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ジェスィー・ノーマン&マーク・マーカム(Jessye Norman & Mark Markham)/ドイツ・リサイタル

2019年に亡くなった名ソプラノのジェスィー・ノーマンと、ピアニスト、マーク・マーカムによるドイツでのリサイタル録音(録音年は記載なし)がアップされていました。ASPS NY (Art Song Preservation Society of New York)という組織の動画チャンネルなのでおそらく正規のルートを経てアップロードされたものと思われます。
ブラームス、シューベルト、プーランク、シュトラウスから黒人霊歌までノーマンの十八番が堪能できます。
このコンビは来日公演でも聴いたことがあり、とても懐かしいです。
ノーマンのリサイタルはホールが彼女の強烈なオーラで満たされていたのが思い出されます。

●ジェスィー・ノーマン&マーク・マーカム・ドイツ・リサイタル(part 1)
Jessye Norman (soprano) and Mark Markham (pianist) in recital in Germany - part 1 LIVE

Brahms(ブラームス作曲):
0:27-
Heimkehr(帰郷), Op. 7 No. 6
1:19-
Dein blaues Auge(あなたの青い瞳), Op. 59 No. 8
3:53-
Immer leiser wird mein Schlummer(わがまどろみはますます浅くなり), Op. 105 No. 2
8:04-
Auf dem Kirchhofe(教会墓地にて), Op. 105 No. 4
11:01-
Meine Liebe ist grün(わが愛は緑), Op. 63 No. 5

Schubert(シューベルト作曲):
12:39-
Rastlose Liebe(たゆみなき愛), D 138
13:58-
An die Natur(自然に寄せて), D 372
16:24-
Ellens dritter Gesang: Ave Maria(エレンの歌Ⅲ「アヴェ・マリア」), D 839
22:49-
Der Tod und das Mädchen(死と乙女), D 531
26:03-
Erlkönig(魔王), D 328

●ジェスィー・ノーマン&マーク・マーカム・ドイツ・リサイタル(part 2)
Jessye Norman, Mark Markham Recital in Germany - part 2

Poulenc(プランク作曲):
0:14-
Voyage à Paris(パリへの旅)
1:11-
Montparnasse(モンパルナス)
4:51-
La Grenouillère(グルヌイエール島)
7:09-
Avant le cinéma(映画の前に)

Brahms(ブラームス作曲): "Zigeunerlieder, Op. 103"(歌曲集『ジプシーの歌』)
8:21- no. 1 He, Zigeuner, greife in die Saiten ein
9:19- no. 2 Hochgetürmte Rimaflut
11:25- no. 3 Wißt ihr, wann mein Kindchen
12:57- no. 4 Lieber Gott, du weißt
14:45- no. 5 Brauner Bursche führt zu Tanze
16:43- no. 6 Röslein dreie in der Reihe
18:42- no. 7 Kommt dir manchmal in den Sinn
22:04- no. 8 Rote Abendwolken ziehn

24:01-
R. Strauss(R.シュトラウス作曲): Cäcilie(ツェツィーリエ), Op. 27 No. 2
26:11-
R. Strauss: Zueignung(献呈), Op.10 No. 1
27:55-
Brahms(ブラームス作曲): Vergebliches Ständchen(甲斐なきセレナード), Op. 84 No.4
29:56-
Spiritual(黒人霊歌): Ride on, King Jesus(馬を進めよ王イエス)
32:29-
Spiritual: Sometimes I feel like a motherless child(時には母のない子のように)
36:03-
Spiritual: He’s got the whole world in his hands(ものみな主の御手に)

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コメント

フランツさん、こんばんは。

ノーマンはとにかく豊潤な声で、パワフルな印象が強かったのですが、深い情感も持っていますね。

ブラームスの甲斐なきセレナードなどの歌い方は、なかなか他で聞けない演奏だと思いました。

Rシュトラウスの献呈におけるスケールの大きさを、女声歌手ではあそこまで出せる人はいないですよね。

彼女の歌う黒人霊歌は、魂の歌だと感じます。日本人に染み込んだ、感覚でしか感じられない侘び寂び同様、黒人霊歌のリズム、精神を感じます。

粘りのある声は、アフリカ系の方独特のものだそうです。

投稿: 真子 | 2022年1月 9日 (日曜日) 18時11分

真子さん、こんにちは。
ご感想を有難うございます!

