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エリー・アーメリング他(Ameling, Watkinson, Meens, Holl, Jansen, Brautigam)/ブラームス:四重唱曲、二重唱曲他 初出音源(1983年1月14日, アムステルダム・コンセルトヘバウ(live)他)

●ブラームス/四重唱曲、二重唱曲
Elly Ameling; Brahms Quartets and Duets

00:00 Der Gang zum Liebchen (op 31/3)
02:59 Sehnsucht (op 112/1)
06:08 Abendlied (op 92/3)
09:39 Warum (op 92/4)
12:20 Der Abend (op 64/2)
16:56 Es rauschet das Wasser (op 28/3)(Watkinson, Holl, Jansen)
20:43 Vor der Tür (op 28/2)(Watkinson, Holl, Jansen)
22:48 Vergebliches Ständchen (op 84/4)(Ameling, Meens, Jansen)
24:37 Die Schwestern (op 61/1)(Ameling, Watkinson, Jansen)
27:12 Zigeunerlieder 5 "Brauner Bursche führt zum Tanze" (op 103/5)
30:29 Zigeunerlieder 7 "Kommt dir manchmal in den Sinn" (op 103/7)
31:09 Zigeunerlieder 6 "Röslein dreie in der Reihe blühn so rot" (op 103/6)
32:01 Wenn so lind dein Augen * (Liebesliederwalzer, op 52/8)
34:06 Ein kleiner. Hübscher Vogel * (Liebesliederwalzer, op 52/6)

Elly Ameling - Soprano
Carolyn Watkinson - Mezzo soprano
Hein Meens - Tenor
Robert Holl - Bass
Rudolf Jansen - Piano
Rudolf Jansen & Ronald Brautigam - Piano *

Live recording Concertgebouw, 14-01-1983

エリー・アーメリング(Elly Ameling)のブラームス重唱曲の録音といえば、80歳を記念した放送録音集"80 jaar"に1曲だけ「夕暮れ(Der Abend, Op. 64/2)」が収録されていました。
今回アーメリングの公式チャンネルで、なんと同じ日のライヴ音源が初めて公開されました!!!
これはもうアーメリングからのサプライズプレゼントですね!
『ジプシーの歌』抜粋や『愛の歌』抜粋をアーメリングの歌で聴けるとは思ってもいなかったので狂喜乱舞しました(本当は全曲が良かったのですが贅沢は言わないことにします)。
共演者はメゾソプラノのキャロリン・ワトキンソン、テノールのヘイン・メーンス、バスのロベルト・ホル、ピアノはルドルフ・ヤンセン、『愛の歌』のピアノ連弾のみロナルト・ブラウティハムが参加しています。
ブラームスの重唱曲は『ジプシーの歌』『愛の歌』『新しい愛の歌』以外の単独の作品はこれまであまり馴染みがなかったのですが、こうして聞いてみるとどれもとても魅力的ですね。独唱曲として歌われることの多い「甲斐なきセレナーデ」をソプラノとテノールの掛け合いで聴くとより臨場感があって面白かったです。「憧れ(Sehnsucht)」という曲も趣があってとても魅力的な作品でした。
アーメリングはいつもながらの美声がなんとも心地よかったですが、コミカルな曲(「姉妹(Die Schwestern)」等)で会場をざわつかせるところは流石です!どんな表情で歌っていたのか想像しながら聴いてみるのも楽しいと思います。それからメゾのワトキンソンの歌声はとても温かみがあり惹きつけられました。

●ドビュッシー/『ステファヌ・マラルメの3つの詩』(ため息;ささやかな願い;扇)
Debussy Mallarme

Trois Poémes de Stéphane Mallarmé - Claude Debussy (1862-1918)

