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ハンプソン&アルゲリッチ(Hampson & Argerich)の「詩人の恋(Dichterliebe)」(1840年初稿版)

デビュー以来常にクラシックファンを惹きつけ続けてきたマルタ・アルゲリッチ(Martha Argerich)の2018年のハンブルク・ライヴの録音がリリースされました。

 こちら

その収録曲の中にバリトンのトマス・ハンプソン(Thomas Hampson)とのシューマン「詩人の恋」が含まれていたのが驚きでした。
彼女はキャリアの後半、アンサンブルやコンチェルトに専念して、ほとんどソロ演奏をしてこなかったのですが、楽器奏者との共演は頻繁だったのに対して、歌手との共演は聞いたことがなかったので、おそらく歌曲の演奏にはあまり乗り気ではなかったのではないかと思っていたのです。
だから、この情報を知って、すぐに配信で聞いてみました。
私はAmazon musicの配信で聞いたので、パッケージの現物は見ていないのですが、写真満載のブックレットが付いているようなので、彼女のファンの方は配信だけでなくCDもチェックした方がいいかもしれません。
私は彼女の実演を2度聞いたことがあり、最初は大昔藤沢で開かれたラビノヴィッチとの2台ピアノのコンサート、そして2回目は5年前のラ・フォル・ジュルネで、大勢の仲間たちと共に「動物の謝肉祭」や2台ピアノ版「春の祭典」が演奏されました。
とにかく指がよく回り、奔放で鋭いタッチだけれど詩情豊かで繊細さも持っていて、聞く者を惹きつけずにおかないものを確かに持っていました。
大分ではアルゲリッチの名前を冠した音楽祭が定期的に催されているのですが、確か彼女の弟子の伊藤京子さんが立ち上げた音楽祭で、伊藤さんはヘルマン・プライの伴奏などで知られたレナード・ホカンソンの弟子でもあるのです。
アルゲリッチはホカンソン門下の伊藤さんと身近に接しているのですから、よく考えれば歌曲と無縁でいるはずはなかったと思います。

この7枚組CDの5枚目にハンプソンとの「詩人の恋」が収録されているのですが、注目すべきなのは、一般に歌われる版ではなく、シューマンが最初に構想した20曲版での演奏だということです。
出版される際に省かれた4曲のハイネ歌曲が最初に計画された曲順で聴けるだけでなく、省かれなかった16曲も歌、ピアノ共に最終版とかなり違いがある点は興味深いです。
ハンプソンはこの版で以前にサヴァリシュ(Wolfgang Sawallisch)とEMIに録音しているのですが、1994年の録音なので、アルゲリッチとの共演の24年前ということになります。
当時全盛期の美声と知性的な歌唱で魅了したハンプソンも2018年の録音時は63歳ということになり、さすがに以前のような声の艶は若干後退していますが、全身で情熱的に歌う姿勢と血肉となった熟した表現は今だからこその素晴らしさです。

そして、アルゲリッチのピアノですが、結論から言うと素晴らしかったです。
いわゆるピアノの大家たちが伴奏する時のような我が道を行くタイプではなく、歌手としっかり一体となりながら、ピアノが前面に出るべき所では彼女ならではの鋭い切れ味を聞かせています。
例えば第10曲(通常版では第8曲)「Und wüßten's die Blumen, die kleinen」の後奏における急速なテンポでの燃え上がる炎のような演奏は、アルゲリッチの面目躍如と言えるでしょう。
しかし、情熱的な個所以上に注目すべきなのは、「詩人の恋」の多くの曲で聞けるロマンの香り豊かな情緒的個所でしょう。
第1曲「Im wunderschönen Monat Mai」から、彼女の繊細なルバートの揺らし、音色の美しさなど、なんともいえないシューマネスクな情緒が豊かに香ってきます。
第2曲「Aus meinen Tränen sprießen」ではハンプソンの歌と見事なハーモニーを奏でます。
そして、曲集中際立って美しい第7曲(通常版では第5曲)「Ich will meine Seele tauchen」ではしっとりとした落ち着いたテンポでハンプソンを支え、後奏ではバスと高音を明瞭に響かせ、美しくピアノで歌っています。
最終曲「Die alten, bösen Lieder」は重みのある激しいタッチの前奏で始まり、リズムを雄弁に刻み、後奏の回想ではすっきりしたテンポながら絶妙に歌い、静かに締めくくっています。

