« シューベルトの「ただ憧れを知る人だけが(Nur wer die Sehnsucht kennt)」の6種類の曲を聞く | トップページ | イェルク・デームス(Jörg Demus)を偲んで:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウとの1980年アムステルダム・シューベルト・リサイタル »

「ただ憧れを知る人だけが(Nur wer die Sehnsucht kennt)」のテキストによる様々な作曲家の作品を聴く

Nur wer die Sehnsucht kennt
Weiß, was ich leide!
Allein und abgetrennt
Von aller Freude
Seh ich an's Firmament
Nach jener Seite.
Ach, der mich liebt und kennt,
Ist in der Weite.
Es schwindelt mir, es brennt
Mein Eingeweide.
Nur wer die Sehnsucht kennt
Weiß, was ich leide!
 ただ憧れを知る人だけが
 私が何に苦しんでいるのか分かるのです!
 ひとり
 あらゆる喜びから引き離されて
 私は天空の
 あちら側に目をやります。
 ああ、私を愛し、知る方は
 遠方にいるのです。
 私は眩暈がして、
 はらわたがちくちく痛みます。
 ただ憧れを知る人だけが
 私が何に苦しんでいるのか分かるのです!

詩:Johann Wolfgang von Goethe (1749-1832), "Mignon", written 1785, appears in Wilhelm Meisters Lehrjahre, first published 1795
曲:Franz Peter Schubert (1797-1828)

-----------

前回の記事は、「ただ憧れを知る人だけが」の詩によるシューベルトの歌曲のみを集めましたが、今回は様々な作曲家によるこのテキストによる作品を集めてみました。
シューベルトとチャイコフスキーの曲が最も知られていますが、他の作曲家(ライヒャルト、ツェルター、ベートーヴェン、ファニー・ヘンゼル・メンデルスゾーン、シューマン、ヴォルフ)の歌曲も比較してみると面白いと思います。

Johann Friedrich Reichardt: Sehnsucht

Kimberly Martinez(MS) & unidentified pianist

Carl Friedrich Zelter: Nur wer die Sehnsucht kennt, Z. 120-5

Bettina Pahn(S) & Tini Mathot(fortepiano)

Beethoven: Sehnsucht, WoO 134-1

Adele Stolte(S) & Walter Olbertz(P)

Beethoven: Sehnsucht, WoO 134-2

Adele Stolte(S) & Walter Olbertz(P)

Beethoven: Sehnsucht, WoO 134-3

Adele Stolte(S) & Walter Olbertz(P)

Beethoven: Sehnsucht, WoO 134-4

Adele Stolte(S) & Walter Olbertz(P)

Schubert: Lied der Mignon "Nur wer die Sehnsucht kennt", D 877-4

Matthias Goerne(BR) & Eric Schneider(P)

Fanny Mendelssohn-Hensel: Mignon

Dorothea Craxton(S) & Babette Dorn(P)

Schumann: Nur wer die Sehnsucht kennt, Op. 98a-3 (aus Lieder und Gesänge aus 'Wilhelm Meister')

Edith Mathis(S) & Christoph Eschenbach(P)

Wolf: Mignon II

Elly Ameling(S) & Rudolf Jansen(P)

Tchaikovsky: Nur wer die Sehnsucht kennt, Op. 6-6 (Russian)

Dmitri Hvorostovsky(BR) & Ivari Ilja(P)

Tchaikovsky: Nur wer die Sehnsucht kennt, Op. 6-6 (German)

Elisabeth Schwarzkopf(S) & Gerald Moore(P)

|

« シューベルトの「ただ憧れを知る人だけが(Nur wer die Sehnsucht kennt)」の6種類の曲を聞く | トップページ | イェルク・デームス(Jörg Demus)を偲んで:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウとの1980年アムステルダム・シューベルト・リサイタル »

音楽」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

ゲーテ」カテゴリの記事

コメント

フランツさん、こんにちは。

こんなに様々な曲があるんですね!
作曲家それぞれに、詩から受けるものがこんなに違うと言うことですね。

ベートーヴェンは、いつものベートーヴェンらしくない曲想におもいました。
シューマンはらしかったです!
また、メゾやバリトンの深く豊かな響きだと趣も変わりますね。
リートを聞く醍醐味ですね。
楽しくワクワクする体験でした。

投稿: 真子 | 2019年6月21日 (金曜日) 17時14分

真子さん、こんばんは。
今回もコメントをいただき、有難うございます!

