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アントニーノ・シラグーザ&藤原歌劇団/ロッシーニ作曲「オリィ伯爵」(2014年1月31日 東京文化会館 大ホール)

Le_comte_ory_20140131


藤原歌劇団創立80周年記念公演
ジョアキーノ・ロッシーニ(Gioachino Rossini)作曲
「オリィ伯爵(Le Comte Ory)」
オペラ2幕
<字幕付き仏語上演>
ニュープロダクション

2014年1月31日(金)18:30 東京文化会館 大ホール
(70分-休憩20分-70分)

オリィ伯爵(Le Comte Ory):アントニーノ・シラグーザ(Antonino Siragusa)
アデル(La Comtesse Adèle):佐藤 美枝子(Mieko Sato)
伯爵の教育係(Le Gouverneur):彭 康亮(Kang-Liang Peng)
イゾリエ(Isolier):向野 由美子(Yumiko Kono)
ランボー(Raimbaud):柴山 昌宣(Masanobu Shibayama)
ラゴンド(Ragonde):牧野 真由美(Mayumi Makino)
アリス(Alice):清水 理恵(Rie Shimizu)
騎士(Chevalier):岡坂 弘毅(Hiroki Okasaka)

合唱(Chorus):藤原歌劇団合唱部(Fujiwara Opera Chorus Group)
合唱指揮(Chorus Master):安部 克彦(Katsuhiko Abe)
管弦楽(Orchestra):東京フィルハーモニー交響楽団(Tokyo Philharmonic Orchestra)
指揮(Conductor):デニス・ヴラセンコ(Denis Vlasenko)

演出(Stage Director):松本 重孝(Shigetaka Matsumoto)
公演監督(Production Director):岡山廣幸(Hiroyuki Okayama)

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藤原歌劇団によるロッシーニ「オリィ伯爵」を東京文化会館で見た。
実はこの日は小ホールの公演が目当てだったのだが、すでに完売で当日券が出ないと知り、急遽大ホールでオペラを聴くことにした(そうでなくとも日曜日の公演には行こうと思っていたが)。
だが、アントニーノ・シラグーザのようなスター歌手が聴けるのだから有難いことこのうえない。
他の歌劇団とは違い(と言っては失礼だが)、こちらは結構安価な席も当日券で入手可能だったので、4階席を購入できたのだが、音も決して悪くない。

「オリィ伯爵」を舞台で見るのは初めてだが、以前にメットのライヴビューイングの映画上映では見ているので、その時の楽しかった記憶が残っている。
その時の記事はこちら
今回はシラグーザ、彭 康亮以外は日本人キャストだが、みな大健闘であった。

イタリア、メッシーナ出身のシラグーザは途中から出てくるのだが、彼が第一声を発するやいなや会場の空気が変わったように感じられた。
なんというか、文化会館の大きなスペースを楽々と操っているかのような感さえあった。
かなり高めの美声でヴォリュームはさすがだが、アンサンブルでは輪に溶け込み、決して一人舞台にはならない。
イタリア・テノールに伝統の華やかな美声と、知性が合わさった印象を受けた。
そしてコミカルな表現もお手の物、たまに日本語を織り交ぜ(村人の願いを聞き「Wakatta!」と様々な表情で歌い分けた!)、余裕のある歌唱と表情はこれぞエンターテイナーであった。

日本人歌手の中ではまずズボン役、オリー伯爵の小姓イゾリエを演じた向野 由美子が素晴らしかった。
豊かな声と細やかな表情で、アデルへの思慕を軽快に演じ、強く印象に残った。
この人の名前は覚えておこう。
そしてアデル役の佐藤 美枝子は貫録の歌唱と演技で華があった。
シラグーザと共に超絶技巧もこなし、さすがである。
そして忘れてならないのが、ラゴンド役牧野 真由美の渋みあふれる歌唱とコミカルな演技である。
彼女の歌が舞台を引き締め、喜劇を生み出す様々なきっかけを作りだす。
名脇役あってこその名舞台と実感した。

指揮者は予定されていたアントネッロ・アッレマンディからデニス・ヴラセンコに変更された。
彼は30代前半の若い指揮者で、今回が日本デビューとのこと。
東京フィルを軽快な音楽で統率し、素晴らしくめりはりのある演奏を引き出した。

舞台美術は最初のうち、若干お粗末な(失礼!)印象を受けたが、このようなコメディではこういうアプローチもありかもしれないと思った。
藤原歌劇団合唱部がルーティンに陥らない細かい演技を各人に付けており、歌唱もよく揃い見事だった。

こういう珍しい作品が上演されるためにはいろいろな困難をクリアしなければならないだろうが、その結果このような見事な上演が実現したことに拍手を送りたいと思う。
Le_comte_ory_chiraashi_1
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