レーベル:AVANTI
録音:2018年6月25日-7月1日、ライスハレ
トマス・ハンプソン(Thomas Hampson)(BR)
マルタ・アルゲリッチ(Martha Argerich)(P)

シューマン(Schumann):『詩人の恋(Dichterliebe)』Op.48 (1840年初稿20曲版)
1 Im wunderschönen Monat Mai (素晴らしく美しい月、五月に)
2. Aus meinen Tränen sprießen (ぼくの涙から)
3. Der Rose, die Lilie, die Taube, die Sonne (薔薇、百合、鳩、太陽)
4. Wenn ich in deine Augen seh' (ぼくがきみの瞳を見つめると)
5. Dein Angesicht (きみの顔)
6. Lehn' deine Wang' an meine Wang' (きみの頬をぼくの頬に寄せておくれ)
7. Ich will meine Seele tauchen (ぼくの魂を潜らせたい)
8. Im Rhein, im heiligen Strome (ライン川、聖なる川の)
9. Ich grolle nicht (ぼくは恨まない)
10. Und wüßten's die Blumen, die kleinen (そして花々が、小さな花々が)
11. Das ist ein Flöten und Geigen (これはフルートにヴァイオリン)
12. Hör' ich das Liedchen klingen (ぼくはその歌の響きを)
13. Ein Jüngling liebt ein Mädchen (ある若者が娘に恋をしたが)
14. Am leuchtenden Sommermorgen (輝く夏の朝に)
15. Es leuchtet meine Liebe (ぼくの恋は輝いている)
16. Mein Wagen rollet langsam (ぼくの馬車はゆっくりと進む)
17. Ich hab' im Traum geweinet (ぼくは夢の中で泣いた)
18. Allnächtlich im Traume (毎晩夢の中できみに会い)
19. Aus alten Märchen winkt es (昔のおはなしから)
20. Die alten, bösen Lieder (昔の嫌な歌)

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F=ディースカウ、シュライアー、アーダム&ドゥンケルのライヴ録音

ドイツの名リート歌手3人のライヴ音源があったので、こちらに載せさせていただきます。
F=ディースカウはマーラーの「子供の死の歌(亡き子をしのぶ歌)」、
ペーター・シュライアー&ルドルフ・ドゥンケルはベートーヴェン歌曲集、
テオ・アーダム&ルドルフ・ドゥンケルはR.シュトラウス歌曲集です。
いずれも彼らの十八番で、みずみずしい声の頃を堪能できます。
ぜひお好みの演奏を聴いてみてください!

●ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(BR)、バイエルン放送交響楽団、パウル・クレツキ(C)

Dietrich Fischer-Dieskau sings "Kindertotenlieder" - Live, 1958

Paul Kletzki conducts the Bavarian Radio Symphony Orchestra with Dietrich Fischer-Dieskau in this performance from 1958 of Mahler's cycle.

9 Sep. 1958, Montreux, Switzerland

Dietrich Fischer-Dieskau, baritone
Bavarian Radio Symphony Orchestra
Paul Kletzki, conductor

Mahler: "Kindertotenlieder"
I. "Nun will die Sonn' so hell aufgehn" 0:00
II. "Nun seh' ich wohl, warum so dunkle Flammen" 5:26
III. "Wenn dein Mütterlein tritt zur Tür herein" 10:22
IV. "Oft denk' ich, sie sind nur ausgegangen" 14:45
V. "In diesem Wetter" 17:53

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●ペーター・シュライアー(T)、ルドルフ・ドゥンケル(P)

Peter Schreier sings Beethoven Lieder - Live, 1969

An all Beethoven recital from the 1969 Salzburg Festival
with tenor Peter Schreier and pianist Rudolf Dunckel

