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ヴォルフ「新年に」(詩:メーリケ)

フーゴ・ヴォルフは53曲からなる巨大な歌曲集「メーリケの詩」を編みましたが、その27曲目に「新年に」が置かれています。
なお、歌曲集の順番と作曲の順番は全く無関係であり、全53曲を一晩で演奏することはまずありません。
心が洗われるような聖なる喜びの歌です。

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Zum neuen Jahr
 新年に

Wie heimlicher Weise
Ein Engelein leise
Mit rosigen Füßen
Die Erde betritt,
So nahte der Morgen.
Jauchzt ihm, ihr Frommen,
Ein heilig Willkommen,
Ein heilig Willkommen!
Herz, jauchze du mit!
 なんともひっそりと
 天使がそっと
 ばら色の足を
 大地に踏み入れる、
 すると朝が近寄ってくるのだ。
 新年に歓呼せよ、敬虔な者たちよ、
 敬い、歓迎いたします、
 敬い、歓迎いたしますと!
 心よ、ともに歓呼するのだ!

In Ihm sei's begonnen,
Der Monde und Sonnen
An blauen Gezelten
Des Himmels bewegt.
Du, Vater, du rate!
Lenke du und wende!
Herr, dir in die Hände
Sei Anfang und Ende,
Sei alles gelegt!
 新年が始まりますように、
 天の蒼穹で
 月や太陽を
 動かし給う神のもとで!
 汝、父上よ、お教えください!
 導き、向きを変えてください!
 主よ、汝の両の手に
 はじめから終わりまでが、
 あらゆるものがあらんことを!

詩:Eduard Mörike (1804-1875)
曲:Hugo Wolf (1860-1903)

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ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(BR)&ダニエル・バレンボイム(P)

世評高いフィッシャー=ディースカウのヴォルフです。自在に広がっていく声が素晴らしいです。バレンボイムも立体的な演奏です。

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コメント

ヴォルフとは流石にシブいですね。
自分の場合、年の始めはバッハです。モテット〈主に向かいて新しき歌を唄え〉、カンタータ第190番などの元旦のための作品を聴く事にしています。

投稿: 田中文人 | 2014年1月14日 (火曜日) 20時51分

田中文人さん、こんばんは。
年初めにバッハも厳かで良さそうですね。
元日のための曲とは、どんな内容なのか興味がわいてきました!

投稿: フランツ | 2014年1月14日 (火曜日) 23時47分

フランツさん、こんにちは。

新年らしいすがすがしい曲ですね。
初めて聴きました。

田中さんがお書きになっている<主に向かいて新しき歌を唄え〉は、旧約聖書の詩篇33章3節からの言葉だと思います。
信者同士でよく年賀状の文言として使います。
もともと、新年を祝う詩篇ではなく、33章全体も神の摂理を賛美した内容ですが、ドイツでも古くから新年にこの箇所は使われていたのでしょうね。

ディースカウさんの演奏のあとに、プライさんの面白いヴォルフが出てきました(*^^*)

投稿: 真子 | 2014年1月16日 (木曜日) 13時50分

真子さん、こんばんは。

この曲は地味ですが、すがすがしく感じていただけて良かったです(^^)

ところで、田中さんにご紹介いただいたバッハの曲の由来を教えてくださり、有り難うございます。
さすが真子さんですね。ヨーロッパの芸術はキリスト教の影響なしには語れないのでしょうね。

この動画の後のプライのヴォルフはメーリケ歌曲集の最後の曲で「別れ」とか「あばよ」などと訳されます。憎き批評家を階段の上から蹴飛ばしてあぁすっきりしたという内容なのですが、プライが歌うと皮肉たっぷりの曲に人間味がプラスされて批評家も笑って許してくれそうです。プライの役者っぷりがはまっていて楽しい動画でした。いつか詩もご紹介しますね。

投稿: フランツ | 2014年1月16日 (木曜日) 23時40分

フランツさん、こんにちは。

そうですね。
音楽や美術を見ていると欧米の古典はキリスト教を土台としているものが多いですね。
ちょうど、日本の古典芸能の中に仏教の無常観やわびさびが流れているのと同じなのでしょうね。

