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新国立劇場/ヴェルディ「リゴレット」(2013年10月19日 新国立劇場 オペラパレス)

ヴェルディ(Verdi)/「リゴレット(RIGOLETTO)」

2013年10月19日(土)14:00 新国立劇場 オペラパレス
(第1幕:55分、休憩:25分、第2幕&第3幕:70分)

【演出】アンドレアス・クリーゲンブルク

【リゴレット】マルコ・ヴラトーニャ
【ジルダ】エレナ・ゴルシュノヴァ
【マントヴァ公爵】ウーキュン・キム
【スパラフチーレ】妻屋秀和
【マッダレーナ】山下牧子
【モンテローネ伯爵】谷友博
【ジョヴァンナ】与田朝子
【マルッロ】成田博之
【ボルサ】加茂下稔
【チェプラーノ伯爵】小林由樹
【チェプラーノ伯爵夫人】佐藤路子
【小姓】前川依子
【牢番】三戸大久

【合唱】新国立劇場合唱団
東京フィルハーモニー交響楽団
【指揮】ピエトロ・リッツォ

【美術】ハラルド・トアー
【衣裳】ターニャ・ホフマン
【照明】シュテファン・ボリガー

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新国立劇場のヴェルディ「リゴレット」を聴いた。
演出はアンドレアス・クリーゲンブルク。
ホテルの中という設定のようで、両脇にバーが設置されており、回り舞台がホテルの各階の部屋、廊下、階段を見せる。

マントヴァ公爵は放蕩の限りを尽くし、道化リゴレットの娘ジルダへも単なる遊びの一人として声をかけ、廷臣たちのジルダ誘拐により、公爵に汚されつつも、彼への愛情を捨てきれないジルダは、公爵の代わりにリゴレットが復讐のために依頼した殺し屋の犠牲になるというのが、おおまかな筋。

悲しい心情を隠して道化を演じるリゴレットは、そのわりには極端に悪態をつき、言葉で攻撃する。
一方のジルダはリゴレットの愛を受けるがゆえに、教会に行く以外には外出を禁じられるが、その教会で出会った公爵にいちずな恋愛感情を抱き、だまされてもなお、彼のために自らの命を犠牲にする。
マントヴァ公爵は女性をとっかえひっかえ変えて、単なる遊びとしか見ない。

このオペラもフィクションだからと言われればそれまでだが、私はどの登場人物にもあまり感情移入できない。
だが、人間の飽くなき欲望だとか、恋愛で駄目になっていく様を描くのがドラマにしやすいのだろうから、これはこれでよいのだろう(もちろん当時の政治状勢が反映されているのだろうが)。
原作はヴィクトル・ユゴー。
ヴェルディの音楽もドラマティックで美しい。
昔CMで使われていたのは、このオペラだったのかと知った(2幕冒頭の公爵のアリア"Ella mi fu rapita!")。

今回の演出では、マントヴァ公爵の犠牲になったであろう複数の女性たちが下着姿のままホテル内をうろつき、仕舞にはそのうちの一人が舞台上の回転椅子の上に座らされ、公爵や廷臣たちに弄ばれる。
公爵の軽薄さを描こうとしたのだろう。

今回の歌手は主役3人を海外から招き、ほかは日本人キャストで固めた。
まずはリゴレット役のマルコ・ヴラトーニャが良かった。
長身で細身なので、見た目はリゴレットのイメージとはちょっと違うが、何よりも歌が素晴らしい。
朗々とリゴレットの悲哀を歌い上げ、見事だったと思う。
次いでジルダのエレナ・ゴルシュノヴァがけなげで可憐な役にぴったりはまっていた。
最初は硬かったが、次第に良くなってきた。
マントヴァ公爵のウーキュン・キムは、あまり女ったらしには見えないが、声自体はいいものをもっているし、歌唱もほぼ決まっていた(「女心の歌」の高音がかすれたのは惜しかったが)。
スパラフチーレの妻屋秀和は相変わらず安定した上手さだった。随分痩せたのではないだろうか。
マッダレーナの山下牧子も複雑な心情をよく表現していたと思う。

ピエトロ・リッツォ指揮の東京フィルも破綻なく美しく演奏していたと思う。

読み替え演出には賛否両論あっていいと思うが、私はあまり複雑すぎなければ楽しくていいと思う。
4階席からはどうしても細かいところは見えないので、なんだか分からない舞台だと困ってしまうけれど。

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コメント

フランツさん、こんにちは。

オペラを観に行かれたのですね。
なかなか斬新な演出だったのようですね。
しばらく見ないうちに、日本のオペラ界も、世界のオペラ界も世代交代している感じですね。

病気になって以来、なかなかコンサート会場にも行けなくなってしまいましたので、レポートを楽しく拝見しています。
一度、とびっきりゴージャスな(キャストも、舞台装置も)引越し公演を観に行きたいなあと思っています。
リートとまた違った魅力があるオペラ、楽しいですね。

投稿: 真子 | 2013年10月22日 (火曜日) 17時53分

真子さん、こんばんは。
お体、お大事になさってくださいね。
私はオペラを見に行くようになってまだ数年しか経っていないので、まだまだ初心者なのですが、ストーリーや主なアリアをある程度予習して劇場に出かけると、いつもなんらかの感動を受けて帰宅します。
非日常の世界に数時間ひたるということは、こんなにもわくわくするものなのかと、毎回実感しています。
私の感想文はつたない内容ではありますが、真子さんのように喜んでいただけるのはうれしく思いますし、励みにもなっています。
ゴージャスな引越し公演、私も憧れます。
今は天井桟敷席ばかりですが、様々なオペラに今後も触れていけたらと思っています。
リートもオペラもそれぞれ異なる良さがありますね。

投稿: フランツ | 2013年10月22日 (火曜日) 22時19分

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