00:05 Soupir
03:02 Placet futile
05:06 Éventail

Elly Ameling - Soprano
Dalton Baldwin - Piano

もう1つアーメリング公式チャンネルからアップされていたのは、ドビュッシーの『ステファヌ・マラルメの3つの詩』です。これはおそらくEMIのドビュッシー歌曲全集からの音源と思われます。楽譜が表示されるので、歌を勉強されている方にもお勧めです。最初の2曲はラヴェルも作曲しているので、比較するのも興味深いと思います(こちらのリンク先でアーメリング&ヤンセン他によるラヴェルの演奏が聴けます)。

●サリエリ、モーツァルト・アリア集&R.シュトラウス:『4つの最後の歌』
ELLY AMELING: Mozart Concert Arias and Strauss Four Last Songs

Live broadcasts of Dutch soprano ELLY AMELING.

0:00- SALIERI: La fiera di Venezia: "Non temer che d'altri"
4:05- MOZART: "Voi avete un cor fedele" K.217

Elly Ameling(S)
Mostly Mozart Festival Orchestra
Gerard Schwarz(C)
(1985)

------

12:18- STRAUSS: Four Last Songs
1. Frühling
2. September
3. Beim Schlafengehen
4. Im Abendrot

Rotterdam Philharmonic
Edo de Waart(C)
(1986)

上の2種類のライヴのうち、最初のサリエリとモーツァルトは以前別の方がアップした音源をご紹介したこちらの記事と同一音源ではないかと推測されます。

しかし!後半(12:18~)のエド・ドゥ・ヴァールト指揮ロッテルダム・フィルハーモニックとの『4つの最後の歌』は、ネット上で聴けるのは唯一の音源と思われます。
実はかなり昔にオランダのインターネットラジオ局Radio 4でアーメリングの特集が数回に分けて放送された際に、この音源の放送が予告されていたのですが、実際に放送されたのはサヴァリッシュ指揮コンセルトヘバウ管弦楽団との音源でした。
アップしていただいたこの音源、惜しむらくはおそらくテープの回転数が速くて、実際の音より高めなのが残念ですが、そこは想像力で補いながらこの貴重な音源を満喫したいと思います。

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コメント

フランツさん、こんにちは。

アメリングの美声は、暑い日が続く中で、心に爽やかな風を吹かせてくれますね。
テノールのメーンス初めて聞きましたが、彼の声もいいですね。
ブラームスの美しい重唱に癒やされます。

他の曲も楽しみに聴かせていただきますね。
アーメリング公式チャンネル、ありがたいですね。
名歌手たちの優れた演奏は、後世へとつないで行きたいですよね。

投稿: 真子 | 2021年7月31日 (土曜日) 11時05分

フランツさん
私も, YouTubeでアーメリングの重唱曲を見つけ, とても歓喜してしまいました. 重唱曲ならではの, ブラームスの暖かい魅力を, アーメリング等の美声で堪能できました.
僭越ながら, 私が調べた曲名の和訳等を記載させて頂きます.