プライさんのヴォルフはそういう内容の曲だったのですね。
ちょっと地声を混ぜて歌ったり、身振り手振りが面白かったです。

「別れ」は、輸入盤フィリップスの全4巻の中にも、EMIのヴォルフ・アイヒェンドルフ歌曲集の中にも入っていなかったので、お宝を見つけた気分です。
ぜひ詩の内容を教えてくださいね(*^^*)

それから、これと同じ服装、ホカンソンのピアノで歌っているシューマンの「献呈」の動画がものすごくいいのです。
ドイツではDVD化されていたのかもしれませんね。
日本にも入って来て欲しいです。

投稿: 真子 | 2014年1月17日 (金曜日) 12時51分

真子さん、こんにちは。

プライのヴォルフ「別れ(Abschied)」、CD版のフィリップス歌曲シリーズの第3巻CD6の5トラック目に入っていました。
ぜひ聴いてみてくださいね。
例の動画ではかなりオペラティックに身振りを加えていて、情景が目に浮かぶようでした。やはりディースカウだけを聴いているのはもったいないですね。

シューマン「献呈」の動画も、プライは真っ直ぐ前を見て、視聴者に向けて真摯に歌ってくれていますね。プライが愛されるのはこういう人間味あふれるところも大きいのではないかと思います。それにしてもいい映像ですね(^^)
いつかDVD化されるといいですね。

投稿: フランツ | 2014年1月18日 (土曜日) 10時19分

フランツさんこんにちは。

ヴォルフの「別れ」、フィリップス版に入っていましたか。
見落としていました。
CD6の5番目、早速聴いています。
短いけれど、実に印象的な曲ですね。

次の6番目の曲は打って変わって、伸びやかな甘い曲ですね。
プライさんの表現の豊かさに改めて聞き入っています。
3巻は、シューマンばかり聴いていたのですが、続々つづく曲もいいですね。
そういえば、プライさんはヴォルフもとても好きだと言っていました。
この機会にヴォルフにはまってみたいと思います。


プライさんを聴くと、ディースカウさんはここをどのように歌うのだろうと、結構ディースカウさんのCDも買いました。
興味がつきませんよね。

シューマン「献呈」の動画は、そうなんです!
まっすぐ見てくるあの視線で「君は私の魂、心・・」なんて甘い声で歌うのですから・・・(笑)
最後に映る、横顔を見ていますと、後頭部がグッと広がっていますよね。
体の厚みや肩幅の広さ、あの豊かな響きはここから生まれるのだとつくづく思います。

投稿: 真子 | 2014年1月18日 (土曜日) 11時44分

〈主に向かいて新しき歌を唄え〉は、『詩篇』第149編1〜3節からの引用との事です。
聖書なんてさっぱり分かりません。バッハが好きだから、バッハの宗教曲を聴いています。
普段の私は、信仰などとは程遠い人間です(笑)。

投稿: 田中文人 | 2014年1月18日 (土曜日) 19時10分

真子さん、こんばんは。
プライのヴォルフ、楽しんでいただいているようで嬉しいです(^^)
「別れ」の次の曲は、51曲からなるゲーテ歌曲集に含まれる「アナクレオンの墓」という作品で、ヴォルフの歌曲の中でもとりわけ人気の高い曲です。古代ギリシャの詩人アナクレオンの墓の前で詩人に寄せて歌っています。静かな中に穏やかな美しさがあって、素晴らしい作品だと思います(ちなみにアーメリングの歌った録音もあります)。ヴォルフの世界をプライの名唱で楽しんでくださいね(ちなみにジェラルド・ムーアと録音したヴォルフのメーリケ歌曲集の古いLPも素敵でしたが、ご存知でしょうか)。
プライの後頭部に着目されるとはさすが真子さん!身体的な要素もきっと大きいのでしょうね。私も実演で接した時、体の奥から朗々とした響きがあまりにも豊かに湧いてくるように感じたことを今も覚えています。
ヴォルフをプライとディースカウで聴き比べると、それぞれの特徴がよくあらわれていて、とても面白いです。