このゲーテのテキストは多くの作曲家を惹きつけたようですね。
本当にそれぞれ異なる魅力があって、こうしてまとめて聞いてみるのは興味深いと思います。
真子さんにもワクワクしていただけて嬉しいです(^^)

シューマンはやはり個性が音楽に出ていますよね。マティスの歌も素晴らしいです。

ベートーヴェンが同じテキストによって4回も繰り返し作曲しているのが興味深いですね。確かにいつものいかつい感じではなく素朴な趣がします。ただ4作目は「目眩がして...」の箇所でテキストを反映した曲調の変化があって、彼の技法の多様さをあらためて感じました。

ゲルネが女声の曲を歌うと不思議と違和感を感じないんですよね。包容力のある声ゆえでしょうか。

また、このような企画を考えて投稿したいと思います。

投稿: フランツ | 2019年6月22日 (土曜日) 22時43分

フランツ様 はじめまして

以下のオペラ映画フィガロの結婚、魔笛のヘルマン・プライをyoutubeで見て、検索していて辿り着きました。
惜しくも早逝したDmitri Hvorostovskyのただ憧れを知る者のみが、
の音声をこちらで拝聴することができて幸せです。
ありがとうございました。

1976年 ロンドン、1975年 ウィーン
指揮:カール・ベーム
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
演出:ジャン=ピエール・ボネル
伯爵夫人:キリ・テ・カナワ
スザンナ:ミレッラ・フレーニ
フィガロ:ヘルマン・プライ

投稿: ライラック | 2019年8月10日 (土曜日) 17時21分

追伸

フィガロの結婚
https://www.youtube.com/watch?v=xKhY7aV3KzY

マルチェリーナ役のオペラ歌手の名前をご存知でしたらご教示いただけましたら幸いに存じます。

投稿: ライラック | 2019年8月10日 (土曜日) 17時25分

ライラックさん、はじめまして!
コメントをいただきまして、有難うございます。

フヴォロストフスキーはあまりにも早く亡くなってしまいましたね。
彼はオペラで大活躍しましたが、ロシア歌曲の録音も多く残していて、まだこれからという時期に残念でした。

プライの「フィガロの結婚」を検索されてご訪問いただけたとのこと、有難い限りです。
こちらのブログにはプライのファンの方々も沢山ご訪問くださっています。
楽しんでいただければ幸いです。

ちなみにマルチェリーナ役の歌手はヘザー・ベッグ(Heather Begg)というメゾソプラノで、ニュージーランド生まれ、英国やオーストラリアで活動したそうです。2009年に亡くなっています。

投稿: フランツ | 2019年8月10日 (土曜日) 22時19分

フランツ様

お返事ありがとうございます。

>彼はオペラで大活躍しましたが、ロシア歌曲の録音も多く残して

バラライカ伴奏のは大体ロシア民謡かしら、と思いつつ沢山聞きました。ドイツもロシアも冬は寒く長いでしょうけれども、ロシア民謡の方がやや暗く悲しい?気がしたのですが。
https://www.youtube.com/watch?v=sJQpyk1Oke4

クルトイ氏作曲の現代歌謡曲も沢山あるようですね。Deja Vuをアイーダ・ガリッフリーナとデュエットなど。彼は20代の頃、英国ロックグループのQueenと親交があったとか、クラシックだけに収まらない方だったのかなと思いました。
https://www.youtube.com/watch?v=NRSuJljjEHw
https://www.youtube.com/watch?v=khzDpIw1Qsc

>ヘザー・ベッグ(Heather Begg)というメゾソプラノで、ニュージーランド生まれ

ありがとうございます。奇しくもキリ・テ・カナワと同郷の方だったのですね。このオペラ映画のキャストは大好きで、皆様演技良し、声よし、顔芸上手い。ラスト、ミレーラがヘルマンをボコボコに足蹴りするあたり可笑しくてよく見ます。


