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岡田博美/ピアノリサイタル2013 ロマン派の真髄―シューマンをめぐって(2013年11月14日 東京文化会館 小ホール)

岡田博美ピアノリサイタル2013
ロマン派の真髄―シューマンをめぐって
2013年11月14日(木)19:00 東京文化会館 小ホール
岡田博美(Hiromi Okada)(piano)

ショパン(Chopin)/プレリュード 嬰ハ短調 作品45

ショパン/バラード 第3番 変イ長調 作品47

ブラームス(Brahms)/パガニーニの主題による変奏曲 作品35(全2巻)

~休憩~

シューマン(Schumann)/森の情景 作品82
 入口
 待ち伏せる狩人
 寂しい花
 気味の悪い場所
 親しみのある風景
 宿屋
 予言の鳥
 狩の歌
 別れ

シューマン/クライスレリアーナ(幻想曲集)作品16

~アンコール~
メンデルスゾーン(Mendelssohn)/無言歌集より「春の歌」
リスト(Liszt)/愛の夢 第3番
シューマン/トロイメライ

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毎年秋恒例の岡田博美によるリサイタルを今年も聴いた。
昨年までの「ふらんすplus」が終了し、今回からは一回ごとに独自のテーマを設けるとのこと。
そして、今年は「今いちばん弾きたいロマン派」からシューマンを中心とした作品を集めたそうだ。

最初にショパンのプレリュード作品45とバラード第3番が演奏された。
ショパンの作品の中でもそれほど知名度が高いものではないが、岡田氏が本当に弾きたいものを選曲したのではないかと推測される。
岡田のショパンはストレートである。
決して情感が薄いというわけではないが、のめりこんで甘ったるくなるショパンとは対照的である。
人によっては物足りないと思うかもしれないが、これが岡田さんらしいショパンと感じた。

続くブラームスの「パガニーニの主題による変奏曲」はバリバリの超絶技巧を駆使した作品で、ブラームスもそのように作曲しているのだから演奏する人も思う存分テクニックを駆使すればよい。
そういう意味で岡田の本領発揮であり、彼の細長い指が鍵盤を這い回って、次々に繰り出されるテクニカルな難題をさらっとクリアーしていくのは視覚的にも爽快だが、その響きは迫力に満ち、聴き手はただただ圧倒される。
パガニーニの有名なテーマ(「24のカプリス」の24番)からこれだけ魅力的な変奏の数々を作り上げたブラームスの作品は全く長さを感じさせないものだった。

後半はシューマンの2つの曲集が演奏された。
最初は「森の情景」全9曲。
この曲集はシューマン後期の渋みも加わったロマンティックな小品集だが、ここでの岡田は曲によって向き不向きがあったように感じた。
例えば「親しみのある風景」はあまりにも速い速度で練習曲のように弾かれて、私には若干物足りなかった。
だが、その一方で「狩の歌」のリズミカルな演奏、さらに最後の「別れ」のそこはかとない情感表現は素晴らしかった。

最後の「クライスレリアーナ」は圧巻。
起伏に富んだ作品をうまくつないで集中力を途切らすことがない。
ここでは岡田さんによるシューマネスクな世界が表現されていたように感じた。
それにしても、あたかも妖精がぴょんぴょんと飛び跳ねて去ってしまうような終曲はやはりシューマンならではの世界だとあらためて実感。

アンコールは3曲。
いずれも名曲集などでお馴染みの曲だが、こういうリサイタルで聴く機会は意外と少ない。
そういう意味でもアンコールはデザートのようなものとかつて岡田さんが語っていたのが実感される楽しい時間であった。

来年は12月にショパンの葬送ソナタとスクリャービンのソナタなどが予定されている。
今から楽しみである。

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