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フィッシャー=ディースカウ&ヴァイセンボルン(Fischer-Dieskau & Weissenborn)/R.シュトラウス・リサイタル(1964年パリ)

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウがギュンター・ヴァイセンボルンのピアノでR.シュトラウスのコンサートを開いた際のライヴ音源がfrance musiqueのサイトにアップされていましたので、ご紹介します。

今でこそ特に女声のリート歌手に大人気のR.シュトラウスですが、一晩全部をR.シュトラウスの歌曲に限定したリサイタルは1964年当時はかなり珍しかったのではないかと思います。
有名な曲と無名な曲をバランスよく配置したF=ディースカウならではの意欲的なプログラミングと言えると思います。
30代後半のまだみずみずしい声のF=ディースカウを堪能できると思います。
また一緒に来日したこともある名手ヴァイセンボルンのピアノも聞きどころの一つでしょう。

Récital Dietrich Fischer-Dieskau à la Salle Pleyel : Une archive de 1964

 こちらのリンク先の再生ボタンをクリックすると聞けます

録音:1964年5月7日, Salle Pleyel

Dietrich Fischer-Dieskau(ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ: 1925-2012)(BR)
Günther Weissenborn(ギュンター・ヴァイセンボルン: 1911-2001)(P)

Richard Strauss(リヒャルト・シュトラウス)作曲

Gefunden(見つけた), Op. 56-1
Das Rosenband(ばらのリボン), Op. 36-1
Einerlei(同じもの), Op. 69-3
Winterweihe(冬の捧げもの), Op. 48-4
O lieber Künstler sei ermahnt(おおいとしい芸術家よ、戒めを聞くように), Op. 66-6 (aus "Krämmerspiegel()")
Einst kam der Bock als Bote(かつて雄山羊が使いに来た), Op. 66-2 (aus "Krämmerspiegel")

Wer wird von der Welt verlangen(世界を求めるものは), Op. 67-4
Hab' ich euch denn je geraten(あれほど忠告したのに), Op. 67-5
Wanderers Gemütsruhe(さすらい人の心の安らぎ), Op. 67-6

Stiller Gang(静かな散歩), Op. 31-4
Ruhe, meine Seele(憩え、わが魂), Op. 27-1
Herr Lenz(春(レンツ)さん), Op. 37-5
Die Nacht(夜), Op. 10-3
Ach weh mir unglückhaftem Mann(ああ辛い、俺は不幸な男), Op. 21-4
Heimkehr(帰郷), Op. 15-5

Traum durch die Dämmerung(黄昏を通る夢), Op. 29-1
Ständchen(セレナード), Op. 17-2
Morgen(明日), Op. 27-4
Wozu noch, Mädchen, soll es frommen(娘さん、それが何の役に立つのだろう), Op. 19-1
Freundliche Vision(親しい幻影), Op. 48-1
Zueignung(献呈), Op. 10-1

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コメント

フランツさん、こんばんは。

まだ、最初の方しか聴いていませんが、すでにディースカウ節は聞かれるものの、豊かな響きで「歌う」方に重きをおいているように感じました。

有名な曲に、あまり知られていない曲が混ざったプログラムは楽しみやすいですよね。
引き続き聴いてみます(^^)

投稿: 真子 | 2020年4月25日 (土曜日) 21時18分

真子さん、こんにちは。

フィッシャー=ディースカウのR.シュトラウス・リサイタルを聴いてくださり、有難うございます。

どちらかというと後半に有名な曲が集まっているようですね。
私は一通り聴いてみましたが、シュトラウスの多彩な世界をたっぷり堪能出来ました。

F=ディースカウの説得力のあるディクションと濃淡の付け方はシュトラウス歌曲によく合っていると思います。
プライとは全然違う歌い方ですが、どちらもそれぞれ魅力的だと思います。

お時間のある時に少しずつ聞いてみてくださいね。

投稿: フランツ | 2020年4月27日 (月曜日) 17時37分

フランツさん、こんばんは。

最後まで聴きました。後半は知っている曲が並んでいました(^^)

R・シュトラウスは、ドラマチックな歌曲を書くなあと、聞きながら再認識しています。
そして、ビアノが雄弁ですね。いつもは声に耳が行き勝ちですが、ビアノもしっかり楽しみましたよ(^^)v

ディースカウさんは、緩急の幅が大きく、「濃淡のある」とおっしゃる言葉に、改めてうなづきました。
聞き慣れた曲ではプライさんと違うアプローチを楽しみました。
「献呈」などにおいて顕著ですよね。
この違いがあるからいいんですよね。

声と歌い方は密接に繋がっているように思います。
ディースカウさんの声でプライさんのように歌う。また、プライさんの声でディースカウさんのように歌うことは想像しにくいです(ホントは、脳内でちょっぴり想像したことあるんですが 笑)。
もちろん、それぞれの精神的な部分や音楽的感性もあるかと思いますが、持って生まれた声がそうさせたのだろうなあと、二人を聴き比べると殊に感じます。

投稿: 真子 | 2020年4月28日 (火曜日) 18時25分

真子さん、こんにちは。

最後まで聞いてくださったとのこと、有難うございます^^

最後のブロックはおそらくアンコールなのではないかと思います。
有名曲のオンパレードでしたね。

R.シュトラウスは職人技で声を華やかに響かそうとしていたのだと思います。
その声を盛り立てる為にピアノパートも雄弁なのでしょうね。
以前ある本に書いてあったのですが、
R.シュトラウス自身はピアノパートを楽譜通りに弾く必要はないと言ったそうです。
彼にとっては歌声が第一で、それを生かすためにはピアノパートを変更して弾くことは問題ないのでしょう。
そこがシューベルトやシューマンとは異なるところですね。
歌手たちが好んでR.シュトラウスの歌曲を歌うのも分かる気がします(笑)
シュトラウスを歌う人も歌っていて気持ちいいのだと思います。

ここでピアノを担当しているギュンター・ヴァイセンボルンですが、
プライの録音でもお馴染みですよね。

今、F=ディースカウのコンサートで共演したピアニストの記録を集計しているのですが、
なんと一番沢山コンサートで共演したのはムーアでもヘルでもデームスでもなく、
このヴァイセンボルンだったのです!

ドイツ内の各地のコンサートツアー10~20箇所ぐらいを回る時に、
他のピアニストよりもヴァイセンボルンと共演していることが多かったのです。
一般にF=ディースカウの共演者というとムーアの名前を挙げる人が多いですし、私もそう思っていましたが、
実はF=ディースカウの一番のお気に入りはヴァイセンボルンだったのかもしれませんね。
決して派手ではないけれど、ドイツ的な堅実さでしっかり安定した演奏をするピアニストだと思います。

プライとディースカウの違いはおっしゃるように「献呈」のような作品で顕著ですよね。
みずずさんじゃないですが、みんな違ってみんないいということがこの二人にも言えるでしょう。
知性のディースカウと情熱のプライ、でも逆もまた然りだと思います。
それが前面に出ているか否かというだけで。

真子さんは二人を入れ替えた歌を想像されたりしたのですね。
そういうイメージが出来るのは素晴らしいことですね。
私もアーメリングが歌わなかった曲を彼女の声で想像したりしたことはあります。
ファン心理なのかもしれませんね。

投稿: フランツ | 2020年4月30日 (木曜日) 12時42分

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