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R.フランツ「私の大きな苦しみから」を聴く

Aus meinen großen Schmerzen, Op. 5, No. 1
 私の大きな苦しみから

Aus meinen großen Schmerzen
Mach' ich die kleinen Lieder;
Die heben ihr klingend Gefieder
Und flattern nach ihrem Herzen.
 私の大きな苦しみから
 小さな歌々をつくります。
 歌々は鳴り響く羽を掲げて
 彼女の心へ飛んで行くのです。

Sie fanden den Weg zur Trauten,
Doch kommen sie wieder und klagen,
Und klagen, und wollen nicht sagen,
Was sie im Herzen schauten.
 歌々はいとしい人へ通じる道を見つけました、
 しかし再び戻ってきて、嘆きに
 嘆くのです。そして言おうとはしないのです、
 いとしい人の心の中に何を見てしまったのかを。

詩:Heinrich Heine (1797-1856)
音楽:Robert Franz (1815-1892)

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今年が生誕200年記念にあたるロマン派の作曲家ローベルト・フランツ(Robert Franz: 1815-1892)の歌曲を、今年はいくつか取り上げていきたいと思います。

ハイネの詩集「叙情的間奏曲(Lyrisches Intermezzo)」に含まれる一篇の詩にローベルト・フランツが小さな歌を付けました。
「私の大きな苦しみから」という歌で、若かりし頃のヴォルフも同じ詩に曲を付けています。
詩は、愛を悲劇に終わらせるハイネらしい内容で、フランツの音楽は、ピアノの右手とほとんど同じ旋律の、素朴で内向的でもの悲しい歌が歌われます。
私はアーメリング&ボールドウィンのPHILIPSの名LP「ドイツロマン派歌曲集」でこの歌曲にはじめて出会いました(CD化される気配はないですが)。
おそらくフランツ歌曲の中でも有名な曲の一つだと思うのですが、私は実演では一度も聴いたことがなく、動画サイトにも有名人の演奏は全くアップされていませんでした。
いい曲ですし、短いので、クラシック初心者の方でも聴きやすいと思うのですが。
(おそらく)歌手の卵の方々がアップしてくださっていますので、それをお聴きください。

詩の朗読

男性ナレーターの静かな語り口が胸に沁みます。

Laura Tribby(MS)&ピアニスト(名前は不明)

1:39~。最初のバーンスタインの歌曲(Jupiter has seven moons)に続いて歌われます。出が遅れる箇所もありますが、のびやかに歌われる歌声は爽快感がありますね。

男性(歌手とピアニストの名前は不明)

最後の一行のメロディーが私の知っているものと違うのは単なる間違いか、それともそういう版があるのか分かりません。ただ、声は美しく、抒情的なこの小曲によく合っていると思います。

MIDI?(曲の途中まで)

コンピュータの音を使って、声部、ピアノパートを演奏しています。

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ローベルト・フランツ」カテゴリの記事

コメント

あけましておめでとうございます。
ご無沙汰の段、おゆるしください。

表題の、<R・……>とあるのを目にして、最初はR・シュトラウスかな、と思いましたら、早速のローベルト・フランツとは!

とはいえ、私も真子さんと同じなんです。R・フランツの名など記憶を探ってみましたが見つかりません。

ご紹介の曲は、なるほど愛らしい、一度聴いたら口ずさめるような小品ですね。でも、シュトルツマンで聴いてみたいものだ、とふと思いました。彼女のクララ・シューマンの歌唱が頭をよぎったせいです。

今年もよろしくお願いします。
早速、おねだりですが、シューベルトの重唱曲か合唱曲を取り上げていただくことは可能ですか?
困った奴だな、と思われましたら、すみません。

投稿: Zu-Simolin | 2015年1月12日 (月曜日) 18時33分

Zu-Simolinさん、明けましておめでとうございます。
お元気でいらっしゃいますか。

ローベルト・フランツは余程の歌曲マニアでなければ知らないと思います。
でも歌曲好きの琴線に触れる作品が多いと思うので、ぜひ少しづつ接してみてくださいね。
そういえばシュトゥッツマンはまだフランツを録音していませんね。彼女が歌えば、フランツ歌曲の演奏にあらたな光を当ててくれそうな気がします。シュトゥッツマンのクラーラ・シューマンはまだ聴いたことがありませんが興味あります!

こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。
シューベルトの重唱曲や合唱曲はそれほど沢山知っているわけではありませんが、何かご希望の曲はありますか?
時間はかかるかもしれませんが、ご期待に出来るだけこたえられればと思います。

投稿: フランツ | 2015年1月12日 (月曜日) 19時31分

フランツさん、こんにちは。

R.フランツ、初めて聴きましたが、甘く寂寥感漂うメロディで魅力的でした。
これをプライさんが歌ったら、心から甘く悲しく歌ってくれるだろうなと、いつもの癖で思ってしまいました(笑)
今後、どんな曲をご紹介くださるのか、楽しみにしています。

Zu-Simolinさん、新年おめでとうございます。
今年もご一緒にプライ愛を語りましょうね♪

投稿: 真子 | 2015年1月13日 (火曜日) 16時25分

シュトルツマンのクララ・シューマンの歌唱は、私もリュッケルトの詩による「あの方は来ました」、「わたしが美しいために」など3曲しか知りません。いずれもゼーデルグレンのピアノとの共演のCDによってです。

ところで、私のわがままなリクエストに考慮をいただき、恐縮です。で、希望としましては、まずは有名な「森の夜の歌」(D913)とか、「夜の静けさ」(D892)あたりではどうでしょうか。あれ、どちらも<夜>の曲となりました。

気長にお待ちします。これ、逆催促に聞こえてしまいます?

投稿: Zu-Simolin | 2015年1月13日 (火曜日) 16時33分

真子さん、こんばんは。

フランツの歌曲についてのコメント、有難うございます!
まさに真子さんがおっしゃったことがそのままフランツ歌曲の特色と言えると思います。そこはかとない哀愁がいいんですよね!

プライのフィリップス歌曲シリーズにもこの曲入っていますので、聴いてみてくださいね(^^)

今年はフランツの歌曲をいくつか取り上げる予定ですので、たまにチェックしてみてくださいね!

投稿: フランツ | 2015年1月14日 (水曜日) 05時57分

Zu-Simolinさん、こんばんは。

シュトゥッツマンのクラーラ・シューマン、CDで出ているのですね。探してみます(^^)

リクエスト、承知しました。
私は合唱曲は疎いので、まず作品をじっくり聴きこむところから始めようと思います。「夜」は歌のテーマの定番ですね。

>気長にお待ちします。これ、逆催促に聞こえてしまいます?

いえいえ、文字通り、気長にお待ちいただけるものと受け取りましたよ(笑)

投稿: フランツ | 2015年1月14日 (水曜日) 06時01分

フランツさん; よろしくお願いします。夜であります。

真子様; あけましておめでとうございます。
プライ愛は永遠です!(お前は長嶋か?)
R・フランツの曲をプライで聴けば、という発想はありませんでした。さすが、真子さん。

フランツさん; 人間の声は何にもまして最高の楽器ではないかと思ったりします。ならば、その声が二重唱、三重唱、合唱と重なれば・・・如何? とも思ったりするんです。
無伴奏であったり、ピアノ伴奏もあったり、楽器が他に加わったり、といろいろあるようですが、フランツさんのお力で、様々な演奏を教えてくだされば幸いです!
無理やりですね。ごめんなさい。

投稿: Zu-Simolin | 2015年1月14日 (水曜日) 06時26分

フランツさん、こんにちは。

>プライのフィリップス歌曲シリーズにもこの曲入っていますので、聴いてみてくださいね(^^)
え?そうなんですか?全然気づかないでいました(^_^;)
ありがとうございます(_ _)
このフィリップスのリートエディションは、絶頂期の滴るような美声を堪能できますから、これは楽しみです。感情をわりと抑えているので(でも表現力は落ちていない)端正な美声が際立っていると思います。
早速聴いてみます♪

投稿: 真子 | 2015年1月14日 (水曜日) 09時12分

フランツさんこんにちは。

続けての投稿、失礼します。
フィリップス盤の当曲を聴きました。
嘆きを殊更に激しく表現しない心静かな演奏でした。
きっと若い頃のプライさんなら、同じハイネの「彼女の絵姿(シューベルト/DECCA盤)」のように少し泣きが入ったりするのかな、なんて思いながら聴きました。
相変わらず、ピアニッシモにおける音の抜き方が美しかったです。
続けてフランツ歌曲を聴いてみました。
大変男性的な曲があったり、多彩なメロディの曲が収められていました。

