えあった。

三善晃の「五月」という曲は、アンコールでも再度歌われたが、詩の内容が暗く、重い(いい曲だったが)。
こういう作品を選曲した白井さんの意図を聞いてみたいところだ。

先日亡くなった別宮貞雄の作曲した「さくら横ちょう」は、前半の中田喜直の作品よりも切ない雰囲気があり、聴き比べは興味深かった。
中田の同曲はより和を感じさせる。

本編の最後を締めくくったのは「からたちの花」。
ピアノパートは歌と合わせるのは難しそうだが、ヘルはぴったり合わせていてさすがである。
そして白井さんもこの名曲をさらりと、しかし思いをこめて歌ってくれた。

アンコールは6曲!
中でも中田喜直の「霧と話した」が強く印象に残った。

西洋の響きを借りて、和のテイストをいかにつくりあげるか、あるいは一切和のテイストを切り捨てるか、日本人作曲家たちのアプローチの仕方が興味深かった。

白井光子さんの歌う日本歌曲は、言葉の響きと抑揚に細心の注意が払われていた。
特に朗誦風の箇所を歌う白井さんの日本語は自然で、これまでのドイツ語の響きとははっきり区別しているのは(当然かもしれないが)すごいと思った。
早口で歌う曲でさえお手のものである。
目をつむりながら各曲の世界にひたっているように歌う彼女は、これまでのドイツリートの時には見られない新鮮な表情を見せていた。
例えば鮫島有美子さんの歌う日本歌曲には穏やかに聴く者を癒してくれるような雰囲気があったが、白井さんの歌は張りつめていた。
癒しというよりも心を揺さぶられるような感じだ。

ヘルはあたかもこれらの歌曲を何年も弾きこんでいるかのように見事に演奏した。
蓋はいつもながら全開だが、声とのバランスは、リートの時以上に緊密で非の打ちどころがない。

サイン会に並んで、シェーンベルク歌曲集のCDブックレット裏の写真を差し出したところ、「これはシュトゥットガルトの公園で撮影したの」と白井さんご自身からおっしゃった。
気さくな方だ。
失礼ながら「お体大丈夫ですか」と伺ったところ、「まだいろいろあるんですよ」とおっしゃる。
見た目には全然分からなくても体の不自由さと付き合いながら演奏活動を続けておられるようで頭が下がる思いだ。

なお、このコンサートは、4月9日、NHK BSプレミアム「クラシック倶楽部」で放映予定とのこと。
インタビューも織り交ぜての放映のようで楽しみです。

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フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1989年(第10回来日)

第10回来日:1989年4~5月

Fdieskau_1989ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)(バリトン)
ユリア・ヴァラディ(Julia Varady)(ソプラノ)
ハルトムート・ヘル(Hartmut Höll)(ピアノ)
NHK交響楽団
ウォルフガング・サヴァリッシュ(Wolfgang Sawallisch)(指揮)

4月28日(金)19:00 サントリーホール:N響マーラー・スペシャル
4月30日(日)19:00 サントリーホール:ゲーテの詩による歌曲の夕べ
5月4日(木)19:00 サントリーホール:ハイネの詩による歌曲の夕べ
5月7日(日)19:00 サントリーホール:ティークの「マゲローネ」によるロマンスの夕べ
5月11日(木)19:00 NHKホール:N響第1083回定期公演
5月12日(金)19:00 NHKホール:N響第1083回定期公演

●N響マーラー・スペシャル 共演:ユリア・ヴァラディ(S) NHK交響楽団;ウォルフガング・サヴァリッシュ(C)

マーラー(Mahler)

1. さすらう若人の歌

2. 交響曲第4番ト長調

●ゲーテの詩による歌曲の夕べ(Liederabend nach Gedichten von J. W. v. Goethe) 共演:ハルトムート・ヘル(P)

シューベルト(Schubert)