ノーマンはその強靭で豊かな声のパワーが注目されがちですが、彼女が独仏などの歌曲をたくさん歌ったという事実が彼女の繊細な感性を物語っていると思います。ソプラノですが声に厚みと深みがあるのが強みですよね。おっしゃるように粘りのある声質はヘンドリックスなどにも感じられますよね(バトルの軽い声はちょっと特殊かもしれませんが)。

甲斐なきセレナード、まさに彼女ならではですね。女性が扉を開けたらおしまいだという箇所の強調の仕方や、男性が開けておくれと懇願する箇所など興味深い歌い方をしていましたね。

シュトラウスは派手さや豊かさがプラスに働く作曲家だと思うので、ノーマンのスケールの大きさはとても引き付けられますね。

黒人霊歌はアフリカ系の方々のほとんど専売特許なのでしょうね。もちろん他のルーツの方でも魅力的に歌うことは可能でしょうが、彼女の歌う黒人霊歌は心の叫びと同時に神々しさも感じられて、異なる文化圏の聴衆の心をも震わせてくれます。日本人でのわびさびと比較されていたのが分かりやすいたとえでした^^

投稿: フランツ | 2022年1月10日 (月曜日) 10時40分

フランツさん、今羽を、は。

投稿: 真子 | 2022年1月11日 (火曜日) 21時16分

真子さん、こんばんは!
いつも有難うございます^^

投稿: フランツ | 2022年1月12日 (水曜日) 19時44分

フランツさん、こんばんは。

コメントの送信、すみませんでした(^^;

ノーマン、気に入ってずっと聞いています。
かつてプライさんの声を、「歌いきった」と言う表現をした人がいました。
単に声量パワーがあるというのではなく、力がみなぎった充実感のある声と言うことだと思います。
ノーマンにも同じことが言えるように思います。もちろん、破格のパワーがあるのですが、それと共に大変な充実感がありますよね。
それが生かされているのが、Rシュトラウスや、シューベルト「魔王」でしょうか。「魔王」においての、子どものパートのうたいぶりは、女性ならではの細やかさも感じます。

また、「アヴェマリア」においては、詩に沿った宗教的歌曲としての捉え方が素晴らしいと思いました。
この曲は、カトリックの典礼で使われるアヴェマリア(天使祝詞)の典礼文を当てて歌われ、信仰歌に変えられることもままあるのですが、やはりシューベルトが採用した詩で歌うべきだと思います。
翻訳するのはいいかと思いますが、詩を変えてしまってはいけないのではないかと。
せめてプロの歌手にはオリジナルで歌ってほしいですよね。
ノーマンが歌うシューベルトのアヴェマリア、本当に素晴らしかったです。

一つ一つ書くと大変長くなるので、曲を絞ってコメントしました。

投稿: 真子 | 2022年1月12日 (水曜日) 22時36分

真子さん、こんにちは。
コメント有難うございます。

ノーマンの音源気に入ってくださり、良かったです!
プライの声も生で聴いた時、その厚みのある充実感をとても感じたので、おっしゃること分かる気がします。
ノーマンは力強さと繊細さが同居しているところが素晴らしいですね。
シュトラウスは彼女の十八番で、ノーマンのリサイタルではアンコールも含めると毎回必ず1曲は歌っていたのではないかと思うほど頻繁に取り上げていました。
「ツェツィーリエ」とか「献呈」など彼女の豊かな声にぴったりでしたね。

「アヴェ・マリア」については私も同じことを思っていました。せっかくウォルター・スコットの詩の独訳があるのに、別のラテン語の歌詞で歌っているのはなぜだろうと。
おそらくドイツ語が苦手な歌手でも歌いやすいようにということかなと想像しているのですが、それほど歌手にとって魅力的な曲なのでしょうね。
ノーマンの息の長いフレーズと神々しい響きがぴったりでしたね。

投稿: フランツ | 2022年1月14日 (金曜日) 08時20分

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