« シューベルト「羊飼いの合唱」D797-7(「ロザムンデ」より)を聴く | トップページ | アーメリングのマスタークラスの動画 »

ヘルマン・プライ&ジェラルド・ムーア/「白鳥の歌」他(ザルツブルク・ライヴ1964)リリース

プライとムーアによる1964年ザルツブルク音楽祭の歌曲の夕べがCD化されたようです。
シューベルトの「白鳥の歌」全曲とその他の歌曲です。
この両者はフィリップスレーベルにも「白鳥の歌」のスタジオ録音を残していますが、1964年のライヴはその曲順の解体で語り草になっていた演奏でした。
私は現在まだ入手できていないのですが、こうして正規盤として聴ける日が来るとは思っていなかっただけに、とても嬉しく歓迎すべきリリースだと思います。

詳細はHMVのサイトをどうぞ。
 こちら

当時は「白鳥の歌」を出版された通りの順序で演奏するのが通例だったと思われるので、どういう経緯でプライが曲順を変えたのか興味深いところです。
往年の記録の復活を喜びたいのと同時に、まだまだプライのザルツブルク・ライヴは沢山お宝が眠っているはずなので、そろそろまとめて歌曲だけでもリリースしてほしいところです。

ちなみに「歌びと」「夕映えの中で」「シルヴィアに」はプライは別のピアニストとスタジオ録音しているので、ムーアとの組み合わせで聴けるのも有難いことです。

---------

(2015.11.6追記)

CD、入手しました!
プライはもちろんライヴならではの熱唱を聴かせているのですが、ヴァルター・クリーンとの熱いスタジオ録音とは違って、全体にコントロールが感じられるのが興味深かったです。
クリーンとのスタジオ録音が勢いに任せた若い時期ならではの情熱だったのに比べて、こちらは熱さと冷静さのバランスがよく、激しい「アトラス」でさえ、どこか冷静な目が感じられるほどでした。
だからといって決して冷たい演奏ということではなく、プライの歌唱にさらに彫りの深さが加わったということなのでしょう。声を前面に出したものではなく、声を歌唱の手段として使っているのが感じられて素晴らしい演奏でした。
ムーアはピアノでとても美しく歌い、プライの音楽性を完全に把握しているのはいつもながらさすがです!

「白鳥の歌」が目玉であることは間違いないのですが、ぜひとも「竪琴弾きの歌」や「ミューズの子」なども聴いてみて下さい。会場で聴いているような臨場感がなんとも言えず素晴らしいです。

| |

« シューベルト「羊飼いの合唱」D797-7(「ロザムンデ」より)を聴く | トップページ | アーメリングのマスタークラスの動画 »

音楽」カテゴリの記事

シューベルト Franz Schubert」カテゴリの記事

ジェラルド・ムーア Gerald Moore」カテゴリの記事

ヘルマン・プライ Hermann Prey」カテゴリの記事

コメント

フランツさん、こんにちは。

このCDの記事を書いてくださっていたんですね(*^^*)
見逃してしまっていました。
そして、『「アトラス」を聴く』のコーナーに感想を書いてしまいました(^_^;)

このCDを予約してから、これほど届くのが待ち遠しく思ったことは久しくなかったと思います。
そして届いたCDは、期待をはるかに超えた素晴らしいものでした。
届いて以来、毎日聴いています。

これから聞かれる(かもしれない)方のために、詳しい感想は控えますが、瑞々しい美声と、30歳も半ばを迎え、若い時の直情的な歌いぶりから、40歳台の落ち着きを加味していく全盛期への橋渡しのような演奏でした(若い頃寄りではありますが)。
ライヴならでの熱気が伝わって来て、臨場感たっぷりです。

本当に素晴らしい演奏ですので、たくさんの人に聴いて欲しいなあ、とプライファンの私は思っています(*^^*)

フランツさんも書いてくださったとおり、プライさんの録音はいたるところに眠っていると思います。
没後20年に、(焼き直し的なBOXはちょくちょく出ますが)この様な録音をこそ、どーんと大量放出して欲しいです。
今からお金貯めて待っています!!

