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ベートーヴェン「パンチ酒の歌(Punschlied, WoO. 111)」

Punschlied, WoO. 111
 パンチ酒の歌

Wer nicht, wenn warm von Hand zu Hand
der Punsch im Kreise geht,
der Freude voll're Lust empfand,
der schleiche schnell hinweg.
Wir trinken alle hocherfreut,
so lang uns Punsch die Kumme beut.
 手から手へと
 温かいパンチ酒がぐるぐる渡るとき
 喜びいっぱいの楽しさを感じなかったヤツは
 さっさと忍び足で出て行くがいい。
 われらは皆高らかに喜んで飲むのだ、
 器がわれらにパンチ酒を提供してくれるかぎりは。

詩:Anonymous
曲:Ludwig van Beethoven (1770 - 1827)

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独唱と斉唱とピアノの為の歌曲。1791~1792年頃(ベートーヴェン21~22歳頃)の作曲。これもまた「酒宴の歌(Trinklied, WoO. 109)」同様に酒場で仲間うちで歌うための歌ですね。
"Punsch"というのは、小学館の独和大辞典によると「アラク酒またはラム酒・レモン・香料・砂糖・茶または水の五つを混ぜて作る飲料。熱して飲む」とのことで「パンチ、ポンチ、ポンス」と呼ばれるお酒だそうです(フルーツポンチの「ポンチ」もこの飲み物が由来のようです)。"Punschlied"というタイトルの歌曲はシューベルトも複数作っていますので、当時よく飲まれていたお酒なのでしょうね。

最後の2行を独唱が繰り返した後で、斉唱が同様に繰り返します。パンチ酒の入った器を手から手へと渡しながら少しずつ飲む状況が目に浮かぶようです。

Feurig (燃えるように)
6/8拍子
ト長調 (G-dur)

●ヘルマン・プライ(BR) & ベルリン・ハインリヒ・シュッツ・クライス & レナード・ホカンソン(P)
Hermann Prey(BR) & Heinrich Schütz-Kreis Berlin & Leonard Hokanson(P)

プライの威勢のいい歌声は聴く者を楽しい気分にさせてくれますね。"hocherfreut"の"hoch"はプライの良さ全開です!楽譜付きです。

●ペーター・シュライアー(T) & ヴァルター・オルベルツ(P)
Peter Schreier(T) & Wlater Olbertz(P)

斉唱のパートもシュライアーが一人で歌っています。斉唱の部分に入ってからシュライアーはより開放的に歌っているように感じられます。

●コンスタンティン・グラーフ・フォン・ヴァルダードルフ(BSBR) & ヴィーン・グスタフ・マーラー合唱団 & クリスティン・オーカーランド(P)
Constantin Graf von Walderdorff(BSBR) & Gustav Mahler Chor Wien & Kristin Okerlund(P)

ヴァルダードルフの歌はここでも紳士的な感じですね。

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