1. 竪琴弾きの歌(Gesänge des Harfners)D478
 "寂しさに身を任せる者は"(Wer sich der Einsamkeit ergibt)
 "戸毎に私はそっと歩みよろうと思う"(An die Türen will ich schleichen)
 "涙とともにパンを食べたことのない者は"(Wer nie sein Brot mit Tränen aß)
2. プロメテウス(Prometheus)D674
3. 海の静けさ(Meeres Stille)D216
4. 人間の限界(Grenzen der Menschheit)D716
5. トゥーレの王(Der König in Thule)D367
6. 魔王(Erlkönig)D328

~休憩~

7. いこいなき恋(Rastlose Liebe)D138
8. ねずみ捕り(Der Rattenfänger)D255
9. 野ばら(Heidenröslein)D257
10. 耽溺(Versunken)D715
11. ひめごと(Geheimes)D719
12. 月に寄す(An den Mond)D259
13. 悲しみの喜び(Wonne der Wehmut)D260
14. 馭者クロノスに(An Schwager Kronos)D369
15. 希望(Hoffnung)D295
16. ミューズの子(Der Musensohn)D764

~アンコール~
1. シューベルト/川辺で(Am Flusse)D766
2. シューベルト/月に寄せて(An den Mond)D296
3. シューベルト/湖上で(Auf dem See)D543
4. シューベルト/さすらい人の夜の歌Ⅱ(Wanderers Nachtlied II)D768

●ハイネの詩による歌曲の夕べ(Liederabend nach Gedichten von H. Heine) 共演:ハルトムート・ヘル(P)

シューベルト(Schubert)/歌曲集《白鳥の歌》D957より(Lieder aus <Schwanengesang>)
1. アトラス(Der Atlas)
2. 彼女のおもかげ(Ihr Bild)
3. 漁師の娘(Das Fischermädchen)
4. まち(Die Stadt)
5. 海辺にて(Am Meer)
6. 影法師(Der Doppelgänger)

~休憩~

シューマン(Schumann)/歌曲集《詩人の恋》作品48(Dichterliebe)
1. 美しい五月に
2. ぼくの涙はあふれ出て
3. ばらや,百合や,鳩や,太陽や
4. きみの目に見入れば
5. ぼくの心にひそめてみたい
6. ラインの聖なる流れの
7. わたしは恨むまい
8. 小さな花がわかってくれるなら
9. あれはフルートとヴァイオリンのひびきだ
10. あの歌がまたきこえると
11. ある若ものが娘を愛し
12. 明るい夏の朝に
13. ぼくは夢のなかで泣きぬれた
14. 夜ごとの夢にきみを見る
15. 古い童話の世界から
16. あのいまわしい昔の歌も

●ティークの「マゲローネ」によるロマンスの夕べ(Liederabend der Romanzen aus Tiecks Magelone von J. Brahms) 共演:ハルトムート・ヘル(P)

ブラームス(Brahms)/《ティークの「マゲローネ」によるロマンス》作品33(Romanzen aus L. Tiecks Magelone)
1. 後悔した者などありはしない
2. そうとも!敵には弓矢こそがふさわしい
3. 苦痛だろうか,喜びだろうか?
4. 愛ははるばると遠い国から来ました
5. おん身はこの哀れな者を
6. この喜びを,この歓喜を,ぼくはどうやって支えたらいいのだろう
7. この唇がふるえたのはおん身に対してだったのか
8. ぼくらは別れなければならない
9. いこえ,やさしい恋びとよ
10. [絶望]泡立つ大波よ,とどろけ
11. なんとすばやく消えるのでしょう
12. 別離などというものがなぜあるのだろう?
13. [スリマ]恋びとよ,どこを踏み迷って
14. なんといきいきと楽しげにぼくの心は高揚を覚えることだろう
15. 誠実な愛はいつまでも続き

●N響第1083回定期公演 共演:ユリア・ヴァラディ(S) 東京芸術大学(合唱) NHK交響楽団;ウォルフガング・サヴァリッシュ(C)

ブラームス(Brahms)/ドイツレクイエム 作品45

(上記の歌曲の夕べの日本語表記は、アンコール曲目以外はプログラム冊子の表記に従った)

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前回から2年後の第10回来日公演では、サントリーホールでの歌曲シリーズ全3回と、N響とのマーラー、ブラームスを披露した。
リサイタルでのピアノは、日本公演で3回目の共演となるハルトムート・ヘル。

