新国立劇場 オペラ研修所/R.シュトラウス作曲「ナクソス島のアリアドネ」(2014年3月1日 新国立劇場 中劇場)
新国立劇場 オペラ研修所(New National Theatre, Tokyo Opera Studio)
リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss)/ナクソス島のアリアドネ(Ariadne auf Naxos)
全2幕/ドイツ語上演/字幕付
2014年3月1日(土)14:00 新国立劇場 中劇場
上演時間:2時間30分(Ⅰ幕40分 休憩30分 Ⅱ幕80分)
プロローグ
【執事長】ヨズア・バールチュ(Josua Bartsch)
【音楽教師】小林啓倫(16期)
【作曲家】原 璃菜子(15期)
【テノール歌手(バッカス)】菅野 敦(15期)
【士官】伊藤達人(14期)
【舞踊教師】日浦眞矩(14期)
【かつら師】駒田敏章(11期修了)
【下僕】大塚博章
【ツェルビネッタ】清野友香莉(15期)
【プリマドンナ(アリアドネ)】飯塚茉莉子(16期)
【ハルレキン】村松恒矢(14期)
【スカラムッチョ】岸浪愛学(16期)
【トゥルファルディン】松中哲平(16期)
【ブリゲッラ】小堀勇介(15期)
【貴族(黙役)】根岸 幸
劇中劇
【アリアドネ】飯塚茉莉子(16期)
【バッカス】菅野 敦(15期)
【ナヤーデ(水の精)】種谷典子(16期)
【ドリアーデ(木の精)】藤井麻美(15期)
【エコー(やまびこ)】今野沙知恵(14期)
【ツェルビネッタ】清野友香莉(15期)
【ハルレキン】村松恒矢(14期)
【スカラムッチョ】岸浪愛学(16期)
【トゥルファルディン】松中哲平(16期)
【ブリゲッラ】小堀勇介(15期)
【管弦楽】ポロニア・チェンバーオーケストラ(Paulownia Chamber Orchestra)
【指揮】高橋直史
【演出・演技指導】三浦安浩
【美術】鈴木俊朗
【照明】稲葉直人
【振付】伊藤範子
【衣裳コーディネーター】加藤寿子
【舞台監督】髙橋尚史
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R.シュトラウスのオペラ「ナクソス島のアリアドネ」を見た。
新国立劇場オペラ研修所の公演だが、大いに満足して楽しんだ。
これほどプロの卵たちの歌唱と演技がしっかりしているとはなんとも頼もしい限り。
演出は現代風で、プロローグはちょっと懐かしいアメリカンなテイストだった。
舞台は、回り舞台の機能を使った効果的なもので、プロの上演と比べても遜色のないものだった。
歌手ではまず作曲家役の原 璃菜子の健闘をたたえたい。
その真摯な姿が印象に残る歌唱と演技だった。
そして、ツェルビネッタの清野友香莉がコロラトゥーラを自在に操り、魅力的な仕草もあいまって聴衆から熱烈な拍手を受けていた。
アリアドネの飯塚茉莉子や音楽教師の小林啓倫も将来性を感じさせる。
バッカスの菅野 敦もまだ完全ではないが声の質が魅力的で、今後が楽しみである。
また、ドリアーデ(木の精)の藤井麻美は深みと強靭さのある声が魅力的だった。
オネエの設定らしい舞踊教師やタンクトップ姿のワイルドな道化役4人もコミカルな味で大いに楽しませてくれた(大道芸をしながらの歌唱もよくこなしていて素晴らしい)。
歌手の卵たちはみな恵まれた資質と努力が感じられ、応援したくなる。
声量はまだこれからという人が多い印象だが、声の質と言葉の発音などはなかなか見事なものである。
賛助出演の人も素晴らしく、執事長(ヨズア・バールチュ)は歌わず語りのみだが、ドイツ語の語りが演劇調になりすぎず、自然さを感じさせたのが新鮮だった。
かつら師の駒田敏章は以前「カルミナ・ブラーナ」で見事な歌唱を聴いて強く印象に残ったが、今回はごくわずかしか出番のない役なのが残念。だが、他の出演日は音楽教師というかなり活躍する役を歌うそうなので、そちらで活躍されることだろう。
私のR.シュトラウス・アレルギーもだんだん治っているようだ。彼の音楽を楽しんでいる自分が確かにいる。オケが小編成でピアノが活躍するところは私好みだった。
終盤のバッカスの歌など、少しヴァーグナーを思い起こさせる感じだった。
このオペラの最後の方で、三人の精霊がシューベルトの有名な「子守歌」を思わせる重唱曲を歌っていたが、シュトラウスが意図的に似せたのだろうか。
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