3つの四重奏曲 3 Quartette für Gesang Op.31 【S,A,T,Bs,p】
-第3曲「恋人の所へ行く道」 Der Gang zum Liebchen (1863) 【ボヘミア民謡より】
6つの四重奏曲 6 Quartette für Gesang Op.112 【S,A,T,Bs,p】
-第1曲「憧れ」 Sehnsucht (1888)【フランツ・クーグラー詩】
4つの四重奏曲 Gesangs-Quartette Op.92 【S,A,T,Bs,p】
-第3曲「夕暮れの歌」 Abendlied (1884)【フリードリッヒ・ヘッベル詩】
-第4曲「なぜ」 Warum ? (1884)【ゲーテ詩】
3つの四重奏曲 3 Quartette mit Klavier Op.64 【S,A,T,Bs,p】
-第2曲「夕方」Der Abend (1874)【シラー詩】
アルトとバリトンのための4つの二重唱曲 4 Duette für Alt und Bariton Op.28 【A,Br,p】
-第3曲「川はさらさらと流れる」Es rauschet das Wasser (1862)【ゲーテ詩】
-第2曲「扉の前で」 Vor der Tür (1862)【ドイツ民謡】
ロマンスと歌 Romanzen und Lieder Op.84 (1877~81)
-第4曲「甲斐なきセレナーデ」 Vergebliches Ständchen (1882)【低ライン地方民謡】
4つの二重唱曲 4 Duette für Gesang und Klavier Op.61 【S,A,p】
-第1曲「姉妹」 Die Schwestern (1879)【メーリケ詩】
ジプシーの歌Zigeunerlieder Op.103 (1887) 【ハンガリー民謡より, H.コンラート訳】【S,A,T,Bs,p】
―第5曲「日焼けした若者が」Brauner Bursche
-第7曲「何度も思い出しているだろうね」Kommt dir manchmal in den Sinn
―第6曲「ばらが三つ」Röslein dreie
愛の歌Liebesliederwalzer mit Gesang Op.52 (1868/69) 【G.F.ダウマーの「ポリドーラ」より】【S,A,T,Bs,4Hands】
―第8曲「お前の目に, あんなにも優しく」 Wenn so lind dein Augen
-第6曲「可愛い小鳥が」 Ein kleiner. hübscher Vogel

以上, 私のアーメリング・ディスコグラフィーに反映済みです.
なお, 私は, インターネット上に対訳がなかなか見つからないので, 以前に購入した, 「ブラームス声楽曲対訳全集」(上, 下)の訳を見ながら聞きました. 残念ながら, これは, 現在廃版のようです. 東京文化会館の資料室か, 大学の図書館に所蔵されているようです.
実は, 私は, 声楽曲の対訳を集めることが趣味でした. フランツさんも同様な趣味をお持ちとどこかで, 読ませて頂きました.

投稿: Sandman | 2021年7月31日 (土曜日) 11時15分

真子さん、こんばんは。

アーメリング、聴いてくださり有難うございます!
猛暑の中、彼女の声は本当に清涼感を感じさせてくれますね。
彼女の公式チャンネルがどういう経緯で作られたのかは分からないのですが、編集を一手に引き受けているThom Janssenという人はピアニストでアーメリングのマスタークラスにも参加していたので、Janssen氏がきっかけとして関わっているのではないかと想像しています。こういうチャンネルを作ってくれるのは本当にファンにとっても歌曲を学んでいる人にとっても貴重だと思います。

ヘイン・メーンスという人はオランダのテノールで残念ながら2012年に62歳の若さで亡くなっているそうです。録音は宗教曲が中心のようですが、実演ではオペラにも出演していたそうです。YouTubeでは「美しい水車屋の娘」の録音もアップされていました。美しい声していますよね。

投稿: フランツ | 2021年7月31日 (土曜日) 21時08分

Sandmanさん、こんばんは。
お久しぶりですね。
時々Sandmanさん作成のディスコグラフィーやブログを拝見しておりましたが、最近どうされているかなと思っているところでした。

Sandmanさんとこのブラームスの音源を発見された時の喜びを共有できて嬉しいです!

曲名表示も有難うございます。
確かに独唱曲はともかく、重唱曲の和訳は見つけるのが大変ですよね。
「ブラームス声楽曲対訳全集」(上, 下)はとても貴重な本ですね。
対訳を集めておられるとのこと、歌曲好きはみな対訳に価値を見出しますね。私は収集というほどではないのですが、CDに付いてくる歌詞対訳は有難いと思います。Deutsche Grammophonから出ているブラームスの歌曲全集では渡辺護氏が訳しておられました。
ちなみにシューベルトの全歌曲の対訳は電子書籍として若林敦盛氏の訳で販売されています。スマホで気軽に訳が見られるには有難いと思います。

投稿: フランツ | 2021年7月31日 (土曜日) 21時08分

既にご存じかもしれませんが,
アーメリングの最近のマスタークラスの映像が, WEBで公開されていますので, この場でお伝えします.
私は, 1週間ほど前に8月29日に放送があることを知ったのですが, 当日になっても, どこに公開されているか分からず, やっと見つけた次第です.
9月5日にも続きが公開されるようです.
どうも, 1週間しか公開されていないようです.
以下です.
https://www.npostart.nl/podium-witteman/VPWON_1248326
設定で, オランダ語の字幕も表示できます.

