マティス、シュライアーらの歌うブラームス「愛の歌・ワルツ」の映像
エディト・マティスやファスベンダー、シュライアーらによるブラームスの四重唱曲「愛の歌・ワルツ」Op.52がアップされていたのでご紹介します。
これはピアノ連弾を伴った短い18曲からなる作品で、ブラームスの指示に従い時に歌なしで演奏されることもありますが、やはり歌がある方が面白いと思います。
この動画で、私が注目したいのはカール・エンゲルの姿を見ることが出来る点です。
彼の膨大な録音は常々聴いているものの、実演に接する機会もなく、一度NHKでモーツァルトの室内楽を演奏する姿を見たぐらいだったので、こうして彼の演奏する姿が見られるのはとてもうれしいです。
もちろん名歌手たちのアンサンブルも聴きもので、ブラームスの小曲の連続をわくわくしながら楽しむことが出来ます。
ちなみにピアノのセコンド(低音パート)を担当しているメジモレツはマティスのリサイタルなどでしばしば歌曲を演奏している名手です。
ブラームス/「愛の歌・ワルツ(Liebeslieder Walzer)」Op.52
製作:1983年
エディト・マティス(Edith Mathis)(S)
ブリギッテ・ファスベンダー(Brigitte Fassbaender)(MS)
ペーター・シュライアー(Peter Schreier)(T)
バリー・マクダニエル(Barry McDaniel)(BS)
カール・エンゲル(Karl Engel)(P:primo)
ハインツ・メジモレツ(Heinz Medjimorec)(P:secondo)
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コメント
フランツさん、こんにちは。
往年の名歌手たち、若いですね。
この歌手たちをサポートするのがカール・エンゲル!
なんという贅沢でしょうか。
ブラームス/「愛の歌・ワルツ」ははじめて聞きましたが、素敵な曲集ですね。
ブラームスは結構チャーミングな曲を作っているんですね。
マティスの低音もしっかりしながら、クリスタルのような声の響きが印象的です。
投稿: | 2017年2月22日 (水曜日) 18時16分
すみません、上の投稿は私です。
投稿: 真子 | 2017年2月22日 (水曜日) 18時18分
真子さん、こんばんは。
楽しんでいただけたようで良かったです(^^)
確かに皆若かりし頃の姿がなんともいいですね。
カール・エンゲルはプライ、ディースカウ、シュライアーらの伴奏だけでなく、シューマンのピアノ曲全集やモーツァルトのソナタ全集、協奏曲全集も録音しているほど技術は確かなので、安心して聴けますよね。
ブラームスの愛らしい側面がよくあらわれた曲集だと思います。
ブラームスには「新・愛の歌」という続編もあって、そちらも愛らしい小曲集になっています。
マティスのつやつやしたむらのない美声はやはり印象に残りますよね。
芯が一本通っているような声なので、低音も充実して素敵だと思います。
彼女の歌うリートは本当に魅力的だと思います。
投稿: フランツ | 2017年2月23日 (木曜日) 19時35分
フランツさん、こんばんは。
私の友人にカール・エンゲルが大好きな人がいます。
きっかけは私が貸したプライさんの1971年の「美しい水車小屋の娘」のCDなんです。彼女自身とても歌もピアノも上手い人で、今も声楽を続けています。
その友人もマティスを好きです。
>芯が一本通っているような声なので、低音も充実して素敵だと思います。
本当にそうですね。
美声だけど、声の美しさだけに頼らない深さをマティスのリートに感じます。
低音も充実しているから、表現の幅もありますね。
投稿: 真子 | 2017年2月24日 (金曜日) 19時16分
真子さん、こんにちは。
ご友人がエンゲルのファンなのですね。
プライと演奏した「水車屋」でのエンゲルは若々しく爽やかで魅力的ですよね。
歌曲の伴奏に惹かれてファンになられたというのは嬉しいです。
マティスも含めて、歌曲の名歌手たちは、皆美声を持っていながらも、声に頼り過ぎず、作品を尊重しているのが感じられますね。
マティスは決して歌曲の録音は多くはありませんが、偉大なリート歌手として名前を挙げるべき一人だと思います。
投稿: フランツ | 2017年2月25日 (土曜日) 14時32分
フランツさん、こんにちは。
春と聞かねば 知らでありしを
聞けば急かるる 胸の思いを
いかにせよとのこの頃か
いかにせよとのこの頃か
「早春賦」の2番ですが、毎年この季節になると口ずさみたくなります♪
言い得て妙の歌詞ですよね。
さて、カール・エンゲルですが、友人が昔「エンゲルは音の輪郭がはっきりしていて好き」と言っていたような記憶があります。
私はそこまで聴き分ける耳がないのでわからないのですが、1971年5月のプライさんの「水車小屋の娘」が大変溌剌とした演奏だったのは、エンゲルのピアノの色合いもあったということなのでしょうか?
