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岡田博美/《イベリア》全曲を弾く(2013年5月24日 トッパンホール)

岡田博美(ピアノ)《イベリア》全曲を弾く
2013年5月24日(金)19:00 トッパンホール(H列4番)

岡田博美(Hiromi Okada)(piano)

アルベニス(Albéniz)/《イベリア(Iberia 12 nouvelles impressions pour piano)》

第1集
 エボカシオン
 エル・プエルト(港)
 セビーリャの聖体祭

第2集
 ロンデーニャ
 アルメリーア
 トゥリアーナ

~休憩~

第3集
 エル・アルバイシン
 エル・ポロ
 ラバピエース

第4集
 マラガ
 ヘレス
 エリターニャ

~アンコール~

アルベニス(岡田博美:補筆)/ナバーラ
アルベニス/「スペインOp.165」より「タンゴ ニ長調」

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岡田博美の演奏するアルベニス「イベリア」全曲を聴いた。
第3集はかつて彼のリサイタルで聴き、その時にロビーで販売されていた全曲CDにサインをいただいたこともあったが、こうして実際に全曲を生で聴ける日が来るとは思わなかった。

岡田博美はいつも通り、ひょうひょうとしたステージマナーでなんでもないような表情で演奏をする。
そのテクニックは相変わらず素晴らしく、細長い指が丸まったり反り返ったり、あたかもタコ足のように縦横無尽に動き回る。

テンポの揺らし方や音の表情の付け方が以前聴いた時よりも濃密になっていたように感じられた。
つまり、作品への踏み込みがより深まっていたということではないだろうか。
曲を弾き進めるうちに乗りがよくなっていき、最後の「エリターニャ」など本当にスペインの華やかな色合いや香りがそのまま会場を満たしているかのような素晴らしさだった。
私が特に好きなのは第3集の「エル・アルバイシン」だが、この曲のとつとつとしたリズムからギターのつまびきのような和音を経て、情熱的に盛り上がっていく様などわくわくする演奏だった。
全曲を演奏するだけでも大変な仕事だろうが、そのどれをとっても血肉となった自発的な表現が生き生きと奏でられ、作品の魅力を最大限に感じさせてくれた。

アンコールの「ナバーラ」は以前のリサイタルではセヴラックの補筆版で演奏されたと記憶するが、今回演奏前に岡田さん自身のコメントがあり、「セヴラックの補筆は消極的で盛り上がりに欠けるので、私が補筆したものを演奏します」と話された。
これは自身の出来に余程の自信がないと言えない言葉であり、自分を追い詰めてまでも作品に深く入っていこうとする姿勢はすごいと思った。
私はセヴラック版との比較を聴きとれるほどこの曲を聴きこんでいない為、違いを感じ取ることは残念ながら出来なかった。
ラストの有名な「タンゴ」でお開きとなり、最後にいたるまで素敵なアルベニスの夕べであった。

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