新国立劇場/「カヴァレリア・ルスティカーナ」「道化師」(2014年5月24日 新国立劇場 オペラパレス)
新国立劇場 2013/2014シーズン
新制作《カヴァレリア・ルスティカーナ(Cavalleria Rusticana)/道化師(I Pagliacci)》
【イタリア語上演/日本語字幕付】
2014年5月24日(土)14:00 新国立劇場 オペラパレス
上演時間:カヴァレリア~:75分-休憩25分-道化師:75分
<カヴァレリア・ルスティカーナ>
【サントゥッツァ】ルクレシア・ガルシア(Lucrecia Garcia)
【ローラ】谷口睦美(Taniguchi Mutsumi)
【トゥリッドゥ】ヴァルテル・フラッカーロ(Walter Fraccaro)
【アルフィオ】成田博之(Narita Hiroyuki)
【ルチア】森山京子(Moriyama Kyoko)
<道化師>
【カニオ】グスターヴォ・ポルタ(Gustavo Porta)
【ネッダ】ラケーレ・スターニシ(Rachele Stanisci)
【トニオ】ヴィットリオ・ヴィテッリ(Vittorio Vitelli)
【ペッペ】吉田浩之(Yoshida Hiroyuki)
【シルヴィオ】与那城敬(Yonashiro Kei)
合唱:新国立劇場合唱団(New National Theatre Chorus)
児童合唱:TOKYO FM少年合唱団(Tokyo FM Boys choir)
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団(Tokyo Philharmonic Orchestra)
指揮:レナート・パルンボ(Renato Palumbo)
演出:ジルベール・デフロ(Gilbert Deflo)
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新国立劇場の新制作によるマスカーニ作曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」とレオンカヴァッロ作曲「道化師」を見た。
演出はジルベール・デフロ。
演出家によると、2つの作品は共通するところが多く(前者は復活祭、後者は聖母マリア被昇天祭)、それゆえに舞台装置も共通に使うのだとか。
それも不自然さはなく、成功していたと言えるのだろう。
私は以前二期会の公演を聴いて、そのわくわくする要素の多いプロダクションに感銘を受けたのだが(NHKでも放映された)、今回はそれよりもオリジナルを尊重した感じで、あっと驚く要素は少なかったが、誰にでも受け入れやすい演出だったように思う。
また「道化師」は客席も使い、旅回りの一座が客席から登場したり、最後にカニオが客席下手側のドアから逃げていったりといったところは新鮮だった。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」でのオリーブの木は演出家デフロによればサントゥッツァの孤独を暗示しているそうだ。
黒い衣装に身を包み、見た目は荘重な宗教色が感じられるが、マスカーニの音楽はこの上なく美しく悲しげだ。
人間のどろどろした部分を描いたゆえにヴェリズモ・オペラの代表作とまで評されるわけだが、その内容の救いのなさに反比例するような音楽の美しさ。
有名な間奏曲は単独でも演奏されるが、このオペラのこの場所で演奏されてこその効果があるように思う。
サントゥッツァのルクレシア・ガルシアと、トゥリッドゥのヴァルテル・フラッカーロはどちらも声量が湧き出す泉のように豊かだ。
押し出しの強さがこの主役2人の内面を見事に描き出していて素晴らしかった。
脇を固めた日本人キャストも堅実な出来栄えだった。
「道化師」はアクロバットを披露するキャストがいたりと見て単純に楽しめるシーンも多いが、それゆえに最後の悲劇とのギャップが一層際立つ。
正統的な解釈による分かりやすい舞台になっていたように感じた。
トニオのヴィットリオ・ヴィテッリが達者な演技と明瞭な歌唱で良かった。
カニオのグスターヴォ・ポルタと、ネッダのラケーレ・スターニシは、「カヴァレリア~」の主役コンビほど声の押し出しは強くないが、渋みのある声と表現が生かされていた。
ペッペの吉田浩之は声の美しさをあらためて感じた。
シルヴィオの与那城敬は二期会公演でも同役を演じていたのが思い出された。
合唱はいつも通りよく揃い、積極的で素晴らしかった。
レナート・パルンボ指揮の東京フィルも丁寧な演奏ぶり。
なおぶらあぼの記事に舞台写真が掲載されていた。
こちら
3階右脇の安い席だった為、ステージ右端は隠れて見えなかったが、全体が見えたらきっと装置の良さもより味わえたことだろう。
前の座席との段差も低いので、お客さんの頭で舞台の大事な部分が隠れることもある。
意外とこの劇場、舞台が見えにくいように感じることが多いのだが、安い席ならば仕方ないのだろうか。
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コメント
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投稿: Johng732 | 2014年5月26日 (月曜日) 05時22分
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投稿: Franz | 2014年5月27日 (火曜日) 00時16分