30 July 1969, Stiftung Mozarteum, Salzburg
Peter Schreier, tenor
Rudolf Dunckel, piano

Freudvoll und leidvoll, op. 84 0:00
Wonne der Wehmut, op. 83, no. 1 2:16
Sehnsucht, op. 83, no. 2 5:57
Mit einem gemalten Band, op. 83, no. 3 8:25
Neue Liebe, neues Leben, op. 75, no. 2 11:11
Marmotte, op. 52, no. 7 14:46
Mailied, op. 52, no. 4 16:05
Adelaide, op. 46 18:58
Resignation, Wo0 149 26:30
Andenken, WoO 136 30:24
Ich liebe dich, WoO 123 33:55
Der Liebende, WoO 139 36:43
Lied aus der Ferne, WoO 137 39:30
Der Zufriedene, op. 75, no. 6 43:48
Der Kuß, op. 128 45:20
An die ferne Geliebte, op. 98
 1. Auf dem Hügel sitz ich spähend 48:06
 2. Wo die Berge so blau 51:21
 3. Leichte Segler in den Höhen 53:31
 4. Diese Wolken in den Höhen 55:21
 5. Es kehret der Maien, es blühet die Au 56:18
 6. Nimm sie hin denn, diese Lieder 59:02

encores:
Der Wachtelschlag, Wo0 129 1:04:15
Bitten, op. 48, no. 1 1:08
Ich liebe dich, WoO 123 1:10:58

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●テオ・アーダム(BSBR)、ルドルフ・ドゥンケル(P)

Theo Adam sings Strauss Lieder - Live, 1979

An all Strauss recital by bass-baritone Theo Adam with pianist Rudolf Dunckel.
From a concert given in Stuttgart, 5 December 1979.

5 December 1979, Stuttgart, Germany
Theo Adam, bass-baritone
Rudolf Dunckel, piano

I. Die Georgine, op. 10, no. 4 (von Gilm) 0:00
II. Ich trage meine Minne, op. 32, no. 1 (Henckell) 3:28
III. Traum durch die Dämmerung, op. 29, no. 1 ( Bierbaum) 5:55
IV. Allerseelen, op. 10, no. 8 (von Gilm) 8:39
V. Ach weh mir unglückhaften Mann, op. 21, no. 4 (Dahn) 11:52
VI. Herr Lenz, op. 37, no. 5 (von Bodman) 13:48
VII. Für fünfzehn Pfennige, op. 36, no. 2 (Volkslieder) 14:57
VIII. Schlechtes Wetter, op. 69, no. 9 (Heine) 17:00
IX. Bruder Liederlich, op. 41, no. 4 (von Liliencron) 19:08
X. Ich liebe dich, op. 37, no. 2 (von Liliencron) 23:22
XI. Breit' über mein Haupt, op. 19, no. 2 (von Schack) 25:36
XII. Cäcilie, op. 27, no. 2 (Hart) 27:17
XIII. Heimliche Afforderung, op. 27, no. 3 (Mackay) 30:42
XIV. Geduld, op. 10, no. 5 (von Gilm zu Rosenegg) 33:54
XV. Ach Lieb, ich muß nun scheiden, op. 21, no. 3 (Dahn) 37:47
XVI. Mein Herz ist stumm, op. 19, no. 6 (von Schack) 39:33
XVII. Ruhe meine Seele!, op. 27, no. 1 (Henckell) 42:30
XVIII. Morgen!, op. 27, no. 4 (Mackay) 46:53
XIX. O süßer Mai!, op. 32, no. 4 (Henckell) 49:58
XX. Wie sollten wir geheim sie halten, op. 19, no. 4 (von Schack) 51:38
XXI. Zueignung, op. 10, no. 1 (von Gilm zu Rosenegg) 53:42
Encores:
XXII. Nichts, op. 10, no. 2 (von Gilm zu Rosenegg) 56:58
XXIII. Nachtgang, op. 29, no. 3 (Bierbaum) 59:34
XXIV. Du meines Herzens Krönelein, op. 21, no. 2 (Dahn) 1:03:57

