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ヘルマン・プライ&レナード・ホカンソン/シューベルト『白鳥の歌』D957 & 965A デジタル配信開始 (Deutsche Grammophon:1978年シューベルティアーデ・ライヴ)

ヘルマン・プライ(Hermann Prey)&レナード・ホカンソン(Leonard Hokanson)によるシューベルト『白鳥の歌』D957 & 965Aのデジタル配信が2026.2.6に開始されたそうです。
 Deutsche Grammophonの公式サイト

これはかつてDGレーベルからLPレコードの形で発売され(国内盤もリリースされました)、その後、CD時代になって、ジャケットを絵画に変えてヤノヴィッツ&ゲイジのシューベルト歌曲とのカップリングでいっとき海外盤のみCD化されていました。

今回はオリジナルのLPジャケットのまま、あらためて配信されたようです。
DGのサイトでApple music、amazon music、Spotifyなど、著名な配信サイトに飛べるようになっていますが、YouTubeでもこちらのリンク先から全曲無料で聞けます(ただし、YouTube musicの有料会員以外は曲が終わるごとに広告が入ってしまいますが)。

シューベルティアーデの公式サイトで調べたところ、1978年6月21日(水)午後9時開演、ホーエネムス(Hohenems)のパラストホーフ(Palasthof)でプライ&ホカンソンの『白鳥の歌』が催されています。

興味深いことにDGのLPや今回の配信はハスリンガーによるオリジナルの順序で収録されていますが、シューベルティアーデのプログラムを見ると、最初にザイドルの詩による5曲(戸外で、憧れ、さすらい人が月に寄せて、窓辺で、鳩の便り)が演奏され、続いてハイネ歌曲集(アトラス、彼女の姿、漁師の娘、町、海辺で、ドッペルゲンガー)が演奏され、休憩をはさんで「秋」を加えたレルシュタープによる歌曲8曲(秋、愛の使い、兵士の予感、春の憧れ、セレナード、すみか、遠い地で、別れ)が演奏されています。

すでに1964年のムーアとのザルツブルク音楽祭でも「鳩の便り」こそ「ドッペルゲンガー」の後に歌われたものの、最初にハイネ歌曲集を置き、休憩後にレルシュタープ歌曲集を演奏するという順序の解体を行っており(こちらのライヴもORFEOレーベルから発売&配信されています)、プライがオリジナル通りではない順序で『白鳥の歌』を演奏することに何らかのこだわりがあったものと推察されます。

今回のDGの曲順(つまり通常の曲順)は、それぞれの配信サイトで聞いていただけますが、ここでは各曲を当日の曲順に直してシェアしたいと思います。ザイドルの歌曲の中で歌われた「戸外で」「憧れ」「窓辺で」は、私の記憶ではプライのスタジオ録音には含まれていないと思うので、これらもなんらかの形で復活するといいなと思います。この録音、他の時期の録音に比べてあまり知られていないかもしれませんが、あらためて聞いてみると、みずみずしい声の魅力と、声のコントロールによる深みが増していて、決して他の名盤と遜色ない素晴らしい演奏でした。ライヴにもかかわらずスタジオ録音のような繊細で丁寧な歌唱が印象的でした。ホカンソンもプライの解釈に完全に寄り添ったいい演奏でした。

録音:1978年6月21日(水), 午後9時開演, パラストホーフ, ホーエネムス
Recorded: 21 June 1978 Wednesday 09:00 pm, Palasthof, Hohenems

