ハイドン、ベートーヴェンの民謡編曲
ハイドン、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ヴェーバーといった古典派からロマン派の大作曲家たちが、英語圏の民謡に複数の楽器の伴奏を付けて出版したことは興味深い事実ですが、その中で、我々に馴染みの深い曲も含まれていることに驚かされます。
そんな例をいくつか挙げてみたいと思います。
最初は、ハイドンの編曲による次のとあるスコットランド民謡を聞いてみて下さい。
続いて、同じ原曲をベートーヴェンが編曲した演奏です。
上記はお馴染みの「蛍の光(Auld Lang Syne)」ですね。
次に、よく知られたアイルランド民謡のベートーヴェン編曲版をお聞き下さい。
「夏の名残のばら(The Last Rose of Summer)」です(日本では「庭の千草」として知られています)。
ベートーヴェンの曲のタイトルは"Sad and Luckless was the Season"で、同じ音楽に別の詩が付けられたものがあるということでしょうか。
次にイギリスを代表する作曲家ブリテンの編曲による「夏の名残のばら」を聞いてみましょう。
こちらは伴奏はピアノのみですが、独特のコードが個性的です。
Kathryn Rudge - Mezzo Soprano. David Jones - Piano
最後に日本の唱歌となった「庭の千草」を往年の名歌手、関屋敏子さんの歌で聞いてみたいと思います。
ある地域で歌われていた音楽が、形を変えて、時代を超えて、場所も大きく飛び越えて生き残っているのがとても面白いですね。このあたりのことを研究されている方もきっと沢山いらっしゃることと思います。
それにしてもSPレコードの針の音は、私の子供の頃にはすでに消えていたにもかかわらず、不思議な郷愁を駆り立てられます。関屋さんの美しい声もとてもいいですね。
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