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F=ディースカウ&ヴェルバ(Fischer-Dieskau & Werba)のヴォルフ映像!(1958年6月16日ブリュッセル)

DFD Wolf Bruxelles 1959(←1958年が正しいと思われます)

名バリトンのディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)の若かりし頃の映像を見つけました!
ソプラノのイルムガルト・ゼーフリート(Irmgard Seefried)とピアニストのエリク・ヴェルバ(Erik Werba)との共演でヴォルフ(Hugo Wolf)の「イタリア歌曲集(Italienisches Liederbuch)」演奏会からの映像のようです。
F=ディースカウとヴェルバが演奏しているのは「この世界の生みの親に祝福あれ(Gesegnet sei, durch den die Welt entstund)」です。

こちらの動画をアップして下さった方のコメントでは16.06.1959と書かれてあるのですが、
F=ディースカウの演奏記録をまとめたMonika Wolf氏のサイトを見ると、1958年が正しいようです。

いずれにしても、この演奏が客席の雰囲気も含めて映像で見られるのは貴重で、リートファンにとっては宝物を見つけた気分です!

33歳の最も声が美しく、脂ののっていた頃のF=ディースカウの歌唱が楽しめます!

短いですが、ぜひご覧ください。

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エリー・アーメリングのバッハ・カンタータ音源(BWV 106, 24, 96, 70)

エリー・アーメリング(Elly Ameling)(S)のこれまで商品化されていなかったバッハのカンタータ音源がアップされていましたので、こちらでシェアさせていただきます。

1960年代の音源2種類と、録音年不詳の音源1種類ですが、後者もおそらくアーメリングの若い頃の録音と思われます。

いずれもアーメリングの歌唱部分は多くないですが、若かりし頃のつやつやした美声と優れた様式感覚を味わえると思います。

●Bach Kantate BWV 106 Gottes Zeit Actus Tragicus, Hans Thamm 1961

Bandaufnahme vom Radio,
Elly Ameling Sopran,
Erika Wien Alt,
Georg Jelden Tenor,
Erich Wenk Bass,
Der Windsbacher Knabenchor,
Auf historischen Instrumenten:
Hans Martin Linde und Günter Höller Blockflöte,
August Wenzinger** und Hannelore Müller Gambe,
Reinhold Johannes Buhl und Johannes Koch Violone,
Leitung: Hans Thamm

1.Sonatina (0:00)
2a.Chor: Gottes Zeit ist die allerbeste Zeit. (2:19)
2b.Arioso Tenor: Ach, Herr, lehre uns bedenken, (4:20)
2c.Arie Bass: Bestelle dein Haus (6:13)
2d.Chor: Es ist der alte Bund: Mensch, du musst sterben (7:36)
 +Sopran:Ja, komm, Herr Jesu, komm!←アーメリングの歌唱
3a.Arie Alt: In deine Hände befehl ich meinen Geist (11:07)
3b.Arioso Bass: Heute wirst du mit mir im Paradies sein.(13:14)
 +Choral Alt: Mit Fried und Freud ich fahr dahin
4.Chor: Glorie, Lob, Ehr und Herrlichkeit (16:40) Amen (17:54)

**August Wenzinger setzte sich auch schon vor dem 2.Weltkrieg für historische Instrumente ein.
Er zeigte mit der Cappella Coloniensis (1954), daß man auch auf historischen Instrumenten ganz normal Musik machen kann......