投稿: フランツ | 2014年1月19日 (日曜日) 03時35分

田中文人さん、こんばんは。
詳細を教えてくださり、有り難うございます!
バッハが好きだから聴くというのでいいのではないでしょうか。
信仰の有無を超えた懐の大きさがバッハの音楽にはあるのではないでしょうか。
私もドイツ語を全く知らない時にシューベルトの「魔王」の音楽に惹かれてクラシックを聴き始めた口です。

投稿: フランツ | 2014年1月19日 (日曜日) 03時37分

フランツさん、こんにちは。

まずは、〈主に向かいて新しき歌を唄え〉について。
『詩篇』第149編1〜3節詩篇からの引用との事、違った情報を書き失礼しました。
詩篇33:3にも同じ言葉があるので、そちらかと思ってしまいました。
お詫びいたします。

ムーアとのヴォルフのメーリケ歌曲集ですが、いつごろの録音でしょうか?
昔、プライさんのファンになりたての頃、仙台レコードさんでたくさんのプライさんのLPを買いましたので、棚を探せばあるかもしれませんが、ヴォルフをあまり聴いて来なかったので、はっきりは記憶にないです。
ムーアとピアノの前で写っているLpはあるのですが。
持っていなかったら、ヤフオクや、中古レコードで探してみたいと思います。
いい情報をありがとうございます!
フランツさんは詳しくていらっしゃるので、何度も助けられています。

「別れ」の次の曲は、そういう曲だったんですね。
本当に静かで綺麗な曲で気に入りました。
私は自分がレッスンを受けた曲は辞書を引いて詩も調べたりしましたが、その他の曲はさっぱりですので、いつも教えていただいて感謝しています。

投稿: 真子 | 2014年1月19日 (日曜日) 18時50分

真子さん、こんにちは。

バッハの出典についてコメントありがとうございました。同じような文言が複数個所にあるんですね。私は聖書の知識が皆無に等しいので勉強になります。これからもよろしくお願いします!

プライ&ムーアのヴォルフ「メーリケ歌曲集」のLPですが、アメリカのAmazonでは中古で安く手に入るようです。
以下のサイトをご覧ください。
http://www.amazon.com/PREY-MOORE-WOLF-PFITZNER-LIEDER/dp/B008B04NZ4
日本語のサイトでは次のサイトがあります。
http://www.sekaimon.com/i171037734482_ptaucfan
なお、プフィッツナーのアイヒェンドルフ歌曲も入っています。
ヴォルフのメーリケ歌曲集からは、庭師、依頼、尽きることのない愛、出会い、狩人の歌、春だ、散歩、旅路で、郷愁、祈り、隠棲、ヴァイラの歌、告白、少年鼓手、が入っています。
残念ながらヴォルフの「別れ」はないです。
プフィッツナーは、庭師、孤独な女、秋に、勇敢な男、別れ、です。
原タイトルは以下のサイトにあります。
http://www.discogs.com/Wolf-Pfitzner-Hermann-Prey-Gerald-Moore-M%C3%B6rike-Lieder-Eichendorff-Lieder/release/4058415
このLP、かなり若い頃の録音と思われ(正確なデータは不明です)、声も若々しくてとても良いですよ。
手に入るといいですね。

投稿: フランツ | 2014年1月19日 (日曜日) 19時04分

フランツさん、こんばんは。

プライさんの古いレコードについて詳しくありがとうございました。
早速調べてみたいと思います。

昨年、1950年代の初期の録音がCDになっていて購入しましたが、こういう録音がたくさん復刻されて欲しいです。

いつも色々とありがとうございます。

投稿: 真子 | 2014年1月19日 (日曜日) 22時24分

真子さん、こういう調べ物は苦にならないので、気になさらないでくださいね。
まだまだプライもアーメリングもCD化されていない音源が沢山ありますよね。
こういう財産を倉庫に眠らせておかずに復活してほしいものですね!

投稿: フランツ | 2014年1月19日 (日曜日) 23時12分

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