アーメリングにフーゴ・ヴォルフ・メダル授与
ソプラノのエリー・アーメリング(Elly Ameling)に対して、国際フーゴ・ヴォルフ・アカデミーがフーゴ・ヴォルフ・メダルを授与することになったそうです。
ソース(独語)←Google検索でかなり内容はつかめます。
アーメリングのヴォルフは、録音でも数多く残されています。
・フィリップスへの「イタリア歌曲集」(ボールドウィンのピアノ。男声用のスゼーと合わせて全曲盤としても販売されました)
・フィリップスへの「メーリケ歌曲集」抜粋(ボールドウィンのピアノ)
・CBSへの「イタリア歌曲集」全曲(ゲイジのピアノ。男声用はトム・クラウセが担当)
・Etcetraへの「ゲーテ歌曲集(抜粋)&ケラー歌曲集(全曲)」(ヤンセンのピアノ)
・Hyperionへの「スペイン歌曲集&メーリケ歌曲集」抜粋(ヤンセンのピアノ)
以上の他にもオムニバス盤に「庭師」「夏の子守歌」「主顕節」「隠棲」を録音していますし、オランダで数年前に出た「80歳記念ライヴ録音集」にも「こうのとりの使い」など珍しいレパートリーも含めてまとめて収録されています。
アーメリングが1996年に日本でのさよならコンサートを開いた際の音友インタビューで、自身の録音について聞かれ、上記のEtcetraの録音の「ミニョン」歌曲集は成功したと述べています。
私もこのEtcetra盤(現在はGlobeレーベルで同一音源を聞けます)は何度も繰り返し聴いた思い出のCDとして記憶に強く刻まれています。
彼女の1996年のさよなら公演のアンコールで「イタリア歌曲集」の第1曲「小さなものでも我々を魅了できるわ」を歌ってくれたのが忘れられません。
「小さなもの」=「歌曲というジャンル」、あるいは、オペラティックな大柄な声を持たなかったアーメリング自身に置き換えて受け取ることも可能なメッセージだったと思います。
アーメリングのヴォルフは動画サイトには現在殆どアップされていませんが、興味をもたれた方はamazonなどのサンプルで試聴してみてはいかがでしょうか。
| 固定リンク | 0
« デジュー・ラーンキ/ピアノ・リサイタル(2015年7月8日 Hakuju Hall) | トップページ | ヘルマン・プライ&フェーリクス・ドゥ・ノーブル/1961年オランダ・ライヴからシューベルト2曲 »
「音楽」カテゴリの記事
- ブラームス:リートとゲザングOp.32(Brahms: Lieder und Gesänge, Op. 32)全曲(2023.12.08)
- クリスマスファンタジー(Kerstfantasie):エリー・アーメリング&ベルナルト・クラウセン(2023.12.08)
- エリー・アーメリングの歌うモーツァルトのコンサートアリア2曲のライヴ音源(1968年1月23日, アムステルダム)(2023.11.05)
- ブラームス/「なんとあなたは、僕の女王よ(Wie bist du, meine Königin, Op. 32, No. 9)」を聞く(2023.12.02)
- ブラームス/「こうして僕らは立っている、僕と僕の喜びである彼女は(So stehn wir, ich und meine Weide, Op. 32, No. 8)」を聞く(2023.11.25)
「エリー・アーメリング」カテゴリの記事
- クリスマスファンタジー(Kerstfantasie):エリー・アーメリング&ベルナルト・クラウセン(2023.12.08)
- エリー・アーメリングの歌うモーツァルトのコンサートアリア2曲のライヴ音源(1968年1月23日, アムステルダム)(2023.11.05)
- エリー・アーメリング、フランク・マルタンを語る(2023.10.07)
- エリー・アーメリングの参加したブリテン「春の交響曲」Promsライヴ音源(2023.09.16)
- エリー・アーメリング他の『マタイ受難曲 BWV 244』第2部の映像(1966年)(2023.04.08)
「ヴォルフ」カテゴリの記事
- エリー・アーメリング初期のヴォルフ「イタリア歌曲集」全曲(ハンス・ヴィルブリンク&フェーリクス・ドゥ・ノーベル)(1962年12月)(2022.10.10)
- クリスマスに寄せて:ヴォルフ「眠れる幼児イエス(Schlafendes Jesuskind)」他(2021.12.24)
- エリー・アーメリングのヴォルフ歌曲集!!!(2021.05.28)
- ヴォルフ/祈り(Gebet)(2021.01.23)
コメント
アーメリングが好きで、ヴォルフにどっぷりのフランツさんはたまらなく嬉しいでしょうね。
アーメリング大好きで ヴォルフまで、まだまだの私ですが、とても嬉しいです。
素晴らしいお知らせありがとうございます。
投稿: tada | 2015年7月27日 (月曜日) 10時16分
tadaさん、こんばんは。
お互いアーメリング大好き同士として、今回の件を一緒に喜べて嬉しいです。
彼女のヴォルフは一般にあまり知られていませんが、彼女の責任では勿論なく、戦略的なものなのかもしれません。
ヴォルフははまると本当に夢中になれる音楽なので、機会があればぜひ聴いてみて下さい!