同年秋に録音されたPhilips盤の同曲が、あまりに違う演奏でしたので。
もちろん、プライさんの声のコンディションや、5月の時とは違う解釈を入れたのかもしれませんが。
投稿: 真子 | 2017年3月 5日 (日曜日) 10時59分
すみません。
>プライと演奏した「水車屋」でのエンゲルは若々しく爽やかで魅力的ですよね。
と書いてくださっていますね。
質問の書き方が悪かったですが、「はっきりした輪郭の音」に導かれて歌唱が変わるということもあるのかな、と思いまして。
投稿: 真子 | 2017年3月 5日 (日曜日) 11時04分
真子さん、こんばんは。
「早春賦」懐かしいです。
まさにこの曲が似つかわしい時期になりましたね。
さて、カール・エンゲルについての「音の輪郭がはっきりしていて好き」というご友人の言葉はまさにエンゲルの美質をとらえた鋭いご感想だと思います。
エンゲルは音がクリアで澄んでいて、しかも力強さもあるので、「水車屋」の物語が臨場感たっぷりに描かれていきますね(ホカンソンの演奏とは対照的ですよね)。
とてもくっきりした音づくりをするピアニストなので、シューベルトの伴奏パートが明瞭に響いてきて、とても魅力的です。先日プライ&エンゲルの「冬の旅」の録音を久しぶりに聴いていたのですが、エンゲルは激しい曲ではそのくっきりした音でかなり雄弁に訴えかけてくるんですよね。しかし、プライの歌のリズムや余韻は決して壊さない。
そのソリストと伴奏者のそれぞれの良さを両立させているところが彼の稀有なところではないかと思います。
プライがピアニストによって歌い方が変わるのは面白いですよね。私はプライが解釈をピアニストに提示して、それをピアニストが理解して演奏しているのではないかと推測しています。
例えば「白鳥の歌」の1回目の共演者のヴァルター・クリーンはモーツァルト奏者として著名な方で、決して迫力で聞かせるタイプではないにもかかわらず、あの「白鳥」ではプライに負けじと情熱的なピアノを聞かせていますよね。
プライがその時歌いたい解釈をピアニストに伝えて、さらにピアニストの個性もそこに加わっているのが、数々の名盤に刻まれているのかもしれませんね。もちろんプライの声のコンディションも関係あるのでしょうが、年を経るたびに対象を客観視する視点が加わっているような印象も受けます。
投稿: フランツ | 2017年3月 6日 (月曜日) 19時49分
フランツさん、こんにちは。
詳しい解説をありがとうございました。
さすがピアニストの演奏も深く聴き込んでおられるフランツさんですね。
そういえば、プライさんの一回目の「冬の旅」もエンゲルとの共演でしたね。
もう一度、ピアニスト観点でエンゲルとの共演盤を聴き直してみようと思います。
言葉でうまく表現できないのですが、Philips盤リートエディション、若い頃のLondon盤を含め、エンゲルとの共演盤は何かいいなあと思います(稚拙な感想ですが(^^;)
自伝には「ここはこう歌いたいんだ」とピアニストに伝えたという記述もありますから、解釈は伝えてはいたでしょうね。
歌手とピアニスト、優れた芸術家が二人だけで生み出す歌曲という世界は、どこまでも深く高いですね。
興味が尽きません。
ヴァルター・クリーンがモーツァルト奏者として著名な方というのも、以前フランツさんに教えていただいてびっくりしましたが、優秀なピアニストは何でもこなしてしまうんですね。お聞きしなければ、激しいピアニストだと思い続けていましたから。
ディースカウさんはどうでしょう?
非常に多くのピアニストと共演されていますが、スタイルは変わったりしますか?
投稿: 真子 | 2017年3月 7日 (火曜日) 12時43分
真子さん、こんばんは。
こちらこそ、ピアニストの話題を真子さんと語り合えて楽しいです(^^)
エンゲルもクリーンもソリストとしての活動を主軸に置きながらも、歌曲の演奏にも力を入れている名手たちですね。
ディースカウの場合は、彼自身の回想によると150人を超えるピアニストと共演したそうです!
