新国立劇場/アルバン・ベルク作曲 オペラ「ヴォツェック」(2014年4月5日 新国立劇場 オペラパレス)
2013/2014シーズン
オペラ「ヴォツェック(Wozzeck)」/アルバン・ベルク(Alban Berg)
全3幕〈ドイツ語上演/字幕付〉
上演時間:約1時間35分(休憩なし)
2014年4月5日(土)14:00 新国立劇場 オペラパレス
【ヴォツェック(Wozzeck)】ゲオルク・ニグル(Georg Nigl)
【マリー(Marie)】エレナ・ツィトコーワ(Elena Zhidkova)
【鼓手長(Tambourmajor)】ローマン・サドニック(Roman Sadnik)
【アンドレス(Andres)】望月哲也(Mochizuki Tetsuya)
【大尉(Hauptmann)】ヴォルフガング・シュミット(Wolfgang Schmidt)
【医者(Doktor)】妻屋秀和(Tsumaya Hidekazu)
【第一の徒弟職人(1. Handwerksbursch)】大澤 建(Osawa Ken)
【第二の徒弟職人(2. Handwerksbursch)】萩原 潤(Hagiwara Jun)
【白痴(Der Narr)】青地英幸(Aochi Hideyuki)
【マルグレート(Margret)】山下牧子(Yamashita Makiko)
【マリーの子供(Mariens Knabe)】池袋遥輝(Ikebukuro Haruki)
【兵士(Ein Soldat)】二階谷洋介(Nikaitani Yosuke)
【若者(Ein Bursche)】寺田宗永(Terada Munenaga)
【合唱】新国立劇場合唱団(New National Theatre Chorus)
【児童合唱】NHK東京児童合唱団(NHK Tokyo Children Chorus)
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団(Tokyo Philharmonic Orchestra)
【指揮(Conductor)】ギュンター・ノイホルト(Günter Neuhold)
【演出(Production)】アンドレアス・クリーゲンブルク(Andreas Kriegenburg)
【美術(Scenery Design)】ハラルド・トアー(Harald Thor)
【衣裳(Costume Design)】アンドレア・シュラート(Andrea Schraad)
【照明(Lighting Design)】シュテファン・ボリガー(Stefan Bolliger)
【振付(Choreographer)】ツェンタ・ヘルテル(Zenta Haerter)
【再演演出(Revival Director)】バルバラ・ヴェーバー(Barbara Weber)
[共同制作]バイエルン州立歌劇場
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新国立劇場の「ヴォツェック」を久しぶりに聴いた。
前回に聴いたのは2009年11月でもう5年も経つとは驚きである。
そして前回聴いた「ヴォツェック」が私の新国立劇場での初鑑賞であった。
そういう意味でも忘れられない思い出と結びついた演目である。
今回も例の水にひたされた舞台の上で登場人物や助演の黙役たちがぴしゃぴしゃやっている。
その上に吊るされた四角い空間はヴォツェックの家族の部屋という設定である。
子役の子も当然前回とは変わったが、相変わらず芸達者で、大人を食ってしまう。
1時間35分で全3幕を続けて上演したが、子役の子はほとんど出ずっぱりで、いつもながら凄いと思ってしまう。
なお、前回は子役の子は最後のシーンでも歌わなかった記憶があるが、今回はベルクの指示通り「ホップホップ」と歌っている。
ヴォツェック役のゲオルク・ニグルはウィーン少年合唱団出身で、過去に何度か歌いに来日しているそうだ。
すっかり大人のバリトンの声になったニグルはヴォツェックの危うさを見事に演じた。
マリー役のエレナ・ツィトコーワは声もよく通り、すれた感じと家庭内の母親の顔をうまく演じ分けた。
大尉役のヴォルフガング・シュミットも特徴ある語り口をうまく表現していたし、前回も医者役を演じた妻屋秀和はその奇妙ないでたちと同様強く印象に残った。
なお、プログラム冊子の演出家の話によると、この演出ではヴォツェック目線で描いている為、家族以外はモンスターのように見えるように設定したとのこと。
そうすることによって家族のもとでのみヴォツェックが人間性を維持できることをあらわしているらしい。
確かにヴォツェック以外の登場人物はみなグロテスクないでたちである。
第3幕でヴォツェックが妻を殺して酒場に寄る場面でピアノがピアニストともどもくるくる舞台上を動き回る(黒子によって)のは、狂気の表現として印象的だった。
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