●Bach Kantate BWV 24 Ein ungefärbt Gemüte, Gerhard Wilhelm

Bandaufnahme vom Radio,
Elly Ameling Sopran,
Maureen Lehane Alt,
Theo Altmeyer Tenor,
Siegmund Nimsgern Bass,
Stuttgarter Hymnuschorknaben,
Collegium musicum des WDR,
Leitung: Gerhard Wilhelm

1.Arie Alt: Ein ungefärbt Gemüte (0:00)
2.Rezitativ Tenor: Die Redlichkeit ist eine von den Gottesgaben (3:31)
3.Chor+Soli: Alles nur was ihr wollt (5:37)←アーメリングの歌唱を含む
4.Rezitativ+Arioso Bass: Die Heuchelei ist eine Brut (8:57)
5.Arie Tenor: Treu und Wahrheit sei der Grund (10:41)
6.Choral: O Gott, du frommer Gott (14:38)

●Bach Kantate BWV 96 Herr Christ, der einge Gottessohn, Kurt Thomas 1965

Bandaufnahme vom Radio,
Elly Ameling Sopran,
Norma Procter Alt,
Peter Witsch Tenor,
Roland Hermann Bass,
Der Tölzer Knabenchor,
Das Collegium musicum des WDR,
Leitung Kurt Thomas, 1965

1.Chor: Herr Christ, der einge Gottessohn, (0:00)
2.Rezitativ Alt: O Wunderkraft der Liebe, (6:04)
3.Arie Tenor: Ach, ziehe die Seele mit Seilen der Liebe, (7:43)
4.Rezitativ Sopran: Ach, führe mich, o Gott, zum rechten Wege, (17:19)←アーメリングの歌唱
5.Arie Bass: Bald zur Rechten, bald zur Linken (18:10)
6.Choral: Ertöt uns durch dein Güte, (21:11)

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(2019.11.3(日)追記)BWV70の録音(1967年)

こちらはSandmanさんに教えていただきました。
アーメリングは正規の録音のレパートリー以外にも幅広くバッハのカンタータを歌っているようですね。
ここでも伸びやかな美声と安定した様式美が堪能できます。

●Bach Kantate BWV 70 Wachet betet, betet wachet, H.Schroeder 1967

Sopran: Elly Ameling, Alt: Maureen Lehane,
Tenor: Theo Altmeyer, Baß: Siegmund Nimsgern,
Madrigalchor der Musikhochschule Köln,
Leitung: Hermann Schroeder 1967,

 1.Chor: Wachet betet,betet wachet (0:00)
 2.Rezitativ Baß: Erschrecket, ihr verstockten Sünder, (4:14)
 3.Arie Alt: Es kommt der Tag, an dem wir ziehen, (5:37)
 4.Rezitativ Tenor: Auch bei dem himmlischen Verlangen (10:10)
 5.Arie Sopran: Laß der Spötter Zungen schmähen (11:03)→アーメリングの歌唱
 6.Rezitativ Tenor: Jedoch bei dem unartigen Geschlechte, (13:55)
 7.Choral: Freu dich sehr, o meine Seele, (14:37) Zweiter Teil
 8.Arie Tenor: Hebt euer Haupt empor (16:04)
 9.Rezitativ Baß: Ach, soll nicht dieser große Tag, (19:41)
10.Arie Baß: Seligster Erquickungstag, (21:46)
11.Choral: Nicht nach Welt, nach Himmel nicht, (24:17)

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エリー・アーメリング、シュトゥットガルトでのマスタークラス(Meisterkurs Gesang Elly Ameling)

エリー・アーメリングのマスタークラスがシュトゥットガルトで行われるそうです。入場無料とのこと。
相変わらずお元気にご活躍されているようです。

 こちら

Meisterkurs Gesang
 Elly Ameling

2019.10.23(水) 10:30-13:00, 19:00-22:00 Kammermusiksaal

2019.10.24(木) 10:30-13:00, 19:00-22:00 Kammermusiksaal

2019.10.25(金) 10:30-13:00, 19:00-22:00 Kammermusiksaal

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ヘルマン・プライのライヴ音源(ザルツブルク音楽祭等)

某サイトに、ヘルマン・プライ(Hermann Prey)のライヴ音源がアップされていました。
中には私がクラシック音楽を聴き始めて間もない頃にFMラジオで聞いたものも含まれていました(1982年のシューベルト、ゲーテ歌曲集)。

プライのライヴ音源はまだ商業録音として入手出来るものが限られているので、
こうした貴重な録音が聞けるのは有難いです。

R.シュトラウスの若書きがプライの歌唱で聞けるのも珍しいです!