投稿: フランツ | 2015年7月27日 (月曜日) 19時02分
フランツさん
アーメリングの新しい情報ありがとうございます.
ヴォルフの魅力をやっと分かりだした私でありますが, これは, 本当に偶然ですが, 今日, Etcetraのゲーテ&ケラー歌曲集を, 16年ぶりに聞き, その魅力を新発見したところです. これまでこのCDに遠ざかっていたのは, 日本語訳が手元になかったためなのですが, 梅丘歌曲会館「詩と音楽」に対訳がほとんどあることが分かり, これを参照しながら聞きました. アーメリングのヴォルフの世界に引き込まれてしまいました. 梅丘歌曲会館に掲載されているフランツさんの注釈も, 鑑賞の助けになりました.
なお, つまらない話ですが,なぜ, 16年ぶりであることが分かるのかと言うと, 私は, 聞いた音楽を, すべて, 作曲者および作品別に, いつ, 誰の演奏を聴いたか記録をしているからです. 約40年間の記録です.
投稿: Sandman | 2015年7月27日 (月曜日) 22時28分
フランツさん、こんにちは。
お久しぶりです。
暑い日が続いていますね。
さて、アーメリングのフーゴ・ヴォルフ・メダル授与、おめでとうございます(*^^*)
80歳過ぎても活躍されている姿を拝見しますと、とても嬉しいですね。
アメリングは、オペラティックで大きな声をもたなったゆえに、細やかなリートを歌う大歌手になったのでしょうね。
彼女を超える女性リート歌手はなかなか現れないと思います。
ご健康で、少しでも長生きしていただきたいと願っています。
投稿: 真子 | 2015年7月28日 (火曜日) 16時26分
Sandmanさん、こんばんは。
SandmanさんもEtcetra盤をちょうどお聴きになったところだったのですね。
梅丘歌曲会館「詩と音楽」さんには私も随分お世話になり、投稿もさせていただきました。
ヴォルフはイタリア歌曲集全曲とゲーテ歌曲集の一部、ケラー歌曲集などを投稿しましたので、Sandmanさんの鑑賞のお役に立てたのでしたらとても嬉しいです!このEtcetra盤、Sandmanさんも新発見されたとのことですが、本当にアーメリングの真摯な表現が感動的な歌唱だと思います(ヤンセンのピアノも雄弁で素晴らしいです)。
Sandmanさんは40年間、聞かれた音楽の記録をとっておられるのですね。
凄いことだと思います!!
ぜひ、これからも記録を更新されますよう祈っています!
投稿: フランツ | 2015年7月28日 (火曜日) 20時44分
真子さん、こんばんは。
お久しぶりですね!
本当に毎日暑くて参ってしまうほどですが、いかがお過ごしですか。
真子さんにもアーメリングのヴォルフ・メダル受賞を一緒に喜んでいただけて、嬉しいです!
彼女の繊細で可憐な声は中小規模のホールでこそ生かされたように感じます。
だからヴォルフの「小さなものでも我々を魅了できるわ」をアンコールで歌ったのは、アーメリングの歩んできた道に対する誇りのようなものと同時に、小芸術の歌曲というジャンルへの限りない愛情が込められていたのではないかなぁと思っています。
彼女の芸術はユニークで他の誰も真似出来ない境地に達していたと思います。
これからもますますお元気で過ごしていただきたいですね。
投稿: フランツ | 2015年7月28日 (火曜日) 20時53分
表題とは違うことで申し訳ありません。
今年はないのかと思ってた春祭動画やっと出ましたね。
しかし、画質は悪い顔も分からないくらい。
リヒテルに捧ぐⅠ(生誕100年記念)
舞踊協奏曲《オーバード》【1】【2】【3】
モーツァルト好きの私にはうれしい 3曲ともモーツァルト。
トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ Tokyo Mozart Playersは
いい音してますね、ウィンナワルツ オペレッタを楽しく
演れるかか聴いてみたくなります。
投稿: tada | 2015年8月 2日 (日曜日) 12時09分
tadaさん、こんばんは。
情報提供、有難うございます!
春祭の動画は記録用として撮影しているのかもしれませんね。写りは確かにあまりよくないことが多いですが、こうして聴けなかったコンサートを期間限定ながら公開してくれるのは有難いことですね。
リヒテル関連の写真展のようなものが文化会館小ホール入り口へ向かう傾斜道に掲示されていたのを思い出しました。
tadaさんはモーツァルトがお好きなんですね。
私もイングリット・ヘブラーというピアニストが好きで、彼女が現役だったころはよくコンサートでモーツァルトのソナタやコンチェルトを聴きました。
トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズの動画、後で聴いてみますね。
歌曲のリサイタルもアップされていますので、そちらもぜひ!
投稿: フランツ | 2015年8月 2日 (日曜日) 21時14分