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ベートーヴェン「気高き人は援助を惜しまず善良であれ(Der edle Mensch sei hülfreich und gut, WoO. 151)」

Der edle Mensch sei hülfreich und gut, WoO. 151
 気高き人は援助を惜しまず善良であれ

(※ベートーヴェンはゲーテの詩「神性(Das Göttliche)」の第10連の最初の2行のみに作曲しました。)
Der edle Mensch
Sei hülfreich und gut!
 気高き人は
 援助を惜しまず善良であれ!

詩:Johann Wolfgang von Goethe (1749-1832), "Das Göttliche"
曲:Ludwig van Beethoven (1770-1827), "Der edle Mensch sei hülfreich und gut", WoO. 151 (1823), last stanza

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ゲーテの原詩は「Das Göttliche(神性)」というタイトルのもと10連からなり、ベートーヴェンはその最後の第10連の冒頭2行のみに作曲しました。「神性」の詩全体の日本語訳はネットでも読むことが出来ました。「ゲーテ 神性」で検索すると出てくると思います。

村田千尋氏の解説によると、「1823年1月20日、ベートーヴェンがウィーンの著名な銀行家エスケレス男爵の妻チェチーリエのために友情の記念帖に書き込んだものであり、歌曲の作曲としては最後のものと考えられる」(『ベートーヴェン全集 第6巻』講談社)そうです。
この特殊な事情ゆえか生前には出版されず、1843年にヴィーンの"Allgemeine Wiener Musik-Zeitung"に自筆譜のファクシミリが掲載されました。

ベートーヴェンの曲は11小節の短い作品の為、繰り返して演奏されることもあります。

アラ・ブレーヴェ(2/2拍子)
ト長調(G-dur)
Etwas langsam (いくぶんゆっくりと)

●ヘルマン・プライ(BR), レナード・ホカンソン(P)
Hermann Prey(BR), Leonard Hokanson(P)

プライは詩の格言的な意味合いを生かしたかのような威厳のある歌を聞かせています。

●フローリアン・プライ(BR), ノルベルト・グロー(P)
Florian Prey(BR), Norbert Groh(P)

父親の威厳に対して息子フローリアンは軽やかな爽やかさで聴かせてくれます。

●ハイディ・ペルゾン(S), ハンス・ヒルスドルフ(P)
Heidi Person(S), Hans Hilsdorf(P)

繰り返して演奏されています。ペルゾンの温かみのある声が心地よいですね。

●ナタリー・ペレス(MS), ジャン=ピエール・アルマンゴー(P)
Natalie Pérez(MS), Jean-Pierre Armengaud(P)

繰り返して演奏されています。ペレスの歌は力強さを感じさせます。

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(参考)

The LiederNet Archive

Beethoven-Haus Bonn

『ベートーヴェン全集 第6巻』:1999年3月20日第1刷 講談社(「Der edle Mensch sei hülfreich und gut」の解説:村田千尋)

『ベートーヴェン事典』:1999年初版 東京書籍株式会社(歌曲の解説:藤本一子)

RISM(国際音楽資料目録)

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