ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ&ジェラルド・ムーアの1974年UNESCOコンサート映像(シューベルト4曲)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)とジェラルド・ムーア(Gerald Moore)の映像といえば、BBCでテレビ用に収録したものが有名ですが、なぜかこれまでコンサートでの共演映像を見る機会に恵まれませんでした。
動画サイトに1974年のUNESCOコンサートでシューベルトの歌曲4曲を演奏した2人の動画がアップされていました。
画質はあまり良くないですが、それでも貴重な記録で、私は狂喜しました!
1974年といえば、ムーアがステージから引退してすでに7年経っています。
どうやってディースカウがムーアを口説き落としたのかは分かりませんが、特別な機会ということでムーアも承諾したのでしょうか。
ディースカウの声はまだまだ美声を保っており、歌う表情がアップでとらえられています。
ムーアの演奏姿はそれほど多くは映っていませんが、「ひめごと」のダイナミクスの繊細な変化など依然として素晴らしいです。
なによりもこの二人がそろってステージに出演しているのが見られただけでもファンとしては嬉しいです。
ライヴ録画:1974年1月9日, Paris, France
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)(baritone)
ジェラルド・ムーア(Gerald Moore)(piano)
シューベルト作曲
1.漁師の娘(Das Fischermädchen)
2.夕映えの中で(Im Abendrot)
3.孤独な男(Der Einsame)
4.ひめごと(Geheimes)
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コメント
フランツさん、こんにちは。
貴重な映像をありがとうございます。
やや下からのアップという、珍しいアングルですね。
そのおかげで、歌う時の口形がよく分かり面白かったです。
この音はこんな口形から生まれていたんだんだなと思いつつ聴きました。
唇がラッパのような形になりますよね。
ディースカウさんの場合、特に下唇の動きが活発で、ディースカウさん特有の歌い口もこのような唇の使い方から生まれているのかもしれませんね。
投稿: 真子 | 2014年8月13日 (水曜日) 09時08分
マニアックな感じですが、楽しませていただきました。
真子さんが、ディースカウの下唇の動きに注目されているとのコメントも面白いと思いました。慧眼だと思いました。ふいご。それを思い浮かべました。
1974年といえば、私が20歳。シューベルト大好き真っ最中でした・・・。
投稿: Zu-Simolin | 2014年8月13日 (水曜日) 20時50分
真子さん、こんばんは。
さすが歌をやっておられた真子さんならではの視点ですね。興味深く拝見しました。
ディースカウの顔に着目してみると、確かに歌う時の唇の形が特徴的ですね。歌う時に下唇が前方にめくれていますね。
きっと口の開き方も緻密に計算されているのでしょうね。
ディースカウのステージは、その歌う姿も含めて観衆を惹きつける引力があるといつも思います。全身で曲の世界観を表現しているように感じます。
こういう映像がもっと発掘されないかなぁと願っています。
投稿: フランツ | 2014年8月14日 (木曜日) 01時30分
Zu-Simolinさん、こんばんは。
マニアックな映像を楽しんでいただけたようで良かったです。
ふいごのようとはうまいたとえですね。カウンターテノールのアンドレアス・ショルのことをふいごみたいと評した方もいらっしゃいましたが、歌手の動きも一種のパフォーマンスですから大事だと思います。
1974年はZu-Simolinさんのシューベルト愛がすでに高まっていたのですね。シューベルトって一度好きになると一生好きでい続けるし、好きの度合いがどんどん増していく作曲家だなぁと個人的には思ったりもします。
投稿: フランツ | 2014年8月14日 (木曜日) 01時31分
フランツさん、こんにちは。
>全身で曲の世界観を表現しているように感じます。
本当にそうですね。
このような映像を見ますと、リートは一人芝居のオペラだなあと思います。
プライさんなども歌う時の表情が豊かですから、歌詞がわからなくても、表情や声で、どんな歌を歌っているか、分からせてくれます。
ディースカウさんは、時々小首をかしげられますが、癖なのでしょうか、ちょっとかわいいですね(笑)
Zu-Simolinさん、こんにちは。
お久しぶりです。
ふいご!
なるほどそうですね。
声楽も呼吸が大切で、いかに効率よく息を使い、響きを作るか、ですから。
歌の世界もどこまでいっても深いです。
投稿: 真子 | 2014年8月14日 (木曜日) 16時46分
真子さん、こんばんは。
>リートは一人芝居のオペラだなあと思います。
おっしゃる通りですね。
ほんの数分の中にドラマがぎゅっと凝縮されているんですよね。
例えばプライの映像を見ると、この人は天性の役者だなぁと思います。詩の主人公に苦渋の跡なく、なりきってしまいますよね。
ディースカウは同じ役者でもテクニカルで、隙がないのが特徴だと思います。首を傾げるというのはあまり意識していませんでしたが、あらためて見ると確かにそうですね。癖なのかもしれませんね。それからピアニストに次の曲を始めていいよと合図をする動きも印象的です。
ディースカウの舞台姿は品格があって好きです。
投稿: フランツ | 2014年8月14日 (木曜日) 19時41分