ヘルマン・プライ(バリトン)
レナード・ホカンソン(ピアノ)
Hermann Prey, Baritone
Leonard Hokanson, Piano

ヨハン・ガブリエル・ザイドルの詩による歌曲
Lieder on poems by Johann Gabriel Seidl

戸外で
Im Freien, D 880

憧れ
Sehnsucht, D 879

さすらい人が月に寄せて
Der Wanderer an den Mond, D 870

窓辺で
Am Fenster, D 878

鳩の便り
Die Taubenpost, D 965A

ハインリヒ・ハイネの詩による歌曲
Lieder on poems by Heinrich Heine

アトラス
Der Atlas, D 957/8

彼女の姿
Ihr Bild, D 957/9

漁師の娘
Das Fischermädchen, D 957/10


Die Stadt, D 957/11

海辺で
Am Meer, D 957/12

ドッペルゲンガー
Der Doppelgänger, D 957/13

– 休憩 (Intermission) –

ルートヴィヒ・レルシュタープの詩による歌曲
Lieder on poems by Ludwig Rellstab


Herbst, D 945

愛の使い
Liebesbotschaft, D 957/1

兵士の予感
Kriegers Ahnung, D 957/2

春の憧れ
Frühlingssehnsucht, D 957/3

セレナード
Ständchen, D 957/4

すみか
Aufenthalt, D 957/5

遠い地で
In der Ferne, D 957/6

別れ
Abschied, D 957/7

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コメント

フランツさん、こんばんは。

この音源、取り上げてくださりありがとうございます!
もう30年くらい昔になりますが、このLPを苦労して手にいれました。が、レコードプレーヤーが壊れ、その後買った安価なプレーヤーはあまり良い音がせず、長らく聴けていませんでした。

30年前と言いますと、今みたいにネットで情報を得たり、遠方から取り寄せたりもできない時代で、私は主に、仙台レコードライブラリーさんの通信販売でプライさんのレコードを購入していました。
新しくカタログ賀できる度、それを送って頂き持っていないプライさんのレコードを見つけては電話するのですが、たいてい売り切れた後でした。
と、言いますのも、仙台から郵便でカタログを送ってくださるので、東北や東京と私が住む関西ではタイムラグが出てしまい、他のファンのかたが先にゲットしてしまわれるのです。
こればかりはどうしようもなく、何年かをかけ、三回目位にようやく手にできたレコードでした。
今、それをきれいな音でこうして聴けるなんて夢のようです。
感謝感謝です!!

プライさんは、メロディ優先の歌手のように思われ勝ちですが、実は歌詞や詩人に対するこだわりもかなりおありのようでした。
一人の詩人につけられた曲で構成したリサイタルなんかも、開いたようです。
自伝に、その辺りのことも詳しく書いてありました。

私は、「白鳥の歌」は、プライという歌手の美点を余すところなく表せる曲集のように思っています。
もっとも、他の曲や曲集を聴くと、これもいちばんやな、と思うのですが(笑)

どれにも惹かれますが、「海辺で」における、泣きながら笑っているようなシューベルトらしいこの曲を、彼ほど、「明るいのに、なんでこんなに悲しいんだろう」と、思わせてくれる歌手はいないように思います。(いえ、いると思いますが(^^;。他の歌手のファンの方、すみません、、)
もう、出だしから泣けて来ます。

それから、「遠い国で」。
短調でドラマチックにはじまり、長調に転じ、2回目の、「Lufte ihr sauselncen,」からの、柔らかであまやかな歌い方からの、終曲に向かうドラマチックさは何度聞いても惹き付けられます。

30代からの変わらぬプライさんがここにもいるのですが、年を経るごとの深みが、49歳時のこの演奏にも表れていて、とても魅力を感じます。
繰り返し聞きます!!
フランツさんの、名盤を探すアンテナ、すごいです
(*^^*)(*^^*)

投稿: 真子   | 2026年2月14日 (土曜日) 20時37分

真子さん、こんにちは。

この音源についての思い出を共有して下さり有難うございます!
タイミングがなかなか合わず3度目にようやく入手されたとのこと、
それだけプライの「白鳥の歌」を探していた人が多かったということですね。
真子さんの情熱が3度目にようやく成就したとのこと、ご苦労された分、入手された時の喜びはきっと大きかったことと思います。

カタログを取り寄せての注文というのも、懐かしいです!
真子さんが記載されていた仙台のお店は利用したことがないのですが、
レコ芸などの広告に掲載されている輸入レコードを扱うお店宛てに葉書を出して注文したことがあります。
返事を待つ間のわくわく感など、よき思い出です。

>プライさんは、メロディ優先の歌手のように思われ勝ちですが

本当にそうですよね。プライは影でしっかり準備して、その苦労の跡を歌唱に一切感じさせない凄さがありますね。「自然」に聞こえることがどれだけ凄いことか!

「海辺で」は本当にプライの歌唱がじんわりと染みてきます。
「遠い地で」でのご指摘の箇所(長調に転じてからクライマックスへとなだれ込むところ)は聞きほれてしまいますね。

喜んでいただけて良かったです。じっくり楽しんでお聞きくださいね。

投稿: フランツ | 2026年2月15日 (日曜日) 16時18分

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