Hermann Prey "Süsses Begräbnis" Loewe
とてもとても美しい曲ですね。ご紹介ありがとうございました。音楽葬にするならリストに入れたい曲です。

Schumann - Im wunderschönen Monat Mai
この曲も好きですが、最後がえ?ここで終わってしまうの?という終わり方に感じます。


Hermann Prey; "Du bist wie eine Blume"; Myrten-Lieder; Robert Schumann
他、彼の甘く包容力のある豊かな歌声は、ゆりかごの中にいるような安らかな気持ちにさせてくれますね。コミカルな演技も絶品、ロマンチックな歌もこの上なくリッチ。

ヘルマン・プライはフィガロと伯爵の両方を歌った珍しいオペラ歌手と読んだのですが、フィガロ役の動画はありますが、伯爵役の動画は残念ながらないようです。若い頃はフィガロにぴったりでしたが、年を重ねてから伯爵役に変わったのかもしれませんね。

ご存知かもしれませんが、ヘルマン・プライの古い動画を見つけましたので書かせていただきます。

Luigi Alva / Hermann Prey / Walter Berry - La mia Dorabella - Cosi fan tutte - Mozart
https://www.youtube.com/watch?v=AjYRDCx8M_E

コメディアンとのやりとりが楽しいショー
Hermann Prey and Peter Alexander-Largo al Factotum
https://www.youtube.com/watch?v=oa-3vxxftQQ

昨日貴ブログを初めて訪問しましたので、これからゆっくり拝読させていただきますね。ありがとうございました。

投稿: ライラック | 2019年8月11日 (日曜日) 10時37分

ライラックさん、こんにちは。

フヴォロストフスキーについていろいろご教示いただきまして有難うございます。
ロシア民謡は特有の芯から冷えるような暗さがありますね。日本人は古くからロシア民謡を愛好していたようですが、惹きつけられるものがあるということなのでしょうね。

フヴォロストフスキーは舞台姿はクールな雰囲気がありましたが、歌声は情熱が感じられました。ジャンルにとらわれない活躍をされていたようですね。

キリ・テ・カナワもそう言えばニュージーランド生まれでしたね。
「フィガロ」は昔VHSの2本組ビデオを買いました。また別の媒体で見てみますね。フレーニにボコボコにされるプライ、見てみます。

プライのシューマンやレーヴェ、ロマンチックで素敵ですよね。

コシ・ファン・トゥッテのご紹介有難うございます。コメディーショー共々じっくり見てみますね。

なお、個人的な事情でしばらくブログの更新はお休みしています。
コメントのご返事もしばらく遅れるかもしれませんが、ご了解いただければ幸いです。

素敵なコメントを有難うございます。

投稿: フランツ | 2019年8月12日 (月曜日) 19時39分

フランツ様

お返事ありがとうございます。
Nur wer die Sehnsucht kenntはチャイコフスキーのしか知らなかったのでとても勉強になりました。ありがとうございます。ヘルマン・プライが歌ったこの曲はyoutubeでは見当たらず残念です。

An die Musik D 547 Franz SchubertやMozartにも美しい小品があることをウィーン少年合唱団をきっかけに昔知りました。滝廉太郎も現地できっとドイツ・リートやオペラを聞いたのでしょう、と想像しました。

赤い靴履いていた女の子、異人さんに連れられて行っちゃった。とか花嫁人形、月の砂漠も哀愁が漂い、幼な子でも一度聞いたら忘れえぬメロディと歌詞で、やはり日本人も悲しい曲を好む一面があるのかもしれないですね。

匈奴、突厥、吐蕃、渤海の人々がロシアを通り、東北に渡来していたらしいので、ロシア的要素をDNAに多少とも持っている人々が日本にもいるのだと思います。色白で背も高く目鼻だちもはっきりした美男美女が日本人にいらっしゃいますが、渡来系のご先祖なのだろうなと感じます。


プライのベルベット声は、癒されますね。ワルツも素敵です。
Ich Tanze mit die in den Himmel hineinhttps://www.youtube.com/watch?v=zXxsdYs_13M