●Hermann Prey sings Schubert Lieder - Live, 1982
シューベルト:ゲーテの詩による歌曲集

The baritone performs 25 songs by Franz Schubert to texts by Johann Wolfgang von Goethe
in celebration of the 150th anniversary of the poet/writer's death.
Helmut Deutsch is the pianist in this recital from the Salzburg Festival on 5 August 1982.

I. "Der Sänger", D. 149 0:00
II. "Sehnsucht" (Was zieht mir das Herz so?), D. 123 7:55
III. "Rastlose Liebe", D. 138 12:01
IV. "Meeres Stille", D. 216 13:25
V. "Der Fischer", D. 225 17:11
VI. "Der König in Thule", D. 367 20:35
VII. "Der Schatzgräber", D. 256 24:40
VIII. "Erlkönig", D. 328 29:39
IX. "Prometheus", D. 674 33:58
X. "Grenzen der Menschheit", D. 716 39:49
XI. "Ganymed", D. 544 48:03
XII. "An Schwager Kronos", D. 369 52:48
XIII. "Versunken", D. 715 56:11
XIV. "Geheimes", D. 719 57:59
XV. "An die Entfernte", D. 765 59:26
XVI. "Willkommen und Abschied", D. 767 1:03:29

Encores:
XVII. "An den Mond" (Füllest wieder Busch und Thal), D. 259 1:07:31
XVIII. "Tischlied", D. 234 1:11:11
XIX. "Am Flusse", D. 776 1:13:42
XX. "Liebhaber in allen Gestalten", D. 558 1:15:36
XXI. "Der Musensohn", D. 764 1:16:57
XXII. "Der Rattenfänger", D. 255 1:18:57
XXIII. "Heidenröslein", D. 257 1:21:16
XXIV. "Wandrers Nachtlied II" (Über allen Gipfeln), D. 768 1:23:00
XXV. "Wandrers Nachtlied I" (Der du von dem Himmel bist), D. 224 1:26:00

5 August 1982, Großes Festspielhaus, Salzburg

●Hermann Prey sings Strauss Lieder - Live, 1974
R.シュトラウス歌曲集

Taken from the third lied recital at the Salzburg Festival, 4 August 1974, here is baritone Hermann Prey with pianist Karl Engel performing 17 songs by Richard Strauss.

I. “Einkehr” 0:00
II. “Der müde Wanderer” 2:23
III. “Nebel” 6:20
IV. “Die Drossel” 8:20
V. “Zueignung” 11:28
VI. “Nichts” 13:25
VII. “Ständchen” 14:59
VIII. “Breit’ über mein Haupt” 17:36
IX. “Du meines Herzens Krönelein” 19:40
X. “Ach Lieb, ich muß nun scheiden” 22:14
XI. “Ach weh mir unglückhaftem Mann” 24:37
XII. “Ruhe, meine Seele!” 27:09
XIII. “Cäcilie” 31:45
XIV. “Morgen!” 33:55
XV. “Ich liebe dich” 38:04
XVI. “Leises Lied” 40:42
XVII. “Bruder Liederlich” 44:35

4 August 1974, Großes Festspielhaus, Salzburg

●Hermann Prey sings Schubert Lieder - LIVE, 1973
シューベルト歌曲集

Taken from a recital at the 1973 Salzburg Festival, Here are three songs by Schubert sung by Hermann Prey with Leonard Hokanson at the piano.

 I. "Der König in Thule", D 367 (Goethe) 0:00
 II. "Der Sänger", D 149 (Goethe) 3:44
III. "Der Taucher", D 77 (Schiller) 11:00

4 Aug. 1973, Großes Festspielhaus, Salzburg

●Hermann Prey sings Loewe Lieder - LIVE, 1973
レーヴェ:バラーデ集

Taken from a recital at the 1973 Salzburg Festival, 4 August 1973. Here are six songs by Carl Loewe sung by Hermann Prey with Leonard Hokanson at the piano.