投稿: 真子 | 2015年9月18日 (金曜日) 16時03分

真子さん、こんばんは。

真子さんに紹介していただいたプライ&ムーアの「白鳥の歌」は、まだ入手していない私も早く聴きたくて仕方がありません(給料が出たら買いに行きます)。
真子さんはすでに繰り返し聴かれているようですね。
真子さんのご感想を読むだけでもライヴの熱気が予感されて楽しみです。

プライの没後20年まであと3年ですね。
ザルツブルク音楽祭だけでも沢山出演しているようですから、プライ・ボックスが出るといいですよね(ディースカウ&ムーアのザルツブルクライヴは全部出揃っています)。
今回の「白鳥の歌」をきっかけに他のライヴ音源も復活することを祈りましょう!
私もそれまでにお金貯めなきゃ!

投稿: フランツ | 2015年9月18日 (金曜日) 22時20分

フランツさん、こんばんは。

このCD、購入されたのですね(今日記事に気づきました(^_^;))。
私も、お気に入りがまた一枚増えて愛聴しています(私も、このアルバムは熱心なプライファンの方から教えてもらったんです)。
クリーンとのDECCA盤のような情熱は抑えられていますが、ライヴならではの熱気が伝わって来ますよね。

おっしゃる通り「竪琴弾きの歌」「ミューズの子」も素晴らしかったですし、私には思い出深い「夕映に」がアンコールで歌われたのも嬉しかったです。
この他のザルツブルグも、どーんとBOXで発売して欲しいです(67年はLPで、71年はCDでもっていますが、重なっても買います!!)。


投稿: 真子 | 2015年11月16日 (月曜日) 19時53分

真子さん、こんばんは。

ひそかに記事を更新していました(笑)
買ってから何度も聴きました!

まず、ジャケットのプライとムーアのツーショット写真がマニアには嬉しくなります。
そして演奏は臨場感に溢れたものでした。
真子さんもおっしゃるように、プライのコントロールされていながらライヴならではの熱気を帯びた歌唱は心に響きますね。分厚い声を聴くだけで幸せな気分にさせてくれる稀有な人だと思います。
このコンビを生で聴けた人たちが本当にうらやましいです。
「夕映えに」もじーんときますね。
プライ・ザルツブルク・ボックスがいつか出ることを期待したいですね。

投稿: フランツ | 2015年11月17日 (火曜日) 21時25分

フランツさん、こんばんは。

フランツさんもお書きになっているように、プライさんの声は聞いているだけで幸せな気持ちになれます(*^^*)
ジャケット写真も素敵ですよね!
同じ音源と分かっていても、ジャケット写真が欲しくてまた買ってしまうことしばしばです(笑)

ところで、アメリングのマスタークラスはいかがでしたか?
大好きな歌手に生で会えるのは至福の時ですよね。
アメリングとの再会の素敵な記事を楽しみにしています(*^^*)

投稿: 真子 | 2015年11月24日 (火曜日) 18時47分

真子さん、こんばんは。

幸せを感じる声ってありますよね。
ディースカウは真摯で立派だけれど、プライは聴き手の心に灯を灯してくれます。
今多くのリート歌手がひしめいていますけれど、プライ・タイプはいませんよね。ワン・アンド・オンリー・タイプなのだと思います。

アーメリング聴きましたよ^_^
歌曲にどっぷり浸ったこの上なく幸せな時間でした。
それにしても82歳のアーメリングの歌曲指導に対する情熱には本当に頭が下がります。
当日受講された方々はどれほど貴重な体験をされたことでしょう!
詳細は週末にアップ出来るように頑張りますね!

投稿: フランツ | 2015年11月25日 (水曜日) 22時34分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ヘルマン・プライ&ジェラルド・ムーア/「白鳥の歌」他(ザルツブルク・ライヴ1964)リリース:

« シューベルト「羊飼いの合唱」D797-7(「ロザムンデ」より)を聴く | トップページ | アーメリングのマスタークラスの動画 »