投稿: Sandman | 2021年8月30日 (月曜日) 17時34分

Sandmanさん、こんばんは。
貴重な情報を有難うございます!

アーメリングが8月末にマスタークラスを開くというのは知っていたのですが、動画になっていたとは知りませんでしたので嬉しいです!一週間限定公開なのですね。

早速全部見てしまいました!
3人の若い歌手たちが、贅沢なことにオランダの名手ハンス・エイサッカースのピアノで歌曲を歌い、アーメリングが淀みなく指導していました。88歳とはとても思えないお元気な姿が見られて最高でした。
シューマン、ドビュッシー、フォレの有名な歌曲が取り上げられていましたが、アーメリングはうまく歌えた歌手には本当に嬉しそうな笑顔を見せてくれて、こちらも幸せな気持ちになります。
Sandmanさん、有難うございました!

お礼と言うほどではないですが、ご存知かもしれない情報を一つ。

Wolfgang Amadé Mozart: Imperial Hall Concerts
というライヴ音源の組物CDの中でアーメリングがズデニェク・マーカルの指揮でモーツァルトの「Vado, ma dove?, K. 583」を歌っています。私はApple Musicのサブスクで聴いたので詳細なデータは分からないのですが、パッケージ商品の解説書には何か書いてあるかもしれません。

Symphonie-Orchester des Bayerischen Rundfunks
Zdenek Macal

https://www.prestomusic.com/classical/products/8917758--wolfgang-amade-mozart-imperial-hall-concerts-100th-anniversary-mozartfest-wurzburg

投稿: フランツ | 2021年8月30日 (月曜日) 20時54分

フランツさん
早速の返信, ありがとうございます.
また, 新たなCDの情報も感謝します.
私はまだ, じっくりと見ていないのですが, とにかく, アーメリングの元気な指導を見れてうれしく思います.
9月5日も楽しみですね.
1週間限定かは, 定かではないのですが, 番組表が過去1週間分しか表示されないので, そのように推察しました. 動画のURLを記録しておけば, ずっと見られるのかもしれません.

投稿: Sandman | 2021年8月31日 (火曜日) 05時54分

Sandmanさん、こんばんは。

アーメリングはもう髪を染めることもなく、ありのままの姿で人前に立つ姿にも感銘を受けました。
それにしてもお元気ですよね。全く年齢を感じさせません。

次回もアップされるようでとても楽しみです。
期間限定でないといいですね。
いつも情報を有難うございます!

投稿: フランツ | 2021年8月31日 (火曜日) 20時27分

フランツさん
アーメリングのマスタークラスの映像の公開が, 9月5日にもあるとお伝えしましたが, 番組表をよく見るとアーメリングではなく, ヴァイオリニストのマスタークラスのようです.
私の早とちりで, 誤った情報をお伝えし, 申し訳ありません.

投稿: Sandman | 2021年9月 2日 (木曜日) 21時48分

Sandmanさん、こんばんは。

いえいえ大丈夫ですよ。あの1時間の映像だけで充分内容の濃い充実した時間でしたから私は満足しています!教えていただき感謝しています。

ちなみに曲目は
1人目の女声歌手が
シューマン:献呈
2人目の女声歌手が
ドビュッシー:マンドリン
3人目の男声歌手は
フォレ:夢のあとで
シューマン:献呈
の2曲を演奏していましたね。

投稿: フランツ | 2021年9月 3日 (金曜日) 17時59分

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