フレーニは平手打ち2回(1回目は裁判後、マルチェリーナと抱き合うフィガロを誤解して)、伯爵夫人の白いドレスを着ているのに器用に足蹴り、ハイヒールも片足をぶん投げる、とコミカル全開、とても可愛らしくプライとお似合いでしたので、是非下記のURLにてご覧下さいませ。

Le Nozze di Figaro (1976) (part 1) (english subtitles)
https://www.youtube.com/watch?v=qtDQvKB4kvA

Le Nozze di Figaro (1976) (part 2) 第3幕からhttps://www.youtube.com/watch?v=aE5EtS-b2pc

1:08あたりから、伯爵夫人の服を着たスザンナとフィガロのやりとりが始まります。2人の茶目っ気たっぷりの表情とジェスチャーが最後まで可笑しく、オペラ映画演出のJean-Pierre Ponnelleが鬼才と呼ばれた人であったことを知りました。

お返事は急ぎませんので、ゆっくりご覧になれる時がありましたらどうぞ。
私も沢山ご紹介されている記事を少しずつ拝見したいと思います。ありがとうございました。

投稿: ライラック | 2019年8月16日 (金曜日) 00時08分

ライラックさん、こんにちは。
コメントを有難うございます。

チャイコフスキーのNur wer die Sehnsucht kenntはとろけるような甘いメロディーに溢れているので、プライが歌ったらピッタリでしょうね。録音がどこかにないでしょうかね。

ウィーン少年合唱団は厳しい練習と規則正しい生活であれほどの美しいハーモニーが生み出されるのでしょうね。いろんなレパートリーを代々継承しているのは素晴らしいと思います。

確かに日本人は物哀しいメロディーに惹かれる傾向が強い気がします。日本の童謡や唱歌などを研究されている方の本を書店で見かけたりするので、そのあたりももしかしたら解き明かされているかもしれませんね。

色白のロシア系と思われる方、たまにいますね。純粋な日本人でもロシア民謡に惹かれる何かがあるというのが興味深いです。

プライのワルツとポネル演出の「フィガロの結婚」の動画を紹介して下さり有難うございます。
実は身内の不幸があり、しばらくばたばたしていますが、落ち着きましたらゆっくり見させていただきますね。

有難うございました。

投稿: フランツ | 2019年8月19日 (月曜日) 19時29分

フランツ様

逝去なされた方の、ご冥福を心よりお祈り致します。お悲しみのところ度々失礼致しました。

と言いつつ補足いたしますと、
先のプライのコメディの後半は、コメディアンのリクエストでタキシードを着たまま、床屋役フィガロを歌いながら、容赦なく髭剃りの泡をコメディアンに投げつけ、陽気に髭を剃りながらフィガロを歌い上げる珍しい動画でした。

プライのインタビューでは、断然冬の旅の方が、本来の自分である、と語っていました。ドイツ人の歌手として、初めてイタリアで大役を歌った時は緊張したとか。イタリア人は、自分達が世界一オペラは上手い!という自負があるらしいですね。先ほどのフィガロ役も、プライのプロ根性を見た気がしました。晩年のプライは、教授といった風格で、マスターコースの学生さんを教えていますね。

私は、なんとなく落ち着きますので、1年前より般若心経を毎朝唱えております。熱心な仏教徒でもなんでもないのですけれども。神道には詳しくないもので。

残暑厳しき折、御身お大切にお過ごしくださいませ。

投稿: ライラック | 2019年8月22日 (木曜日) 21時15分

ライラックさん、こんにちは。
お気遣い、有難うございます。
葬儀も無事終えてとりあえずホッとしております。

私も昔般若心経の本を買って自宅で唱えていたことがありました。関西に旅行に行く時には特定のお寺で写経をしています。
特に信心深いわけではなかったのですが、この機会に少し調べてみようかなと思います。

プライについてのご説明、有難うございます!
もう少しして再開するタイミングが来た際にはまたよろしくお願いいたします。

投稿: フランツ | 2019年8月28日 (水曜日) 08時01分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« シューベルトの「ただ憧れを知る人だけが(Nur wer die Sehnsucht kennt)」の6種類の曲を聞く | トップページ | イェルク・デームス(Jörg Demus)を偲んで:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウとの1980年アムステルダム・シューベルト・リサイタル »