エリー・アーメリングの参加したブリテン「春の交響曲」Promsライヴ音源
エリー・アーメリング(Elly Ameling)は、イギリスのプロムスに1968年から1974年まで何度も参加して、歌手とオーケストラのための作品を歌っています。アーカイヴを見るとラモーやモンテヴェルディのオペラなど彼女が商業録音を残していないレパートリーも多く、興味をそそられます。
そんな中、1974年に演奏されたブリテン作曲「春の交響曲」の音源がアップされていましたのでご紹介します。
Britten Spring Symphony - London Philharmonic Orchestra - Bernard Haitink (Royal Albert Hall 1974)
オリジナルのサイト(リンク先をクリックすると音が出ますのでご注意ください)
Recorded: 17 August 1974, Royal Albert Hall, London
Elly Ameling (soprano)
Helen Watts (contralto)
Gerald English (tenor)
Finchley Children's Music Group
London Boy Singers
London Philharmonic Choir
London Philharmonic Orchestra
Bernard Haitink (conductor)
エリー・アーメリング(S)
ヘレン・ワッツCA)
ジェラルド・イングリッシュ(T)
フィンチリー少年音楽グループ
ロンドン・ボーイ・シンガーズ
ロンドン・フィルハーモニック合唱団
ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団
ベルナルト・ハイティンク(C)
奇遇にもアーメリングがプロムスに参加した最初の年(1968年)と最後の年(1974年)にこの作品の演奏に参加していて(どちらもハイティンクの指揮)、この録音は最後の年の演奏です。
彼女の美声と巧みなディクションに惹きつけられますが、コントラルトのワッツも、テノールのイングリッシュも、合唱団も素晴らしく、ブリテンの音楽を堪能出来ます。第4曲の最後に起きた聴衆の笑いや、終曲の後、間髪を入れず拍手が起こるのもライヴならではの臨場感が伝わってきます。
Part 1
0:27- 1. Introduction: Shine Out (詩人不詳) (混声合唱)
10:17- 2. The Merry Cuckoo (Edmund Spenser) (テノール独唱)
12:15- 3. Spring, the Sweet Spring (Thomas Nashe) (ソプラノ、アルト、テノール独唱、混声合唱)
14:19- 4. The Driving Boy (George Peele, John Clare) (ソプラノ独唱、少年合唱)
16:42- 5. The Morning Star (John Milton) (混声合唱)
Part 2
20:07- 6. Welcome, Maids of Honour (Robert Herrick) (アルト独唱)
22:52- 7. Waters Above! (Henry Vaughan) (テノール独唱)
25:31- 8. Out on the lawn I Lie in bed (W. H. Auden) (アルト独唱、混声合唱)
Part 3
32:18- 9. When will my May Come? (Richard Barnfield) (テノール独唱)
34:50- 10. Fair and Fair (George Peele) (ソプラノ、テノール独唱)
37:05- 11. Sound the Flute! (William Blake) (男声合唱、女声合唱、少年合唱)
Part 4
38:30- 12. Finale: London, to Thee I do Present (Anon, closing words from The Knight of the Burning Pestle by Francis Beaumont) (ソプラノ、アルト、テノール独唱、混声合唱、少年合唱)
サイト「詩と音楽」に藤井宏行氏の素晴らしい対訳が掲載されています。
Wikipedia(Spring Symphony):上記の各曲のタイトル、詩人、編成を参考にさせていただきました。
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コメント
フランツさん、こんにちは。
御無沙汰しています。
阪神タイガースが18年ぶりに、リーグ優勝しまして、マジック一桁になったあたりから、浮かれておりました。
日曜日には、阪神百貨店へ買い物へ行き、経済活動をして参りました(笑)
アメリングは、イギリスものまで歌っていたのですね。
まだ全部聴けていませんが、1974年の最盛期の美声は文句なしにうつくしいですね。
珍しい音源をありがとうございました\(^o^)/
投稿: 真子 | 2023年9月20日 (水曜日) 15時03分
真子さん、こんばんは。
ご無沙汰しております。お元気でしょうか。
阪神おめでとうございます!
きっとテレビに釘付けだったことと思います。
経済を回すのも素敵なことですね。
クライマックスシリーズや日本シリーズも楽しみですね。
こちらの動画聴いて下さって有難うございます!
アーメリングはブリテン自身の指揮で歌ったり、ブリテンの民謡編曲を録音したり、何かと縁があったようです。
この「春の交響曲」主役はやはりテノールなのでしょうが、少ないながらもソプラノパートも活躍していますよね。
70年代の彼女の最盛期の記録が残されているのはファンにとってとても嬉しいです!こんな複雑そうな曲を難なくこなす彼女は(他の歌手も)凄い歌手だと改めて思います。
ライヴ録音はその場で聞いているような臨場感があってワクワクしますね。
投稿: フランツ | 2023年9月20日 (水曜日) 23時07分