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二期会/プッチーニ作曲「蝶々夫人」(2014年4月27日 東京文化会館 大ホール)

東京二期会オペラ劇場《二期会名作オペラ祭》
「蝶々夫人」

オペラ(トラジェーディア・ジャポネーゼ)全3幕
日本語字幕付き原語(イタリア語)上演
台本:ジュゼッペ・ジャコーザ、ルイージ・イッリカ
原案:デイヴィッド・ベラスコ「マダム・バタフライ」
作曲:ジャコモ・プッチーニ

2014年4月27日(日)14:00 東京文化会館 大ホール
第1幕:50分-休憩:25分-第2・3幕:80分

蝶々夫人:木下美穂子
スズキ:小林由佳
ケート:谷原めぐみ
ピンカートン:樋口達哉
シャープレス:泉 良平
ゴロー:栗原 剛
ヤマドリ:鹿野由之
ボンゾ:佐藤泰弘
神官:渥美史生
子供:今野后梨

合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京都交響楽団
指揮:ダニエーレ・ルスティオーニ

演出:栗山昌良

舞台美術:石黒紀夫
衣裳:岸井克己
照明:沢田祐二
舞台設計:荒田 良
合唱指揮:佐藤 宏
演出助手:澤田康子
舞台監督:菅原多敢弘
公演監督:高 丈二

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二期会のオペラ「蝶々夫人」の最終日を見た。
御年88歳の長老、栗山昌良の演出は、「日本人で良かった」と感じることの出来る美しさで満ちていた。
ステージも衣装も紛れもなく日本の美を自然に表現しており、外国の演出家ではこうはいくまいと思える細やかな所作も素晴らしい。
日本人としての矜持を徹底的に追求して出来上がった舞台は観客をなんの違和感もない光景に導いてくれた。
外国の演出家には、栗山氏の演出を見てほしい。
もちろん偽物の和風蝶々夫人がいけないわけではない。
プッチーニだってそこまで厳密なものを求めたわけでもないだろうし。
だが、この上演を見たうえで、新しいものをつくるなりしてほしいと思う。
それほど日本人の心に寄り添った演出であり、本物の舞台であった。

歌手たちは脇役も含めてよく揃っていたと思う。
みなそれぞれの持ち場をしっかり演じていた。
シャープレスの泉 良平は個性的な声だが、人情味のある雰囲気は充分に伝わってきたし、スズキの小林由佳も抑制した表現や顔をそむける所作などが美しかった。
ゴローの栗原 剛はこにくたらしい感じを実に巧みに演じていた。
にっくきピンカートンの樋口達哉もその華やかなオーラで聴き手の心をつかんだ。
だが、やはり蝶々夫人を演じた木下美穂子の素晴らしさに尽きるだろう。
ピンカートンを信じ、愛し、けなげに待ち続ける心の美しさがそのまま彼女の歌唱からも伝わり感動的だった。
「ある晴れた日に」の後の猛烈な拍手は会場の皆が同じように思っていた証だろう。
声をどこまでも維持する見事さも特筆したい。
彼女の歌う蝶々夫人も今後これまでの歌手たちの伝説に連なっていくのかもしれない。

若手イタリア人指揮者のダニエーレ・ルスティオーニの意欲的な指揮に導かれて、東京都交響楽団は立体的な響きをつくりあげていた。

どこまでも純日本的な極めて美しい舞台を見て、私の涙腺もまたやられてしまったのであった。

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