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東京春祭2019オンデマンド配信開始(2019.7.26~10.25までの期間限定)

毎年春に上野で催される東京・春・音楽祭の2019年の公演からいくつか配信を開始しました。
ブリン・ターフェルや藤木大地の歌曲公演は7/28(日)現在はまだ配信されていませんが、もしかしたらそのうち追加されるかもしれませんので要チェックです。

 こちら

歌曲関連で特に注目したのがクララ・シューマンの生誕200年記念のコンサートです。
このコンサートにクララ自身の作品は一曲も含まれていません。
というのも、解説によれば「150年前、50代のクララが行ったとされる演奏家として最後のコンサートを再現」したものだからです。
ピアニストの伊藤恵さんを中心に、様々な演奏家たちが出演して、素敵なコンサートを再現していました。

 プログラムなどの詳細はこちら

歌曲の演奏についてだけ下記に抜き出しておきます。

クララ・シューマン ―― 生誕200年に寄せて【1】

2019年4月5日(金)旧東京音楽学校奏楽堂

31:40頃- シューベルト(Schubert)/若い尼(Die junge Nonne)D828
菅英三子(S)
伊藤恵(P)

50:40頃- ブラームス(Brahms)/愛のまこと(Liebestreu)op.3-1、あこがれ(Sehnsucht)op.49-3
菅英三子(S)
伊藤恵(P)

クララ・シューマン ―― 生誕200年に寄せて【2】

35:50頃- シューマン(Robert Schumann)/きみの顔(Dein Angesicht)op.127-2、《女の愛と生涯(Frauenliebe und -leben)》op.42より第2曲「彼は誰よりも素晴らしい人(Er, der Herrlichste von allen)」
菅英三子(S)
伊藤恵(P)

ソプラノの菅英三子さんがロマン派の名歌曲をしっとりと抑えて歌っているのもなかなか貴重な機会だと思います。
そして、伊藤恵さんのピアノが本当に素晴らしいです!
彼女の歌曲伴奏は実演でも聞いたことがありますが、実に美しい音楽を奏でます。
基本は歌手を立てる演奏ですが、出るべきところでは前面に出て、練られた美しいタッチとペダリング、適切なテンポ、リズムなど、美点を挙げたらきりがないです。

後半のシューマンの歌曲が終わると、伊藤さんによるシューマンのピアノ曲「幻想小曲集」op.12 の抜粋が演奏されますが、これがまた絶品ですので、ぜひ歌曲ファンの方にも聞いていただけたらと思います。

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コメント

フランツさん、こんにちは。

菅さんのドイツリート‼️
聴いてみたかったんです。
若い頃にはドイツ語圏(オーストリアだったかな)にも留学されています。
彼女の声は、中音域はメゾのような温かさとふくよかさがあるのですが、とても透明度の高い声で大好きです。
録音が一般のものが少なく残念です。37歳の時のイタリア歌曲のCDを聞きますと、コロラトゥーラの技術も声も素晴らしく、もっとメジャーになってもよかった歌手だと思います。

それでもこうして音源を見つけて下さって感謝です! まだ聴いていませんので、じっくり聞きますね(^^)

投稿: 真子 | 2019年7月31日 (水曜日) 18時27分

フランツさん、こんにちは。

菅さんのドイツリート‼️
聴いてみたかったんです。
若い頃にはドイツ語圏(オーストリアだったかな)にも留学されています。
彼女の声は、中音域はメゾのような温かさとふくよかさがあるのですが、とても透明度の高い声で大好きです。
録音が一般のものが少なく残念です。37歳の時のイタリア歌曲のCDを聞きますと、コロラトゥーラの技術も声も素晴らしく、もっとメジャーになってもよかった歌手だと思います。

それでもこうして音源を見つけて下さって感謝です! まだ聴いていませんので、じっくり聞きますね(^^)

投稿: 真子 | 2019年7月31日 (水曜日) 18時51分

真子さん、こんにちは。

私もたまたま動画を見ていたら菅さんの名前が目に飛び込んできて、菅さんのリートが聴ける!と嬉しく思いました。

ドイツ語圏に留学されていたとのこと、確かにこの動画の彼女の発音は素晴らしかったです!

若かりし頃の彼女とはまた違った、声を抑制して歌う表現が円熟味を感じさせてくれました。
ロマン派を十八番にしている伊藤さんの絶妙なサポートのもと、菅さんの味わい深い表現が味わえると思います。

それからシックな衣装や舞台での穏やかないでたちなど、きっとお人柄なのでしょうね。とても気持ち良い雰囲気のコンサートでした。

ぜひ楽しんで下さいね!

投稿: フランツ | 2019年8月 1日 (木曜日) 07時48分

フランツさん、こんにちは。

菅さんの歌、聴きました。
若い頃に比べてビブラートが増えた感はありますが、美しい声は健在ですね。

力だけで歌うのではないリートの世界もしみじみしますね。
特に「若い尼」は、激しく歌われる事が多いので、こういう演奏もあるんだなと思いながら聴きました。

素敵な動画をありがとうございました(^^)

投稿: 真子 | 2019年8月 5日 (月曜日) 17時58分

真子さん、こんばんは。

菅さんのご感想を有難うございます!
年輪を重ねて声が変わってくるのは歌手の宿命ですが、その時々に合った歌い方を皆模索して会得していくのではないかと思います。

菅さんも持ち前の美しい響きを残しながら、声に頼らず抑えた表現を聞かせてくれました。
「若い尼」はおっしゃるように激しく歌われることの多い曲ですが、彼女の内面に向いた表現も素敵でしたね!

コメントを有難うございました(^^)

投稿: フランツ | 2019年8月 7日 (水曜日) 01時10分

今も春祭動画見れています。終了後1月になります。
今年は楽しめるのがないな~と思っていたら
都響が出てきたモーツァルト聴いて、
あとマラソンコンサートを楽しんでいますなかなか面白い。
ウイーンフィルのヴァイオリン 芝笛を鳴らすようなと例えられる音は今も同じ。
まさにウイーンフィルは別格の言葉どうりの響き。
ヴァイオリン一人加わるだけで別次元。

音楽を楽しめるのは心身とも良好と言う事か。

投稿: tada | 2019年11月27日 (水曜日) 18時58分

tadaさん、こんにちは。
お久しぶりです。
コメントを有難うございます!

春祭といえばtadaさんという印象を持っていたので、いつも通り楽しんでおられると知り、良かったです。

ちなみに私は藤木大地さんとマーティン・キャーツの歌曲を楽しみました。

tadaさんはモーツァルトがお好きなんですね。私は歌曲とピアノソナタはよく聴きますが、交響曲は久しく聴いていなかったので、少し聴いてみますね。

ヴィーン・フィルは昔ヘッツェルの室内楽を聴きましたが、音が艶艶していて、未だにあの時の響きが忘れられません。

>音楽を楽しめるのは心身とも良好と言う事か。

本当におっしゃる通りですね。何よりも心身が健やかであることが重要だなぁとつくづく感じています。

投稿: フランツ | 2019年11月30日 (土曜日) 19時43分

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