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アーメリングのカンタータBWV 132初出音源、プライ&シュヴァルツコプフ「フィガロの結婚」、スゼー「ドン・ジョヴァンニ」

すっかり世代交代が進んだ音楽業界ですが、クラシックに親しみはじめた頃に知り実演や録音を夢中で聞いた演奏家たちにノスタルジックな思いを持つのは私も年をとったということなのだと思います。
最近家の大掃除をしていたところ、昔懐かしいコンサートのプログラムやちらしが大量に出てきて、また掃除が捗らなくなってしまいました。

そんなわけで昔懐かしい演奏家たちの珍しい音源をいくつかご紹介したいと思います。

●エリー・アーメリングの参加したバッハ:カンタータBWV132 (1964年)
Bach Kantate BWV 132 Bereitet die Wege, bereitet die Bahn, Gerhard Schmidt Gaden 1964

チャンネル名:Rainer Harald

Aufnahme aus der Stadtpfarrkirche Bad Tölz (original mono)
Bandaufnahme vom Radio

Elly Ameling Sopran
Helen Raab Alt
Theo Altmeyer Tenor
Barry McDaniel Bass
Der Tölzer Knabenchor
Das Collegium musicum des WDR
Leitung: Gerhard Schmidt-Gaden

1.Arie Sopran: Bereitet die Wege, bereitet die Bahn (0:00),
2.Rezitativ Tenor: Willst du dich Gottes Kind und Christi Bruder nennen (7:50)
3.Arie Bass: Wer bist du? Frage dein Gewissen, (10:29)
4.Rezitativ Alt: Ich will mein Gott, dir frei heraus bekennen, (13:51)
5.Arie Alt: Christi Glieder, ach bedenket, (15:42)
6.Choral: Ertöt uns durch deine Güte, erweck uns durch deine Gnad (19:44)

アップしてくださったRainer Haraldさんは過去にもバッハを中心に20世紀後半のラジオ録音を質のよい音源で共有してくださっています。
アーメリングはこの音源では冒頭のアリアを歌っています。31歳のつやつやした美声と伸びやかな発声がファンにはたまりません。素晴らしい音源のアップに感謝です。Sandmanさん作成のElly Ameling Discographyによるとスタジオ録音はされていないレパートリーのようです。
"Kantate zum 4. Advent(第4アドヴェントのカンタータ)"とのことですので、ちょうど今頃のカンタータということなのでしょうか。

●プライ&シュヴァルツコプフ「フィガロの結婚」
Mozart's "Le nozze di Figaro" (Amsterdam, 1961)

チャンネル名:kadoguy(リンク先は音が鳴るのでご注意ください)

Count Almaviva: Hermann Prey
Countess Almaviva: Elisabeth Schwarzkopf
Susanna: Graziella Sciutti
Figaro: Giuseppe Taddei
Cherubino: Stefania Malagu
Marcellina: Mimi Aarden
Don Bartolo: Joseph Rouleau
Don Basilio: Frans Vroons
Don Curzio: Chris Taverne
Barbarina: Wilma Driessen
Antonio: Gé Smit

Netherlands Chamber Choir
Residency Orchestra of the Hague
Conductor: Carlo Maria Giulini

23 June 1961, Stadsschouwburg, Amsterdam, Holland Festival

1961年オランダ・フェスティヴァルのライヴ音源です。ここで注目なのがフィガロではなくアルマヴィーヴァ伯爵をヘルマン・プライ(1929.7.11 - 1998.7.22)が歌っていることと、伯爵夫人のエリーザベト・シュヴァルツコプフ(1915.12.9 - 2006.8.3)と共演していることです。フィガロを当たり役としていたプライがまだ31歳で伯爵を演じていたという事実に驚きました。シュヴァルツコプフはレコード会社の商策なのかF=ディースカウとの共演が多い印象があり、プライと夫婦役というのは珍しいのではないでしょうか。

●スゼー「ドン・ジョヴァンニ」
Mozart's "Don Giovanni" (Lausanne, 1967)

チャンネル名:kadoguy(リンク先は音が鳴るのでご注意ください)

May 19, 1967, Théâtre de Beaulieu, Lausanne, Switzerland

Gérard Souzay (Don Giovanni)
Beverly Sills (Donna Anna)
Michel Sénéchal (Don Ottavio)
Anton Diakov (Il Commendatore)
Arlene Saunders (Donna Elvira)
Heinz Blankenburg (Leporello)
Claude Corbeil (Masetto)
Isabel Garcisanz (Zerlina)

Choir and Orchestra of the Radio Suisse Romande
Reinhard Peters (Conductor)

- Act I 0:00
- Act II 1:29:15

ジェラール・スゼー(1918.12.8 - 2004.8.17)は1963年にドン・ジョヴァンニを初めて歌っているそうですが、正規のスタジオ録音全曲盤はおそらくなかったのではないでしょうか(後でディスコグラフィーを調べてみます)。ライヴ音源でこうして聞けるのは貴重ですね。2004年に亡くなってもう18年が経過したとは本当に早いと思います。

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コメント

フランツさん、こんにちは。

今年もクリスマスまで後一週間になりましたね。
母の調子が悪く、記事にゆっくりコメントできませんが、拝見しています。
気持ちが落ち着きませんが、シュワルツコップ&プライの記事に、ほっこりしました。珍しく貴重な音源ですよね。

寒い日が続いていますので、フランツさんもどうぞお身体お気をつけくださいね。
落ち着いたらまた、コメントさせていただきますね(*^^*)

投稿: 真子 | 2022年12月19日 (月曜日) 09時12分

追伸

プライさんは、1968年グラモフォン版でディースカウさんと共演するまでは、アルマヴィーヴァが持ち役でした。
それまでに録音されたドイツ語でのものも、ステージでも伯爵を歌っています。
グラモフォンが二人を共演させる為に、キャラクターとより声がバスに近いプライさんをフィガロにコンバートさせたようです。
プライさん本人は、自分の声には低いパートなので声への影響を考えてヒヤヒヤしながらの演奏だったようです(セビリアの理髪師での「私は町の便利屋」みたいな輝かしい高音もあるアリアが彼の持ち味ですし)。
しかし、彼のキャラクターも相まって当たり役になりましたね。
コンバート当初は、重唱ではついついアルマヴィーヴァを歌ってしまったという、面白いエピソードがあります。

投稿: 真子 | 2022年12月19日 (月曜日) 09時25分

真子さん、こんにちは。

お母様の大変な時にコメントいただき有難うございます。
どうかお母様との時間を優先して過ごしていただけたらと思います。
少しずつでも回復されますよう陰ながら祈っております。
私の記事が少しでも真子さんの気分転換となるならば幸いです。

プライはもともと伯爵がレパートリーだったのですか!全く想像もしていませんでした。最初からフィガロが十八番だと思い込んでいました。ドイツ語版の録音もあるのですね。やはり声域や声質などいろいろな要素がからんでくるのですね。低すぎても声を痛めるのですか。奥の深い世界ですね。重唱でつい伯爵のパートを歌ってしまったというエピソードも面白いですね。
貴重な情報を有難うございます。

落ち着かれるまでコメントは気になさらず、気晴らしに記事をちょっと覗いていただけたらそれで十分有難いです。
ご快癒を祈っております。

投稿: フランツ | 2022年12月19日 (月曜日) 20時41分

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