このリートエディションは、ついつい有名どころを拾って聴いてしまうのですが、この機会にもう一度じっくり聴いてみようと思います。
でないと宝の持ち腐れで勿体ないですものね。
素敵な曲のご紹介をありがとうございました。

投稿: 真子 | 2015年1月14日 (水曜日) 15時18分

Zu-Simolinさん、こんばんは。
確かに人の声は最高の楽器ですよね。
私が特に独唱という形態を好んでいるのは、歌手の解釈とピアニストの解釈がストレートに伝わってくるからなのだと思っています。
重唱になると、歌手同士のハーモニーを合わせ、共同作業をすることになるので、解釈の擦り合わせが必要になってくると思います。それを楽しむというのもいいかもしれませんが。さらに合唱となると、解釈は指揮者のものとなり、歌手はさらに共同作業で一体となった響きを作りあげることになるでしょう。私がこれまであまり踏み入れていなかった領域にどんな魅力が待っているのか楽しみです!

投稿: フランツ | 2015年1月16日 (金曜日) 02時56分

真子さん、こんばんは。
フィリップス盤のプライのご感想を興味深く拝見しました。プライのピアニッシモは絶品ですよね(^^)
フィリップス盤の録音はプライ40代の録音が中心かと思いますが、アンソロジーということを意識しているのか、情熱を抑えて丁寧に歌っている演奏が多いイメージがあります。
フランツの歌曲も心静かな演奏だったとのこと、慎ましやかなフランツ歌曲にはそういうアプローチが合っていることと思います。私も週末にゆっくり聴いてみますね。
このリートエディション、結構珍しい曲も入っているんですよね。毎日少しづつ聴き進めるのも楽しいでしょうね!

投稿: フランツ | 2015年1月16日 (金曜日) 03時35分

「フィリップス盤は情熱を抑えて丁寧に歌っている演奏が多いイメージ」というのは、私も同じことを感じていました。
フランツ歌曲の少しあとにコルネリウスの「Die Konige」が入っていて(この曲大好きです)、1966年の録音(ヴンダーリヒと入れたクリスマス曲の)より淡々と歌っていました。
端正な歌い口が美声をより際立たせていて、この絶頂期に、これだけ多くの録音をまとめて残してくれたことは、ファンにとってはありがたいことです。

明日は、阪神大震災から20年目を迎えます。
このリートエディションの中にある、R・シュトラウス歌曲集は、震災後の私を慰め、癒してくれました。
祈りつつ聴こうと思っています。

投稿: 真子 | 2015年1月16日 (金曜日) 09時21分

真子さん、こんばんは。

プライの記念碑的な録音が絶頂期に行われたことは嬉しいですよね。
有名無名の彩り豊かな歌曲の森を散策させてもらえるアンソロジーだと思います。
フランツとコルネリウスの歌曲、聴いてみますね(今CDがどこに隠れているのか探している最中なのです)。

真子さんは阪神大震災を体験されたのですね。どれほど多くの方の心身に大きな傷跡を残し、そして今も苦しんでおられる方が大勢いらっしゃるかと思うと胸が痛みます。
音楽が被災された方の心に少しでも光を灯してくれたらと祈っております。

投稿: フランツ | 2015年1月17日 (土曜日) 17時11分

フランツさん、こんばんは。

前回の投稿内容に間違いがありました。
コルネリウスの「Die Konige」は、1966年にヴンダーリヒと入れたクリスマス曲のCDではなく、1971年のグラモフォン盤「コルネリウス クリスマスの歌」のCDでした。
確認せずに間違ったことをコメントしましてすみませんでした(^_^;)
あれから、リートエディションの中からマイナーな曲を拾って聴いています♪

投稿: 真子 | 2015年1月27日 (火曜日) 19時02分

真子さん、こんばんは。
ご報告くださり、有難うございますm(_ _)m
グラモフォン盤のプライ・クリスマス歌曲集はコルネリウスとヴォルフが収録されているものですね。
あのCDも久しぶりに聴きたいのですが、これもまたどこに隠れているのか探さないとなかなか見つからないかもしれないです。
プライエディションは、まだフランツ歌曲の入っている巻がどこかに隠れたままです。シューベルトの巻は見つけたのですが。
真子さんはマイナーな曲を拾って聴いておられるのですね。そういう楽しみ方もいいですよね(^^)

投稿: フランツ | 2015年1月27日 (火曜日) 22時35分

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