前回の歌曲リサイタルが作曲家に焦点をあてたものだったのに対して、今回は各回を1人の詩人に統一したシリーズとなった。
しかし、ハイネの詩による第2回がシューベルトとシューマンの2人の作曲家であるのを除くと、ゲーテの日はオール・シューベルト、そしてルートヴィヒ・ティークの日はブラームスの歌曲集で統一されている。
私はゲーテの詩によるシューベルト歌曲の日に実演を聴いたが、ステージ左横の2階席からディースカウの横顔を見る形となった。
前半が重くドラマティックな曲が多いのに対して、後半は気軽に聴けるアンコールピース的な曲が多い。
当時私が書いていたメモによると、休憩時間中にヘルが数人を引き連れて舞台にやってきて、ピアノの位置を客席により近づけたようだ。
「聴衆との親密な心の交流のためには、距離も短くする必要があったのではないか」と、当時の私は感じたらしい。
演奏についても素晴らしかったようで、「魔王」では本当にppのような抑えた声も使って歌い分けていたことに感銘を受けていた。
ヘルは「魔王」を物凄いスピードで破綻なく弾いていたようで(左手をうまく組み込んで工夫していたが)、そのことにも感銘を受けたようだ。

ハイネの夕べとティークの詩によるブラームスの夕べを聴かなかったことが今となっては悔やまれる。

サヴァリッシュ指揮NHK交響楽団との共演では、マーラー「さすらう若人の歌」とブラームス「ドイツレクイエム」を歌った。
今回も共演している夫人のヴァラディは、マーラー交響曲第4番の第4楽章と、ブラームス「ドイツレクイエム」のソプラノソロを歌っている。

それにしてもN響とは毎回のように共演し、初来日以前のパリ万博以来、随分長い信頼関係を築いていたようだ。

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フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1987年(第9回来日)

第9回来日:1987年10~11月

Fdieskau_1987ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)(バリトン)
ハルトムート・ヘル(Hartmut Höll)(ピアノ)

10月22日(月)19:00 サントリーホール:シューベルトの夕べ
10月26日(木)19:00 サントリーホール:シューマンの夕べ
10月29日(土)19:00 サントリーホール:マーラーの夕べ
11月1日(月)19:00 サントリーホール:ヴォルフの夕べ

●シューベルトの夕べ 共演:ハルトムート・ヘル(P)

シューベルト(Schubert)/《冬の旅》D.911(Winterreise)
(お休み/風見の旗/凍った涙/かじかみ/菩提樹/あふれる涙/川の上で/回想/鬼火/憩い/春の夢/孤独/郵便馬車/霜おく髪/からす/最後の希望/村で/嵐の朝/幻覚/道しるべ/宿屋/勇気/幻の太陽/辻音楽師)

●シューマンの夕べ 共演:ハルトムート・ヘル(P)

シューマン(Schumann)/《リーダークライス》作品39(Liederkreis)
(見知らぬ土地で/間奏曲/森のささやき/静けさ/月の夜/美しき異郷/城の上で/見知らぬ土地で/悲哀/たそがれ/森で/春の夜)

~休憩~

シューマン(Schumann)/《12の詩》作品35(12 Gedichte)
(嵐の夜の楽しみ/愛と喜びよ,消え去れ/旅の歌/新緑/森へのあこがれ/亡き友の杯に/さすらい/ひそやかな愛/問い/ひそやかな涙/だれがお前をそんなに悩ますのだ/古いリュート)

~アンコール~
シューマン/君は花のよう 作品25-24(Du bist wie eine Blume)
シューマン/私の恋は輝く 作品127-3(Es leuchtet meine Liebe)
シューマン/はすの花 作品25-7(Die Lotusblume)
シューマン/自由な心 作品25-2(Freisinn)
シューマン/私の馬車はゆっくりと 作品142-4(Mein Wagen rollet langsam)

●マーラーの夕べ 共演:ハルトムート・ヘル(P)

マーラー(Mahler)/詩集《子供の魔法の角笛》より(Songs from "Des Knaben Wunderhorn")

