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新国立劇場バレエ団/バレエ・リュス ストラヴィンスキー・イブニング(2013年11月13日 新国立劇場オペラパレス)

バレエ・リュス
ストラヴィンスキー・イブニング
火の鳥/アポロ/結婚
2013/2014シーズン
Ballets Russes Stravinsky Evening
The Firebird / Apollo / Les Noces

2013年11月13日(水)19:00 新国立劇場オペラパレス

『火の鳥』The Firebird
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
振付:ミハイル・フォーキン
火の鳥:小野絢子
イワン王子:山本隆之
王女ツァレヴナ:寺田亜沙子
カスチェイ:マイレン・トレウバエフ

『アポロ』Apollo [新制作]
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
振付:ジョージ・バランシン
アポロ:福岡雄大
テレプシコール:小野絢子
カリオペ:寺田亜沙子
ポリヒムニア:長田佳世
レト:湯川麻美子

『結婚』Les Noces [新制作]
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
振付:ブロニスラヴァ・ニジンスカ
花嫁:本島美和                   
花婿:小口邦明
両親:千歳美香子;堀口純;マイレン・トレウバエフ;輪島拓也

新国立劇場バレエ団

ソプラノ:前川依子(『結婚』)
アルト:佐々木昌子(『結婚』)
テノール:二階谷洋介(『結婚』)
バス:塩入功司(『結婚』)
新国立劇場合唱団(『結婚』)
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:クーン・カッセル(Koen Kessels)

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新国立劇場バレエ団の2013/2014シーズン開幕公演を鑑賞した。
すべてストラヴィンスキーの音楽によるバレエ・リュスの演目である。
新国立劇場のサイトによると、バレエ・リュスとは「1909年突如ヨーロッパに出現した、天才プロデューサー・ディアギレフ率いるロシア・バレエ団」のことである。
多くの賛同した芸術家たちがジャンルを超えて総合芸術をつくりあげた古き良き時代を、今回初台に再現しようというものであり、このような古典を知ることは、私のようなバレエ素人にとっても得るところは大きかったと思う。

ストラヴィンスキーの音楽としても代表作のひとつといえる『火の鳥』のストーリー性の面白さ、『アポロ』の古典的な様式美と、どことなくコミカルに感じられる(私見では)振りの興味深さ、そしてロシアの民俗色豊かな『結婚』の土臭いわくわく感と、どれも私には新鮮で楽しめるものだった。
中でもニジンスキーの妹のニジンスカが振りつけたという『結婚』は私には最も面白く感じられた。
群舞が多く、主役がほとんど踊らない不思議なバレエだが、ダンサーたちが首をかしげて、まとまって寄りかかる振りが印象的だった。
何かバレエ特有の意味があるのだろうか。
独唱者、それに男声合唱も加えた民俗色の強い歌も印象的で、見ていて本当に楽しめるものだった。

バレエについてはどしろうとなので、テクニック面では何も言えないのだが、小野さんの火の鳥は可憐で、山本さんの王子はノーブル。
福岡さんのアポロは貫録に満ち、『結婚』の群舞(コール・ド・バレエというんでしたっけ)は振りがかえって新鮮で飽きることが一切ない。

それにしても『結婚』の時のオーケストラピットは面白かった。
左半分を新国立劇場合唱団がぎっしり詰まって座っており、真ん中をピアノ4台が扇状に設置され、その後ろに独唱者4人が座り、その他の楽器は右側に位置していた。
きっと合唱曲としてもレパートリーに入っている作品なのだろうが、ロシア語のハンデをよく克服して、皆さん演奏されたと思う。

きっと記念碑的な意味のある上演だったと思うが、単純にバレエ作品として鑑賞して素晴らしかったと思う。
再演希望です!

Ballets_russes_20131113

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コメント

mixi加入してまして、マイミクさんが興奮覚めやらぬ様子を伝えてくれました。
意欲的で興味深いプログラムですね。かなり珍しい、なかなか聴けない組み合わせですよね。

投稿: 田中文人 | 2013年11月18日 (月曜日) 13時47分

田中文人さん、こんばんは。
田中さんのマイミクさんも聴かれて感激されたそうですね。
確かに会場の熱狂はすごく、聴衆のみなさん、熱烈に拍手していました。
私もこの意欲的な公演を堪能してきました。いつか再演してくれるといいのですが。

投稿: フランツ | 2013年11月19日 (火曜日) 01時24分

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