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ヴォルフ:追憶(Andenken)

Andenken
 追憶

1:
Ich denke dein,
[Wenn]1 durch den Hain
Der Nachtigallen
Akkorde schallen!
[Wann]2 denkst du mein?
 ぼくは君のことを考える、
 林中を
 さよなきどりの
 和音が響きわたるときに!
 君はいつぼくのことを考えるのだろう?

2:
Ich denke dein
Im Dämmerschein
Der Abendhelle
Am Schattenquelle!
Wo denkst du mein?
 ぼくは君のことを考える、
 夕映えの光で
 薄暗くなった
 日陰の泉のほとりで!
 君はどこでぼくのことを考えるのだろう?

3:
Ich denke dein
Mit süßer Pein,
Mit bangem Sehnen
Und heißen Tränen!
Wie denkst du mein?
 ぼくは君のことを考える、
 甘い痛みを伴って、
 不安なまま憧れを抱いて、
 熱い涙を流しつつ!
 君はどんなふうにぼくのことを考えるのだろう?

4:
[O denke mein,]3
Bis zum Verein
Auf besserm Sterne
In jeder Ferne
Denk ich nur dein!
 おお、ぼくのことを考えておくれ、
 もっと素敵な星で
 一緒になるときまで!
 遠くのどこにいても
 ぼくはただ君のことだけを考えるよ!

1 Matthisson (editions until 1803): "Wann"
2 Matthisson (editions after 1803): "Wenn"
3 Matthisson (Flora 1802): "Ich denke dein"

詩:Friedrich von Matthisson (1761-1831), "Andenken", written 1792-93, first published 1802
曲:Hugo Wolf (1860-1903), "Andenken", 1876

作曲:1877年4月23/25日, Windischgraz

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テオドア・ケルナー(Theodor Körner)の詩による「セレナード(Ständchen)」の後、17歳のヴォルフはフリードリヒ・フォン・マティソン(Friedrich von Matthisson)の詩「追憶(Andenken)」に作曲します。

この詩にはベートーヴェン(Andenken, WoO. 136)やシューベルト(Andenken, D 99)、ヴェーバー(Ich denke dein!, Op. 66-3)も作曲しています。以前同じテキストによるベートーヴェンの歌曲の記事を書いていますので、興味のある方はこちらのリンク先からご覧ください(リンク先でベートーヴェン、シューベルトなどの音源も共有しています)。

ヴォルフによる歌曲は、変形有節形式と考えられます。ピアノの右手は基本的に8分音符の和音を刻み、左手はバス音の中に単音の旋律を歌わせるところもあり、右手と共に歌声部とポリフォニックな関係で進んでいく箇所が印象的です。1連と2連の歌声部は同じメロディで始まりますが、2連は少しずつ変化させていき、"Wo denkst du mein?"の前に休符を入れて、主人公のとまどいを暗示します。2連の締めくくりの"Wo denkst du mein?"のメロディーを第3連の歌声部の冒頭にほぼそのまま持ってきて気持ちの連続性を保持したうえで、徐々に高揚し、"hei-ßen(熱い)"の音価を引き延ばして盛り上がります。最終連の歌声部("O denke mein(おお、ぼくのことを考えておくれ)")は長い音価と動きの少ないメロディーで始まり、主人公が真剣に恋人に心情を吐露しようとしているかのようです。徐々に高揚し、最終行の"nur dein(ただ君のことだけを)"を繰り返して高揚したままピアノ後奏に引き継ぎます。後奏は「情熱的に動いて(leidenschaftlich bewegt)」、「非常に表情豊かに(sehr ausdrucksvoll)」と指示があり、ひとしきり盛り上がった後、最終連最初の歌声部のメロディーを左手に歌わせて(「表情をもって(mit Ausdruck)」)徐々に静まって終わります。

個人的にとても良く出来た作品だと思います。初期の作品にもかかわらず、20世紀初頭から現在にいたるまでいくつかの録音が残されているのもその出来栄えの良さと魅力ゆえではないかと思います。

Helmut Schultz: Nachgelassene Werke, Erste Folge (Lieder mit Klavierbegleitung): Heft 1: Leipzig: Musikwissenschaftlicher Verlag, 1936

1連
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2連
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22_20260111194201 

3連
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4連
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9/8拍子
ホ長調(E-dur)
Etwas bewegt (いくぶん活発に)

●Wolf: Andenken
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(BR), ダニエル・バレンボイム(P)
Dietrich Fischer-Dieskau(BR), Daniel Barenboim(P)

Channel名:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ - トピック(オリジナルのリンク先はこちら)

●[Hugo Wolf:] Andenken
ソールヴェイ・ファリンゲル(S), トマス・シュバック(P)
Solveig Faringer(S), Thomas Schuback(P)

Channel名:Solveig Faringer - トピック(オリジナルのリンク先はこちら)

●[Hugo Wolf:] Andenken
メアリー・ベヴァン(S), ショルト・カイノホ(P)
Mary Bevan(S), Sholto Kynoch(P)

Channel名:メアリー・ビーヴァン - トピック(オリジナルのリンク先はこちら)
ライヴ録音:11 October 2011, Holywell Music Room, Oxford, U.K.

●[Hugo Wolf:] Andenken
ベンヤミン・アップル(BR), ジェイムズ・ベイリュー(P)
Benjamin Appl(BR), James Baillieu(P)

Channel名:Benjamin Appl - トピック(オリジナルのリンク先はこちら)

●[Hugo Wolf:] Andenken
カール・エルプ(T), ブルーノ・ザイドラー=ヴィンクラー(P)
Karl Erb(T), Bruno Seidler-Winkler(P)

Channel名:ブルー・ザイトラー・ヴィンクラー - トピック(オリジナルのリンク先はこちら)

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(参考)

The LiederNet Archive

Hugo Wolf: Hugo Wolf Kritische Gesamtausgabe - Nachgelassene Lieder II (1876-1890)
stretta music
Musikwissenschaftlicher Verlag

IMSLP

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