ヘルマン・プライ&ジェラルド・ムーア/シューベルト「冬の旅」(1959年ケルン録音)配信限定リリース
いつもコメントを下さるプライファンの真子さんからの情報で、ヘルマン・プライ(Hermann Prey)&ジェラルド・ムーア(Gerald Moore)の「冬の旅」初出音源が発売されたことが分かりましたので、ご紹介します。
プライとムーアのコンビはシューベルトのゲーテ&シラー歌曲集、「白鳥の歌」、ブラームス、ヴォルフ、プフィッツナー、R.シュトラウス歌曲集など数多くの名盤を残してきましたが、「冬の旅」の録音はありませんでした。
今回、1959年ケルン録音ということまではジャケット写真の記載で分かっているのですが、パッケージではなく、配信のみの販売とのことで、詳細ないきさつなどは不明です。
音源を聞いた限りでは、ライヴ録音ではなさそうです。
放送録音か、あるいは商業用に録音してお蔵入りになった録音なのでしょうか。
音は悪くないです。
Singers of the Century - Hermann Prey: Winterreise
プライは伸びやかな美声で丁寧に歌を紡いでいきます。
ムーアは安定したテンポで、歌に満ちた演奏を聞かせています。
興味のある方はまずは上記のサイトから試聴してみることをお勧めします。
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もう一つ、動画サイトにプライとホカンソンによるシューベルトの1984年ヴィーン・ライヴ録音がアップされていました。
録音: Nov. 1984, Brahms-Saal, Musikverein, Wien (live)
Hermann Prey(BR)
Leonard Hokanson(P)
Franz Schubert:
I. Sehnsucht(憧れ), D 123 0:00-
II. Am See(湖上で), D 124 4:05-
III. Der Taucher(水中を潜る男), D 111 10:14-
IV. Geistes-Gruß(幽霊の挨拶), D 142 34:39-
V. Genügsamkeit(満足), D 143 36:41-
VI. Der Sänger(歌びと), D 149 38:34-
VII. Alles um Liebe(愛のすべて), D 241 46:25-
長大な「水中を潜る男(潜水者), D 111」が聞きものですが、他に「満足」や「愛のすべて」のような珍しい作品も歌われていて貴重な音源だと思います。
プライ生誕90年にあたり、あらためて彼の録音を一つ一つ聞いてみるのもいいかもしれませんね。
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コメント
フランツさん、こんばんは。
この音源、記事にしてくださったのですね。
私もプライファンの方のブログで知ったのですが、1959年の「冬の旅」ということでワクワクしました(ちなみに、この年に息子のフローリアンさんが生まれています)。
1961年のエンゲルとの「冬の旅」より更にフレッシュな演奏ですよね。2年しか経っていないのに、ずいぶん印象が違います。
60年も前の録音とは思えない、古さを感じさせない演奏でした。
伸びやかでおおらかで、瑞々しいこの演奏を聞いていると、若い時にしか歌えないこういう「冬の旅」もいいなあと思いました。
おおらかでも、とても細やかに神経を使っていると感じる部分も勿論あって、彼の演奏の魅力を満喫しました。
それからこの写真、大のお気に入りなんです。
若き日のプライさん、彫刻のように綺麗!
今回デジタルミュージックでの販売でしたが、今後もこういうスタイルが増えそうですね。
私のような者は、やれやれ・・と思ってしまいます(笑)
投稿: 真子 | 2019年2月 8日 (金曜日) 21時41分
大事な事を言い忘れました。
ホカンソンとのシューベルトの1984年ヴィーン・ライヴ録音もありがとうございました。
50代半ばの包容力の有る歌もまた魅力です。
本当に珍しい曲が入っていてお宝録音ですね。
良く見つけてくださいました(*^^*)
未聴の音源を聞けるのは本当に嬉しいです♪
ありがとうございました(*≧∀≦*)
投稿: 真子 | 2019年2月 8日 (金曜日) 21時48分
真子さん、こんにちは。
そして、情報提供いただきまして、本当に有難うございます!
お陰様で一つ記事が出来ました。
もちろん真子さんが参照されたブログの執筆をされた方にもこの場をお借りしてお礼申し上げます。
1959年はプライの息子さんが生まれた年なのですね。
この「冬の旅」は、これまでのプライの商品化された「冬の旅」の中では最も若い録音になるのですね。
すでに完成された歌唱でありながら、若い頃ならではのみずみずしい声の魅力もあり、とても素晴らしい演奏だと思いました。
プライファンの方はもちろん、「冬の旅」が大好きという方にも知ってもらいたいですね。
そしてこのジャケット写真もかっこいいですね。
今後はこういう配信のみの販売も増えていくと思いますが、基本的なデータは掲載してほしいなぁと思います。
CDを買うと家でブックレットを開くのも楽しみでしたからね。
それからホカンソンとのヴィーンライヴは最近動画サイトにアップされていたものです。80年代の円熟期の録音で「Der Taucher(水中を潜る男)」などドラマティックな迫力は依然として素晴らしかったです。
投稿: フランツ | 2019年2月 9日 (土曜日) 16時33分
フランツさん、こんばんは。
この「冬の旅」も、仰るとおり多くの人に聴いて欲しいですね!
熟したいぶし銀のような「冬の旅」もいいですし、こんなに瑞々しい「冬の旅」もとても魅力があります。
若い頃のプライさんはドラマチックな声を持っていますが、円熟期の渋さの加わったドラマチックさもまた違った味わいがあります。
こうして時代ごとの声、演奏を楽しめる幸せを噛み締めています♪
投稿: 真子 | 2019年2月 9日 (土曜日) 22時46分
真子さん、こんばんは。
プライは沢山「冬の旅」を録音してくれたので、こうしてそれぞれの時期ごとのプライの歌唱を楽しめるのはありがたいことですね。
おそらく世界各地に彼の「冬の旅」の実況録音は眠っていることでしょうから、少しずつでも発掘されるといいですね。
商品化が難しくても、ネット上で聞けるようにしてくれるといいですよね。
NHKはオーケストラの過去の名演はCD化をしているので、そのうち歌曲リサイタルにも目を向けてくれるといいなぁと思います。1997年のサントリーホールでのシューベルトシリーズは沢山収録しているはずですしね。
投稿: フランツ | 2019年2月10日 (日曜日) 22時23分