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オーストリアのシューベルティアーデの過去記録アーカイブ

ヘルマン・プライが提唱してオーストリアで長く継続中のシューベルティアーデの過去プログラムが閲覧できるようになっていました。
日程順に見ることも出来ますし、アーティストごとに見ることも出来ます。
上の写真の左下にあるDEかENをクリックすることで、ドイツ語表記と英語表記を切り替えられます。

日程順はこちら

アーティストごとはこちら(past eventsをクリックして表示されたコンサートのDetailsをクリックすると、それぞれのプログラムが表示されます)

ちなみにシューベルティアーデの歴史についてもまとめられています。
 こちら

アーティストの一部をピックアップしておきましょう(声種別のアルファベット順。最後は伴奏ピアニスト。ここに挙げた以外に大物、中堅は沢山います)。

エリー・アーメリング

バーバラ・ボニー

エディット・マティス

ルチア・ポップ

エリーザベト・シュヴァルツコプフ

プリギッテ・ファンスベンダー

クリスタ・ルートヴィヒ

白井光子

ペーター・シュライアー

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ

ハンス・ホッター

ヘルマン・プライ

ヘルムート・ドイチュ

アーウィン・ゲイジ

グレアム・ジョンソン

ジェフリー・パーソンズ

エリック・ヴェルバ

面白いのが、普段リートの伴奏に並外れた情熱を注いでいるピアニストのレナード・ホカンソン、コンラート・リヒター、アーウィン・ゲイジの3人が1981年6月17日に一同に会して、シューベルトのピアノ・ソロ曲を演奏していることです。

 こちら

シューベルト作曲
3つのピアノ曲D946(ホカンソン)
ソナタ ハ短調D958(リヒター)
6つの楽興の時D780(ゲイジ)
即興曲 ヘ短調D935/1(ゲイジ)
ハンガリーのメロディー ロ短調D817(ゲイジ)
グラーツのワルツとトリオD924/12,D610(ゲイジ)

いずれもプライの伴奏者として名高い人たちですが、ソロ活動もしており、どの曲に誰が振り分けられているかを知ると何となく納得してしまいます。

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ブラームス/めんどり(Die Henne)

今年の干支は酉(とり)。
ということで、かなり強引にドイツ歌曲に結び付けて、こんな珍しい曲をご紹介したいと思います。

ブラームスには「14の子供のための民謡集(14 Volks-Kinderlieder)」という作品集があり、中でも「眠りの精(砂男)」はよく知られていますし、シューベルトでお馴染みの「野ばら」のテキストによる歌まであります。
その中から「めんどり」という歌です。

Die Henne
 めんどり

Ach, mein Hennlein, bi bi bi!
Meld du di!
Ach, mein Hennlein, bi bi bi!
Saht ihr nit mein Hennlein laufen?
Möcht mir gleich die Haar ausraufen!
 ああ、私のめんどりちゃん、ビー・ビー・ビー!
 教えて!
 ああ、私のめんどりちゃん、ビー・ビー・ビー!
 きみたち、私のめんどりちゃんが駆け回っているのを見なかった?
 私、すぐにでも髪をかきむしりたいほどよ!

Ach, mein Hennlein, bi bi bi!
Meld du di!
Ach, mein Hennlein, bi bi bi!
Als i bei dem Bub gesessen,
hat sie noch ihr Futter gfressen!
 ああ、私のめんどりちゃん、ビー・ビー・ビー!
 教えて!
 ああ、私のめんどりちゃん、ビー・ビー・ビー!
 私があの子のそばに座っていたときには
 まだえさを食べていたのに!

Ach, mein Hennlein, bi bi bi!
Meld du di!
Ach, mein Hennlein, bi bi bi!
Was wird da die Mutter sagen?
Sie wird mich zum Tor 'naus jagen!
 ああ、私のめんどりちゃん、ビー・ビー・ビー!
 教えて!
 ああ、私のめんどりちゃん、ビー・ビー・ビー!
 お母さんはなんて言うかしら?
 私を門の外に追い出そうとするわね。

Ach, mein Hennlein, bi bi bi!
Meld du di!
Ach, mein Hennlein, bi bi bi!
Muß geschwind zur Stadt hinlaufen,
muß ein ander Hennlein kaufen!
 ああ、私のめんどりちゃん、ビー・ビー・ビー!
 教えて!
 ああ、私のめんどりちゃん、ビー・ビー・ビー!
 急いで町へ走って行って
 別のめんどりを買わなきゃならないわ!

Ach, mein Hennlein, bi bi bi!
Meld du di!
Ach, mein Hennlein, bi bi bi!
Geh die Gasse auf und nieder,
finde grad mein Hennlein wieder!
 ああ、私のめんどりちゃん、ビー・ビー・ビー!
 教えて!
 ああ、私のめんどりちゃん、ビー・ビー・ビー!
 通りを行き来して
 私のめんどりちゃんをまた見つけてきなさい。

Ach, mein Hennlein, bi bi bi!
Hab i di!
Ach, mein Hennlein, bi bi bi!
Meine Mutter gib mir Brocken,
soll damit mein Hennlein locken.
 ああ、私のめんどりちゃん、ビー・ビー・ビー!
 つかまえた!
 ああ、私のめんどりちゃん、ビー・ビー・ビー!
 お母さんが私にパンくずを渡すの
 それで私のめんどりちゃんをおびき寄せなさいって。

Ach, mein Hennlein, bi bi bi! bi bi bi,
und das Bröckli, das schluck i!
 ああ、私のめんどりちゃん、ビー・ビー・ビー!
 そしてこのパンくずは、私がいただくわ!

作曲:Johannes Brahms (1833-1897)
from Volks-Kinderlieder(子供のための民謡集、第5曲)

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訳は渡辺護氏の先訳やインターネット上の英訳なども参考にさせていただきました。
方言を使っているので、大体こんな感じだろうという訳です。
正確ではないことを最初にお詫びいたします。

めんどりを呼び出すのに"bi bi bi"という言葉が繰り返し使われ、
それがユーモラスな雰囲気を醸し出しています。
ブラームスの優しさが垣間見えるような曲ではないかと思います。

ぜひお聞きください。

Júlia Pászty (S) & László Baranyai (P)
ユーリア・パースティ(S) & ラースロー・バラニャイ(P)

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本年もどうぞよろしくお願いいたします。

皆様、明けましておめでとうございます。
昨年もご訪問くださり、有難うございました。
2017年もマイペースに続けていこうと思いますので、よろしくお願いいたします。
なかなか記事が更新出来なくてすみません。
今年はゴールデンウィークにアーメリングが来日予定ですので、そちらが楽しみです。
皆様も素敵な音楽との出会いがありますように!

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