例えばディースカウのピアニストについて音楽誌のライターさんが記事を書く時、どうしても専門の伴奏者vs一流のソロピアニストという対立した関係で論じられることが多く、専門の伴奏者はなかなか評価してもらえないというのが常々歯がゆく思っているところです。
もちろん名のある一流のソリストがディースカウの伴奏を弾けば、話題にはなりますし、実際、彼の選んだソリストは見事な演奏をする人が多いのですが、それに比べて専門の伴奏者は…という論じ方をされるのが昔から嫌でした。
ソリストにいろいろなタイプがあるのと同様に専門の伴奏者にも様々なタイプの人がいます。
ディースカウは、ムーアが引退するまではムーアとの録音が多く、それ以降は一流のソリストと組むようになって一層素晴らしくなったという論じ方をする方が多いのですが、それはあまりにも型にはめすぎているような気がしてなりません。
私はムーアのピアノに惚れていますし、一方でサヴァリッシュやリヒテルのピアノも素晴らしいと思います。
それぞれの個性があり、ディースカウ自身「ピアニストの変更は解釈の変化」というようなことを言っていた記憶があります。リヒテルの立体的な伴奏を得た時はディースカウも一層立体的な歌唱を聞かせていますし、ムーアと共演した時はまるで一人で歌い弾いているかのように溶け合った絶妙な一体感が感じられます。
ディースカウが様々なピアニストたちとたびたび「冬の旅」を録音していたのも、様々な可能性を探っていたのではないかと思うのです。
なんだかピアニストについて論じると熱くなってしまってすみません。
メディアの歌曲伴奏者への偏見が少しずつでも改善されていくといいのですが。
投稿: フランツ | 2017年3月 8日 (水曜日) 20時38分
フランツさん、こんにちは。
深く広く聴いておられるフランツさんのお話には大変教えられます。わかりやすく解説してくださるので私にもよくイメージできました。
メディアや評論は昔からステレオタイプなものが多いですね。
ディースカウVSプライなんて典型でしたし、本当にこの演奏を先入観なしに聴いたのかなと思うこともありました。
そんなこともあって、音楽を聴く時はいつも心を真っ新にして聴きたいと思っています。
様々な可能性を探っていた・・。
ディースカウさんならそうかもしれないですね。
一つに溶け合うような演奏もすばらしいですし、刺激し合うような演奏もまた心揺さぶられます。
プライさんにはブレンデルとの「水車小屋」があってお蔵入りしているようですが、すごく興味があります(版権が切れたら出ないかな?)
歌手とピアニストの組み合わせ、演奏年代の違いから無限にリートの世界は広がっていきますね。
むつかしいでしょうけれど、同じコンビで数年ごとに同じ曲を録音してくれていたら、これもまた面白いだろうなあとふと思いました。
私はどちらかといえば、気に入った演奏家を時代を追って聴くのが好きですので。
ピアニストについてまたいつでも熱く語ってください。色々教えてくださいね(*^^*)
投稿: 真子 | 2017年3月10日 (金曜日) 15時13分
真子さん、こんばんは。
私のピアニスト論にお付き合い下さり、有難うございました。
メディアはもちろんとても有り難い存在ではあるのですが、真子さんもおっしゃるようにちょっとステレオタイプな論じ方をする傾向があって、もう少しフラットに聴いてもいいのではないかなぁと思うことが多々ありました。
確かにプライとディースカウは常々比較されていましたよね。
真子さんもさぞかし歯がゆい思いをされたことと思います。
以前にも書きましたが、ディースカウとプライの二人がいて、二人の歌唱を楽しめることこそが歌曲ファンにとって最高の贅沢なのではないかと思います。ディースカウはこう、プライはこうと決めつけないで聴くと、あらたな面が見えてくるかもしれませんよね。ディースカウはライヴ録音ではかなり大胆で自然な歌も聞かせますし、プライも一見自然に見えて実は緻密な歌を聞かせている個所もあると思います。
プライとブレンデルの「水車屋」は確か意見の相違があってお蔵入りになったような記事を読んだ記憶がありますが、いつか日の目を見てほしいですね。
きっと録音は保管されているのでしょうから。
ブレンデルはディースカウとはいくつか録音を残し、DVDで「冬の旅」も残すほど良い関係のようですが、リハーサル風景を見ていると、大御所二人はどちらも持論があって、そう簡単には妥協しない印象を受けました。
同じコンビで年代を追って聞くというのはディースカウとムーアでは可能なのですが、プライの場合、シューベルトの三大歌曲集では完全にピアニストを変えて録音していますね。
個々の曲ではエンゲルやホカンソンと複数回録音している曲もあるのでしょうが。
投稿: フランツ | 2017年3月10日 (金曜日) 23時40分