ラインの伝説(Rheinlegendchen)
夏に小鳥はかわり(Ablösung im Sommer)
別離と忌避(Scheiden und Meiden)
少年鼓手(Der Tamboursg'sell)
番兵の夜の歌(Der Schildwache Nachtlied)
この世の生活(Das irdische Leben)
魚に説教するパドヴァのアントニウス(Des Antonius von Padua Fischpredigt)

~休憩~

美しいトランペットが鳴り響く所(Wo die schönen Trompeten blasen)
死んだ鼓手(Revelge)
シュトラスブルクの砦に(Zu Strassburg auf der Schanz)
塔のなかの囚人の歌(Lied des Verfolgten im Turm)
だれがこの歌をつくったのだろう(Wer hat dies Liedlein erdacht?)
いたずらな子をしつけるために(Um schlimme Kinder artig zu machen)
うぬぼれ(Selbstgefühl)

●ヴォルフの夕べ 共演:ハルトムート・ヘル(P)

ヴォルフ(Wolf)/《メーリケ詩集》より(Songs and Poems by Eduard Mörike)

希望の復活(Der Genesene an die Hoffnung)
朝早く(In der Frühe)
散歩(Fussreise)
新しい愛(Neue Liebe)
心よ考えよ(Denk' es, o Seele)
火の騎士(Der Feuerreiter)
眠りに寄す(An den Schlaf)
真夜中に(Um Mitternacht)
狩人の歌(Jägerlied)
こうのとりの使い(Storchenbotschaft)

~休憩~

春に(Im Frühling)
旅路(Auf einer Wanderung)
愛する人に(An die Geliebte)
ペレグリーナ1(Peregrina 1)
ペレグリーナ2(Peregrina 2)
めぐりあい(Begegnung)
狩人(Der Jäger)
ある婚礼にのぞんで(Bei einer Trauung)
いましめに(Zur Warnung)
別れ(Abschied)

~アンコール~
ヴォルフ/古い絵に(Auf ein altes Bild)
ヴォルフ/告白(Selbstgeständnis)
ヴォルフ/隠棲(Verborgenheit)
ヴォルフ/鼓手(Der Tambour)
ヴォルフ/ヴァイラの歌(Gesang Weylas)
ヴォルフ/《イタリア歌曲集》~私はもうこれ以上歌えない(Nicht länger kann ich singen)

(上記の日本語表記は、アンコール曲目以外はプログラム冊子の表記に従った)

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前回から4年後の第9回来日公演では、「サントリーホール1周年記念コンサート」の一環として、シューベルト、シューマン、マーラー、ヴォルフのそれぞれで一夜ずつ4つのプログラムを披露した。
ディースカウにとってはサントリーホール初登場ということになる。
ピアノは前回に続きハルトムート・ヘルが担当した。

私はシューマンとヴォルフの夕べの2夜を会場で聴くことが出来たが、NHKでシューベルトとヴォルフが録画されて放送されたので、マーラー以外は聴けたことになる。
当時私が書いていた感想を見ると、ディースカウはかなり表情の起伏を大きくとって歌っていたようだ。
シューマンの《12の詩》作品35は、当時あまり知られていなかったと思うが、曲のクオリティの高さに感銘を受けたものだった。
ヴォルフの夕べは「これまでに聴いたあらゆる音楽会の中で最も感動的だった」と当時の私はメモに記していた(青臭さの残った感想で、今となると気恥ずかしいが)。
「旅路」などではミスもあったようで、シリーズ最終日ともなると声の状態も若干疲れがあったようだが、それでもディースカウの説得力のある自在な表現力には圧倒されてしまった。
アンコールの最後に「私はもうこれ以上歌えない」が歌われると会場から笑い声が漏れたりして、リート愛好家の反応の良さにも驚かされた。
また、テレビで「冬の旅」を聴いた時、「おやすみ」の前奏でハルトムート・ヘルが和音を区切って、かなり強めに弾き始めたのが印象に残っている。

ドイツ歌曲の重要な流れを体感できる素晴らしいシリーズで、もし当時に戻れたならば4回とも聴いてみたかったものである。
ディースカウならではの来日公演であった。

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