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万葉集による歌曲

今日(2019.5.1(水))からいよいよ新元号「令和」になりましたね。
「平成」に変わった時とは事情が異なることもあり、懐古の気持ちだけでなく、晴れやかな気持ちで迎えることが出来ます。

ところで、この「令和」がはじめて日本の古典から引用された元号になったということで話題になりました。
「万葉集」からの引用だそうです。

この「万葉集」をテキストにした歌曲といえば、ゴジラの音楽で著名な伊福部昭の作曲した「因幡万葉の歌五首(1994)」という歌曲集があります。

知られざる日本歌曲の開拓者として第一人者であるソプラノの藍川由美さんが伊福部歌曲全曲を2枚組のCDに収録しており、その中でこの歌曲集も聞くことが出来ます。

アルトフルート(中川昌巳)と二十五絃箏(野坂惠子)と歌という編成がなんとも艶めかしく、原初の響きを思わせるような伊福部メロディーを藍川さんが実に素晴らしく歌っていますので、興味のある方はぜひお聞きください。

5曲中、最初の4曲のテキストが大伴家持(おおとものやかもち)の作、最後の1曲がその叔母であり義母でもある大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)の作です。

1.あらたしき(大伴家持)
新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事
 テキストの解説、訳はこちら

2.はるののに(大伴家持)
春の野に霞たなびきうら悲しこの夕かげに鶯鳴くも
 テキストの解説、訳はこちら

3.はるのその(大伴家持)
春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つをとめ
 テキストの解説、訳はこちら

4.さよふけて(大伴家持)
さ夜更けて暁月に影見えて鳴く霍公鳥聞けばなつかし
 テキストの解説、訳はこちら(ページの一番上)

5.わがせこが(大伴坂上郎女)
我が背子が面影山のさかゐまに我のみ恋ひて見ぬはねたしも
 テキストの解説、訳はこちら(ページの下の方)

第3曲のみが同じテキストを何度も繰り返す軽やかな雰囲気の作品で、それ以外は官能的なメロディーがしっとりとかみしめるように歌われます。

「詩と音楽」のサイトに藤井さんの素晴らしい解説がありますので、ぜひそちらもご覧ください。

 こちら

下記の動画は、因幡一宮 宇部神社 拝殿において、田中修一氏がさらに多くの楽器と二人の歌手のために編曲した版が演奏されています。
二人の歌手は万葉集からのテキストを歌いながら、 原曲におけるアルトフルートのメロディーもハミングで歌っています。
風の音も入っていて、荘厳な雰囲気に引き込まれます。

「因幡万葉の歌 五首」作曲*伊福部昭 編作*田中修一

「Omaggio a Akira IFUKUBE」作曲*田中修一
「因幡万葉の歌 五首」作曲*伊福部昭 編作*田中修一
Ten.*種田光洋 Bar.*川西顕
雲鑼*伊福部玲 太鼓*弓田真理子 月琴*甲田潤 阮咸*長尾博子
箏I 箏II 十七絃*鈴木晴梛・溝淵節子・村角貴子
指揮*田中修一
2009年4月20日
因幡一宮 宇部神社 拝殿

※上記リンクを貼らせていただきましたサイトの方々、有難うございます。もし不都合がございましたら、コメント欄にお知らせください。

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