ヴォルフ/顕現節(Epiphanias)
Epiphanias
顕現節
Die heiligen drei König mit ihrem Stern,
Sie essen, sie trinken, und bezahlen nicht gern;
Sie essen gern, sie trinken gern,
Sie essen, trinken und bezahlen nicht gern.
星に導かれてきた東方の三博士
彼らは食って飲んで、お勘定は嫌がる
食うのは大好き、飲むのも大好き
食って飲んで、お勘定は嫌がる
Die heiligen drei König sind kommen allhier,
Es sind ihrer drei und sind nicht ihrer vier:
Und wenn zu dreien der vierte wär,
So wär ein heilger Drei König mehr.
東方の三博士がここに到着した
彼らは三人であって、四人ではない
三人がもし四人だったら
もはや三博士とはいえないだろう
Ich erster bin der weiß und auch der schön,
Bei Tage solltet ihr erst mich sehn!
Doch ach, mit allen Spezerein
Werd ich sein Tag kein Mädchen mir erfrein.
最初はわたくしでござい 色が白くてハンサムさ
お日様のもとでわたしに会うべきだったろうよ
だがああ どんな香辛料をもっていても
わが光である娘っ子を喜ばせることが出来ないんだ
Ich aber bin der braun und bin der lang,
Bekannt bei Weibern wohl und bei Gesang.
Ich bringe Gold statt Spezerein,
Da werd ich überall willkommen sein.
そして次はおれ 褐色の肌で背が高いんだ
世に知られた女と歌好きさ
香辛料の代わりに黄金を持参している
だからあらゆる場所で歓迎の嵐さ
Ich endlich bin der schwarz und bin der klein,
Und mag auch wohl einmal recht lustig sein.
Ich esse gern, ich trinke gern,
Ich esse, trinke und bedanke mich gern.
最後はぼく 色黒でちっこいんだ
そして真の陽気者でありたい
食うのは大好き、飲むのも大好き
食って飲んだらお礼を言うのが好き
Die heiligen drei König sind wohlgesinnt,
Sie suchen die Mutter und das Kind;
Der Joseph fromm sitzt auch dabei,
Der Ochs und Esel liegen auf der Streu.
東方の三博士は気さくな人たち
彼らは母親とその子供を探している
敬虔なヨセフがそのそばに座っている
雄牛とろばが敷き藁の上に横になっている
Wir bringen Myrrhen, wir bringen Gold,
Dem Weihrauch sind die Damen hold;
Und haben wir Wein von gutem Gewächs,
So trinken wir drei so gut als ihrer sechs.
われらは没薬をもっておる 黄金をもっておる
乳香はご婦人方は好きだろう
もし上質なワインがあったとしても
われら三人で六人分を飲んでしまうだろう
Da wir nun hier schöne Herrn und Fraun,
Aber keine Ochsen und Esel schaun,
So sind wir nicht am rechten Ort
Und ziehen unseres Weges weiter fort.
われらは今ここで素敵なご主人とご婦人に会ったが
雄牛やろばが見当たらない
目当ての場所ではないようだ
旅をさらに続けることにしよう
詩:Johann Wolfgang von Goethe (1749-1832)
曲:Hugo Wolf (1860-1903)
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今日1月6日はキリスト教で「顕現節」というそうです。
東方の三博士がキリスト誕生の地を訪れた日で、子供たちが星を付けた棒を持って歌いながら家々を回る行事があるそうです。
ゲーテの詩は東方の三博士それぞれの性格描写がユーモラスですね。
曲はヴォルフの親しかった女性(メラニー・ケッヒェルト)の家で私的な初演がされて、彼女の3人の子供が芝居をしたそうです(名ピアニストのグレアム・ジョンソン曰く、この歌は子供が歌うには難しすぎるので、ヴォルフとメラニーが歌い、子供は芝居をしたのではないかと記しています)。
●詩の朗読(Florian Friedrich)
●Elisabeth Schwarzkopf(S) & Gerald Moore(P)
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コメント
フランツさん、こんばんは。
昨日は顕現節でしたね。
東方教会などは、12月25日でなく、昨日がクリスマスなんです。
当然、キリスト教国では顕現節までずっとクリスマスでツリーも飾っています。
日本ではお正月があるので、たいてい片付けてしまいますが。
私はちょっと粘って年内は飾っています。
ちなみに「東方の三博士」は、実は
三人と聖書には書いてないんです。
博士達が持ってきたのが、黄金、没薬、乳香と三つあることから、いつからか三人となったようです。
キリスト教学校や日曜(教会)学校で演じられる生誕劇(ページェント)でも必ず三人いますし、クリッペにも三人並んでいます。
「ヘルマンプライと共にクリスマスを」のビデオでは、白人、アジア系、アフリカ系と膚の色のちがう三人が星のついた棒を持っていました。
世界の人が一つになるという思いが込められているのでしょうね。
ヴォルフと関係のない話になってしまいましたが、ちょっとした雑学、ということで 笑。
投稿: 真子 | 2021年1月 6日 (水曜日) 23時03分
真子様
明けましておめでとうございます。
東方の博士は3人ではなかったかもしれないとは初めて知りました。
2人だったかもしれないのですね。東方から来たのは、日本から来たのかもしれないという、奇説もあります。面白い雑学、ありがとうございました。
投稿: ライラック | 2021年1月 7日 (木曜日) 11時47分
真子さん、こんばんは。
顕現節についてご説明を有難うございますm(_ _)m
キリスト教の話なので実は真子さんが補足してくれたらとひそかに期待していました!有り難かったです(^^)
真子さんも書いて下さいましたが、顕現節にクリスマスツリーを片付けるという文章をたまたま見かけたので、突然思い付いてこの記事を書きました。
東方の三博士が人数までは聖書に記載されていないけれど、持参していた3つのものに因んで3人として伝わってきたのですね。
クリッペや生誕劇も常に三人とのこと、この詩を書いたゲーテの時代にすでに三人とみなされていたということなのでしょうね。
プライの映像では異なる人種の三人が登場するのですね。
真子さんにいろいろ教えていただき、キリスト教が少しずつ身近になってきます。
いつも有難うございます!
投稿: フランツ | 2021年1月 7日 (木曜日) 19時46分
ライラックさん、こんにちは。
横から失礼します。
真子さんのご説明、勉強になりますよね!東方の三博士が日本から来た説もあるのですね。それもとても興味深いです!
有難うございました♪
投稿: フランツ | 2021年1月22日 (金曜日) 07時22分