 I. "Archibald Douglas", op. 128 (Fontane) 0:00
 II. "Herr Oluf", op. 2, no. 2 (Herder) 11:00
III. "Odins Meeres-Ritt", op. 119 (Schreiber) 16:41
IV. "Der getreue Eckart", op. 44, no. 2 (Goethe) 21:27
 V. "Hochzeitlied", op. 20, no. 1 (Goethe) 26:01
VI. "Erlkönig", op. 1, no. 3 (Goethe) 31:04

4 Aug. 1973, Großes Festspielhaus, Salzburg

●Hermann Prey sings "Ich will den Kreuzstab gerne tragen" BWV 56 - LIVE, 1970
バッハ:カンタータ「われは喜びて十字架を負わん」 BWV 56

From the Vienna Musikverein in 1970, the baritone sings Bach's Cantata 56
with the Vienna Singverein and Vienna Symphony Orchestra
under the direction of Karl Richter.

3 June 1970

●Hermann Prey sings & plays for Böhm!
これは、往年の指揮者カール・ベームの85歳の誕生日を祝って、プライがアコーディオン片手に歌う貴重な映像です。

The baritone sings a comic birthday song at a special 85th birthday program in Salzburg
for the famed conductor Karl Böhm.
The song has fun playing on the conductor's name with the Böhmer Wald (Bohemian Woods).
The tribute was held on August 27, 1979.
Prey accompanies himself on the accordion.

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追悼ジェシー・ノーマン(Jessye Norman)

ソプラノのジェシー・ノーマン(Jessye Norman: 1945.9.15-2019.9.30)が亡くなりました。
ノーマンも歌曲の演奏史にとって欠かせない人物でした。

ノーマンが1980年代半ばに初来日した時、音楽ジャーナリズムはほとんど事件のように騒ぎたてていました。
私は初来日公演は行かず、テレビで見ただけでしたが、その数年後に実演に接し、あたかもジェシー・ノーマン教の祭祀の只中に放り込まれたかのような雰囲気を感じたものでした。
ノーマンが教祖様で、客席は信徒でした。
客席は酩酊したかのように拍手喝采を送り続け、すべての人がスタンディングオベーションで彼女を称えました。
私はノーマンのよく響く深みのある声や表現力の豊かさに感銘を受けながらも、周りの観客と自分との温度差を感じざるを得ませんでした。
もちろん私もひいきの歌手や演奏家に対して熱烈な拍手を送り、その一挙手一投足に目を凝らした経験はあるので、その気持ちはよく分かるのですが、会場の全員といってもいい人たちが例外なく熱狂しているのを見て、私が彼らほどの熱狂に達していないのは何故だろうと妙に冷静に考えていたものでした。

クラシック音楽の楽しみ方として、このような会場が熱狂的に盛り上がり、一体となる楽しみ方もあると思います。
ただ、私はノーマンのパフォーマンスだけでなく、歌曲を純粋に楽しみたかったという気持ちもあったのです。
生であの曲やこの曲が聞けると喜んで出かけた私にとって、ノーマンのコンサートは若干異質な感を拭えませんでした。
ヘンデルを歌ってもシューベルトを歌っても観客は大熱狂の嵐でした。
この頃ノーマンの来日公演で頻繁に共演していたピアニストのフィリップ・モルを気に掛ける人は誰もいないのではないかとさえ思えました。
それから数回聞きに行き、伴奏者がパーソンズやマーカムに変わっても、コンサートの雰囲気は同様でした。

ノーマンのコンサートを楽しんだ方にとって水を差すような文章で申し訳ないのですが、私にとってはノーマンの歌唱は録音で楽しむ方が合っていたということなのでしょう。

ただ実演だからこそ分かることはあると思います。
彼女は間違いなくカリスマでした。
人々がノーマンの声の虜になって熱狂していく様をまざまざと体験することが出来ました。
これは彼女の天賦のものだと思います。

