【生誕100年】ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau):ザルツブルク音楽祭出演記録(歌曲・声楽曲編③):1966年~1970年
1956年から1965年まで毎年催されたF=ディースカウのザルツブルクリサイタルで常にピアニストを務めてきたジェラルド・ムーアが1965年を最後のザルツブルク音楽祭出演と決めた為、翌年からはピアニストを変えて出演しています。
66年、67年がイェルク・デームス、70年がスヴャトスラフ・リヒテルですが、68年、69年はザルツブルク音楽祭への出演が全くなかったようです。
ちなみに70年の『美しきマゲローネのロマンス』のコンサートは、このコンビのEMIへのスタジオ録音(7月24-25日、ミュンヒェン)の数日後に行われたことになります。
また、1967年メータ指揮ヴィーン・フィルの伴奏によるマーラーの『リュッケルトの詩による5つの歌曲』は、F=ディースカウが省略することの多かった「美しさゆえに愛するのなら」も歌っています。彼は女性用のテキストと判断した曲は原則として歌おうとしなかったのですが、妥協することもあったようです(70年代後半にバレンボイムとのピアノ版マーラー歌曲全集の録音でこの曲を歌ったことを聞かれたディースカウは、全集だったので歌ったと答えていました)。
●1966.7.26(火)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
イェルク・デームス(ピアノ)
Jörg Demus, Klavier
シューマン:
献呈 Op.25/1
くるみの木 Op.25/3
私の心は重い(ヘブライの歌より) Op.25/15
歌曲集『リーダークライス』Op. 24
朝起きると胸に尋ねる
気ばかりあせって
ぼくは樹々の下をただ一人
かわいい恋人よ、手をぼくの胸に
ぼくの苦しみの美しい揺り籠よ
待ってくれ、待ってくれ、威勢のいい舟乗りよ
山々とその上に立つ城が
はじめはほとんど絶望するところだった
ミルテと薔薇で
はすの花 Op.25/7
浜辺の夕暮れ Op.45/3
きみの顔 Op.127/2
春の夜に霜が降りて Op.64/3b
ぼくの馬車はゆっくりと行く Op.142/4
ジプシーの歌I Op.79/7a
メランコリー Op.74/6
ヒダルゴ(スペインの伊達男) Op.30/3
おお この娘のなんと愛らしいこと Op.138/3
密輸入者 Op.74/10
●1966.7.28(木)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)*
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton*
ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団
Wiener Philharmoniker
ロリン・マゼール(指揮)
Lorin Maazel, Dirigent
モーツァルト:交響曲イ長調 KV201
モーツァルト:御手に口づけ KV541:バスのためのアリエッタ*
モーツァルト:お前と別れる今、おお娘よ KV513:バスと管弦楽のためのコンサートアリア*
●1967.8.18(金)21:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
イェルク・デームス(ピアノ)
Jörg Demus, Klavier
シューベルト:歌曲集『冬の旅』D911
おやすみ
風見
凍った涙
氷結
菩提樹
雪どけの水流
川の上で
かえりみ
鬼火
休息
春の夢
孤独
郵便馬車
白い頭
鴉
最後の希望
村にて
嵐の朝
幻
道しるべ
宿屋
勇気を!
幻日
辻音楽師
●1967.8.20(日)21:30 Großes Festspielhaus
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団
Wiener Philharmoniker
ズビン・メータ(指揮)
Zubin Mehta, Dirigent
シューベルト:交響曲第3番ニ長調 D200
マーラー:歌曲集『フリードリヒ・リュッケルトの詩による5つの歌曲』
ほのかな香りを
美しさゆえに愛するのなら
私の歌を覗き見しないで
私はこの世に忘れられ
真夜中に
リヒャルト・シュトラウス:英雄の生涯 Op.40, TrV190
●1970.7.30(木)20:00 Stiftung Mozarteum — Großer Saal
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
スヴャトスラフ・リヒテル(ピアノ)
Sviatoslav Richter, Klavier
ブラームス:歌曲集『美しきマゲローネのロマンス』Op.33
後悔する者はない
弓も矢もすでに整い
悩みか喜びか
愛ははるかな国から
あなたは哀れな者を
たえがたい喜び
くちびるの震えはあなたのためか
余儀ない別れ
いこえ、いとしい人よ
あわだつ波よ、響きわたれ
光りも輝きも消えうせて
悲しい別れに
恋人よ、いずこの土地に
わたしの胸は、うれしくいきいきと
まことの愛はとこしえに
[アンコール](※ORFEOのライヴ音源による)
ブラームス:月光 Op.85/2(Mondenschein)
ブラームス:湖上にて Op.59/2(Auf dem See)
ブラームス:私の女王よ Op.32/9(Wie bist du meine Köningen)
●マーラー:歌曲集『フリードリヒ・リュッケルトの詩による5つの歌曲』
Mahler - Rückert-Lieder - Fischer-Dieskau / Vienna / Mehta
20 August 1967, Großes Festspielhaus
Dietrich Fischer-Dieskau, Bariton
Wiener Philharmoniker
Zubin Mehta, Dirigent
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(参考)
Archiv: Salzburger Festspiele (上の方のメニューの右側にある「ERWEITERTE SUCHE」をクリックして「Künstler·in」欄に「Dieskau」と入力するとすぐ下に「Dietrich Fischer-Dieskau」という候補が表示されるのでそれをクリック。続いて「SUCHEN」をクリックすると、フィッシャー=ディースカウのザルツブルク音楽祭出演歴が表示されます)
Discogs (Johannes Brahms: Die schöne Magelone op. 60)
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