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シューベルト「羊飼いの合唱」D797-7(「ロザムンデ」より)を聴く

Hirtenchor, D797 no. 7
(Rosamunde, no. 7)
 羊飼いの合唱(「ロザムンデ」より)

Hier auf den Fluren mit rosigen Wangen,
Hirtinnen, eilet zum Tanze herbei,
lasst euch die Wonne des Frühlings umfangen,
Liebe und Freude sind ewiger Mai.
 ここ野原でバラ色の頬をした
 羊飼いの娘たちよ、急いで踊りにおいで、
 春の喜びを抱きしめさせておくれ、
 愛と喜びは永遠の五月なのだ。

Hier zu den Füssen, Holde, dir grüssen,
Herrscherin von Arkadien, wir dich;
Flöten, Schalmeien tönen, es freuen
deiner die Fluren, die blühenden sich.
 ここで、いとしい人、あなたのおみ足に我々は挨拶をしよう、
 アルカディアの君主よ。
 横笛や縦笛が鳴り渡り、
 あなたを喜び、野原が花開く。

Von Jubel erschallen die grünenden Hallen
der Höhen, die luftig, der Fluren, die duftig
erglänzen und strahlen in Liebe und Lust,
in schattigen Thalen, da schweigen die Qualen
Der liebenden Brust.
 歓喜のために、緑なす広間は鳴り響く
 空高く、ほのかに
 光輝く野原へと、愛と楽しさの中で、
 陰のかかった谷の中で、その時黙り込むのは
 愛する胸の泉。

詩:Wilhelmina Christiane von Chézy (1783-1856)
曲:Franz Peter Schubert (1797-1828)

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まず、Zu-simolinさんのリクエストによって、この素敵な合唱曲に出会えたことに感謝したいと思います。
「ロザムンデ」と言えば、序曲(とは言っても別の作品の流用なのですが)と、女声独唱の「ロマンツェ」が有名ですが、この羊飼いの合唱という曲も魅力的です。
のどかな田園風景が浮かんでくるような音楽ですね。
曲は、長短短のリズムが全体を貫きますが、シューベルトの音楽でこのリズムが使われるのは「死と乙女」や「さすらい人」など“のどかさ”とは真逆の曲が印象的なだけに、この曲のリズムの使い方は何か裏に込められた意図があるのではと勘ぐってしまいます。
しかし、晩年の「星」のような星のまたたきを模した時にもこのリズムは使われていますし、考え過ぎでしょうね。

テキストが何度も繰り返されながら、美しく親しみやすい音楽が進行していきます。

以下に魅力的な演奏を3種類貼り付けておきます。

ライプツィヒ放送合唱団、シュターツカペレ・ドレスデン、ヴィリー・ボスコフスキー指揮

David Alexander Rahbee指揮

演奏者不明

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コメント

コメントが遅くなってすみません。忙しかったもので。うそです。

「羊飼いの合唱」をこれほどはやくアップしていただけるとは正直、思っていなかったもので。大変だったでしょ?すみません。
でも、三つの演奏、楽しませていただきました。

いい曲でしょ?私、大好きなんです。
ありがとうございました。ご苦労おかけしました。

また、ご苦労おかけしますね。

投稿: Zu-Simolin | 2015年9月15日 (火曜日) 19時26分

Zu-Simolinさん、こんにちは。

アップが遅くなり、すみませんでした。
毎度の言い訳ですが、詩を訳すのが難しかったので。

いい曲ですね。シューベルトらしいのどかな雰囲気で、癒されます。
喜んでいただけて良かったです(^^)
合唱曲ももっと聴いていきたいなと思いました。

投稿: フランツ | 2015年9月16日 (水曜日) 07時49分

ロザムンデの詩はあまり良くないと聞きますので、訳すのが一苦労だったのでしょうか?
詩のレベルがどうかは別として、いいでしょ、この曲。何べんも言いますが。

アップいただいた3つの音源を何度も聴きなおしていますと、耳にこびりついて寝ても覚めても、耳の奥で鳴っています。どうしよう?

ボスコフスキーの音源は何年のものなのでしょうかしら。
他の二つと比べてやや速い演奏なのが面白かった。

シューベルトはクラリネットを上手に使ってますよね。最後の歌曲でも。
ウェーバーとはちょっとしたことで仲が悪くなったようですが、もしも仲が良く、シューベルトがが生きできたら、お互い影響しあってよいオペラを創り上げたかも、とついつい思ってしまいます。

投稿: Zu-Simolin | 2015年9月16日 (水曜日) 19時44分

Zu-Simolinさん、こんにちは。

いえいえ、単に私の語学力不足のせいです(笑)
シェジのテキストは確かに評判悪いですよね。「ロザムンデ」の台本も数年前に発見されたようなので、誰か邦訳してくれるといいですね。

この合唱曲、本当に教えていただいて良かったです!
これぞシューベルトという感じですよね。

演奏も気に入っていただき、良かったです。合唱についてはうまくコメント出来ないので、動画を掲載するだけになってしまいましたが、私もいい演奏だなと思いました。

ボスコフスキーの演奏、スタジオ録音の「ロザムンデ」全曲からとられたものだとすると1977年録音のようです。スマートにまとまった素敵な演奏ですね。

ヴェーバーとの不和の原因となった「オイリュアンテ」もシェジの台本なんですよね。なぜシューベルトがシェジのテキストを好んだのか、興味深いところです。

投稿: フランツ | 2015年9月17日 (木曜日) 12時41分

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