ノーマンはドイツ歌曲もフランス歌曲も丁寧に歌ってきた歌手でした。
シューベルトの「自然に寄せて」といったほとんど知られていない小品を慈しむように歌っているのもノーマンの一つの側面です。
また「全能」の力感に溢れた朗々たる響き、あるいは「死と乙女」の最後の音を低いレで歌う彼女の音域の広さも忘れられません。

ドイツ・グラモフォン社がブラームスの全歌曲を録音する時にF=ディースカウと共にキャスティングしたのはノーマンでした。
これは彼女が紛れもなく歌曲歌手として一流であることを示しているでしょう。
ブラームスの民謡調の有節歌曲を表情豊かに歌うのに、あるいは「ジプシーの歌」の奔放な響きを再現するのにノーマンは適任でした。

彼女は伴奏ピアニストも固定せず、様々な人たちと組んできました。
ゲイジ、ボールドウィン、パーソンズ、モル、レヴァイン、バレンボイム、ダルベルトなど。
誰と組んでも違和感なく彼女の世界を作り上げていきます。

ノーマンはアンコールで必ずといっていいほど黒人霊歌を歌いました。
彼女のルーツですから当然でしょう。
その中で忘れられないのが"He's Got the Whole World in His Hands"という曲です。
私はノーマンの歌唱でこの曲をはじめて知ったのですが、敬虔さもありながら、聴衆を楽しませることも忘れず、素晴らしい歌唱でした。

Jessye Norman sings He's Got the Whole World in His Hands

Geoffrey Parsons(P)

最後に、彼女のエクサンプロヴァンスでのリサイタルのライヴ録音がありましたので、こちらでシェアさせていただきます。

Jessye Norman - Recital Aix-en-Provence 1984

Jessye Norman(S)
Phillip Moll(P)
Alain Marion(FL)
Renaud Fontanarosa(VLC)

Aix-en-Provence 31-07-1984

J. Brahms :
00:00 Botschaft opus 47 n°1,
02:27 Feldeinsamkeit opus 86 n°2,
06:28 Auf dem Kirchhofe opus 105 n°4,
09:54 Saphische Ode opus 94 n°2,
12:31 Meine Liebe ist grün opus 63 n°5.

R. Strauss:
17:31 Ständchen opus 17 n°3,
20:02 Ich trage meine Minne opus 32 n°1,
23:05 Allerseelen opus 10 n°8,
26:44 Morgen opus 27 n°4,
30:55 Kling opus 48 n°4.

M. Ravel:
34:49 Chansons madécasses - Nahandove
40:34 Chansons madécasses - Aoua!
44:46 Chansons madécasses - Il est doux

E. Satie:
52:53 Chanson,
54:07 Elégie,
56:53 les fleurs,
58:35 tendrement.

Encores :
01:06:21 R.Strauss, Wir beide wollen springen
01:09:44 C.Saint-Saens, Mon coeur s'ouvre à ta voix
01:20:02 Spiritual - He's Got the Whole World in His Hands
01:27:32 Spiritual - Great Day

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お久しぶりです

皆さん、ブログの更新が滞ってしまい申し訳ありませんでした。
実は父親が8月に亡くなり、ばたばたしておりました。
ようやく法要も終えて一段落ついているところです。

これからもしばらくは週末に実家に戻ることが多くなるので
ブログの更新はあまり出来ないかもしれませんが、
見守っていただければ幸いです。

父はクラシック音楽の熱心な愛好家というわけではありませんでしたが、
父の兄の影響でウィンナ・ワルツを好んで聞いていました。

また、若いころにダンスを習っていたこともあり、ダンス音楽への思い入れも強かったようです(よくテレビで社交ダンスの大会の模様を見ていたのを思い出します)。

最後に父と会った時は、父のリクエストに応じて
スマホで次から次へとワルツやタンゴを流しました。
これらの作品が父の形見のようにも思えます。

オーストリアの村つばめ

朝刊

皇帝円舞曲

芸術家の生涯

メリー・ウィドウ・ワルツ

美しく青きドナウ

女学生

ラ・クンパルシータ

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